2011年9月30日金曜日

Vol.447 薔薇 -6-31



神山や女達も露天風呂で2回づつ昇天し疲れ果てた
あいにくの天気で髪の毛が雨に濡れてしまったのでシャンプーをした
神山が先に上がって座卓についていると女たちは化粧も落として
バスタオルを蒔いただけの格好で上がってきたが頭には同じ様に
タオルを巻いていてどちらが亜矢子か洋子か分りづらかった
二人も同じ格好で相手を見てみると鏡を見ているみたいで驚いた
神山が
「双子みたいだ 分らないよ」
洋子がわざと
「私は 亜矢子だけど分る」
「えっ 亜矢子? 声が洋子だよ また」
「ふふふ やっぱり声でわかっちゃうか」 
「それは分るさ しかしそうやってタオルを巻いていると分らないね」

神山は冷蔵庫からビールを出してみんなで呑んでいると夕食の時間になり
「では レストランに行こう 今日は特別料理が出るらしい」
「何かしら 楽しみね」
3人は1階のレストランに着くとカウンターの女性が席を案内してくれた
席につく時に女同士が一緒に座って神山と対面した格好になった
神山はウエイトレスにビールを注文するとビールと先付けが直ぐに 
用意され説明されたが神山はちんぷんかんぷんだった 神山が
「では 乾杯」
女性軍も元気よくグラスをぶつけ合っていた
前菜や吸い物を食べ終り刺身が出てきたところで神山はワインを注文すると
このホテルのお勧めで最高級のワインだといって置いていった
神山がワインをグラスに注ぎ改めて乾杯をした
下駄に盛り付けられた切り身と生き造りの船盛りの2品目が出てきた
「わぁ~ まだ動いているわ このお髭」
洋子が生きている伊勢えびの髭を触るとぴくぴく動かしていた
亜矢子も美味しいと言って洋子と明るく話しながら食べた
神山は
「周りがあるから少し静かに食べようよ ねっ」
はい と言って少しは静かになったが何しろ楽しそうだった
神山はこちらを観ている2人の男の目線を感じていた
そのテーブルは連れがいて 若かったが直ぐに夜の女と分るほど
キツイ化粧をしていた 静かと言うより暗い感じで食事をしていた
同じペースで出される料理だったが 特別料理がなかったので
スタンダードプランを選んだ客でこちらが楽しく美味しい物を
食べているので僻んでいるのだろうと思った
焼き物が出て来た時にはワインボトルが空いていたので
もう一本追加をし金額を聞いてみると二万円だと答えた 亜矢子が
「相場ですね ここのホテルって そんなに高くないわよ」
「美味しいけれど 食べきれるかしら」
また 女性軍は話し出し神山が注意した
牛肉も美味しかったがソースも美味しく3人はぺろりと平らげてしまった
よく食べて 楽しくおしゃべりしていると
ワインのボトルも空いてフルーツを食べた
女性軍はやはり甘い物は大好物と見えておなかが一杯でも綺麗に食べた

受付で伝票にサインをすると先ほどの4人も付いて来て
自販機がおいてあるところでビールを買おうとした時に
その4人組も一緒に入ってきて神山にいちゃもんを付けた
「おい 若いの静かに食べているのにうるせな ぎゃあぎゃあと
こちらは 4人ともまともに咽に通らなかったんだ
どうしてくれる 連れも楽しくないって不味くなったじゃねえか
えっ 若いの少しだせよ 口直しするからよ」
神山はこの男は虚勢を張っていると見抜いて
「お金もないし何もない」
「ばかやろー ワインなんか追加しただろ え~ だせよ」
神山がニコニコしていると 洋子と亜矢子は
手を胸にあて抱き合って見ているしかなかった 
その時男が殴りかかってきた瞬間 神山は体を反らしてかわすと
今度は別のところを狙ってきたので腰を引いてかわした
「この野郎 しゃれた真似するんじゃねえ」
今度は神山の思うところにパンチが来たので柔道の一本背負いを決めた
男は3mくらい飛ばされ もう一人が心配になり助けに入った 男が
「悪かった 済みませんでした この通りです」
その場で土下座をして神山と女性達に謝った
神山は洋子の作った東都食品の資料に恐喝騒ぎが有ったのを思い出し
「君たちは東都食品だろ 社長に知れても良いのか
分っていたよ最初から どうする」
今度は神山が責める番になった
「仰られるように 東都食品の者です 済みませんでした
なんでもしますから会社だけには知らせないで下さい」





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2011年9月29日木曜日

Vol.446 薔薇 -6-31



「ねぇ 洋子さん 最初に頂くわ」
「ええ どうぞ」
そう洋子に断って亜矢子は神山に跨って肉棒を秘所に挿入した
「あっ あっ きもちいいわ 洋子さんも跨ったら」
洋子は言われて神山の口の所に秘所が当たる様に跨り腰を前後に動かした
神山は洋子の秘所を指と唇で攻めると
「あっ うっ うっ~ きもちいい~ あっ あっ」
亜矢子もその声を聞いて腰の動きを早くしたり回転させたり変化をつけた
二人の喘ぎ声もだんだんと大きくなり顔を紅潮させていった
洋子が前のめりなり亜矢子の乳首を愛撫し亜矢子も洋子の乳首を
愛撫していると亜矢子が
「ねぇ いきそう 洋子さん かわろう」
そう言い二人は体を入れ替えた 
亜矢子が神山の口に秘所が当たる様に腰を落としてきて 
洋子が神山の肉棒を挿入し腰を動かし始めた 洋子が
「ふぁ~ 気持ちいい ふぁ~ あっ うっ うっ~ 」
「あっ あっ うっ うっ~ わたしもよ いきそう」
洋子が
「ねぇ 亜矢子さん いっしょにいきましょ あっ あっ 」
「そ・う・ね あっ あっ だめ いくわ」
「わたしも いくわ あっ あっ 」
亜矢子は神山の口にねばった体液を大量に溢れさせ昇天してしまった
洋子は亜矢子が昇天した時に膣がキューンとちじまり昇天してしまった
「はぁ はぁ きもちよかったわ」
「ええ はぁ はぁ わたしもよ はぁ」
神山はまだ元気を保っていたので
「さあ 四つんばいになって」
二人を四つんばいにさせ洋子と亜矢子の秘所に肉棒を挿入し
激しくつつくと
「あつっ あうぅ あぅ~ いいわ また いきそう」
神山は直ぐに抜いて別の秘所につついた
同じ事を繰り返していると
亜矢子が 
「お願いだから いかせて お願いします」
神山は洋子から抜くと亜矢子を徹底的に攻め立てた
「あっ あっ うっ い いいわ いく」
スピードを速めると
「うっ~ あつっ あうぅ いく あっ あっ」
亜矢子が昇天して体をうつ伏せにしてしてしまった
神山は腰を振って待っている洋子に肉棒を突き刺さすと 
「あっ あっ うっ うっ~ いいわ」
隣りに横たわっている亜矢子が洋子の乳首を愛撫すると
「うっ うっ~ あつっ あうぅ いいわ いくわ」
神山が洋子の腰を持ち動かし奥までつつくと
「あつっ あうぅ あぅ~ ねぇ きて いく ねぇ きて」
「でるぞ うっ」
洋子の膣が狭まった時に神山は発射してしまった
「あっ きた いく あっ」  
洋子も昇天してしまった
神山を真中にして3人はうつ伏せで暫く動けなかった
先に回復した亜矢子が
「洋子さん 良かった?」
「ええ 3人だと又違うわね 良かったわよ」

二人はさっぱりして
「ねえ 露天風呂に入りましょうよ」
「ええ 入りましょう 神山さんも一緒に入りましょ」
「ありがとう 入ろう」
3人で露天風呂に入って亜矢子が
「このおちんちんは二人だけで独占しましょうね 洋子さん」
亜矢子も洋子も神山のおちんちんを優しく触りながら言って
「もし私達以外の女性と交わったらどうしよう」
「大丈夫よ洋子さん 私たちが毎日入っていればそんな気にならないわよ」
「そうね だけど可愛いわ それがあんなに大きくなるなんて」
「ええ 以前使っていたこけしより全然良いわ」
「亜矢子さん こけしってなんですか」
亜矢子は洋子に分りやすく教えてあげると洋子は真っ赤な顔になって
「そんな わたし神山さんだけでいいわ」
二人は神山のおちんちんをこけしに見立てて使い方などを話していると
神山はどんどん大きくしていって肉棒になった
亜矢子と洋子は神山を露天風呂からだして3人でSEXを楽しんだ 
洋子が肉棒を咥えていると亜矢子が洋子のクリトリスを愛撫したり
亜矢子の秘所が肉棒を捕らえると洋子が神山の肉棒を愛撫したりと
女同士の連携が取れていた






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2011年9月28日水曜日

Vol.445 薔薇 -6-31



神山は何も言えずに一人でビールを呑んだ
ビールを呑み終わっても誰も気が付いてくれなかったので
仕方なく部屋の直ぐ外にある露天風呂を見てみると
湯気が立ち上っていて ゆっくりと入りたくなり
「では 失礼して先に入ります」
と 言っても
「はい どうぞ」
と 完全に無視された状態だった
試しに彼女達の前で脱ぎ始めたが何も言われずショックを受けた
洋子と亜矢子はベッドの脇にある和室の座卓でお茶を飲みながら
楽しそうに話し込んでいた
神山は早く一緒に入りたくて振り返るがにこにこ手を振り
露天風呂に入ってくる様子は全然なかった
神山は完全に無視された事に少しカチンと来てそのままの格好で
冷蔵庫から日本酒を出して湯船で呑んでいた
神山はわざと日本酒を全部呑んだ所で首を前にたらし動かなかった
暫くすると陽気に話していた彼女達が神山の異変に気がつき
「ねぇ 可笑しいわ」
「そうね どうしたのかしら」
不安になって神山のところによって肩を叩いたが返事がないので
二人は濡れても良いように浴衣に着替えて神山を抱き起こし
体を拭いて布団にうつ伏せに寝かせた
「どうしたのかしら 急に」
「多分 運転の疲れかしら 結構飛ばしたから」
神山の体を仰向けにした時だった
「ふぁ~ やだ 大きくしている 亜矢子さん」
「こら 起きなさい こんなに大きくしてもう 二人で心配したんだから」
神山が黙っていると
「まだ 仮病使っているわ もう相手にするの辞めましょう」

そう言い又 二人で座卓でおしゃべりを始めた
神山は完全に仲間に入れなくなり孤独な時間を裸で味わった
そうしている間に先ほどの日本酒が廻ってきたのか本当に寝てしまった
洋子は寝息が聞こえたので布団を掛けてまたおしゃべりをした
亜矢子の辛かった高校時代とか洋子の辛かった事など
二人の共通点が話を盛上げた
話が一段落したところで亜矢子が
「洋子さん 露天風呂に入りましょうか」
「ええ そうしましょう」
ふたりは浴衣を脱いで露天風呂に入ると水平線の向こうが明るくなり
太陽の木漏れ日が差し込んできた
湯船から見ていた二人が 
「ふぁ~ 綺麗 凄いわ」
少しの間見とれていた
亜矢子が
「ねぇ洋子さん ビール持って来ようかしら」
「ええ お願いします」
二人は湯船に浸かりビールを呑みながら
目の前で繰り広げられている 自然のパノラマショーに見入っていた
雲が太陽を隠してしまうと洋子が
「私 もうでるわ」
「ええ 出ましょうか」

二人はバスタオルを体に巻きつけて部屋に戻ると
「ねぇ 本当に寝ているのかしら」
「そうよね 美女を置いてきぼりにして」
「ちょっと 触ってみようかしら」
「まあ そんな 亜矢子さん」
「大丈夫よ 見ていて」
亜矢子は神山のおちんちんを手で優しく上下に動かし始めた
洋子は普段自分で行っている事なのになにかドキドキして
亜矢子の脇に座ったまま動けなくなった
少しづつ大きくなると
「ねぇ 大きくなったでしょ はい 洋子さん」
亜矢子が洋子の手を引っ張り二人でおちんちんを触り始めた
洋子はこれで魔法が解けたように亜矢子よりしっかりと握った
神山は下半身が気持ち良くなって来て目を覚ました
「ふぁ~ なに 2人で」
「ふふふ 気持ち良いでしょ」
亜矢子が神山の大きく硬くなった肉棒を咥えると洋子の手の動きが
早くなって二人のタイミングが合って来た
二人ともバスタオルを脱ぎ捨てて亜矢子は洋子の乳首を
洋子は亜矢子の乳首を優しく時々きつく触り始めた
亜矢子は我慢できなくなり空いている手で自分の秘所を触り始め






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2011年9月27日火曜日

Vol.444 薔薇 -6-31



「ごめんなさい 心配させて 向こうが悪いんだ こちらを全然
見ていなかったもん ごめん」
そう言って神山は直ぐにその小型車に追いつくと
後ろを良く見ろと手で合図をして追い越した
「でも 考えてみると あなたが言ったように悪いのは向こうね
しかし 3回転して立ち直ったのは凄い腕ね」
「うん 初めてだったよ 今までは2回転が最高だったかな」
「うん 普通の人だったら廻っている間に気絶ね」
「そうだね それでがしゃん だろ」
神山は雨にもかかわらず直線では200kmだし
「洋子 200出たぞ まだ踏み込みがある いいね」
「ほんと 全然平気ね ワイパーもしっかりしているしね」
「うん 視界が広くて気分が良いね タイヤも吸い付いているよ」
小田原で有料道路に入ってもスピードは落ちなかった
熱海に付いたのは約束の15分前だった
神山が熱海駅の周りを行ったり来たりしてレンターカーを
見つけると洋子が
「どうして レンタカーなの」
「うん 訳ありさ」
そう言い レンタカーを選んでいると貴婦人の4人乗りが
空車で有ったので割高だったが明日まで借りた
神山は自分の車に乗って洋子はそのレンタカーで追い駆け
先日利用したホテルの地下駐車場へ車をとめた
レンタカーで熱海駅に行くと 神山は携帯電話で亜矢子に
「神山ですが」
「私です 今 改札口を出ました」
「了解です 今すぐに行きます」
洋子が何かを言ったが聞こえなかった
駅前ロータリーに行くと亜矢子が待っていた 洋子が驚いて
「ふぁ~ 亜矢子さんと一緒だったの 教えてくれれば良いのに」
ドアを開けて亜矢子が
「まあ 洋子さんが一緒 楽しいわね」
洋子と亜矢子は車の外で話をし始めた 神山が
「ねえ ここはタクシーが来るから 後ろに入って 早くお願いします」
二人の女性は後ろに乗ると話を続けていた
神山は何も言わずに今日泊まる 伊豆多賀ホテル多賀をめざし運転した
時々バックミラーで二人の様子を確認するが双子の姉妹が
楽しくおしゃべりを楽しんでいるようだった
神山は右の山道に入って134号線から外れると高度を稼いだ
暫く走ると眼下に大海原が見えるところについた 2人は
「ふぁ~ 素敵なところ ねぇ 洋子さん」
「ええ いいわね 雨が降っていても素敵」
車の中から景色を楽しんだ 
神山は尾根伝いに走ると 右手に富士山がうっすらと見えてきて
後ろの女性達ははしゃいでいた
神山は途中の売店で一旦車を止めて
「どう 雨でも素敵でしょ」
そう言い2人にビールを買って渡した
「ええ ドライバーがしっかりしているから安心よ ねぇ亜矢子さん」
「ええ 楽しいわ 洋子さんと一緒だと」
神山は少し休憩をした後 目的の伊豆多賀 ホテル多賀まで走った

