2011年8月31日水曜日

Vol.417 薔薇 -4-29



神山はしたから押し上げると
「だめ おくまで来ているわ ああぁー きてー ああぁー」
神山は乳首を掴んで愛撫し始めた
亜矢子は腰の動きを上下と前後と色々変化させてきた
さらに歯で軽く噛むと 状態を退け反らし
「あっ あ・な・た ちんぽ いい きて あうぅ あぅ~」
片手で乳首を強くつねると
「いぐぅ~ あうぅ あぅ~ いぐぅ~ きて」
亜矢子の膣がきつくなり 腰の動きも早くなって
「だめだ でる」
「きて~ いぐぅ~ ああっ」
ふたりは一緒に昇天した そのままの格好でいたが神山が抜こうとすると
「だめよ 今 余韻を楽しんでいるの」
亜矢子は腰を更に下げて神山が逃げられないようにした
段々小さくなるちんぽを諦めたのか
「許してあげる」
亜矢子は腰をあげて許してあげ 一緒に湯船に浸かった
「気持ちよかったわ すっきりした でもねまだじんじんしているのよ」
神山は指で秘所の中を触ると
「ねえ やめて ほんと躰が持たないわ お願いします」
暫くそのままの格好で湯に浸かっていると石畳の階段に
カランコロンと下駄の音が響いてきたので
あわてて浴衣を羽織 帰る準備をした 
施錠してある竹の扉が叩かれ
「すみません 交代をお願いできますか」
「ええ もう少しで出ますから待ってください」
神山達とすれ違ったのは同年代のカップルだった
部屋へ戻ると神山は冷蔵庫からビールを出して亜矢子と呑んだ
「ふぁ~ 気持ちいいわ なんかさっぱりした後って」
「うん 風呂上りのビールは最高だね」
二人でそんな話をしていると亜矢子が
「ねぇ 今日 一杯入って貰ったから疲れたわ 寝ましょ」
「うん 明日会社だし 寝ようか」
「ねぇ 貴方がまだ元気あるんだったら お口でするわ」
「いや もう駄目だね 遠慮はしていないよ」
神山と亜矢子は新しくして貰った布団で眠ってしまった

4月29日 水曜日 小雨
神山と亜矢子は朝早くから部屋にある露天風呂に入り交わっていた
衝立越しに若女将が
「朝食のご用意が出来ました ご準備が出来ましたら
呼び鈴でご連絡をお願い致します」
そう言い衝立の向こうにいる神山と亜矢子に声を掛け出て行った
「亜矢子 でよう」
「ええ 少しまって」
亜矢子はシャワーで髪を流した
バスタオルでよくふき取り浴衣をきてテーブルの前に座った
神山は冷蔵庫からビールを出して亜矢子に渡し呑んだ
「あ~あ 美味しい 今日はやだね 雨なんか降って」
「ええ お客さんも辛いわよね 雨だと こうやって部屋の中なら別ね」
神山は呼び鈴で若女将を呼ぶと直ぐに来て
「失礼致します」
と言い丁寧に襖を開け部屋に入ってきた
朝食は焼き魚が出され七輪で焼かれた 直ぐに頂くと美味しかった
神山と亜矢子はもう一本だけビールを頼んで持ってきてもらった
お互いこれから仕事があったので自重した
全て食べ終わると まだ時間があったので二人は少しだけ寝た
1時間も寝たのか頭はすっきりしていた
亜矢子は起きていて化粧をしていた 軽く化粧をしたといっても
地が綺麗だから見違えるようになる
「さあ 仕度できたわ あなたもしてくださいね」
神山は浴衣を脱ぎ捨てて替え下着を穿いた
Gパンを穿いてTシャツを着ると
「こちらもOKだよ」
神山は電話で帰る事とタクシーの手配を伝え 部屋を見渡し出た
離れの玄関には傘が用意されていて 旅館の玄関まで行った
会計を済ませようとすると亜矢子が
「ねえ今日は私が出すわ お願いします」
神山は頷き亜矢子が清算をした
タバコを吸って待っているとタクシーが来て乗り込んだ
若女将が
「またのお越しをお待ちしております」
深々とお辞儀をして見送ってくれた
「あれだけのサービスで5万円は安いわね」





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2011年8月30日火曜日

Vol.416 薔薇 -4-29



ここの部屋に電話をしてきてくれたんです 済みません 
言葉が足りなくて」
「うん わかった 携帯は鳴っていないし 内藤社長には
話していたけど忘れたかな 兎に角分りました ありがとう」
「はい 失礼致します」
神山は亜矢子に
「明日はここでゆっくりとして帰りましょう 10時にここを
出れば間に合いますか」
「ええ でも早くても構わないわよ」
「分りました お言葉に甘えて9時過ぎにしましょう」
神山は呼び鈴をならし卓上を片付けてもらった
「如何でしたか お口に合いましたでしょうか」
「ええ ご馳走様でした」
「こちらを片付けましたら 床を新しくご用意させて頂きますが」
「うん お願いします」
「よろしければ 下の露天浴場もご堪能下さいませ」
「混浴ですか?」
「いいえ 家族風呂ですよ 今の時間は空いていますがどうされますか」
神山は亜矢子の顔を見てみると頷いたので
「では 伺いますので お願いします」
「はい 分りました その間にご用意させて頂きます」

石畳の階段を進むと竹で出来た門があり中から湯気が立っていた
広さは内風呂より広かったが造りは殆ど一緒だったが
湯船の底が浅い所と深い所と段差があった
浅い所は子供が倒れても沈まないくらい浅く
深いところは家庭用の深さと一緒位だった
亜矢子と神山は浴衣を脱ぎシャワーで躰を流すと
どちらかとも無くキスをし抱き合った
神山はおちんちんを亜矢子に押し付けると
亜矢子も腰を動かして押し付けておちんちん片手で握りしめた
離れると亜矢子が湯船にしゃがみおちんちんを咥えこんだ
上手に両手を使い肉棒を大きく硬くしていった
「ねえ亜矢子 だめだ 出るよ」
「いいわよ 受け止めてあげる だして」
亜矢子はそう言うと手の動きと口の動きを早くした
強く握ったり速く動かしたり 段々と上手になってきた
「わあ だめだ でる」
神山は発射してしまった
亜矢子は最後の一滴までしぼった
「美味しかったわ」
亜矢子はそう言うと神山を湯船に座らせ片足は湯船で片方は外に出し
神山の頭を跨ぐ格好になり口の所に自分の秘所をあてがった
腰を振ると気持ち良くなってきたのか喘ぎ声が漏れてきた
神山は空いてる指を使って秘所の中に入れるとスルッと入った
唇でクリトリスを柔らかく噛んでいると腰の動きが速くなった
「あっ あっ うっ いいわ い・き・そ・う」
神山は指を廻し始めると
「ああっ うっ いく あつっ うっ だ・め」
亜矢子は秘所からねばねばした体液を溢れさせ昇天してしまった
神山はその体液を飲み込み
「亜矢子のも美味しかったぞ」
神山が言うと亜矢子は湯船に浸かり
「でもこの頃 可笑しいのよ」
「どこが?」
「躰 全体が敏感になって あなたがちょっとでも触ると
あそこがジーンと疼いてくるの 普段はなんとも無いのにね」
「そうすると 僕が触るともう濡れてくるんだ」
「ええ この間も触らないでって言ったでしょ ほんとよ」
試しにクリトリスを優しく触ると亜矢子は躰をよじって
「だめ ねえ やめて あ」
神山は更につねったりしていると
「ほしいわ あっ うっ 」
「何がほしいの?」
「あっ あっ あ・な・た ちんぽ あつっ きもちいい」
秘所に指を入れて先ほどのように廻すと
「だめ いきそう ねえ あっ あっ ちょうだい ちんぽ」
亜矢子は空いている手で神山の肉棒をしごき始めた
硬く大きくなった肉棒を亜矢子はさらに大きくしようとした
神山は縁に腰掛け亜矢子を抱き上げ神山の腰を跨がせた
亜矢子が腰を落とす時に自分で肉棒を握りヴァギナにあてがった
腰を落とすと肉棒は秘所にすっぽり入り
「ああ いいわ 気持ちいいの あっ あっ 」
「うん 僕も気持ち良いよ」






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2011年8月29日月曜日

Vol.415 薔薇 -4-29



「はい桜川です」
亜矢子は頷き話していたが
「いつも急で お金だけでは済みませんよ もう少し人を増やすとか
考えて頂かないと 私も疲れます」
まだ話が続き 最後に頷き電話を切ると
「あなた ごめんなさい 明日 緊急出勤になりました ごめんなさい」
「先日もそうだったね 仕方ないじゃないか」
「本当にごめんなさい」
「おいおい 亜矢子が悪いわけじゃないから 元気出して」
「この頃 橘副支配人が可笑しいのね 何が原因だか分らないけど
若い子の小さなミスをした時に 必要以上に怒るの だから若い子は
辞めないで頑張ってはいるけど 繰り替えされると休んじゃうのよ」
「困ったね なんだろうね それで何時から」 
「ええ 14時出勤です」
「まったく こちらの動きを読んでいるみたいだね」
「ほんと 嫌になるわね」
「わかったけど中途半端な時間だね」
「ええ」
「亜矢子さ このままの格好で出られるの?」
「ええ それは問題ないけど 赤パンが一枚だし」
「うん そうしたら その格好でOKなら 御殿場の病院もあるし
送っていくよ 実は車で来ているんだ だからホテルの傍まで
送っていくよ」
「うん 嬉しいけど だめ そんな事したら仕事にならないもん
だから今夜一杯して お願い」
「うん わかった」 
神山は食事が終った事を呼び鈴で知らせると直ぐに若女将が来て
デザートを持ってきてくれた
「明日の朝食は7時ですが宜しいですか」
「ええ お願いします」
若女将が部屋を出て行くと今度は神山の携帯電話がなった
「はい 神山です」
「私です 夜分に済みません」
「うん どうしました」
「ええ いまアルタの内藤社長から電話があったんですが 
ニーナ・ニーナの筒井副社長が今日夕方会社で倒れたと連絡が
今 入りました 命に別状は無いそうですが いかがしますか」
「うん わかった 明日12時にまでに次長室に行く 申し訳ないが
一緒に行ってくれるかな ごめんなさい」
「ええ 構いません」
「洋子は11時頃出てくれば充分だよ それと正装はしないこと
今日の格好でいいからね あとお見舞金で 2人で幾らにするかだ」
「そうですね 10万円では少ないですし かといって高額になると
先方のお返しが大変ですし」
「わかった 連名で30万包みなさい 会社や役職はいらない」
「はい 分りました」
「筒井さんは病院?」
「ええ 意識が戻っていないんですって」 
「どこ」
「安田病院の新館と言われました 明日確認します」
「あそこの病院なら大きいし先生もしっかりしている 大丈夫だ
確認だけはしておいて お願いします」
「はい それから 東都食品ですが 色々と出てきました
こちらも整理して置きます」
「やっぱり 出てきたか 洋子忙しくなるぞ わかった
もう帰りなさい 今日はもう良いよ お願いします」
「はい 分りました では帰らせて頂きます」
「うん では明日 おやすみ」

亜矢子に
「なんて事でしょうね」
「倒れたって 何方ですか?」
「うん ニーナ・ニーナの副社長さんだよ
僕を可愛がってくれて 今日も人事命課前だけど挨拶に行ったら
凄く喜んでくれて 今夜 暇かって言われたから 仕事ですって
ことわったんだよ でも命に別状は無いから安心だけどね」
「よかったわね」
神山はなんでこの時間に内藤社長から洋子に電話が行ったのだろうと
不思議に思った 洋子に電話をした
「たびたび 神山です」
「はい 私です」
「うん なんでこの時間 20時なのに洋子のところに来たの?」
「済みませんでした 実は内藤社長が筒井さんに話がって
電話をしたら社員からこの事を知って