大雨で景色がよくなく少しがっかりしている神山だったが
「いらっしゃいませ 大雨のなかお越し頂きましてありがとうございます」
フロント嬢のにこやかな顔を見て元気が出てきた
宿泊手続きを終えるとフロント嬢が手押し車で部屋まで案内してくれた
部屋に入ると 眼下に相模湾が見えて
「ふぁ~素敵なお部屋 亜矢子さんこっちに来て」
「ほんと 雨でなっかたもっと素敵でしょうね」
「ええ でも なんか風情があって好きですよ」
「あのなんとも言えない水平線の所に別な世界が有るみたいね」 
「ええ 素敵だわ」
二人が満足してくれて良かったと神山は思っていた
フロント嬢が
「お食事はこのお部屋で頂く事が出来ますが どうされますか」
「ええ そうしようかな」
神山が答えると亜矢子が
「レストランで頂くわ ねぇ洋子さん」
「ええ その方が美味しいし レストランでお願いします」
フロント嬢が18時に用意をするといって出て行くと
神山は冷蔵庫からビールを出して2人にわたし
「では お疲れ様でした え~ これから仲良くしましょう」
「仲良くしないのは貴方でしょ ねぇ亜矢子さん」
「そうそう 私が言わなかったら こうなっていないでしょ」





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2011年9月26日月曜日

Vol.443 薔薇 -6-31



「わかった そうしたら 築地か上原か どうする」
「そうですね どちらに趣をおくかですね 佇まいなどだと
築地 新鮮さと美味しさだったら上原だと思います」
「洋子が初めて外国に言った時だったら 美味しい方かな」
「ええ 美味しくて楽しい所がいいですね」
「よし 上原にしよう そろそろ営業しているから予約をお願いします
大事なお客さんだと付け加えて」
洋子は頷いて上原駅前寿司に予約を入れた
何時もの女将が愛想よく返事をしてくれた

神山が時計を見ると12時になっていたので洋子に
「どこに行く お昼?」
「今夜はお魚でしょ」
「うん」
「そうしたら お肉がいいな」
「そうしたら しゃぶしゃぶにしよう」 
「ふぁ~ うれしいわ」 
神山と洋子は先日行ったしゃぶしゃぶに行った
ランチタイムになると銀座オフィスのサラーリーマンが
我先にと安くて美味しいお店に集まってくる
今日も満員だったがたまたまカウンターが空いていたので
待つ事無く座る事が出来た
ランチタイムはメニューが一つしかないが追加の牛肉は
色々とランクがあり選ぶ事が出来た
神山と洋子はブースの夢を話しながら美味しいしゃぶしゃぶを食べた
時々
「次長おめでとうございます」
と 声を掛けられビックリしていたが余り知らない人間ばかりだった
「やっぱり ここらでは有名ね スターじゃない 完全に」
「うん 若い女の子だったら気分も良いけどね 男じゃね」
「そうよね わかいお・ん・な・の・こ・ね」
「おいおい 変な意味じゃないよ 誤解をしないでくれ」 
「私はどうなるの? ねえ」
「、、、ごめんなさい」
「ば~か 私が居るのに そんなこと言うなんて もう」
神山と洋子は笑いながらコースを食べ終わり次長室に戻った
「洋子ちゃん 30分寝かしてくれ 頼んだよ」
「は~い 分りました 私も寝ますね」
「大丈夫なのかな」
「ええ 携帯で起きますよ」
神山と洋子はソファーでお互いが顔が見えるように横になった
洋子はにこにこして神山の顔を見ていてなかなか目を瞑らなかった
神山はだんだんと睡魔が襲ってきて目を瞑ってしまった

携帯電話の目覚ましがけたたましく鳴って
「あ~ 良く寝た」
神山があくびをしながら起き上がると洋子は直ぐにコーヒーを作り
「すっきりしましたか?」
「うん 大丈夫だよ よし コーヒー飲んだら出るよ」
「は~い 分りました それで明日はここに戻ってホテルに行かれますか」
「うん アルコールが入るから不味いだろう
しかし 秘書課は知らせないで欲しい」
「はい ではこれから外出先不明 明日は12時のオートモで
秘書課に連絡をしておきます」
「うん お願いします」
洋子が秘書課に連絡し終わると洋子が
「軍資金はどうですか」
「うん 一応財布は50入っているけど」
「私 も50もって行きます」
「うん 頼んだよ」
二人が部屋を出た時には雨が本降りになっていた
神山と洋子は駆け足でホテルの地下駐車場へ走り貴婦人に乗った
スイッチを入れると気持ちのいいエンジン音が地下駐車場に響き渡った
神山はこれが6気筒のサウンドだと感じ発進させた
雨の中でもワイパーはしっかり水滴を落とし視界は良好だった
ガスが心配だったので高速に入る前に満タンし上がった
路面が不安定な事もあって首都高では余り追い越しは出来なかたっが
東名に入ると神山の運転が始まった
「ねぇ 少し落として 怖いわ」
「大丈夫だよ 見ていて ほら ねぇ」 
神山はどんどんスピードを上げていったが横浜を過ぎたところで
小型車を追い越そうと思った時に小型車が右に出てきて
神山の車は行き場所がなくスピンをさせて 左に停車させた
「もう 怖かった もう 乱暴なんだから」






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2011年9月25日日曜日

Vol.442 薔薇 -6-31



「うん どうしたの」 
「ええ ボストンを代々木に置きっ放しだった事を思い出して
取りに行っていたんです」
「電話くれないと 心配するよ」
「はい 気を付けます」
「だけど いつも僕よりてきぱきとするのに」
「ええ ボストンの中に下着を入れっ放しだったんです
それを洗濯したら やはりゴルフのシャツも洗いたくなって
すみません 洗濯機とにらめっこしていました」
神山は笑い出してしまった
「4日間もそのままだと 結構いい香りになっていたでしょ」
「もう しらない」
神山は洋子をソファーに呼んで昨夜と今朝書いたラフスケッチを見せた
洋子は始めてみるのでよく分らなかったが 説明を聞くと納得して
「素敵ね 遊園地の感覚ね いいわ 女の子だったら
何回も行きたくなるわ 勿論私もよ」
「そうか 骨格は大体こんな感じなんだ 後はどうやって
味付けなり既成概念を破ったデザインが出来るかなんだ
やはり 子供と大人が楽しめるテーマパークの雰囲気を
大切にしたいと思っているんだけどね まあこれをたたき台にして
いいデザインが出てくる事を祈っています」
「そうね みんな500万円返金があるから真剣でしょ」
「うん しかし昨夜考えたけど 良かったのかなって
もっと自由にやってもらったほうが良かったのかなって」
「それもそうだと思うけど ある程度決まったテーマが有るのだから
あの方法もOKだと思いますよ」
「そうか ありがとう それから 先日の東都食品だけど
色々とスキャンダルを起こした部署とそこの売上を簡単で良いので
纏めておいて下さい 今日でなくてもOKです」
「そうすると東都食品にも入り込むんですか」
「いや難しい そこまでは出来ないが 鈴や食品とくっつけようと
思っている 鈴や食品の傘下って事です」
「へぇ~ 鈴や食品のさ・ん・か ですか」
「そう なに驚いているの 昨日見たでしょ 何もしていないよ」
「ええ しかし すごいです あ~あ素晴らしいわ」
「おいおい まだ決まった訳じゃないよ そんな」
「でも あなたが話すと出来ちゃうんだから」
「出来ない事もあるさ」
「いいえ 貴方は何でも出来る」
「赤ちゃん 産めないよ」
洋子は顔を真っ赤にしながら
「ば~か 知らない 誉めてたのに 軽蔑するわ もう」
神山はソファーから立ち上がり次長席で御殿場アウトレットの
ラフスケッチをどんどんと書いていった
スタッフが20日に帰ってくるまでにたたき台を
いくつか用意しておくつもりだった
神山は洋子に
「洋子 昨日アレックスブースの話をアレックス氏と話した事は
知っているよね」
「ええ 覚えています F-1を持ってくると言っていました件ですね」
「うん そこで F-1以外に何を集められるか リストが欲しい
アレックス氏が声を掛ければOKはAランク 要相談でOKはBランク
非常に難しいけど50、50の確立はCランクで出して頂けると
整理がしやすいし戦略が立てやすいって伝えてくれる 
アレックス氏は洋子のファンだから何でも聞くよ
オートモの2011号室に宿泊しているよ お願いします」
洋子が電話をすると 部屋にいて話す事が出来 神山の話を伝えると
アメリカに帰ってからFAXすると返事を貰った 洋子はここの
FAX番号と秘書課のFAX番号を伝えた 夫人に代わり
今夜時間があれば一緒に食事をしようと誘われたが神山とデートで
駄目だというと独り占めしないでほしいと残念がっていた
2日のパーティの後は空いていると伝えると多分夕方まで仕事なので
その後になる 洋子の携帯に電話をして待ち合わせする事に決まった
洋子が神山に
「アレックス氏の件はOKです アメリカに帰ってからFAXをすると
約束してくれました あとご夫人からリクエストで今夜誘われたんですが
神山とデートだからだめよと 答えたら独り占めしないでと それで
2日の夜に食事会です お願いします」
「うん ありがとう FAXは分ったけど あの二人を何処に
連れて行くかだね そうだ洋子 悪いけど お魚やお寿司は
大丈夫なのかな聞いてくれる?」
「はい 分りました」
洋子はもう一度ホテルオートモのアレックス氏に電話をして
夫人と話すと 大変好物で楽しみにしていると答えてくれた





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2011年9月24日土曜日

Vol.441 薔薇 -6-31



5月1日 金曜日 小雨
祥子が神山を何回も起こしているがなかなか起きないので
目覚まし時計を鳴らすと
「やあ おはよう 早いね」
「そう? もう7時30分よ 起きてください」
「そうか よく寝たな あ~あ このベットで起きるの久しぶりだな」
「ごめんなさい 今度 毎日ここで起きてね」
「まあ 毎日は無理としても出来る限りだね そのうちここへ
帰れない日もあるだろうし」
「そうね さあ早く起きてきて ご飯の準備が出来ました」
今朝はベーコンエッグとサラダ トーストといった簡単な物だった
祥子はここ2,3日買い物に行けなかったのでこれが精一杯の料理だった
「美味しそうだ 祥子 ビールが良いね これには」
祥子は冷蔵庫からビールを出して神山と自分のグラスに注いだ
「では 頂きます」
「ねえ 上原のブティックなんだけど」
「うん」
「今 ようやくアンケートを取れるようになったの そうしたら
お客さまの住所を調べると都内23区より 周りのお客様が多いの」
「いいことじゃないか」
「神奈川でも横浜や小田原といった遠いところから来て下さっているわ
あと大宮とか千葉とか 段々と輪が大きくなっているなって」
「うん どんどん広がればそれだけ顧客の数は確実に増えるからね」
「そうね 面白い現象で田所さんのスーツ 18万のが銀座では
月に1着程度なのにもう5着も売れてのよ なにか分らないわね」
「月に1着ペースが日に1着か これは銀座を見直さないと
いけない時期に来ているか 銀座の顧客が変化しているかだろう
そうすると 銀座で高くて売れなそうな商品がある程度
売れているということかな」
「ええ そうね 何故売れないのかなと言うのがちゃんと売れているわ」
「そうすると 顧客の購買意識に変化が起きている訳だ ★
いい事おしえてくれた ありがとう」
「だとすると 銀座のお店全体が安物売りをしているとか安物を
探しに来る人が多いとかに変ってきている訳」
「うん 断言は出来ないけど 可能性は高いね」
「やはり 企業イメージをあげていかなければいけないわよね」
「うん 難しいけど そうかな」
二人は楽しく朝食を食べた祥子が
「私 暫く休みを取っていなかったから 5、6日と連休を頂きました
だから4日の月曜日仕事が終ったら名古屋へ帰ります」
「そうすると 6日の水曜日に帰ってくるんだ」
「ええ 向こうでご飯は食べてきます だから遅くなるわ」
「うん わかった 暫く友子ちゃんに会っていないから喜ぶよ」
「ええ そうね」  
神山と祥子は綺麗に食べて後片付けを終ると
「今日は何処に行くの」
「ええ 青山の本社に出勤して銀座に行って分らないわ」
「浜野君はどう?」
「ええ だんだんと慣れてきたわ 安田さんもしっかり覚えているし
そうでないと私が困るけど」
「うん 良かったじゃないか」
神山は出掛ける仕度をするので祥子の部屋を出た

ボストンバックに着替えなどを詰め込み祥子の部屋をノックした
二人はエレベーターが上がってくるまでキスをした
上原のブティック前を前にした時
「工事中は大丈夫かしらと思っていたの 安心したわ」
今日は傘を差しているので腕を組めないが祥子はニコニコしていた
地下鉄で銀座へ向った 改札を出るとオフィスに向うサラリーマンで
溢れかえり冷房が効いていないこの時期はむっとした
部屋に着くと洋子が来ていなかったので コーヒーを自分で作ると
いい香りが部屋中に充満した
神山は今夜宿泊するホテルを内藤社長から貰った宿泊無料チケットで探し
伊豆多賀にホテル多賀という露天風呂がついている部屋が
有り 電話をし確認すると空き部屋があり大人3名で予約した
チケットの番号を確認すると全て無料で特別料理がついていて
ワインも1本無料で付いて来る 部屋はベッドと和式 
利用可能と案内され 細かい事を2,3確認して電話を切った
タバコを吹かしながら ソファーで昨夜書いた御殿場アウトレットの
スケッチを見直していた 段々とイメージが湧いてきて
ラフスケッチを何枚も書いていった
神山は一段落したので時計を見ると10時30分になっていた
洋子からの連絡がないので電話をしようとした時に部屋に入ってきた

「ごめんなさい 遅くなりました」





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2011年9月23日金曜日

Vol.440 薔薇 -5-30



神山はアレックスジャパンはやる気を出してきたかと感じたが
あえて指示を出さないで行動を慎むようにと
指示した内容のFAXをアレックスJrに送った
神山は御殿場アウトレット各ブースの大枠な位置付けや簡単な
デザインを考えスケッチを何枚も書いた
アレックスブース、ニーナ・ニーナブース、鈴や食品ブースと
書き上げていくが方向性が決まらなかった
3つのブースに共通性を持たせない方向だと何とか考えられたが
食品とファッションの優遇性をどこのレベルで考えるかで
全然デザインが変ってきた
神山は時間がない事で集中したがそれでも迷路にはまり込んだ