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2011年8月28日日曜日

Vol.414 薔薇 -4-29



決定的な貴方の弱みって自分で分る?」
「う~ん わからないな」
「あんたの弱みは 辛い過去を持った女性で影を持っている女性ね」
「なんで分る?」
「だって 私でしょ 洋子さんでしょ 同じじゃない 境遇が」
神山は気がつかなかったが 言われて納得した 由香里もそうだった
「ねっ 分った だからあの若女将のように影がない人には
興味が湧かないのよ」 
「なるほど そうか」
失礼しますと言って襖が開けられ
「失礼します 日本酒をお持ち致しました」
そう言い神山のお猪口に酒を注ぎ亜矢子にも注ぎ終わると
挨拶をして出て行った
「ねっ 分るでしょ 自分でも あの人は三拍子揃った
いい女性よ 多分人気者だと思うわ だけど影がないから
貴方は興味が湧かないのよ」
「うん まあ自分がわかったからじゃあ変えなさいって言われてもね」
「そうね 洋子さんと話している時も同じ雰囲気を持っていたから
ああやってお話が出来たんじゃないかしら」
「ふ~ん そうなんだ ぜんぜん分りません」
「そうね 貴方はそれでいいわ でないとただの助平おやじよ」
「そうか すけべね だれでも持っているけど僕の場合は
ネガティブじゃなくポジティブに考えているから救われるのかな」
「そうだと思うわ それと貴方の実績でしょ それが女にとって
すごく大きな要因になるわ だって若い子はそれは元気で楽しいけど
世の中の色々な仕組みがわかっていないし 例え何かしようとしても
動かせないでしょ そこが違うわね 貴方は凄いもの だから
洋子さんだって付いてくると思うわ 女って実力があるだけじゃ
付いていかないもん 秘めた力と 元気ね」
「なんか 今夜は亜矢子の講演会になったね」
「そんな あなたが知らない事教えているんでしょ もう 知らない」
「ごめんなさい そう言うつもりじゃないんだ」
「女わね 実力 優しさ 元気勿論おちんちんも含めて だけど
おちんちんが元気ないとその人自体元気無いわよ それと思いやり
最後にお金 良く若いカップルで お金が無くても幸せですって
よく聞くけど それはその時のベールで覆われていて見えないのよ
幾つになっても見えなければ その人なりの幸せでしょうが
女としてどうかってなると疑問符が付くと思うわ 違う?」
「そうだね う~ん そうすると僕には何が足りない?」
亜矢子は笑って
「あなたは 有り余っているわ だからみんな付いて来るでしょ
それに優しさと思いやりがあるから男の人にも好かれているわよ」
「そう言われれば 後輩からはよく言われるな
実は今朝 部屋が変わるんで自分の荷物を整理していたら
後輩が 僕がいる時しないで下さいって 辛いですからって言われた」
「そうでしょ だから貴方は変な事考えないでこのまま進むしか
ないわね もっといい男になってみようとか そんな上辺を
考え出したら お終いよ ただの助平おやじよ わかった」
「わかった 元気がなくなった」
神山は立ち上がり ちじみ上がったおちんちんを亜矢子に見せた
「もう 食べているのに ば~か 汚いわよ 小さいのなんて」
神山は自分でしごいて大きくすると
「これでもだめか」
亜矢子は我慢できずふきだしてしまった
「わかったからしまって お願いします でないと食べられなくなるわ」
神山は座って 
「しかし 洋子さんは気付いているんだろうか」
「当たり前でしょ だからあなたは洋子さんといる時は
彼女を大切にして守ればいいのよ 多分あなたと結婚は考えていないわよ
洋子さんは負けず嫌いで男勝りでしょ」
「うん 車は良く知っているし 運転は上手だね」
「そうね 悲しい時 辛い時に運転を覚えたんでしょうねきっと
私が卓球にのめりこんで現実を見たく無かった時代があったように
彼女にもそいゆう時期が合ったと思うわ」
「ありがとう 胸にしまっておくよ」
「ええ そうしてね」
呑み終わると亜矢子がご飯をつけてくれて
「では 頂こう 椀が冷めたけど頂きます」
二人は見詰め合って笑いご飯を食べた 
「この間の赤沢ホテルも良かったけど ここも落ち着くわね」
「うん こうやって潮風を浴びながら食べるのもいいよね」
「ええ 私 幸せだな~」

亜矢子が幸せな気分でいる時に亜矢子の携帯電話がなった





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2011年8月27日土曜日

Vol.413 薔薇 -4-29



「でる」
「きてー いくわぁー き・て・早・く い・く あぁー」
亜矢子は昇天したのか 頭を下げた 段々もどる膣から肉棒を抜くと
「あっ でちゃだめ あっ」
神山は抜いた肉棒を湯で軽く流し 亜矢子の秘所から溢れ出てくる
体液を優しく流してあげた 亜矢子は振り向いてキスをした
「こんなに大事にされて幸せよ」
「さあ でよう 小さくなったし」
神山と亜矢子はおちんちんを観て笑った
露天風呂からあがるとバスタオルで亜矢子の躰を拭き
「今度は私よ」