タバコを吹かしていると祥子から電話があった
「こんばんわ 私です」
「うん」
「今帰るとこです」
「うん こちらは仕事です」
「今 どこ?」
「上原の部屋だよ」
「行っていい?」
「うん 構わないよ 待ってます 少しおなかすいたから そこの
コンビニでおつまみ買ってきてくれる」
「は~い 分りました」
神山は時計を見ると23時を過ぎていた 両手を頭の後ろで組んで
一息していると祥子がやってきた
「ほんとよかったの? これでいいのかしら」
「うん ありがとう」
そう言って立ち上がると冷蔵庫からビールを出して祥子に渡し
「今 御殿場アウトレットの方向性や位置付けを考えていたのさ
少し迷路に入り込んでいたから来て貰って助かったよ」
「大変ね こんな時間まで」
「うん まあ ここの勝負でしょ だから24時間関係なく
仕事が出来る訳ですね」
「ねえ 今夜は遅くまで掛かるの」
神山はおつまみを食べながら
「う~ん 辞めるわ 今日は」
「そうしたら 私の部屋で呑みましょ」 
「うん そうだね」
神山はつまみを持って祥子の部屋に移動した
祥子が着替えてソファーにおつまみやビールをセットした
「ねぇ バーボンにする?」
「うん そうしよう」
祥子はバーボンのボトルを棚から取り出してテーブルに置いた
「祥子のお陰で助かっているよ」
「よかったわ 今日の昇進に乾杯」
神山と祥子は久しぶりにグラスを合わせ乾杯した
「ねえ まだ怒っている?」
「う~ん 今日も遅いしね 少しはね」
「うん そうね ごめんなさい」
「僕は今後 分らないよ 今日のようにここで仕事をしたり
次長室で仕事をしたり これからGプロジェクトが出来るから
よけいここに帰ってくる時間は分らなくなる それに会わせたように
祥子が遅ければすれ違いが起きるよね」
「そうね 私が何があっても早い時間にここに帰ってきて貴方を待つわけね」
「う~ん どうだろう 祥子だって縛られるのは嫌だろ」
「、、、」
「だったらこのようにピンポイントで会うしかないと思うよ」
「私 思うの 寂しいの だから今日みたいに外で食べるの」
「う~ん それと僕を待つとは違うと思うよ
本気で寂しかったら 何があっても待つんじゃない」
「そうかもしれないわね でも貴方が居ない時間を一人で待つのは辛いわ」
「それはお互い様じゃないかな お互いに仕事だもんね
立場を逆にしても同じでしょ ただ先日も言ったように
その場でごたごたしないようにするのがベターで 結局僕は
ずーっと待っていた訳でしょ その無駄を省けば時間は作れるでしょ」
「そうね これから気を付けます」
「うん そうして欲しい ぼくも今日はこうやって時間を作れたしね
最悪銀座で仕事をしようと思っているけれど ここで出来るから
帰ってきたわけさ」
「ありがとうございます 私もなるべく帰ってくるようにします」
「うん ところで明日は御殿場に行く 泊まりです 
2日のホテルオートモには間に合うように帰ってきますが」
「まあ 大変」
「うん 色々あるさ 片付けられる時に片付ける 時間がないからね」
「ねぇ 今夜はここに泊まってくれる?」
「うん そのつもりだよ」
「ふぁ~ うれしいわ」
祥子はようやく笑顔になった
神山と祥子は久しぶりに一緒にジャグジーを楽しみ交わった
「ふぁ~ 気持ちいいわ あなたとこうやって居られるの 幸せよ」
神山は少し疲れたので
「さあ 出よう 今日も大変だったので疲れたよ」
「そうね これからもっと忙しくなるでしょうね」
「しかし 体は一つだからね 上手に使ってケアしないとね」
神山と祥子はベッドに横たわり 再び交わった
祥子は交わったあとで
「ねぇ これから私頑張って時間作るからいつも一緒にいて」
「うん 会社の出来事を抱え込まなければ 一人で悩む事も無いしね」
「ええ だから一緒にいてね」
神山と祥子はそのまま抱きあって眠りについた






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2011年9月22日木曜日

Vol.439 薔薇 -5-30



起こす事は並大抵ではなく覚悟を決めた
「山ちゃん そうするとこの計画が駄目に成ると 僕らは首?」
「うん 孝ちゃんだけじゃなく僕ら二人も首さ」 
「ふぁ~ 大変だ」
「そう社運が孝ちゃんに掛かっているよ これを乗り越えられると
内藤社長も考えていらっしゃいますよ 
もっと 進めれば今日のアレックス氏との話しでは資金は全額
先方持ちまで約束を取り付けた うちは能力を提供すると
だから その能力が評価されなければ おしゃかさ」
「そこまで詰まった話をしたの すごいね そうするとやるだけだ」
「そう もうサイコロは転がっていますよ」
2人は話しに夢中になって箸があまり進んでいなかったので洋子が
「早く頂かないと美味しくなくなりますよ」
そう言われ高橋と神山は呑んだり食べたりした 

3人が食べ終る頃にニーナ・ニーナの面々が入ってきた
祥子が神山が居る事に気がつき
「こんばんわ 神山さん」
「やあ こんばんわ」
「昨日はご馳走様でした」
「なにか売れていると聞いてますが」
「ええ 相変わらず 売れていますよ そのうちパリから取り寄せです」
「いいことじゃないですか」
「ありがとうございます がんばりますわ」
「それから 御殿場アウトレットの件ですが 僕が全面的に管理する事に
今日決定しました」
祥子は驚きと安心と複雑な気持ちで 
「よろしくお願いします」
「正式には筒井さんにお伝えします」 
「はい 分りました」
「では」
神山は又 3人で話をしながら食べた
ニーナ・ニーナの面々もみな元気があっておしゃべりを楽しんでいた
神山達は食べ終ると高橋が清算して寿司屋をでた
「孝ちゃん ごちそうさま こちらが払わなければいけないのに」
「いえ 全然 それとこれ昨日のお釣りです」
「うん そうしたら次回に取っておいて」
「はい 了解です 4万ほど残っています では電車で帰ります」
「うん ご苦労様」
3人は上原の駅で別れて時計を見ると21時30分になっていた
神山は亜矢子に電話を入れてみるとつながり
「どうしたの こんなに早い時間 昨夜は待っていたのに」
「ごめんなさい 実は疲れて寝てしまった ごめん ところで
明日は午後で上がりでしょ」
「ええ」
「泊まりは大丈夫ですか?」
「へぇ~ いいの 私は大丈夫よ」
「分りました そうしたら何時に熱海OK」
「やはり 3時ころがいいわ」
「分りました 15時熱海 お願いします」 
「ふぁ~ 逢えるのね 嬉しいわ」
神山は電話を切ると洋子に
「さあ 今日は早く帰って寝るとするか 今日は色々とありがとう
明日だけど本当は休みにしたいけど 10時ころ出てください
それで泊まりだ いいね 2日の準備とかは明日仕度してね」
「は~い 分りました 嬉しいわ 貴方と一緒だったら」
「一応部屋を14時に出る予定で居るからそのつもりで応対してね」
「は~い 分りました 何処ですか行くのは?」
「うん 伊豆だよ」
「わぁ~美味しいお魚を食べられるわ~」
「では 明日」

神山と洋子は駅前で別れ神山は歩いて上原のマンションまで帰った
洋子と亜矢子を早く引き合わせ こちらが動きやすくしたほうが
いいと思って取った行動だった
部屋に戻るとまずシャワーを浴びてさっぱりさせると
神山は冷蔵庫からビールを出して今日一日を振り返った
(しかし 大丈夫なのかな 御殿場がこけると不味いなこれは)
FAXを見ると何枚か来ていてそのなかにアレックスジャパンの
アレックスJrから日本語で送られてきていた要約すると
【今後の指示を仰ぎたい 至急連絡が欲しい】
もう一枚は内藤社長からで
【アレックスジャパンのアレックスJrから電話番号を聞かれたので
FAX番号を知らせました 電話番号は後日教えてあげてください】





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2011年9月21日水曜日

Vol.438 薔薇 -5-30




佐藤はお辞儀をして部屋を出て行った
打ち合わせが終ったのは19時を過ぎていた 神山が
「孝ちゃん 時間は」
「ええ 大丈夫ですよ ご安心下さい あけて来ました」
「洋子さん どこで食べる」
「ええ ゆっくり出来る所って上原しかないですね」 
「そうしたら 上原にしよう」
神山たち3人は部屋を出てタクシーで上原の駅前寿司屋に向った
駅前寿司に着くと女将が何時ものように奥の座敷に案内してくれた
席に着くとビールや簡単なおつまみが運ばれ 高橋が
「では Gプロジェクトの発足記念で乾杯」 
みんなで乾杯すると神山は
「これからは ご馳走される側ではなくてする側になるね」
「大丈夫ですよ ご安心下さい 佐藤が何とかしていますから」
「ありがとう」
「しかし 驚きましたね アレックスジャパンが実質アルタの傘下とは」
「うん 僕自身も驚いている あそこまで上手く行くとはね」
「そうですね 柔道が良かったのかしら」
「うん あまり使いたくなかってけどね 仕方ないね」
3人はアレックスジャパンの事で盛り上がった 神山が
「ねえ 孝ちゃん じつはGプロジェクト選抜隊のメンバーで勉強を
してきてほしいのだよ 5月5日から5月20日まで」
「どこに行くんですか」
「それは各自が決めてほしい 要は既成概念を破る何かを各自が掴んで
その成果を御殿場アウトレットに生かしたいわけさ 勿論お金が
必要になる ぼくが用意したよ」
神山は500万円を出して
「一人100万円使ってください 5人で500万円」
「はあ しかし急に言われてもね」
「ええ そうですが 既成概念を破らないと御殿場アウトレットは
飽きられます 例えば何処かのお寺に入って座禅を組んでも良いし
北海道の美味しい物を食べても良いし 自由です その計画を
明日から行って貰い5日には出発です ゴルフばかりしても良いです
ただ 一人でも何かを掴まなければこの500万円を 
全額返還して貰います」
「へぇ~ 大変だ もう決定ですか」 
「ええ 決定です」 
「ふぁ~ そうすると何人かで組んでも良い訳ですか」
「ええ 自由です 国内何処に行って頂いてもOKです」
「はい 分りました しかし目的が 既成概念を破る旅とは、、、」
「ニーナ・ニーナのブースも現状を打破しないと飽きられるでしょ
御殿場アウトレットは『安い』だけでは回転が少なくなります
現にぼくだって 年に3回行けば良いかなと思っていますよ
その顧客の足をもう一回 もう二回増やせば売上はうなぎのぼりです
集団心理でお客が集まっていればその廻りに顧客がつき
更にその廻りに顧客が着きます この間の上原のようにね」
「分りました がんばってきます それでこのお金は」
「ええ 明日から早速皆さんに渡してください 
先ほども言いましたが 自由です ただ何をしたいかの簡単なレポート
そうですね A4で1枚くらいでOKですが その提出を4日
それから 先ほどの全額返金についてのサイン それだけで良いです
それと 書式なんかないですから自由です」
「はい 分りました しかし大変な事になった」
「うん あまり考え込まないで 実務で僕自身の体験してきた事を
原案の時にどんどんとぶつけて行きます それに耐えられないと
仕事にならない訳です」
「ええ そうですね 次長室のように奇抜だと考えても実際出来上がりは
目を見張る出来になりましたからね」
「ええ あそこはあれで済みました しかし今度は顧客を相手にします」
「そうすると 少しずつ見えてきましたよ」
「お願いしますね 孝ちゃん そして孝ちゃんをGプロジェクトの
責任者になってもらいます」 
「えっ 山ちゃんが居るでしょ」
「ええ 責任者と言ってもまとめ役です リーダーの下が2名で
足りなかったら応援体勢を準備するとか そこはぼくでは出来ません
やはり 孝ちゃんの仕事です それと内藤社長から言われましたが
ぼくの思い通り進めてOKとお墨付きです したがって孝ちゃんは
ぼくの直属の部下になります 孝ちゃんの意見に反対できる人は
僕と内藤社長だけです いいですね」
「そんな すると部長は、、、」
「ええ Gプロジェクトで働いている時は関係ありません
しかし社内の慣例とかは重視をしてくださいね」 
高橋は凄い事になったと感じていた 今までと違ったデザインを





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2011年9月20日火曜日

Vol.437 薔薇 -5-30



神山は少し横になったので楽になった
「はい コーヒー」
「ありがとう さて準備するか」
次長席に座るとアルタの包みを開けるのを忘れていた  
内藤社長が2000万円 役員が5人で300x1500万円
神山は洋子を呼びアルタからのお祝い金だと言って1500万円を渡し
預かってもらい2000万円は神山が預かった
「洋子 幾らになった」
「ええ 使い切れないわ 3800万円よ」
「えっ 3800万円 それじゃあ ベンツも買えちゃうな」
「ええ ほんと 私 こんなにお金持っていて良いのかしら」
「うん 直ぐに使うようになるよ さあ ちゃんとしまって置いてくれ
僕の所には5600万円だ そうすると 9400万円」
「えっ9400万円 へぇ~」
「まあ 大事に使おう」
「は~い 分りました」 
二人が現金を引き出しにしまうとインターフォンが鳴り
洋子が応対するとアルタの佐藤と高橋だった
自動ドアが開き中に入った二人は内装の奇抜さやデザイン性に
驚き 暫くは声も出なかった 神山が
「さあ どうぞ ようこそお越しくださいました」
高橋が
「山ちゃん 一応目を通していたけど出来上がりは凄いね
奇抜な感じはするけどモダンで落ち着くね」
「ありがとう 狙い通りさ」
佐藤が
「山ちゃん 凄いねいい部屋だ ほんと」 
二人がソファーに座ると洋子が冷蔵庫からビールを出して
みんなに配りグラスに注いだ 神山が
「この部屋は 僕の部屋です ぼく流にします さあ呑んでください」
みんなで頂きますといって呑みながら仕事を進めた
「さて 御殿場アウトレットのプロジェクトチームを作ります
先ほど内藤社長と相談して決めました
まず 私のこの上に部屋が空いています
そこに文京の本社からここに移動して頂きます」
神山はGプロジェクトの概要を説明した
御殿場アウトレットで3つのブースを造る事が決まっている事
3つのブースとはアレックスジャパンブース、ニーナ・ニーナブース、
鈴や食品ブース(仮称)
各ブースリーダーが選抜隊としてここで働いてもらう事
各ブースリーダーの下に2名位つける この人たちは本社勤務
あとグラフィックデザイナー1名をここで勤務してもらう
常勤はこの4名構成になることと非常勤で見積もり関係1名
そこで高橋 内野 田中の3名が選抜隊としてここで勤務し
各ブースリーダーに成ってもらう
決定事項は来年4月4日日曜日にグランドオープン
前日前夜祭 各ブース引渡し3月25日前後
内装工事来年3月1日前後着工 本体建築工事着工10月1日前後
本体建築設計開始8月1日前後
大体のスケジュールを説明していくと 佐藤部長が
「本体工事が始まるとここでの仕事がなくなるのではないでしょうか」
「大丈夫です あります 各ブースではイベントスペースを設け
その大きなイベントは年に2,3回 或いは4,5回と入れ替わります
そのデザインも行っていきます オープンしてからも継続的に
行いますから仕事はあります そのイベントスケジュール計画にも
当然参加してもらいます 企業との打ち合わせから
全部ブースリーダーが行います 以上ですがご質問は」
「上の部屋へ引っ越すのは何時ですか」 
「ええ 5月4日 月曜日です 尚 勤務環境が変わるので
出来るだけ移動できる物は移動してください」
「山ちゃん 大変な仕事だけど楽しそうだね」
「孝ちゃんの言う通り 大変だけど出来ない事ないんです 楽しいですよ
今までの既成概念を破ってデザインをして行く訳ですから
それから 月2回位は一斉休みを設けます 後は週2回の休みを
個人のスケジュールで取ってください 勤務時間が絡みますので
詳細は内藤社長と決めていきます」
神山のGプロジェクト概要を聞いた高橋と佐藤は相談して佐藤が
「では 私は 本社に戻って候補者選びをして明日高橋君に
決定して貰います あとお聞きしたいのですがGプロジェクトの
メンバーになるとその仕事だけで 他の仕事は出来ないと考えて
いいのですか それとも仕事がない時は他の仕事をして良い訳ですか」
「ええ それはお任せしますが ただ暇になることは無いと思いますよ
最初の1ヶ月は休みなしの覚悟が必要です」
「はい 分りました では戻って候補者選びをします 失礼します」






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2011年9月19日月曜日

Vol.436 薔薇 -5-30



「どうだい あの車」
「ええ ありがとうございます 先日も東名を走りましたが
絶好調ですね 150を出してもぜんぜんぶれないし 
気持ちよく飛ばせました」
「そうか 150も出すのか そうだよな あの時も一緒に乗っていた
連中 怖くなって 酒が冷めたと言っていたな わしも冷めたが」
大笑いした 
「そうそう あの時は確かターボがよく効いて楽しかったですね
確か180位だったと思いますがね」
「そうだ 今でも思い出すが ベンツと競争したんだよな うん
思い出した それで勝ったんだもんな」
「ええ ベンツの時は針が振り切れていましたね 230は
出ていたでしょうね」
「あの時は本当に怖かった あっという間に目の前にある景色が
後ろだもんな 思ったよ 金輪際山ちゃんの運転する車には乗らないって
命が幾つあっても足りないもんな」
「大丈夫ですよ ご安心下さい 今は安全運転ですよ」
「いやいや その手には乗らないよ 怖いからな」
みんな大笑いだった
「ところで 西野理事 ホンダや日産 トヨタなど車メーカなんですが
偉い人をご存知ですか」
「う~ん トップは無理だな なにか 御殿場アウトレットか」
「ええ アレックスジャパンブースで車を狙おうとちょっと
考えているんです アレックス氏はF-1を持って来てくれると
言ってくれました」
「なに F-1を 飾って効果は覿面だな フジスピードがあるし
う~ん 少し時間をくれ」
「はい ありがとうございます 期待して良いですか プランに入れますが」
「なんだそこまで考えているか」
「ええ 時間ないですよ」
「うん 入れて良いぞ」
「おお 西野君がおたおたしたのは久しぶりだな 山ちゃん西野君に
任せれば大丈夫だよ ここまで言って出来ませんは絶対にないから」
「はい ありがとうございます 社長 教えて頂きたいのですが
御殿場アウトレットは静岡県の肝いりで行われていますよね
で国土開発課が担当している所までは分るんですが
実際の開発者は何方なんでしょうか と言うのもその方の意見を聞きながら
静岡県を味方につければ仕事がやり易くなると思っています」
「わかった 調べておく しかし県を味方につけるとは考えられないな
なみ外れた考えだけど 出来ない事はないよな
アレックスグループの件もあるし 山ちゃんと夢を話しても
現実にするから凄いな わかった 少し時間をくれ」
「ありがとうございます 非常に助かります 忘れていましたが
2日の件ありがとうございます 
それでアレックス氏も飛び入り参加をして頂けます」
「えっ アレックス氏が 山ちゃんの、、、ほんとかね」
「ええ 先ほど決まりました 私の招待客です」 
「あのアレックスグループのアレックス氏が、、、」
「ええ ねえ洋子さん」
「はい 私も耳を疑いましたが来られます」
「はあ それで内藤社長はご存知だよね」
「ええ そうすると内緒にしたかったんですね では内緒で」
「うん しかしアレックス氏がね 不思議なんだ
なんで アレックスジャパンを山ちゃんに任せるかってところが
幾ら考えてもわからん 内藤社長もそこまで言われなかったし」
神山は次長室でゆっくりしたかったので
「社長 西野理事 ありがとうございます 次がありますので失礼します」
「おお そうかごめんごめん そうだなこんな時間だ 悪かった」
神山と洋子は二人にお辞儀をして次長室に戻った
部屋に入ると神山と洋子は普段の仕事着に着替えた

時計を見てみると16時30分を指していた 
神山はアルタの佐藤泰治部長に電話をして昼間のお礼を言ったあと
内藤社長に伝えた人選を次長室で行うので佐藤泰治部長と
高橋課長に来て貰いたい事を伝えると17時にくる事を約束した
神山は洋子にアルタの2人がくる事を伝え少し横になった
「悪いけど20分位横になる 起こしてね」
「は~い 分りました 私は飲み物とか用意しましょうか」
「うん 適当に地下でお願い その後はどこかに行くかもしれないし」
「は~い 分りました」
そう言って洋子は出かけ神山は横になった

ぐったりしている体を誰かが起こしていると感じ目がさめた
「あなた 時間です 起きてください」





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2011年9月18日日曜日

Vol.435 薔薇 -5-30



貴婦人に乗り込み次長室へ向った

「貴方の言っていた通りになったわね すごいわね
アレックスジャパンの最高責任者だって なにか夢を見ているみたい」
「夢じゃないよ こうやって 入り込めば実績が付くしね」
話していると直ぐに次長室についた
「あ~あ 終った 疲れた」
「ほんと お疲れ様でした」
洋子は神山にキスをした
神山は洋子に
「副社長に電話をしてください 伺うと」
洋子は電話をすると 部屋にいると教えられた
神山と洋子はそのままの格好で副社長に会いに行った
本社秘書室だけでなくフロア全体が騒々しかった
神山がフロアに着くとみんなが神山に近づき
「おめでとうございます すごいですね」
と挨拶をされた 秘書室に行くと
「副社長がお待ちかねよ おめでとうございます」
「ありがとうございます」
神山と洋子が部屋に入ると立ち上がって神山を迎え
「山ちゃん おめでとうございます 初仕事凄いじゃないか
さっき内藤社長から聞いたよ ほんとおめでとうございます」
「ありがとうございます」
「まあ 座りなさい そうだ ちょっと待って」
時田は部屋のクーロゼットからブランディーを出すと秘書室に
電話をして 氷とつまみを大至急持ってくるよう指示した
「しかし 山ちゃん凄いな アレックスジャパンの最高責任者で
全ての権限を握るって なんか計り知れないな 山ちゃん」
「いえ 私だけではないです 洋子さんをはじめ皆さんの応援で
出来た事です 決して私だけではありません」
神山は洋子に頷いて見せた
「そうは言っても山ちゃんが交渉したんだろう だから素晴らしい
幾ら下準備が出来ていても料理できなければ ただの人だよ
わしは社長の権田さんに連絡を入れてないが喜ぶぞ」
秘書室が氷と魚の珍味やおつまみを用意した
時田がブランディーを皆のグラスに注ぎ
「おめでとう 山ちゃん 乾杯だ」
ささやかな祝賀会が行われた 時田は嬉しくてしょがなかった
池上店長が惚れる意味も分った いい男だった
時田は洋子と一緒に成ってくれればいいと願っていた

神山が
「社長 お願いがあります」 
「うん なんだ」
「ええ 10名ばかり入る部屋を貸して頂けませんか?」
「そうか 必要になったか ちょっと待ってくれ」
秘書室に西野理事を呼んでくれと指示した 
「山ちゃん 10人入らなかったら6人でも良いか」
「ええ アルタのデザイナーを私の直轄で動かすのに離れていると
少し無理が出来ます そこで次長室の上が空いてたと思うんですが」
「そうだな」
「出来れば あのビル内がいいのですが」
「うん」
その時戸がノックされ西野理事が部屋に入ってきた
「社長お呼びで いい香りですね お 山ちゃんおめでとうございます」
「まあ 西野君 座ってくれ 大丈夫だろ」
返事を聞く前に時田は西野のグラスにブランディーを注いだ
「頂きます」
「なあ 西野君 次長室の上の部屋開いているだろ 山ちゃんが
使いたいんだと 何とか成らんか」 
西野は少し考えて
「大丈夫ですよ ご安心下さい それで目的はアルタのデザイナーですか」
「うん 直轄のデザイナーを何名か移動して使うことになる」 
「ええ 大丈夫です 山ちゃん 来週4日の月曜日からで良いかな」
「ええ ありがたいです すみませんお電話をお借りします」
神山は内藤社長に事の経緯を説明し了承してもらった
人選は今日、明日行う事にした 高橋のスケジュールを聞くと
あのチームが御殿場アウトレットに移行する事まで聞いた
神山は内藤社長に礼を言って時田と西野に
「内藤社長からOKを頂きました 人選は今日明日行いますが
ニーナ・ニーナの上原チームが御殿場アウトレットに移行するので
そこらを中心に人選を進めます」
「うん わかった 頼んだよ さあ 呑もう」 
西野が





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2011年9月17日土曜日

Vol.434 薔薇 -5-30



「私の就任パーティーが2日12時にホテルオートモで行うが
参加されますか?」
「うん 宿泊しているから顔を出すよ」
「1分のスピーチをお願いできますか?」
「おう たった1分か するよ」
アレックス氏はウインクして
「夜 踊っているから寝ているかも分らない 起こしてくれ
部屋の番号は 2011号室だ 頼んだよ」
「ええ ホテルの人間がお迎えに伺います」
「うん 楽しみにしている では失礼するよ」
神山とアレックス氏は抱き合って別れ 夫人も洋子と抱き合って 
別れる時に
「早く一緒になりなさい いい男よ」
「ありがとうございます 頑張るわ」
夫人がウインクして別れた
アレックスJrも
「ボス 頑張るから もう投げないでほしい」
笑顔で握手した ボーンも
「ボスには従うから投げないでくれ」
こちらも笑顔で握手して別れた

神山と内藤社長 洋子も1階の玄関まで見送った
アレックスグループが見えなくなると内藤社長は
「山ちゃん どうなってんの 信じられないよ アレックスジャパンが
アルタの傘下って」
「ええ 企業買収だと色々面倒な事がありますが
このように入っていって実績を作ってから株主総会で承認
そのあとで良いでしょう企業合併は」
「しかし 期待していた以上 いやまったく想像をしていなかった」
内藤社長は受付嬢の小谷に
「課長以上 大至急会議室集合 大至急だ頼む 駆け足で来るように」
「はい 各部署に伝えます 10分位掛かります」
「うん 頼んだよ」
内藤社長はようやく神山がスーツを着ていることに気がついた
「山ちゃん このスーツ 最高ですね どこですか」
「ええ ニーナ・ニーナのスーツです」
「えっ 紳士物は扱っていないでしょ」
「ええ 以前ニーナ・ニーナのファッションショーでモデルが着る為に
作られた特注品です 世界に3着しかなく先日 筒井さんから
プレゼントされた物です」
「う~ん 見れば見るほどいいスーツだ 洋子さんと同じ生地だから
二人で歩いていても違和感がないよ よかったね」
玄関の脇で二人が話していると小谷が内藤に  
「今 会議室に全員が揃ったと連絡が入りました」
「わかった 山ちゃん 田所さん 行きましょう」 
会議室では内藤社長はなにを発表するのかざわざわしていた
内藤社長が入り その後に神山と洋子が入ってきた 内藤社長が
今日の人事命課の件で2人を紹介して
アレックスジャパンの広告全てをアルタが行う事など
契約書のコピーを見せ説明した
終ると拍手が起こったがざわめきも起こった 内藤社長が
「山ちゃんはこの会社でも 私の次に位置してください
特命は追って発令します」
「ありがとうございます しかしそんな」
「好きなようにしてください お願いします」
「はい 分りました ありがとうございます 田所さんも一緒に
特命をお願いします」
「はい 承知していますよ ではちょっと私の部屋まで来て下さい」
神山と洋子は内藤社長の部屋に行くと
「山ちゃん 改めておめでとうございます 初日から大活躍で
嬉しく思っています これは少ないですが今後の資金に当ててください」
「そんな 何時もお世話になっているのに」
「今までは今まで ねっ」
「ありがとうございます」
神山と洋子はお辞儀をして包みを受け取った
「それからこれは株の証券です 名義変更は済んでます
我社の社員ですから株主になってください 気持ちです」
白い封筒を二人に手渡しした
神山と洋子はお辞儀をして頂いた
「さあ これで儀式はお終いです」 
「ありがとうございます では役員の方に挨拶を済ませ次長室に行きます」
内藤社長は頷き 役員室を案内した
佐藤部長を始め役員からも封筒を貰った
役員達への挨拶を終ると内藤社長に2日の件のお礼を言い





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2011年9月16日金曜日

Vol.433 薔薇 -5-30



「素敵だったわ ここでお会いできて幸せよ」 
アレックス氏の夫人が言った
洋子と夫人がアレックス氏と神山が抱き合って再会を祝った
内藤社長も訳が分らなくて どう進めるか神山に任せた
アレックス夫妻の挨拶を終ると 今度はJrとボーンの
アレックスジャパンとの挨拶になった
Jrは
「もう 投げないでくれ 柔道が素晴らしいスポーツと分った」
「うん もう投げない しかし御殿場アウトレットが順調に
進まなかった時は投げる」
「もう いやだ 神山の強さは充分分っている」
「わかった そうしたら私をアレックスジャパンの最高顧問にしなさい
私は部下を一回も投げた事が無い どうする?」
「私より 権限があるのか」
「当然だ 貴方の努力が足りないから日本のマーケットでは
どんどんと下降線を描いている これでもいいのか
私は御殿場アウトレットを基盤にして業績を良くする 
これでも分らないか」
神山は洋子に作ってもらった資料を見せ悪い所を説明し
最善策を分りやすく説明した
「少し待ってくれ 父親と相談する」
アレックスJrはアレックス氏と相談したが父親は
「おまえは 神山さんに負けたんだ 今の話を聞いていても
きちんと整理され分りやすかった
短時間でこれだけ業績分析を行ったのは珍しい 
私は彼が社長でもいいと思っている
彼は絶対に会社を再建してくれる 彼の言う通りにしなさい」
アレックスJrが神山に
「お願いします 再建してください」
「わかった 会社の対外部についてはアレックスJrでいいが
決定権は全てこの私にある それでいいな」
「任せる」
神山は洋子に今のことを全て書いて大至急契約書を作ることを指示した
洋子は事の成り行きを全てメモを取っていたので直ぐに文章に出来た
原案ができるとJrに見せ 頷くとアレックス氏に
チェックしてもらったが
「神山さん 貴方だったら社長でもいい 迎えたい 考えてくれ
ここにかかれた事にはOKだ 頼んだよ」
神山は頷き 内藤社長にタイプ室を教えてもらって洋子が
契約書をタイプした 待っている間にアレックス氏と雑談した
「いつまで日本にいますか」
「うん 3日くらいはいてゆっくり骨休めをする」
「この間 踊りすぎたんではないか」
「いや 良かった 洋子のお尻は最高だ」
それを聞いていた夫人から
「また そんな事ばかり言っているわ」
3人は大笑いした Jrとボーンはしょぼくれて元気が無かった
洋子がタイプした契約書を2通持ってきた
要約すると アレックスジャパンの最高責任者は神山龍巳であること
人事権を含む全ての権限があること アレックスジャパンの
全てのメディア対策制作権限はアルタが行うこれは御殿場アウトレット
だけでなくアレックスジャパンの商圏全てにこの権限が最優先される
以上  この契約は1998、4、30から効力を持つ
この契約に違反した場合は 神山 龍巳の人事権が発令される
アレックスジャパン アレックス氏 神山 内藤社長 のサインが
出来る様に下をあけてあった
神山はまずアレックス氏に見せOK JrもOK 内藤社長もOK
全員が サインする前に神山がアルタの会議室で
この契約書を交わしたと自筆で追記した
まずアレックスジャパンの両名 アレックス氏 内藤社長 神山と
サインをして 立会人として洋子の名前もサインさせた
神山は2通のコピーを洋子にお願いし またアレックス氏と話をした
御殿場アウトレットの概要を話すと喜んで協力すると言った
「そうしたら その広場にF-1を飾っても良いね」
「そうですね その下のレベルでイベントを考えていきましょう」
「うん 来年が楽しみだ」
「我社も頑張って業績はいい しかし利益はけた違いなので
資金は全て出してほしい わたし達は能力を提供する」
「構わない 神山さんに全面的に資金協力する」
「契約書は作るか」
「そんなもんいらない 日本は任せた 神山さんとアルタさんに」
話が終ると洋子が原文をアレックスJr 神山 コピーを
アレックス氏 内藤社長に渡し封筒を一緒に渡した
そろそろ時間だから帰ろうとするアレックス氏に