亜矢子は神山の体をいとおしそうに丁寧にふいた
浴衣を着て呼び鈴で連絡を取ると神山は冷蔵庫からビールを出して
亜矢子と呑み若女将がくるのを待ったがすぐに襖が開き
「失礼します ご用意を致します暫くお待ちください」
若女将は笑顔で盆で運ばれた料理を座卓の上に並べていた
どれも趣向を凝らした料理で美味しいそうだった
さらにもう一つの盆から伊勢海老やくろだいの船盛を座卓に乗せると
鮮魚のオンパレードになった 並べ終わると若女将が
「本日は この様なところにご宿泊頂きましてありがとうございます」
「こちらこそ 宜しくお願いしますね」
「はい それではこちらに火を入れさせて頂きます」
「お願いします」
若女将が小さな七輪に火を入れ
「このかつおは ここではめったに捕れない早鰹です」
一口大の鰹を火であぶり取り皿に置いていった
「どうぞ お召し上がりくださいませ 温かくても美味しいですよ」
「初めて 温かい あぶりを頂くの」
「普通は 冷ましますけど あぶりたても美味しいですよ」
亜矢子はすぐにたれに付け口に運んだ
「おいしい~ 本当に美味しい」
「よかったです お褒め頂きまして」
神山も若女将の勧めるあぶりを口に運んだ
「若女将 美味しいです ありがとう」
「気に入って頂いて 恐縮です」
二人は若女将があぶってくれた鰹を無言で口に運んだ
お酒を呑む事を忘れていた神山は
「若女将 日本酒をください」
「はい かしこまりました」
鰹のあぶりを済ませると 日本酒を用意する為部屋を出た
神山は冷蔵庫からビールを出しコップに注ぎ
「では 改めて 乾杯」
「はい 乾杯」
亜矢子も神山も鮮魚を味わっていた
ビールを呑み終えた頃 若女将が日本酒を持ってきた
一緒に漬けタレも用意し
「このタレはあぶりが冷めてから使って下さい
又 一味違った美味しさですよ」
「気を使ってくれてありがとう」
「では ごゆっくりお召し上がりくださいませ」
「うん」
「お下げの御用は こちらの呼び鈴でお願いします」
「はい 分りました」
若女将は先ほどと同じように深くお辞儀をし襖を閉めた
亜矢子も神山も並んでいる料理を味わいながら口に運び
「こんなに美味しいのは初めてだわ」
亜矢子は料理が美味しいからか日本酒をよく呑んだ
料理が減ってきた時 すみませんといいながら若女将が襖を開け
「失礼致します ご飯のご用意が出来ましたが いかが致しましょうか」
「ありがとうございます そこに置いといてください それとお酒を
追加してください」 
「はい 畏まりました」
若女将はお辞儀をして出て行った

「ねぇ あの方 綺麗ね どう?」
「うん 笑顔がいいね いつもにこにこしているし」
「そうじゃなくて どう?」
「だから なに?」
「ば~か 知らないもう だから抱いてみたいかって事を聞いているの」
「えっ あの若女将を それはないでしょ なんか沸かないよ」
「うん やっぱり あなたって美人で可愛くてボインでが好みでしょ」
「当たり前だよ 世の男性はみなそうさ」
「まあそれは分るわ しかし貴方はその願望が強いのよ そして





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2011年8月26日金曜日

Vol.412 薔薇 -4-29


神山は片方の手でクリトリスを愛撫し始めた
「ねぇ だめっ だめっったら お願い いくわ お願い」
乳首を強くねじったり優しく揉んでいると腰の動きが速くなり
神山も挿入している肉棒の運動を段々と早くしていった
亜矢子の膣がきゅんと締め付けてきたとき
「ああぁ いくわ あなたも、、、ああぁ、、、」
「亜矢子 僕もだめだ 我慢できない、、、」
「ねぇ きて ねぇ、、、」
亜矢子はそこで昇天してしまった
神山もそれを合図に昇天してしまった
ぐったりしている亜矢子から肉棒を抜き出すと
「あつっ だめ、、、だめだったらぁー」
神山が完全に出ると亜矢子はようやく快楽から
開放されたようにぐったりとなった

神山は亜矢子の横に寝て 腰を触っていると
「ねぇ あなた 少し休ませて お願い」
亜矢子の顔には汗がびっしょりだった
暫くそのままの格好でいると海からの風が二人の躰を優しくなでた
「亜矢子 露天風呂にいこうよ」
「ええ よかったわ 素敵よあなた」
そう言い跳ね起き神山にキスをしてバスタオルをもって
露天風呂に入った
神山もあとから入る時にまだ元気なおちんちんを観て
「ふぁ~ まだ元気なんだ ねぇ座って ここ」
神山は言われたように湯船の縁に座ると亜矢子は近づき
「ねえ やっぱり厭らしい格好ね ここ」
洋子は亀頭をそう表現した
「だけどここがなければ 人類はこうやって居ないよ」
「なんで?」
「この亀頭のえらがあるだろう ここで発射された
精子が逆流しないよう そいうゆう構造になっているんだよ」
「へぇ~ 初めて聞いたわ 何でも知っているのね」
「若い時考えた持論でした おそまつ」
「な~んだ 持論だったの でも言われた時なるほどって思ったわ」
「うん そうだろ」
亜矢子は元気がなく小さくなるおちんちんに
「お疲れ様でした」
と言ってキスをした 
神山と亜矢子が湯船で気持ち良くなっていると
襖が開き 若女将が
「失礼致します」
と言い部屋と露天風呂の間に衝立を立て
「お夕飯の仕度をさせて頂きます ごゆっくりして下さいませ」
若女将は部屋を出ていた
「ふぁ~ 見られちゃたったわ ふふふ でもいいわ こうやって
愛している人と一緒だったら 怖くないもん」
亜矢子は神山に正面を向いて抱きつきおちんちんを触り始めた
神山を跨ぐ格好でおちんちんを小さなつぼみにあてがうと
「ああ 気持ちいいわ ああ いい」
亜矢子は少しづつ腰をゆっくり動かし始め喘ぎ声も漏らすようになった
神山は人差し指でクリトリスを触り始めると
「ねぇ 欲しくなっちゃうわ 辞めて ねぇ」
それでも神山は動きを早くしたり強く触ったり愛撫を繰り返した
「あっ あつっ い・い・わ」
部屋の襖が開き
「失礼致します お夕飯の仕度が出来ましたが どうされますか」
神山は
「あと 10分ほどで上がるのでお願いします」
「はい 畏まりましたどうぞごゆっくりしてください
お上がりになられましたらテーブルの呼び鈴を押して
ご連絡をお願いいたします」
若女将は神山と亜矢子にお辞儀をし襖を閉めて出て行った
「さあ 亜矢子でよう」
「そうね でましょう」
湯船で立ち上がると神山のおちんちんは上を向いていた
「大丈夫なの こんなで」
亜矢子を後ろ向きにして手を縁に掴まらせ躰をくの字にすると
神山は大きく硬くなった肉棒を亜矢子のヴァギナに挿入した
「ああ いいわ あっ あっ きもち・い・い」
空いてる手でクリトリスを触ると更に躰をよじり
「ああっ だめっ い・い・わ  あつっ あつっ」
神山はスピードを増すと膣が締まってきて
我慢できなくなった