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2011年9月15日木曜日

Vol.432 薔薇 -5-30



時計はまだ13時になったばかりだった
洋子が作ってくれた資料を次長席でコーヒーを飲みながら目を通した
分らない事が有ると洋子を呼んでそれでも分らない時はPCで調べた
神山は 
「よし 作戦は出来上がった どう出てくるか楽しみだ」
そう言ってタバコを吹かしていると洋子が目の前で着替え始めた
神山は黙ってみていたが自身も着替え始めた
Gパンを脱ぐと元気になっているおちんちんを洋子が発見して
「まあ いやらしい 早く小さくしてよ 間に合わないわよ」
「うん でもな」
洋子は神山に近づきおちんちんを撫でたと思うと思いっきり叩いた
「なにするんだ 痛いよ」
「ほら 小さく成ったでしょ」
言われると今の衝撃で小さくなっていた
「感謝してもいいでしょ」
「わかった ありがとうございます」
神山と洋子はお互いのスーツを確認しあって異常がなかったので
部屋を出ると催事課の倉元と由香里にばったりであった 倉元が
「おう 山ちゃんこれからか そうだこれお釣り」
倉元は現金と領収書を神山に渡すと
「何とかするから 気にするな」
と小さい声で耳打ちしてきた 神山は大袈裟に
「ありがとうございます」
と深々と頭を下げてその場を後にした
ホテルの地下駐車場から貴婦人をだし
アルタまで運転するのは神山だった
渋滞に捕まる事無く文京区のアルタ本社に着いた
時間はまだ充分あったので受付嬢の小谷は仕切りのある
待合室を案内して神山達は待った
しかし約束の14時を過ぎてもなかなかお呼びが掛からないので
洋子が小谷に訳を聞きに行くと 
「外人のお客様とお食事にいかれ まだ戻って来られないんです」
小谷も少し不安になっているところへ内藤社長たちが帰ってきた
一緒だったのはアレックス氏と夫人 アレックスジャパンの
アレックスJr社長と副社長ボーン シュナイダーといった面々だった
神山と洋子は待合室で随分と待たされたが 小谷から
「お待たせして済みませんでした こちらへどうぞ」
といって7階の秘書課に案内され待たされた
秘書課課長が神山と洋子を呼んだので社長室へ入った

社長室は先日の役員が全員並んでいた 内藤社長が辞令を読み始めた
「神山 龍巳 殿 右のもの 本日を持って株式会社アルタ
意匠担当常務を任命する
平成10年4月30日 株式会社 アルタ 社長  内藤 一哉」
神山が一歩でて人事命課を頂き下がろうとすると そのままでと言われ
「特別命課 神山 龍巳 殿 右のもの 本日を持って
株式会社鈴や東京本社勤務を任命する
平成10年4月30日 株式会社 アルタ 社長  内藤 一哉」
神山は今度は下がって 洋子のところに並び待つと洋子が呼ばれ
「田所 洋子 殿 右のもの 本日を持って株式会社アルタ
意匠担当常務 神山 龍巳の専属秘書部長を任命する
平成10年4月30日 株式会社 アルタ 社長  内藤 一哉」
洋子も下がろうとするとそのままでと言われ
「特別命課 田所 洋子 殿 右のもの 本日を持って
株式会社鈴や東京本社勤務を任命する
平成10年4月30日 株式会社 アルタ 社長  内藤 一哉」
これで正真正銘2つの会社で勤務する事ができるようになった
辞令交付が終った時に役員から拍手が沸いた
神山と洋子は皆にお辞儀をして挨拶をした
内藤社長が近寄ってきて
「これから直ぐにアレックスグループと会います まず挨拶をお願いします」 
「はい 分りました」

内藤社長と神山と洋子は6階の応接室に入ると
ソファーに座っていた4人が立ち上がって内藤社長を迎えた
「ではアレックス氏 私どもの強力な人間を紹介します
さあ 神山さん田所さん どうぞお入りください」
神山と洋子が部屋に入った時 アレックスグループは皆驚いた
「おお あのときのあなたか」
神山はこうなる事を予測していて
「脅かすつもりは全然無かった ただお会いした時はアルタの社員では
なかった しかし今はアルタの社員です よろしくお願いします」
アレックス氏が
「貴方なら 知っている 全てを任せることができる」






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2011年9月14日水曜日

Vol.431 薔薇 -5-30



と言われ 神山と洋子が並んだ写真を何枚か撮影した
「筒井もこれで満足してくれると思います ありがとうございます」

神山と洋子はお辞儀をしてニーナ・ニーナをでて次長室に戻った 
「あ~あ ようやく前半戦終了だ」
「そうですね 後半戦が控えていますよ」
神山は時計を見ると12時少し前だったが
「洋子 築地にいこう 催事課の若いの連れて」
「ええ いいわ」 
神山はGパンに着替え 出掛ける仕度をして
催事課に行ってみると皆がいて
「あれ これからアルタに行くんでしょ」
杉田が着替えをした神山に言った
「うん 翔 屋敷を誘って築地にいこう」
この声が聞こえたのか参加者が増えた
結局 倉元 杉田 屋敷 由香里 神山 洋子の6人になってしまった
2台のタクシーで銀座築地 寿司屋いせ丸にきた
神山が入ると女将が
「神山様 ご昇進おめでとうございます
何時もご利用をありがとうございます」
「ありがとうございます 今日は新人を連れてきましたよ」
女将が奥の座敷を案内してくれた
部屋に入り 神山と洋子が上座に座って落ち着くと
女将がビールとおつまみ 鮮魚を運んできた
倉元の音頭で乾杯が行われた 神山は
「倉さん 僕は早く出ます ここに10万入っていますので
お会計をお願いします 足りない分はあとでお返しします」
「おう 余ったら呑んじゃうぞ」
「ええ 構いません」
二人は相談が済むとみんなで屋敷と杉田をもちあげ楽しかった
盛り上がって話をしていると倉元が小さな声で
「ところで山ちゃん 秘書室で何かあったか」
「いいえ別に 社長の権田さんと副社長の時田さんと雑談程度ですが」
「そうか いやね 先ほど副社長の時田さんから電話があって
社長の権田さんが大変喜んでいる 倉さんありがとうって
こちらは訳がわからず はい ありがとうございます だよ」
「もしかしたら スーツで行ったところ 時田さんが
スーツ姿を私は初めて見ました と言われ 普段はGパンに
ジャケット ノーネクタイですって言われたんです そしたら
倉元流かって言われて Gパン穿いてもここまでくるって
そこじゃないですか だって社長の権田さん おれもこれからは
ノーネクタイだって そう言われてましたよ 冗談でしょうが」
「おう そうか 仕事はスーツじゃない これが分ったんだね」
「ええ そうだと思います」
時計を見ると12時30分になっていたので洋子に
巻物などご飯類を頼んでもらった 倉元が又小さい声で
「山ちゃん 由香里姫を頼むよ 誘ってくれ」
「駄目なんです 洋子さんにばれました 倉さんの事も
金輪際駄目なんです」
「そうか オレしかいないか よし頑張ろう しかしな酒呑むと
元気が出ないんだ 困ったな」
「済みません 頑張ってください」
「おう しかし困った うん」
ふたりでこそこそ話をしていると由香里が
「なに こそこそ話しているの いやね」
「うん 由香里姫が今後大変になるって そんな事です」
「山ちゃん だめよ そんな」
「だって 若いの増えれば翔で大変なのにね 大変でしょ」 
「そうね」
「だから 埋蔵金の話をしていたの で倉さん鈴や装飾に
10万預けてありますから 使ってください」
「おう わかった 使うよ」
「なんか変ね 怪しいわ」
この席では由香里は洋子と離れて座っていた
洋子はもっぱら杉田や屋敷と話をしていた
神山と洋子のご飯類が運ばれ 
「すみません あとが有りますのでお先に頂きます」
二人は食べながらも話をしていた 賑やかで笑い声が耐えなかった
「倉さん お先に失礼します」
神山と洋子は寿司屋を出るとタクシーで部屋に戻った

「どう 楽しかった」
「ええ 若い人って いいわね」
「うん翔はいい奴だから 屋敷君も伸びるよきっと」






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2011年9月13日火曜日

Vol.430 薔薇 -5-30



そう言いお辞儀をしていると後ろから杉田が
「先輩 おめでとうございます 逆だったのでビックリしているんですが
先輩の名を汚さぬよう頑張ります」
「うん 頼んだよ 翔ならいい兄貴になれるよ ねぇ洋子さん」
「ええ 大丈夫ですよ やってくれるわよ」
「はいありがとうございます」
今度は倉元が
「おう 山ちゃんおめでとうございます 頑張ってな ワシも応援するよ」
「はい ありがとうございます ところで筒井さんの件 ご存知ですか」
「ああ 倒れたんだろ 今朝聞いた 昼からいこうと思っている」
「そうですか 昨日伺ったんですが 夜に電話がありまして
今週中には退院出来る事になりました」
「おう そうか よかったなそれは」
「ええ まだ細かい所は判らないそうですが勤務に支障が無いみたいです」
「うん ありがとう 山ちゃんも働き過ぎるなよ」
「ええ 時間を作って休みます」
「うん それと日本酒が届いた ありがとうございます」
「あの日本酒をここで買えるようにしたいんです 練っているところです
内緒ですよ」
「おう そうか楽しみが増えるな 分った内緒だ」
みんなと挨拶を終えて部屋を出るとき由香里が
「これからも頑張ってね 応援しているわ」
そう言い花束を神山に渡した 少し目が潤んでいた
「ありがとうございます 隣りなんだから元気出して」
由香里は何も言わずお辞儀をして催事課の部屋に戻った

神山と洋子はようやく次長室に戻るとソファーに座り洋子に
「ねぇ 洋子 ご苦労様でした コーヒーをくれる」
神山は本当に疲れ果てた 洋子がコーヒーをだすと一息で飲んで
「ビールが良いや ビールを下さい」
「は~い 分りました ゆっくりしてくださいね」
神山はどうしてこんなに疲れるのか判らなかったが
交わりの事を思い出した
昨日は朝早くから亜矢子 昼から洋子 そして今朝 祥子と
休んでいなかった なるほどと思った
神山は次長席に置いた紙袋から包みや封筒を取り出しあけた
すべて現金だった
社長の権田は現金1千5百万円と東海4県ガソリン無料カードが入っていた
副社長の時田は現金1千万円 西野理事からは現金300万円と
首都高 東名、中央高速の無料カードが入っていた
その他の理事11名も各300万円入っていて本社で合計6100万円
神山は驚いて 洋子に積み上げた札束を見せると
「なに これ 凄すぎるわね 私が知っている限り 多くて7百万よ
けた違いね ふぁ~凄い」
神山は更に池上店長の包みを開けてみると1千万入っていた
積み上げると洋子は
「なんて額なの なんか信じられないわ」
結局7100万円のご祝儀が有った事になる
神山はそのうちの1千万円を取り洋子を呼ぶと
「これは臨時ボーナスだ 受け取ってください」
「へぇ~ だけどこれは軍資金でしょ」
「大丈夫だよ 任せなさい 受け取らなければ僕が貰うよ」
「はい 分りました 頂きます ありがとうございます」
「うん よし それで僕は1千1百万円を貰う いいね」
「はい 分りました」
「それで 残った5千万円だけど 代々木に1千万置いておきます
あと 2千万づつ保管 頼みます」
神山は洋子に2千万円を渡し残った2千万円を自分の引き出しに入れた
「あ~あ くたびれた」

次長席で背伸びをしていると洋子が
「お休みになられるんでしたら着替えて方が良いわよ」
「そうだね そうだ洋子 ニーナ・ニーナにいこう」
神山は着替えるとそのまま横になるのでカード入れを買いに
ニーナ・ニーナに向った
店内に入ると女性の社員が
「神山次長 おめでとうございます」
と挨拶されるので 頷いて挨拶を返した
ニーナ・ニーナには祥子もいて神山を迎えたがビックリした様子で
「ファッションショーのモデルより素敵です 良かったです着て頂いて」
「うん ありがとう 実はカード入れを買いに来ました」
祥子はいくつか見せ神山は札入れと同じつくりのカード入れを買った
帰る時に祥子が神山と洋子に
「済みませんが記念写真を撮らせて下さい」





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2011年9月12日月曜日

Vol.429 薔薇 -5-30



田所洋子です」
「ほう 綺麗な方だ 神山君頼んだよ それにしても二人とも
いいスーツを着ているな 羨ましいな なあ 時田さん」
「ええ 私も神山さんが スーツで出席するとは思ってもいませんでした」
「実は初めてです スーツ姿は」
「ほう 普段は?」
「ええ Gパンにジャケット ノーネクタイです」
「そうか 倉さん流だな それでもこれだけの地位になったんだ
ワシもノーネクタイにするかな」
「しかし Gパンはちょっと」
みんなが笑って お開きになった
神山は部屋を出ようとした時に社長の権田から包みを渡され
「ワシからのプレゼントじゃ 有効に使ってくれ 頼んだよ」
「はい ありがとうございます」 
そして副社長 時田も包みを神山に手渡し
「これは ワシからの気持ちじゃ また足りなかったら来なさい いいね」
「はい ありがとうございます ご両人から頂いた物を有効活用いたします」
そう言い部屋を出ると秘書室で新しい名刺を貰った 秘書室長が
「神山次長 おめでとうございます こちらの名刺はアルタさんと話し
作りました」
神山は見てみるとアルタと鈴やの肩書きが入っている名刺だった
秘書室長が紙袋を用意してくれたので包みをその中に入れて
「室長 これから忙しくなりお手数を掛ける事が多くなります
よろしくお願いします」
神山は洋子と挨拶をして部屋を出て各理事のあいさつ廻りをした
各理事とも封筒を用意していて軍資金を差し出してきた
みんなに挨拶が終ると洋子の古巣人事課や秘書課に挨拶をして
エレベーターで待っていると人事課の先輩や安井がきて洋子に
「これ 神山さん おめでとうございます 洋子をお願いしますね」
神山は綺麗な色が混ざったバラの花束をもらった
「どうもありがとうございます 洋子さんはびしびし鍛えます」
みんなは大笑いして拍手をしてくれた
エレベーターで下がり次長室に向っているとすれ違う社員がお辞儀をし
挨拶されるので神山は頷き返した
神山と洋子は池上店長を訪れ改めてお礼をした
「頑張ってな 期待している なんでも言ってください協力します」
「ありがとうございます 頑張ります」
「そうだ 日本酒とビール 届いている ありがとうございます」
「どうでした」
「うん 美味しいよ 久しぶりだなあんなに美味しい日本酒は」
「良かったです では失礼します」
神山が帰ろうとした特 池上店長が包みを持ってきて
「何かと掛かるだろう これを足しにしてください 気持ちじゃ」
「はい ありがとうございます」
神山と洋子は丁寧にお辞儀をして店長室を出ると秘書課で
「神山さん おはようございます それとビール美味しかったわ」
「良かったです そのうちここで買えるようになりますよ」
「ほんと 嬉しいわ だけど神山さんがいなくなるんで寂しいわ」
「ははは ちょくちょく来ますよ 大丈夫ですよ ご安心下さい」
「お願いね ちょっと待っていて」
そういうとデジカメを用意して 神山を中心に秘書課の女の子と
記念撮影をした
「田所先輩も入ってください」
洋子が神山の隣りに入ってもう一枚記念写真を撮影した
「ありがとうございます」
神山は手を振って秘書課をあとにすると販促部長席に行き挨拶を済ませた
色々と挨拶回りをして最後に催事課についた
部屋の中は屋敷の加入で賑わっていて
「部屋の中が騒々しいね」
「ええ 新しい屋敷君でしょ」
神山と洋子はそう話して入っていくと更に騒がしくなった
「やあ 山ちゃんじゃない 次長 おめでとうございます」
「いいですよ 課長 山ちゃんで」
「しかし 凄いね 人気だね」
「えっ」
「うん 社内から神山次長はおられますかって さっきから電話が多くてね」
「まあ 勘弁してください」
「山ちゃん それにしても格好いいね 決まっているよ」
「そうでしょ 洋子さんと一緒ですよ」
「そうだね ほんと田所さんもなんか凄く綺麗だよ 眩しいよ」
そこへ屋敷が近寄ってきて
「神山先輩 おめでとうございます 神山先輩に負けないよう頑張ります」
「うん 頼んだよ 翔を兄貴と思ってしっかり支えてな いいね」
「はい 分りました ありがとうございます」






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2011年9月11日日曜日

Vol.428 薔薇 -5-30



神山は正面から唇を合わせ祥子を抱きしめた
二人はベッドに倒れ交わった
祥子は久しぶりと言って 寂しかったとも言った
久しぶりの肉棒を思い切り楽しんだ祥子はあっけなく昇天し
まだ元気な肉棒で再度 膣の中で楽しんだ
神山も今度は昇天してしまい祥子も併せるように昇天した
時計を見ると8時30分になったので部屋に戻る仕度をすると
「今夜は早いの?」
「全然 わからない 読めないごめんなさい 出勤は」
「ええ 9時ごろ出ますが」
「うん 僕はもうすぐ出かけるよ」
「そうね お仕事が広がったもんね 電話を下さい」
神山は頷いて部屋を後にし 出かける用意をし部屋を見わたした
久しぶりに地下鉄で出勤をし銀座に9時10分に着いた
次長室に入ると洋子が
「おはようございます ここに用意してあります」
洋子がソファーに着るものを並べて待っていた
神山がGパンを脱いでスーツのパンツを穿こうとした時洋子が
「これはご褒美です」
と言っておちんちんにキスをした
「大変なご褒美だ ありがとう」
神山はさっさと着替えると9時30分まであと15分になった
洋子も一番素敵な高額なスーツを着ていて
「はい 一廻りしてください」
神山は言われた通りゆっくり廻ると
「はい 異常なし 出かけましょう」

二人はお揃いのスーツで本社の秘書室へ向った
エレベーターを降りると皆が待っていて拍手が沸いているなか
神山と洋子は秘書室に行った
暫くすると秘書室長が
「これから 特別人事命課を行います」
そう発表されると神山は秘書室の部屋に入った
社長の権田三朗 副社長の時田 理事の西野 など理事が全員列席していた
「神山 龍巳 殿 右のもの 本日を持って東京本社次長を任命する
平成10年4月30日 株式会社鈴や 社長  権田三朗」
神山は社長の権田三朗から辞令を貰った
「特別命課
神山 龍巳 殿 右のもの 本日を持って株式会社アルタの勤務を任命する
平成10年4月30日 株式会社鈴や 社長  権田三朗」
今度の人事命課でアルタで働く事が許された
神山は特命辞令を社長の権田三朗から受け取った
列席していた理事たちから拍手が沸いた
社長の権田三朗が近寄ってきて
「神山君 頑張ってください 期待しています」
「はい ありがとうございます ご期待に添うよう頑張ります」
また拍手が沸いて 神山の儀式が終った
池上店長が
「おめでとうございます 頑張って ワシは銀座店があるから失礼する」
池上店長は屋敷徹の人事発令を行う為慌しく部屋を出て行った
銀座店の秘書課では当初の9時30分より5分遅らせ準備していた
池上店長が戻ると早速人事命課が始まった
「屋敷 徹 殿 右のもの 本日を持って販売促進部催事課装飾デザイナーを
任命する
平成10年4月30日 銀座店店長 池上 聡」
辞令を受け取った屋敷徹は早速催事課に行って待ち構えていた
スタッフに挨拶をした
杉田は神山のような上司がくると信じていたので驚いたが
逆に頑張る意欲が湧いてきた
一方本社秘書室では理事たちがさり社長の権田三朗と
副社長  時田清三郎 神山の3人だけになった
当面課題になる御殿場アウトレットについての方向性などの意見を
聞かれ 昨日洋子に話をした要点をわかりやすく説明した
社長の権田三朗は
「うん 素晴らしいアイデアだ 誰も考えつかないだろう なあ時田さん」
「ええ 私も始めて聞きましたが そこまで考えているとは
思っていませんでした」
「うん そうだ 何かこじれたらワシの名前を出していいぞ いいね
ただし これは勘弁してくれ」
社長の権田三朗は小指をだして笑いながら言った
「社長 外に私の秘書がおります お呼び致しましょうか」
「うん 頼む 会って見たいな」
神山は外で待っている洋子を呼び部屋に入るよう指示した
「おはようございます 先日神山次長の専属秘書を命じられました





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2011年9月10日土曜日

Vol.427 薔薇 -5-30



4月30日木曜日 快晴
神山は携帯電話の呼び出し音で起きた
時計はまだ7時になったばかりだった
「おはようございます 洋子です」
「やあ ありがとう もう直ぐ起きる所だった」 
「良かったですね ではこれだけです 会社で」
「うん ありがとう」
電話を切って冷蔵庫からビールを出しテラスに出てみた
爽やかな風が優しく躰をなで今日の昇進を祝っているように思えた
携帯電話が又なったので出てみると亜矢子だった
「朝早くからごめんなさい 亜矢子です」
「やあ おはよう」
「昨夜 電話したんだけど 出なかったから」
「うん 疲れたのか早く寝てしまった ごめんなさい」
「そう それで わかったわ 橘の事」 
「良かったじゃないか 理由は?」
「ええ 実は私への嫌がらせだったわ 酷いわね」
「なに それ」
「もう 以前になるんだけど 何回か彼から誘われていたの
だけど 私の好みじゃないし誘いに応じなかったの
で 私はお客さんと仲良く話をしたりしている物だからやきもちを
焼き それが原因だって言われたわ それで橘は厳重注意を受けたわ」
「しかし そんな事されても困るよな 酷い話だね」
「ええ 椿支配人もあきれていたわ ただ彼には5年程前に離婚しているの
そのあと彼女ができたけど 今年正月に分かれて それもあったみたい」
「困ったな 自分で蒔いた種なんだから亜矢子には関係ないのに」
「ええ これで解決したから 静かになると思うわ
また騒いだら 今度は首だって言っていたわ」
「よかったね」
「ごめんなさい 遅くなって おめでとうございます」
「えっ あっ ありがとうございます」
「頑張ってね それから宝くじのお金だけど こんどはちゃんと
一億五千万円 送るわ 私怖いわ」
「うん お願いします」
「近いうちに送金します」
「分りました それと亜矢子は合計4億だよね 今度は建てられるよ」
「ええ お話を待っています」
「うん では」

神山が電話を切るとドアホンが鳴っているので玄関に行くと
「おはようございます 起きた?」
祥子がモニターに写っていた
扉を開けて
「やあ おはよう 今日は早いね」
「ええ 昨夜は早めに切りげて帰って来ました お食事はまだでしょ」
「うん」
「だったら 今日は出来ているから食べていって」
「うん 10分位でいくよ」
「は~い 分りました 待っています」
神山はシャワーで髪と体を入念に洗い祥子の部屋に行った
和食が用意されていて
「美味しそうだね」
そう言い神山は冷蔵庫からビールを出して グラスを食卓に置き
祥子が座るのを待った 祥子が煮物を置いてテーブルに着くと
神山がグラスにビールを注ぎ乾杯をした
「おめでとうございます 頑張ってくださいね」
「うん ありがとう がんばるよ」
祥子は神山と久しぶりの朝食なので嬉しかった
一口食べては神山の顔をみてにこやかにしてまた箸を動かしていた
神山も久しぶりの家庭料理を有り難いと思って感謝していた
綺麗に食べ終わると神山と祥子は
「ご馳走様でした」
そう言い 席を立ち食器類をさげ神山はソファーに座ってお茶を飲んだ
TVをつけて見るとアレックス氏の来日とアレックスジャパンの事を
報道していた アルタや御殿場アウトレットの件は報道されなかった
神山は洋子に電話をしてアレックスジャパンの件を話をした
「ごめん 今日アルタに行くまでにアレックスジャパンの株や
売上など それに平行してアレックスJrの素行関係の記事を纏めてほしい」
「大丈夫ですよ ご安心下さい 出来ています」
「ありがとう さすがだ では会社で見せてもらうね」
神山の電話が終ると祥子がソファーに座って
「大変ね そこまでお仕事するわけ」
「うん こちらが仕事を優位に進めるには 相手を知らないとね」
「そうね 素晴らしいわね」
祥子は神山のほほに軽くキスをしてきた





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2011年9月9日金曜日

Vol.426 薔薇 -4-29



山ちゃん+43 田所さん+31 高橋-5 内野-69 になりました
だから これを納めてください」
高橋は7万4千円をだして神山と洋子に渡した 神山が
「僕は いいよ こんなに」
「ええ 私もいいわ」
高橋が
「ありがたい言葉ですが 賭けは賭けですから」
内野誠二も
「次回は頂けるようがんばります なんで受け取ってください」
「分ったわ 洋子さん頂こう 次回に貯金をしよう」
「はい 分りました 次も池があるところがいいな~」
皆で笑った 高橋が
「ニーナ・ニーナさん 売上が良くて嬉しい悲鳴ですって」
「へぇ~ それはよかったね しかしアンテナの機能は大丈夫ですか?」
「ええ 筋が見えてきたと言っていましたよ」
「それは良かったね あとデーターだね どう生かすか」 
「ええ そこも ほら山ちゃんが注意して泣いた女の子 少し生意気な」
「うん 浜野君だね」
「そう その子が一生懸命に仕事をしているみたいですよ」
「じゃあ お灸が効いた訳だ」
「そうですね もう直ぐ来ますよ 彼女達」
「うん 来たら良い知らせが教えてあげよう」 
その時タイミングよくニーナ・ニーナの面々が来た
祥子たちが
「こんばんわ」
仕事が上手く行っているのか祥子はニコニコしていた
神山は
「久保さん達 みんなが頑張っているからいい事教えてあげるよ」
「なんですか いい事って」
「うん 副社長の筒井さんが今週中には退院です」
面々は 手を握ったり隣りの子と話したりで大騒ぎになった 神山が
「そこで ここは僕たちからご馳走するから一杯食べてください」
またまたニーナ・ニーナの女の子達ははしゃぎ大騒ぎになった
洋子は神山の決断に頷いて 小声で
「さすがね やっぱり私の おちんちんね」
「なんだって 聞こえないよ」
「いいの」
神山の大事な所をポンと叩いた
ニーナ・ニーナと神山たちの間にあった衝立が取り除かれ
8人掛けの大きなテーブルになって盛り上がった 神山は高橋に
「今日は 持つよ」
「駄目ですよ 怒られます」
「明日から孝ちゃんの上司だよ そうだ 24時を廻ればいい訳だ」
「山ちゃん ほんと こっちで持つよ 怒られるんだ」 
洋子が
「いいの 神山が持つと言った時は大丈夫です 安心してください」
高橋と内野は洋子の変身振りに驚いき
「田所さん 完全に秘書ですね 分りました ご馳走になります」
「そう 最初から素直にねぇ」
「そうか 明日から 山ちゃんって 呼べないんだ なあ内野」
「ええ なんか寂しいですね」
「おいおい そんなのは関係ないよ 山ちゃんでいいよ
肩書きは外で勝負する時だけさ 普段は山ちゃんだよ」
「しかし 周りがね どうでしょう 先輩」
「大丈夫さ 内藤社長が山ちゃんと呼べばいい訳だ 大丈夫だよ」
8人はみんなと話してビールや日本酒がどんどんと運ばれた
神山はようやく一枚岩になったニーナ・ニーナを観て安心した
みんなが神山にお酌をして断らないで呑んでいると疲れが出てきて
神山が皆に
「今日は ありがとう 君たちを見て安心した
久保さん 浜野君 これからも頑張ってね
僕も御殿場アウトレットに付いては頑張るから
明日は 酔っ払った格好だとスーツが泣くのでここいらで
失礼します あとゆっくりしていってください」
神山は財布から10万円をだし高橋に
「悪いけどここ 最後まで付き合って貰えないかな これでお願いします」
「はい 常務 畏まりました」
又 みんなで笑った 洋子も
「すみませんが 私も失礼します 明日の準備でごめんなさいね」
神山は少しよろけたが みんなに手を振って別れた
洋子も直ぐにでて神山にお辞儀をして
「お疲れ様でした 明日早めに行きます」
「うん 頼んだよ では」
「お休みなさい」
「うん」
二人が別れた時に祥子が出てきて神山を追い駆け
「ありがとうございます 本当にありがとうございます」
祥子も深々とお辞儀をしてお礼を言った 終ると洋子を追い駆け
やはり 同じことを伝えた 洋子もお辞儀をしていた
祥子は神山のところに戻ってくると
「今夜は早く寝てください お休みなさい ご馳走様でした」
「うん では」
神山はまだ車を待っている洋子に大きな声で
「気を付けてね 明日は頼んだよ」
洋子も大きな声で
「分りました 寝坊をしないようにお願いします」
手を振って神山は上原のマンションに戻った
部屋に入ると簡単にシャワーを浴び
裸のままビールを持ちテラスでタバコを吹かしながら呑んだ
ほろ酔いで温かくなっている体に冷たい風が気持ち良かった
神山は明日対決するアレックス氏の事をシュミレーションしていた
だんだんと体が冷えて来たので ベッドに横になった
疲れが体中を駆けめぐりすぐに寝てしまった 