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2011年8月25日木曜日

Vol.411 薔薇 -4-29



玄関に入ると若女将が出迎えてくれ
「いらっしゃいませ 神山様お待ちしておりました」
丁寧にお辞儀をして挨拶をした ニコニコし
「どうぞ ご案内いたします」
若女将の案内で通された離れは静かに神山を待っていた
「どうぞ こちらの離れでございます」
離れの玄関で靴を脱ぎ部屋に入ってみると相模湾が見渡せる部屋だった
神山と亜矢子が座ると若女将がお茶を用意してくれた
「お食事は6時頃でよろしいですか」
「ええ お願いします」
若女将は下がるときに
「準備が整うまで ここに御用意させて頂きました
地元の物を味わってくださいませ」
若女将は丁寧にお辞儀をして襖を閉めた
神山は冷蔵庫からビールを出して亜矢子に渡し
「先に話しておくね 老人ホームの件」
神山と亜矢子はだされた珍味を食べながら話した
「ええ」
「実は 今日アルタの内藤社長と話したんだ 結果から言うと
大変難しいそうだ 資金が足りないみたいだね ただし内藤社長は
少し考えさせてくれと今日のところは保留になりました」
「そう ありがとうございます」
「うん 亜矢子とお母さんが住む新築工事は出来ると言われたよ
ただ少し割高になるって」
「そうしようかしら」
「5千万円もあればりっぱな家が出来るそうだ あと土地の購入費が
必要になってくるでしょ だから今の資金だとマイホームだね」
「そうね そうしようかしら 話が駄目だったら」
「うん でもアルタの方で出す事になったら夢が実現できるしね 
希望をもって もう少し待ってくれない」
「ええ お待ちしております」
「さあ 露天風呂に入ろうよ」
「ええ でも離れに露天風呂があるなんて素敵ね」
「うん 素敵だ 亜矢子も素敵だ」

「もう いや 付け加えたでしょ 分るわよそんな事」
神山は亜矢子のところにいって 抱き寄せた
「もう 分ったから」
神山は亜矢子の唇を奪うと亜矢子は力が抜け神山にもたれてきた
暫くキスをしていると亜矢子の手が神山のおちんちんを探し始めた
神山は正座をしているももの付け根に手をすべり込ませると
足を投げ出し開いてきた 亜矢子が
「もう駄目 お願いだから触らないで 今脱ぐから」
「僕が脱がせてあげる」
亜矢子は頷き神山に任せた
奥に布団が敷いて用意されていたので亜矢子をつれて
一枚ずつ剥していった
綺麗なオフホワイトのブラウスを脱がせハンガーに掛けて
ブラジャーのホックを外すと形のいい乳房が現れた
神山は乳房にむしゃぶりつくと亜矢子は喘いできた
「ねえ スカートも脱ぐから」
神山はスカートを降ろし脱がせると パンストが怪しく光っていた
パンストのまま亜矢子を抱きしめ秘所をまさぐると生暖かく湿っていて
亜矢子の手が神山のGパンのジッパーをさげておちんちんを触ってきた
神山は自分ですべてを脱ぎ 大きくなった肉棒を亜矢子に見せると
口を寄せ咥えてきた 片方の手で肉棒を握り上手に動かし
空いた手はショーツの中に入れて動かしていた
神山は亜矢子を寝かせ今度は自分が亜矢子の秘所を愛撫していると
赤いショーツがどんどん濡れて来てパンストもべとべとしてきたので
ショーツとパンストを一緒にずり下げた亜矢子が
「あっ」
と 短く声を出して神山の肉棒をさらに硬く大きくしようと
両手と口の攻撃を受けた
神山もあらわになった亜矢子の秘所を優しくなでたりしていたが
クリトリスをつつき始めると腰を動かしてきた
歯で小さなつぼみを噛んだり舐めたりを繰り返していると
「だめ いくわ あっ あっ」
神山は更に指を秘所の中に入れるとぬめりがある体液でスムーズに
動かす事が出来るので 体を入れ替えた
亜矢子は手をそえてヴァギナに導き挿入されると
「うっ あっ い・い い・い・わ  気持ちいい」
神山はゆっくりと動き始めると亜矢子は顔をゆがめ髪を乱れさせ
自分から腰を振ってきた
「ねぇ 本当に気持ちいいわ いきそう、、、」





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2011年8月24日水曜日

Vol.410 薔薇 -3-28


「まあ 会社の中が良くなれば良い事じゃないか」
「ええ ありがとうございます 助かったわ」 
「では がんばって」
「は~い 分りました」

神山は時計を見るとまだ4時30分だったので
離れのある網代の清碧旅館へ電話をすると空いているのでOKとの事
神山は2名で予約を入れた
先日のように時間が余ったが 亜矢子に電話をした
「私です こんにちわ」
「やあ 今何処にいますか?」
「ええ ごめんなさい 先に熱海に来ているわ」
「ほんと 僕も来ているよ どこにいる」
「ええ 駅の改札でて直ぐ右にある喫茶店」
「わかった 直ぐに行くから出て待っていて」
「はい 分りました」
神山は歩いて改札口に行き亜矢子を見つけた
「こんにちわ ごめんなさい 早く来て」
「こちらこそ もっと早く電話をすればよかった」
「ううん 私が電話すればよかたのね」
「そんな事ないよ 僕が悪かった」
「今日はどこ?」
「網代です」
「ねぇ 赤いの穿いてきた?」 
「うん 穿いているよ」
「そうしたら 運試ししよう」
神山と亜矢子は先日大当たりを出した宝くじ売場に行き
スクラッチ宝くじを選んだ
先日同様に神山の手が自然と動き一枚を選んび銀のところを削った
又当った 3万円が当った 今度は亜矢子が選んだのを削ると
1万円が当った
「まだ 運が味方してくれているわ」
「では この宝くじを買ってみようよ」
「そうね 今日はどんな数字にしますか」
「う~ん この間の数字は覚えている?」
「ええ ここにメモをしているわ」
「そうしたら 数字を逆にしてどうだろう」
「いい考えね 縁起のある数字ですのもね」
神山は亜矢子の数字を逆した
09組 153920の番号を探すと売場のおばさんは
ニコニコしてあるわよと教えてくれたので
その番号を含む10枚を連番で買った
今度は神山の数字で99組 170124となってまた
おばさんに探してもらったら今度のもあって
その番号を含む10枚を連番で買った
「では タクシーに乗ろう」