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2011年9月8日木曜日

Vol.425 薔薇 -4-29



洋子は先日神山にゴテンバ グランド インで買ってもらった
スケスケで上品なキャミソールとレースの
付いた透けているショーツをつけていた
「ふぁ~ すごくいいね 少しHぽっくって」
「ねぇ だから由香里のことは金輪際忘れてね」
「うん 分ったわ」
「ねぇ もう一度 優しくして」
「しかし もう元気が出ないよ」
「まあ うそ仰って おちんちんは上を向いているのに?」
「えっ うん」
神山は下を見るとおちんちんは確かに反応していて上を向いていた
「ねっ 元気でしょ」
そう言って洋子が神山の上になって神山を攻めた
神山も艶かしい洋子に翻弄され又 交わった
神山と洋子は今度こそ力尽き果てぐったりとなった
「これで さっぱりしたわ これからは 亜矢子さんと独占だからね
分ったわね 絶対嘘 言い逃れは聞きませんからね」
「分ったわよ 苛めないでお願いします」
「よし その心構えは 120点」
また二人で大笑いした
洋子はこれで神山と結婚しない事を決意した

「洋子 そろそろ夕飯を食べよう 駅前寿司にいこう」
「ええ」
神山と洋子は出かける仕度を済ませると
「忘れ物はないかな」
「もう いつもそうね それで忘れるもんね 困った人」
また笑い声が部屋に響いた
神山はボストンを持って一応部屋の中を見渡した
「OKだ いこう」
洋子はくすくす笑いながら神山のあとに付いて部屋をでた 
タクシーが来たので乗り込み行き先を告げた
「ねえ 内藤社長以外の人には 代々木をアルタの事務所としよう」
「それより 御殿場プロジェクトチームにしたら だって嘘じゃないし」
「アルタで本格的に動いたら紛らわしいよ」
「そうね でもアルタで作るんだったら Gプロジェクトにすれば」
「いいね 頂きそうしよう」
「Gプロジェクトって格好良いし ねぇ」
「うん」
「作業ジャンパーとかに背中にマークすれば格好いいですよ」
「うん そうしよう ロゴマークを作って 作業帽から服まで付けよう」
「ええ 一目で判るしいいわね」
タクシーは上原の駅前寿司屋に着いた
店内に入ると平日なのでこの時間帯は込んでいなかった
女将が何時ものように奥の座敷に案内しビールを持ってきた
二人で乾杯をしていると神山の携帯がなった アルタの高橋からだった
「こんばんわ 高橋です」
「やあ 孝ちゃん こんばんわ」
「いまどこ」
「えっ 駅前だよ 何時もの所」
「お邪魔していい?」
「うん 今来たところです」
「そうしたら 直ぐに出かけます」
電話を切ると神山が
「孝ちゃんがお邪魔して良いって なんか他人行儀だよな」
「私たちに気を使ってくれているのよ」
「そうか うん」
神山は時計を見ると20時になるところだった
神山と洋子は出てくる鮮魚の盛り合わせを美味しく食べていると
「山ちゃん こんばんわ」
神山は一瞬驚いて
「どうしたの 今 ちっと前でしょ 電話」
「うん ニーナ・ニーナさんの所から電話したんだ」
後ろから内野誠二が
「神山部長 先日は失礼しました ご迷惑をお掛けしました」
「なんだ 誠二君も一緒か まあ そんな堅苦しい挨拶はいいよ 座って
ところで ニーナ・ニーナが どうしたの?」
「ええ 御殿場アウトレットの勉強で来ました」
「そうか そうだよね」
4人で顔を合わせるのは三日ぶりだが 随分と逢っていないように思えた
女将がビールとおつまみを運んできた
神山達は再会を祝って乾杯した
話題はやはり神山のスーパープレーで盛りあがった
「山ちゃん 清算しようね この間の分を計算すると




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2011年9月7日水曜日

Vol.424 薔薇 -4-29



「えっ~ 協定、、、なに」
「もうこれ以上 女を作らないように ねっ」
「わかったよ 逢わせますよ もう苛めないで お願いします」
神山は起きて洋子にお辞儀をして誤った
「いいのよ あなたは女が寄って来るのよ だって素敵ですもん
だからこれ以上寄せ付けないようにするの わかった」
「はい 分りました」
「私と一緒の時は絶対に寄せ付けないわ 亜矢子さんといる時は
亜矢子さんがガードするの わかった」
「はい 分りました ごめんなさい」
「じゃあ 優しくしてくれる」
「うん OKさ」
洋子は神山を抱きしめて キスを求めてきた
神山と洋子はベッドの中で交わり 洋子は今まで以上に
激しく 強く感じていた 神山も変身した洋子を容赦なく攻めた
神山と洋子は二回も昇天し ぐったりと横になっていた
洋子の髪の毛をいじって洋子は神山の顔をいじったりしていると
神山の携帯が鳴り飛び起きて出てみると内藤社長からだった

「山ちゃん 内藤です」
「こんばんわ 神山です」
「山ちゃん いいお知らせで電話をしました」
「はい?」
「筒井さんが 異常なしで 今週中には退院の見込みです」
「ふぁ~良かったですね 精密検査ってそんなに早く出るんですか」
「うん 細かい所はまだ判らない所が有るみたいだけど
退院は出来る事になりました 先ほど奥さんから電話がありました」
「良かったです 喜んでいますね きっと」
「ええ そのうち退院祝いですね 軽く」
「そうですね あまり奥様に心配掛けない程度に」 
「ええ ところで何処?」
「ええ 代々木です 洋子さんと打ち合わせです」
「ごめんなさいね では」
神山は電話をテーブルに置いて冷蔵庫からビールを出しコップを持って
寝室に行き チェストにおいた ビールをグラスに注ぎ
「さあ ビール」
「ありがとう だれ?」
「内藤社長からで 筒井さん 今週中に退院だって」
「へぇ~ 大丈夫ですか?」
「うん 支障がないからだろ ただ細かい所はこれからだって」
「よかったわ 奥さん心配していたものね ねぇ」
「うん よかった 今朝のお見舞いが良かったのかな」
「また~ でもそうやっていい方に考える所が素敵ね 厭味がないし」
「うん 天然ボケだから」
「うん だから女が付いて来るのよ わかる?」
「わからないな~」
「あなたって 女だけは無知ね ほんと」
「分りました 膣の内も知らないし なんにも知らない」
神山と洋子は見詰め合って笑った
洋子が真剣な顔つきで
「ねぇ 信じてね これから言う事 嘘じゃないの」
「わかったけど」
「ねぇ 貴方は辛いでしょうけど 由香里とは縁を切って」
「なにそれ 突然」
「はっきり言うわね 由香里は倉元さんと出来ているの
セックスフレンドなの」
「えっ~ ほんと」
「ほんとよ 自分で言っていたのよ あなたが銀座にくる前だけど」
「へぇ~ そうなんだ そういえばあの二人
妙に息が合っているなと思った事もしばしばあるよ」
「そうでしょ だから巻き込まれたくないの わかって」
「うん わかった 辞めると言っても この頃は逢っていないし」
「絶対に止めてね 今後 由香里と怪しかったら 
私 会社辞めます 良いですね」
「わかったよ そこまで言わなくても」
「貴方 感度が鈍いから教えてあげたんじゃない」
「わかったよ 感度が鈍いのは磨き様がないんだって ありがとう」
「ほんとよ 約束してくれる」
「うん 約束するよ」
「そうしたら 絶対に目を開けたらだめよ 約束できる」
「分ったわ そしたら ベッドから出てここに立って 目を瞑って」
神山はベッドから出て 目を瞑ってたっているとがさがさ音がした
洋子が暫くすると 
「目を開けていいわよ」





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2011年9月6日火曜日

Vol.423 薔薇 -4-29




神山は自分の携帯がけたたましく鳴っているので起きた
「済みません 亜矢子です」
「神山ですが」
「驚かないでね」
「又 宝くじ?」
「そうなの 今度は一等賞と前後賞が両方当ったの」
「えっ また 一等賞と前後賞 えっ、、、ほんと」
「ええ 二億円 私 会社にくる夕刊を調べたわ 本当よ」
「えっ なんで 、、、 何回も」
「それだけじゃないの あなたの分も一等賞と前後賞が当ったわ
前後賞は一つだけど 一億五千万円よ
これは今 知らせないと バチが当ると思って電話したの」
「えっ 一億五千万円、、、ぼくが、、、」
「そうよ 私は二回目だから 結構落ち着いて調べられたわ
だけど ふたりで 当るなんて信じられないわ」
「うん そうか、、、わかった そうしたら また電話する」
「ええ 待っています 夜 遅いほうがいいわ」
「了解」
神山は携帯をテーブルに置いてベッドに戻ると洋子が
「ねえ 一億五千万円とか二億円ってなに」
「うん 宝くじが当ったの」
「へぇ~ だれが」
「僕がさ」
「ふぁ~ 凄いじゃないの それが一億五千万円とか二億円なの」
「うん」
「ふぁ~ あなた大金持ちね 凄い~」
「うん 内緒だよ」
「ええ それで 幾らなの 当ったのって」
「一億五千万円」
「そうすると 二億円は?だれ」
「うん 知っている人だよ」
「う~ん わかっているわよ 亜矢子さんでしょ」
「えっ えっ なんで えっ」
「何で 慌てるの いいの この間 話している時 わかったもん
女の感ね これは 私 大丈夫ですよ ご安心下さい
ただ 私といる時は 私のもの いいわね」
洋子は神山のおちんちんを握り締めよじ挙げた
「わかったから辞めてくれ 痛い お願いします」
「ほんとよ 私 貴方に大切な物をあげたけど 後悔していないの
だって 素敵なひとと一緒にいられるんだったら いいわって
だから 後悔していないよ こんなにいい男いないもん
だから どこで女をつくっても私 自信あるから大丈夫ですよ」
「ごめんなさい」
「誤る事ではないでしょ きっと亜矢子さんも気が付いているはずよ」
「ごめん」
「もういいの 最初から私一人ではない事は覚悟していたから
一緒の時は私だけを考えてね でないと亜矢子さんだって
辛いだろうと思うわ」
「うん ありがとう」
「だからと言って 自分から探し出したら ただの助平親父よ
わかったぁ ほんと 結婚できないと思っていたし いいわ」
そう言い洋子は神山の胸で泣き出した
そのまま二人は横になったが洋子は泣き止まなかった
亜矢子が言ったように現実を見た悲しさがこみあげて来た時だった 
神山は洋子の髪を優しくなでて
「洋子 ずーっと 一緒じゃないか
会社で一緒 終ってからも一緒 一杯一緒じゃないか
洋子が泣いていると 寂しくなるよ」
「もう ばか ばか」
洋子は神山の胸にコブシを当て続けた 
洋子は自分を責め責めてももって行き場所がなく神山に当っていた
「ほら 笑ってごらん 泣いている洋子は嫌いだよ
笑顔の洋子が大好きなんだ」
洋子は涙でぐしゃぐしゃになった顔を作り笑いして
「こんな顔でもいいの」
「もちろん 素敵だよ」
神山は洋子と唇を合わせた
洋子はまた新しい涙が出てきたが 嬉しい涙だった
暫くすると洋子の気持ちが多少落ち着いたのか
「ねぇ お願いがあるの」
「うん なに」
「今度ね 亜矢子さんと一緒に旅行しましょ」
「うん わかった 時間をつくるけどなんで」
「うん 二人で貴方を監視する協定を作るの」





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2011年9月5日月曜日

Vol.422 薔薇 -4-29



だからこうやって立ちあがっても大丈夫だよ」
神山は立ち上がって洋子に全然平気と言うと洋子も立ち上がって
「ほんと 直ぐ下が見えないのね 楽しいわ」
洋子の緊張がほぐれたとみてキスをした
「だめよ 誰か見ているわ」
「大丈夫だよ 見えないところだから」
洋子は気がつき抱き返してきた
神山のおちんちんが大きくなると
「やだ~ もう大きくなっている ふぁ~すごい ふ~ん」
洋子はおちんちんを手で弄んだ
神山は
「そんなに僕ばかり 洋子のここはどうなっている」
神山は秘所を触ってみるとまだぬめぬめになっていなかった
クリトリスを柔らかく触りなでて乳首を吸ったり愛撫していると
「ああ あっ きもちいい あっ あ」
洋子は気持ちがよくて腰を引いたり前に出したり動かし始めた
神山が小さなつぼみを強く動かしたりすると
「あっ あっ うっ うっ~ だめ 行きそうよ だめったら」
さらに周りを触ったり強く愛撫すると
「あつっ あうぅ あぅ~ いくわ だめってば あっ」
余った指をヴァギナに挿入するとぬめった体液で溢れていて
「あっ うっ うっ~ あつっ きたっ あぁ~」
洋子は昇天して体から力が抜けて神山に寄りかかった
神山は優しく抱いて 湯船につかった ジャグジーを使うと
「ふぁ~ 又 くる 当っているの あうぅ あぅ~」
神山は小さなつぼみを又 責めた
「あっ うっ うっ~ あつっ きもちいいわ い・く・わ」
更に 指を膣に入れ少し動かすと腰を動かし始め
首を後ろへ反らして昇天してしてしまった 
「はあ ふぁ だめ ジャグジーとめて お願いだから
体が壊れる お願いします」
神山は洋子の訴えを聞きジャグジーをとめると
「はあ 気持ちいいけど だめよ 体が壊れるわ」
洋子か神山にキスをした
「ねぇ ごめんなさい わたしばかり」
「うん いいよ 気にしないで」
「でも気持ちよかったわ 初めてです こんな事したのも」
「そうか だと これから始めてばかりだよ」
「そうね でも心配していないわ 貴方は優しいから大丈夫ですよ」
「今度 温泉の元とかを買って入浴しよう
また雰囲気が違って楽しいよ」
「そうね 時間を見て買っておきます」
「うん 今日は箱根 明日はラベンダーと変われば楽しいよね」
洋子は神山に寄りかかり幸せそうにうっとりとしていた 
「さあ 布団にいこう」
「ええ」
神山と洋子はバスタオルを巻いて寝室に行った
レースのカーテンを閉めて二人は抱き合った
神山はまだ経験が浅い洋子に 優しくゆっくり時間を掛け
膣を最高の状態にした
「入るよ」
「ええ きて 待てないわ はやく~」
腰を振って催促してきた
神山がゆっくり入るとぬめった体液が溢れ出ていてスムースに入った
洋子は喘ぎ声を大きな声で出し
神山がスピードを速めると体を反らして昇天してしまった
それを合図に神山も昇天してしまった
暫く洋子の上にいた神山は降りて横に寝ると洋子が
「ねぇ こんなに気持ち良いの 毎日 して お願いよ」
「うん 出来る限り」
「いや 出来る限りじゃ 絶対毎日よ」
「わかったよ」
神山は冷蔵庫から地ビールを出して洋子に
渡しソファーでタバコを吹かした 
洋子も地ビールをもってソファーに座って
「こうしていると ホテルにいる気分ね いいわ」
「うん 今はね これから 時間の空いた時に来るとか
洋子と二人だけで話すときに使うことになるね」
「そうね でも いいの 幸せよ」
神山と洋子は見詰め合って色々と話していると眠たくなり
「少し寝ようか?」
「ええ 気持ちが良くなったら眠たくなったわ」
二人は再び寝室のベッドにもぐりこんで眠った