神山はロータリーで客待ちのタクシーに乗り込み
「網代の清碧旅館までお願いします」
神山は老人ホームの件を話そうとしたが金額が大きいので辞めた
「ねぇ あの田所さんて 素敵な方ね 女性が見てもうっとりするわ」
「彼女も亜矢子の事を素敵だって言っていたよ」
「ねぇ あなた あの人と関係しているでしょ いいの
お仕事上仕方ないわ だけどね 私と一緒の時は私だけにしてね」
「わかった ごめん」
「ううん 誤らなくてもいいの 貴方のような素敵な男性は
そういないわ 女性がほおって置かないわよ その方が女は
良いに決まっているでしょ 自然の摂理よ」
「わかった」
「だから堂々としていいのよ 多分あの人も分っているはずよ
ただ口に出さないだけだわ 怖いから その夢を破れば
私みたいに強くなれるわよ」
「そうか そんなに分るんだ 彼女の事 よく話していたね
椿さんも仲がいいですねって仰られてたよ」
「う~ん 何かわからないけど 凄く自然に話せたわ
高校の同級生と久しぶりに会うって感覚じゃなくて
さっきまで 話していた感じで話せたわ 不思議ね 初めてよ」
「そんな事あるんだ」
先日の話をしていると旅館に着いた






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2011年8月23日火曜日

Vol.409 薔薇 -3-28


「ネクタイだから このスーツだとワイドカラーがいいかな」
以前の係長が寄って来て
「神山部長様先日は失礼しました」
神山はシャツに詳しい人間を呼んでもらった
直ぐに来て 神山はスーツをハンガーから出して見せた
2種類のシャツを選び 通常こちらを着られる方が多いと説明を受け
洋子と相談してもう一方のシャツを選んだ 2万円だった
まだ時間があったので 靴下を買いネクタイを選ぼうと思ったが
「柄があると可笑しいかな」
「そうね わたしは無いほうが好きだけど 当たり前になるし
いっそうの事 ニーナ・ニーナに行ってみましょうよ」
「うん」
ふたりはニーナ・ニーナのブティックでネクタイを探し始めた
丁度祥子が用事があって戻ってきたので聞いてみると
「確か無地ではなかった筈です」
祥子が合うネクタイを3本出してくれた
どれも個性が強かったが 洋子と祥子が同じ意見で決まった
3万円だったので清算をして 急いで部屋に戻ると
まだ3時30分だったので その場で着替え洋子に見てもらった
「どう」
「ええ 凄く素敵よ ポケットチーフがあるから待っていて」
洋子はクローゼットから自分のポケットチーフを出して
神山の胸に差した 着替え室に入って見てみると 
全てにバランスが取れていて可笑しくなかった
神山は着替え室の中でGパンスタイルに替え出ると
スーツや靴を整理してボストンバッグを持って仕度した
「これで 問題ないね」
「ええ 大丈夫ですよ ご安心下さい あとは片付けます」
「うん ありがとう 忘れ物はないな それと30日だけど
何時に出られる」
「ええ 9時30分でしょ 私は9時頃来ますよ」
「わかった ありがとう 電話します」
「はい 分りました 気を付けてね 行ってらっしゃい」
「うん」

神山は時計を見ると3時15分になっていた
地下の駐車場からフェアレディーZを出すと
ビルの前に洋子がいたので止ると
「これ忘れ物」
「なに?」
「お金 朝も さっきも使ったでしょ だから50万円入ってます」
「ありがとう 忘れていた では行ってきます」
「はい」
神山は静かに出し 銀座通りを走り首都高に入って
東名高速に入った 今日の東名は空いてたのでどんどんスピードがでた
あまり出しすぎると不味いと思って少し控えたが
それでも130は下がらなかった 小田原に出て真鶴にくると
燃料が心配になったので スタンドによってハイオクを
満タンにして貰った 下の道路はゆっくりと走り熱海についた
やはり早かった 1時間掛からなかった 屋根つきの駐車場を
見つけるのに苦労したが ホテルの駐車場を借りる事にした 
洋子が心配してくれているので電話をすると
「ありがとう さっき着いたよ 気持ちよかった
車はホテルの駐車場に入れた」
「良かったわ まだ新車だからいたずらは嫌ですもん
早かったわね 200出した?」
「出さないよ でもまだ踏み込めたよ 150くらいが安定しているね」
「そうでしょ あの車ってその位のスピードでも
アクセルコントロールが出来るし最高よね 帰りも気を付けてね」
「うん なるべく電話をする 今日はありがとう」
「は~い 分りました」
電話を切ると祥子に電話をした直ぐに出て
「私です 今日はありがとうございます でも車素敵ね」
「うん 仕事だよ 全て仕事です それとネクタイありがとう
早速次長室で着替え鏡を見たらよかったよ 田所さんも誉めていた
今は もう熱海に来ているんだ これから仕事です」
「熱海?」
「うん 御殿場とは違うけど まだハッキリしていないので
何もいえないけどね」
「明日は?」
「こちらでの話し合いがめど着けば早いし分らない」
「遅くなってもいいから 電話ください 寂しいわ」
「おいおい 分るけど こちらはいつも電話をしているよ」
「そうね ごめんなさい これから気を付けます」