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2011年9月4日日曜日

Vol.421 薔薇 -4-29



「怒っていませんよ 飽きれているのよ」
「どちらにしても 普段と違う顔しても素敵だよ ははは」
「もう わらって 知りません」
「ところで 銀行の口座変更は何時から出来るの?」
「ええ 直ぐ出来ると思いますけど 1ヶ月くらい後がベターじゃない」
「そうするか あとカードケースを買わなければいけなくなった」
「お財布は」
「うん 財布に入れると膨らむのが嫌なんだよ」
「そうね そうしたら あすニーナ・ニーナさんで買えば」
「うん 急に2枚も増えて困っているんだ そうだ
フェアレディーZの鍵も何か付けないと無くすね」
「ええ 明日店内で探しましょう 素敵なスーツを着て
私もスーツを着るわね朝から一緒よ」
「そうか 洋子も着るんだよな 参ったな また有名になるよ」
「いじゃない いい事で有名になるんだから あのスーツを 
着こなせる男性は数少ないわよ ほんと 自信もってね」
「ありがとう そろそろお昼にしよう それでここは閉店にしよう」 
「大丈夫ですか?」
「うん 大丈夫だよ」
神山は忘れ物が無いか点検して出ようとした時 亜矢子から電話があった
「はい 神山です」
「亜矢子です お忙ししところ済みません」
「そんな」
「今 1千万円振り込んでおきました」
「どうもありがとうございます」 
「では 急いでいますから 失礼します」
「はい」
洋子が
「だれ?」
「うん 昨夜あった人からお礼さ さあ出かけよう」
「は~い 分りました」

神山と洋子は傍のビル8階にある串カツ定食を食べる事にした
「今日は貴婦人を使わないから存分に呑んでいいよ」
「そうですね 車があると呑めないしね」
「ここは良く来ていたけど美味しいよ 夜だってそんな高くないし」
「こんど夜来ましょうよ」
「うん そうしよう」
神山と洋子は順番に出される串カツをワインを呑みながら食べて
美味しい串カツは追加して食べた
神山と洋子は食べ終わると神山が
「さあ それでは代々木へいこう」
「そうね お昼寝もしたいし」 
神山は 早速AEXのカードを使った
「ふふふ やっぱりね 私 絶対に使うと思っていたの」
「そしたら 使った うん口座を変更するのに履歴がないとね」
「そうね お店は手数料引かれるから嫌がるけどね」
「うん あるんだから使わないといけないな」 
神山と洋子は店を出てタクシーで渋谷の家具店に行った
洋子は代々木マンションのカーテン寸法を測っていたので
今日 買うつもりだった
寝室と居間 浴室の分を購入して代々木のマンションへ向った
部屋に入ると外側にレース 内側に緞帳のカーテンを吊るし
まだ早い時間だが雨天で外が暗いのでレースのカーテンを閉めた
「素敵なお部屋ね いいわ 気持ちが落ち着くわ」
「うん カーテンを閉めると違った世界だね」
神山は冷蔵庫から地ビールを出して洋子渡しグラスに注いだ
ようやくここでゆっくり出来て神山は洋子に
「洋子 ここに泊まるときがあるよ いいね」
「ええ 何とかするわ あなたと一緒なら努力するわね」
「ありがとう さあ 風呂に入ろう」
洋子は
「わかったわ 先に入っていて」
神山は言われた通り先に入り湯船に湯をためた 
シャワーで簡単に洗い流し湯船に使っていると洋子が入ってきて
「ねえ 恥ずかしいから 外を見ていて」
神山はガラス越しに見える雨雲と遠い景色を見ていた
照明を点けていないので浴室内は外からの光だけだった
「失礼します」
洋子が湯船に入ってきた
神山はまだ一回しか経験がないので緊張しているのがわかった
「こうやって座ると遠い景色しか見えないのが残念だね」
「ええ それに雨だし」
「この部屋は外から見てもテラスで死角になって見えないんだよ





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2011年9月3日土曜日

Vol.420 薔薇 -4-29



僕は会社を動かした事は一度もない しかし人を動かす事は出来る
僕が言っているのは会社形態じゃない 
内藤社長がアレックスジャパンの最高顧問になれば 
アレックスジャパンはアルタの傘下さ そう言う事さ」
「あっそうか そうよね 内藤社長が実権をとるんですもんね」
「うん たまたま僕は運が良くて重要人物と会っている訳さ
それって チャンスだろ 生かしていかなければただの遊びだよ
そのためには裏情報を集める事が大切なんだ」
「ねぇ 私 わかったけど あなたが何か大きすぎて
わからなくなったわ 私一人で大丈夫?」
「うん 大丈夫だよ こんな程度でOKさ あとは僕が料理するから」
「私 あなたと一緒にいられるかしら」
「うん 慣れれば大丈夫だよ」
神山は冷蔵庫からビールを2本出して洋子に渡しタバコを吹かした
洋子は神山がどこか遠い世界を見ているように見えてきた
「御殿場アウトレットは普通にお仕事をするんでしょ」
「うん さっきの組み合わせとかその他の業種の組み合わせ
こういった事を考えなければ廃れるだろうね」
「そうね」
「例えばだよ アレックスブティックを造りました
毎月 目玉商品が格安で出品します どうこれって」
「う~ん 普通でしょ」
「毎月買いに行く まあ 2,3ヶ月に一回 買いに行く?」
「う~ん どうでしょうね」
「そこで あのブティックに必ず行きたくなる方法 心理を考えるのさ
二つ三つ挙げると さっき言ったイベント
これは何処の店でも考えるんだ
僕は この方法でない 方法で例えばクッキーが出来る過程を
みせ出来立てを食べてもらうとか そういった異業種の組み合わせを
考えているんだよ」
「う~ん そうね あそこって美味しいわもありだし そうか」
「そうそう そうなんだよ ひとつの事を出し切ると後が廃れるんだ
だから組み合わせが絶対条件になってくる
僕が描いているのは アレックスグループブティックの真中を
くりぬいて 広場を造って そこにさっき行ったような異業種を
年2、3回或いは 4、5回のペースで替えていけば飽きが
来ないだろうと思う その下のレベルでイベントを開催していけば   
楽しくて面白くて 安いアレックス商品が買えるわけさ」
「すごいわ そう言うふうに考えられないわね普通 そうしたら
楽しくて又行って イベントを見るだけで良い訳でしょ
そうするとアレックスのネームバリューが上がる訳ですね」
「うん 僕はそのプラスアルファーの底辺を上げたいのさ」
「あっ そうか 素晴らしいわよ 私 幸せだわ」
「御殿場アウトレットには多分時計屋は出ないよ そこで
時計屋の宣伝もしながら アレックスで使うわけさ」
神山は次長室からスケッチブックを持ってきて簡単な絵を書いた
「凄いわね みんな喜ぶわ絶対ね」
「分ってくれた 僕がしたいこと」
「うん 凄くわかる わたしこの時間あなたと一緒って幸せよ
だって出来ない夢じゃないもの できるわ」
「楽しいだろ 考えているだけでも」
「ええ みえるわ うん ちゃんと見えている 大丈夫よ」
洋子はようやく神山の進めたい所に光が見えてきたし
これで心構えも出来て戦う準備が出来たと思った
「ふぁ~ わたしが独占している すごいな~」
「ありがとう だから洋子は焦らずに僕が指示してくれた事を
こなしてくれればいいよ 背伸びする事はないから」
「だけど 趣旨を聞かないと分らないままになり捗らないかも」
「御殿場アウトレットに関しては先ほどから言っている通り
だってその他は仕事ないじゃん」
「まあ ないわね」
「だから 食べて呑んで 自分の栄養にするのさ わかった」
「は~い 分りました それから昨夜報告しなかったのですが
AEXのカードが届きました こちらです」
洋子は神山に郵便物を手渡した
神山は開けてみると格好いいカードが現れた
「すごいわね 格好いいわね きらきらが」
「さあ このカードは何時使うかですね 殆ど使わないね
しかしこんなこと言うと洋子に怒られるから言わないよ」
「そうね 今の状況だと使わないわね」
「今年 洋子のクリスマスプレゼントが第一号かな その後は 来年の
ホワイトデー そんな所か」
「うん もう 私が心配してんのに 知らない」
「ほお 怒った顔も素敵だよ」






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2011年9月2日金曜日

Vol.419 薔薇 -4-29



ベッドで筒井が弱々しく寝ていて 夫人が付き添っていた
「この度は 驚いている次第です 少ないですが受け取ってください」
「申し訳ございません 先ほど意識を取り戻したんですよ
今は眠っている状態です」
「あ~良かったですね 戻されたなら大丈夫ですよ ご安心下さい」
「ええ 久保さんや浜野さんが朝早くから来てくださって
意識が戻ったので帰られました 助かりました」
「そうなんですか でも良かったです」
話し声が聞こえたのか 筒井は目を覚まし
「やあ 山ちゃん 田所さん心配かけたね 済みません」
「ごめんなさい 声が大きすぎましたね」
「いやね 急にふぁ~として目がさめたらここでさ
本人はなにもわからないって事なんだ 午後から精密検査を
行うようになっているらしい まいったね」
「多分 心労ですよ 大丈夫ですよ 直ぐに現場復帰ですよ
休める時休んでください
それと昨日頂いたスーツで30日の辞令を頂きます」
筒井はにこやかな顔で
「そうか ありがとうございます あのスーツも山ちゃんに
来てもらえて喜んでいるよ きっと」
「ネクタイは田所さんと久保さんに選んで頂きました
勿論 ニーナ・ニーナさんですよ」
「そうか みて見たいな 明日抜け出そうかな」
奥さんがニコニコしていた顔をこわばらせて
「お願いしますから辞めてください これ以上嫌です」
「おう 分りました 山ちゃんが来てくれているんだ お茶 ほら」
「あっ 良いですよ すぐに帰ります
そのうちきちんと正装して本社に伺いますよ
早く良くなってください」
「うん わかった 山ちゃんありがとうございます」
「では 失礼致します お邪魔しました」
神山と洋子はお辞儀をして部屋を出た 
「良かったわね」
「うん 精密検査次第だね 喜べるのは 
ただ意識が戻ったから大丈夫だと思うよ」
「そうね」
「さあ次長室に戻ろう 今度は運転するよ」
「は~い 分りました」

二人は駐車場へ行って車に乗り込んだ
銀座の次長室まで20分くらい掛かった
車をホテルの地下駐車場に止めると次長室へ戻った
部屋に入ると神山は冷蔵庫からビールを出して洋子に渡し
ソファーで呑みながら 洋子に
「昨夜の東都食品の件だけど 見せてくれる」
洋子は昨夜ここでプリントした書類を神山に見せた
全てに目を通すと
「どう思う」
「ええ なんか酷いですね 会社をSEXする場所と
考えている役員が多くて 女性社員はそれをネタに恐喝とか
考えられない世界ですね」
「うん 性モラルがないのかな 崩れているのか」
「それで どうするんですか この会社を」
「うん 鈴や食品の傘下に出来ないかなと思っている」
「えっ鈴や食品の傘下」
「うん 会社全部じゃないよ 切り刻む だから部分的にだよ
向こうのAと言う部門があって業績が悪るかったら
お荷物でしょ そこを切り離して傘下にするわけ」
「う~ん 凄い事考えているのね」
「御殿場アウトレットに出店するのに何が足りないかと言うと
総合的に経験不足 一流が居ない これでは出店は無理だよ
そこで 選択肢として テナント募集形式にするか
鈴や食品の体質を変えるか これしかないんだ どう」
「ええ 貴方の考えているとおりよ もうそこまで考えているんだ」
「うん そこでしつこくステーキに拘ったが 例えばだよ
あれを御殿場でなくても食べられたら口コミで広がるだろ
先日の 地ビール作戦と一緒さ だから色々な組み合わせが出来るよう
こちらで用意している訳さ だから始まったばかりだよ
アレックスグループも見通しがついているしね 料理方法は
考えている アレックスジャパンはアルタの傘下にする」
「えっアレックスジャパンをアルタの傘下???」
「うん 御殿場アウトレットと平行して考えていろ」
「ねェ あなたの言う事は分るけど そこまで出来るかしら」
「うん 出来る 信じなければ信じないでいいよ





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2011年9月1日木曜日

Vol.418 薔薇 -4-29



「うん 安いよ」
神山は小声で
「あそこは僕の上司の紹介なんだ普通は一人3万を超えるんだ」 
亜矢子も小声で
「そうなの わかったわ」
「また お店のお客様でもあるんだよ そんな訳で多少
優遇してもらっているんだ」
「そうなの」
話していると熱海の駅ロータリーに着き亜矢子が先に下りた
「ここで待っていて そうだ あっちはタクシーが来ないから」
神山はまた歩かなければ行けなかったので タクシーで
フェアレディーZを駐車しているホテルまで行った
早速周りを点検したが異常なかったので乗り込んだ

直ぐに発車して熱海駅ロータリーに入ると亜矢子が寄って来て
「ふぁ~凄い車ね 気を付けてね また電話します」
「うん 橘さんの事何でもいいからメモして教えて
何か 解決策があると思うし 後は椿さんに話す事だ
自分で抱え込んでも解決はしない いいね」
「はい 今日にでも 支配人に話します ありがとうございます」 
「うん では」
神山は昨日来た道を帰った
小田原で有料道路に乗って少しスピードを出せたが さすが雨なので
控えめに走った それでも100を下回る事無く走れた
神山はこの車だったら雪以外なら500km走っても大丈夫だと感じた
公表数字では燃費 リッター8.2kmとなっていて
満タン72リッターなので数字上は500kmを越すが神山の運転だと
半分とみておけば大丈夫だった
気持ちよく走っていると銀座につき地下の駐車場へ入庫した
次長室のビルまで僅かだが濡れてしまった
熱海を9時30分に出たからちょうど一時間かかった
ビルに入ろうとするとしまっているので 定休日と気がつき
カードをスキャンさせ暗証番号を逆さから入力すると開いた
次長室へも同様の操作ではいると洋子が来ていた
「やあ おはようございます 早いね」
「おはようございます ええ 貧乏性ですかね 家でゆっくり出来なくて」
神山は洋子の躰を思い切り抱きしめた
「だめです お見舞いが済んでからです」
「わかった 洋子 傘 どこかにないかな」
「そうしたら 警備室で借りとけば」
「あと 濡れた傘を入れておくビニール袋はある」
「それも警備室で借りたら」
「あの黄色いのを?」
「ええ 仕方ないでしょ」
「わかった 何か飲み物はある?」
「ええ コーヒーがあるわ 仕度しますね」
洋子は冷蔵庫からペットボトルのコーヒーを取り出し
コップに注ぎ神山に渡した
ソファーに座った神山はタバコを吹かしながら
「その後筒井さんやニーナ・ニーナから連絡はあった?」
「いいえ なしです それと確認しましたら 
安田病院の新館で間違いありません」
「そこの病院は新館と本館を間違えると偉い事になるからね
僕は以前見舞いに行ったけど 間違えたので建物でてぐるりと1周
ほんと 分りづらいね」
「ええ 私も間違えて大変でしたよ」
「なんかさ 赤い建物とか蒼い建物とかと表現してくれると助かるな」
洋子は笑いながら聞いていた
「さあ それではいこうか お見舞いの袋は?」
洋子が神山に手渡すと
「ふぁ~ 綺麗な字だね うん見直した 
英語で書かれたらどうしようと思っていたよ」
洋子は笑いながら
「そんな事 するわけ無いでしょ もう」
「わかった ごめん ではいこう 今度は運転してくれる?」
「ええ 嬉しいわ」

二人はビルをでて 駆け足でホテルの地下駐車場へ入った
フェアレディーZに乗り込むと洋子は警備員室で傘を借り
直ぐに文京区にある安田病院の新館へ車を走らせた
車を駐車場に止めると傘をさして病院へ入った
筒井の病室は直ぐに判り入り口で扉をノックすると中から女性の声で
「どうぞお入りください」
と言われ入った






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