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2011年8月22日月曜日

Vol.408 薔薇 -3-28


仰られましたが 入場制限のタイミング 
正直 神山様があの場に居なかったら
どうなっているんだろうと考えると怖いです」 
「ありがとうございます ただ普段から考えている事を
実行しているだけで 特別な事は無いですよ
一つ言えるのは 僕一人では出来ません 協力してくれる人が
居るから出来るんです それだけですね」 
「あのあと知っている 聞いた?」
「いえ、、、?」
「1階のフロアだけではなくて 地下食料品が凄い売れたんだって
結局 人が人を呼んだんだね 店長も驚いていたよ」
「それで納得 夜 催事課で宴会ですって 池上店長が歌われたそうです」
「そんなに嬉しかったんだね それが山ちゃんだからだろう」
「まあ そうしときましょ」
洋子は祥子や浜野と話していた
筒井が 
「では 楽しんでいると思いますが そろそろ時間です
次回はゆっくりとしましょう 山ちゃん 田所さん 
その時は出席してくださいね」
「ありがとうございます 仲間に入れてもらいます」 
筒井が 下まで送ると言ったのでみな一緒に降りてきて駐車場にきた 
一同が驚いて声が出なかった 筒井が
「このフェアレディーZ?」
「ええ アルタの内藤社長は4シートですが これは2シートです
ハンドルも軽くて結構はまりますね ねぇ田所さん」
「ええ いい車です 素直ですね もっとも新しいし 先ほど
首都高を130,140出したんですがびくともしなかったですよ」
「えっ 田所さんが140を出すんですか」
「ええ 神山さんは140,150さしてさすがって ねぇ」
「ええ 230出しても平気でしょ この車は」
筒井が
「なに 二人ともスピード狂?」
「いえ 全然 安全運転ですよ メリハリをつけ運転しているのです」
「まあ わかった 気を付けてね」

神山と洋子はニーナ・ニーナの面々に挨拶をして車を出した
神山が
「さっきのスーツだけど軽いね だから女性に愛されるんだね」
「ええ軽かったでしょ 貴方すごいわ 格好良かった
私が言っているから 本格的よ 惚れ直したわ
30日に着なさいよ 素敵よ」
「うん 靴が無いし シャツもないし ネクタイ無いし
あの手に合うものは何も無し」
「ねぇ 何時に出るの」 
「うん 熱海に5時待ち合わせ そこからはこの車で入らない
バスかタクシーだよ」
「貴方の運転なら 1時間で行くわ まだ2時30分よ 
戻ったら 大急ぎで買いましょ 靴だけ選べばあとは私が
選んでおくわ そうしましょ」
「うん 悪いね 時間を取ってもらい」
「ううん 素敵なほうがいいもん」
「わかった そうしたら 靴を買って シャツまでいけるでしょう」
「ええ」
「あと靴下だ あの手は持っていない それとポケットチーフ
そうか 洋子のを借りれば済むね」 
「ええ 大丈夫よ 私のでも 後は無いわね」
「うん」
「ほら 貴方も運転上手よ」
「ありがとうございます 何もでないな運転中は」
二人は大笑いした
直ぐに鈴やについた 車をホテルの地下駐車場に入れると
スーツを持ってそのまま紳士靴売場に行った
結構種類があったが 先日の係長がいて説明すると
3足候補を持ってきた 洋子も一緒に選んだ
「どれも似たり寄ったりだね」
「この靴が合うと思うわ」
「そうだな これにしよう じゃあちょと穿かせて それと薄い靴下を
貸して貰えるかな」
係長は薄手の靴下を用意してくれた
神山は鏡の前に立ってスーツのズボンを当てて 
「これでいい お会計は現金でするからね 幾ら」
係長は 4万8千円と言ったので5万円出した
洋子が靴を持ってくれてシャツ売場に行った
「シャツも色々あるね」





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2011年8月21日日曜日

Vol.407 薔薇 -3-28


受けたことにより今は一枚岩になり頑張っています
その件についても 感謝いたしております ありがとうございます」
筒井が終ると 祥子と浜野が
「本当に恥ずかしい所をお見せし失礼致しました
ご指導を承り現在 浜野も職務を忠実にこなしています
本当に神山様のお陰です 上原も順調な売上でこれも神山様を中心に
造っていただいた宝物だと思って仕事をしています」
祥子が終ると 浜野が
「先日はありがとうございます 目が覚め人の大切さを実感しています
これからもどうぞ至らない所がございましたらご指導のほう
宜しくお願い致します」
全員が終ると筒井が電話で受付に例のものを持ってきてくれと言うと
受付嬢が部屋に入ってきて筒井に手渡した
「山ちゃん これは日本いや世界でたった一着のスーツだこれを着て
くれないか 私だけではなくニーナ・ニーナジャパン皆からの
プレゼントだ 受け取ってくれないか」
神山は少し考えてから
「はい ありがとうございます 大切にします」
「よかったわ」
ニーナ・ニーナの面々が喜んで拍手が沸いた
「山ちゃん さあ開けて来てください」
神山は携帯ハンガーから出すと 洋子の着ているスーツと同じ生地の
スーツだった 
「わあ 格好良いですね もしかして田所さんのスーツと同じ生地ですか」
「うん そうです 早速そちらの部屋で着替えてください」
神山は案内された部屋で着替えると結構動きやすかったし軽かった 
「こんな感じです」
神山が みんなに分るよう廻ると
「凄い似合うわ すてきね」
と口々に誉められた 洋子も素敵ですと言っていた
神山はしわになるので今までのGパンスタイルに着替え席に戻ると
シャンパンが用意されていた
「それではささやかですが ご昇進お祝いおめでとうございます 乾杯」
神山はちょっと口につけ筒井に
「今日 車で来たんです 済みません」
「いつも車じゃないか」
「あっ 自分の車です 勿論 会社もちですが」
「えっ 自分の車って 会社が買ってくれたの?」
「ええ そうです 先ほど納車され 今銀座から乗ってきました」
「へぇ~ みんな 山ちゃんは会社から車をプレゼントされたんだ
君たちも見習いなさい いいね」
「はい 分りました」
「なので 田所さんは運転しませんから勧めてください お願いします」
「わかった 悪かったな 知らなかったもんだから 今度ゆっくり」
「ありがとうございます このスーツは 紳士は扱っていないですよね」
「3年程前にニーナ・ニーナのファッションショーが開かれた時
作られた特注品で 男性モデルが着た最初で最後のスーツだよ
3人だから3着作って ニーナ・ニーナパリ本社
ニーナ・ニーナニューヨーク そしてニーナ・ニーナジャパン ここに
納められたんだ だから世界で一着しかないんだ」
「いいんですか 僕みたいな者が頂いて」
「うん 我社を救ってくれた恩人だからね 皆もそう決めていたみたいだ」
「分りました ありがとうございます そうすると靴とシャツを
揃えないといけないですね ふぁ~大変だ 田所さん」
洋子が
「優しい心温まるお話ですね ありがとうございます 神山も
今まで以上 男に磨きが掛かると思います 
今後もお力添えをよろしくお願いします」
またみんなから拍手が起きた
筒井が
「さあ 堅苦しい話はここまで 少しですが楽しんで下さい」
「山ちゃん 今夜はどう?」
「済みません これから静岡です 車で」
「えっ 静岡 御殿場ではなく」
「御殿場も入りますが 行く所は静岡です」
「なんなの?まあ仕事だろうが」
「ええ まだ決まっていないので公表しないで下さい」
神山はアルタと老人ホームの件を掻い摘んで話した
「へぇ~ 山ちゃん 何でも出来ちゃうね 僕には付いて行けないや」
「そうですよ 副社長と中味の構造が違いますよきっと」
「私も凄いと思いましたもん だって池上店長さんを整理要員に
しちゃうんですよ それで池上店長さんは何も言わないでお客さんに
もまれながら一生懸命でした それと商品がなくなる前にマイクロで
銀座にお客さんを運ぶなんて誰が考えますか それと副社長も




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2011年8月20日土曜日

Vol.406 薔薇 -3-28


ショッピングビルの3階にありエレベーターを降りて直ぐにお店が在った
まだお昼休み前だったので比較的空いていた
店員に案内され ビールと定食2人前を注文した
直ぐにビールが出され神山と洋子は
「貴婦人に乾杯」
ふたりは美味しそうにビールを呑んだ
神山は
「このお店の良い所は 安くて美味しい それかな」
「だけど夜は高いんでしょ」
「うん 勿論お肉が違うと思うけど 4500円からだよ
来た事無いけどね 以前夜のメニューが誤って置いてあり
驚いて 帰ろうと思ったよ」
「夜はそんなに高いんだ やっぱり昼でいいわね」
しゃぶしゃぶの用意がされお肉がくると直ぐになくなり
追加注文をした 洋子は
「ステーキもいいけどこう言ったさっぱりもいいわね」
「うん 結構さっぱりと頂けるね ポン酢も美味しいし」
お肉と野菜を食べて最後はきしめんをこのスープで頂く
スープの中に塩と胡椒 ねぎを入れると美味しい
ご飯を入れてお茶漬けのように食べる人もいる
デザートを出されそれも食べ終わるといい気もちになった
部屋に戻ると洋子に1時間昼ねすると言ってソファーに横になった
昨夜は早く寝たのにまだ眠たく直ぐに寝てしまった

暫くすると洋子が
「あなた そろそろ起きて下さい 時間です」
神山ははっとして起き上がり
「ありがとう 気持ちよかった 抜けたな コーヒーを買ってくる」
そう言い神山はコーヒーを買い部屋に戻った
「はい 洋子の分」
神山は洋子にコーヒーを渡すと次長席の引出しから50万円だし
財布に入れ洋子がコーヒーを飲み終わると
「さあ そろそろいこうか 大丈夫」
「ええ 行きましょう」
ふたりは駐車場にいってフェアレディーZに乗り込んだ
運転は神山がした
「ねえ 洋子さ今日だけど 例の東都食品の調査 あれ 明日で良いから
今日は留守電で帰宅して良いよ」 
「えっ ほんとですか」
「うん 1日からだろう煩くなるのは だから休める時
休んで でなかったら今日ある程度しあげ明日は休みでいいよ」
「分りました 今日頑張ってあした休みます」
「もしかして 明日早かったら代々木に行きます
13時までに電話するけどなかったらお母さんと夕飯を食べてね」
「は~い 分りました でもいいの 一人で」
「僕より 母親だろ 一緒にいられる時は一緒にね」
話している間に青山のニーナ・ニーナについた
まだ時間まで充分あったがエレベーターで6階に行くと
受付があり
「神山さまお待ちしておりました どうぞこちらへ」
受付嬢に案内されたのは応接間だった
お茶を用意され暫くすると 筒井副社長ら3名が部屋に入ってきた
筒井は神山を見ると挨拶抜きで神山に近寄り
「先日は 本当に感謝しております ありがとうございます」 
深々とお辞儀をし挨拶された
神山は
「筒井さん さあ頭を上げてください」
筒井たち4人はゆっくりと頭を上げ神山を見ていた
「筒井さん良かったじゃないですか おかげで僕は後輩から
色々と言われていますよ」
「ええ 杉田さんも遅くまで上原でがんばって頂き感謝で一杯です
さあ どうぞお掛けください」
神山は礼を言って座った
「本当は人事命課のあとに伺うのが本筋ですが 30日を過ぎると
こちらに来られるのが遅くなると危惧して今日伺いました」 
「わざわざご丁寧にありがとうございます」
「私は30日の人事命課で東京本社次長になります で隣りの
田所さんは部長 私の専属秘書として働いて貰います
彼女は4月20日に人事命課を頂いていまして現在は
一緒に行動をしています 尚 4月30日は鈴やだけではなく
アルタの担当常務で入社します 田所さんも部長 私の専属秘書で
入社します 筒井さん並びに皆様にはこれからもお世話になります
よろしくお願いします」
「ご丁寧に 本当にありがとうございます それと神山さんにご注意を




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2011年8月19日金曜日

Vol.405 薔薇 -3-28


「今 自分が言っただろ」
「ああッ またはまった もう」
「まあ ほんと良かったな」
神山はまた引き出しの中を整理し始めた 杉田が寂しそうに
「先輩 僕が居ない時にお願いします 辛いですから」
神山は
「そうか わかった ごめんな」

そう言いダンボールを纏めていると内線が掛かってきた
神山が躊躇していると杉田がでて
「はい 催事課の杉田ですが」
「私は隣りの田所です 今の応対は120点よ」
「えっ 試したんですか ひどいな~ このごろ直しているんですよ」
「そうね いいわよいまので 試したんじゃないの 神山部長は居ますか」
「はい 代わります  先輩 洋子さん」
「うん ありがとう はい神山です」
「いま納車です 至急パーキングまで来てくださいって 西野理事から」
「わかった なにか持っていくものは」
「ええ 会社だから不要と仰られていたわ」
神山は翔に
「ついてくるか 納車だ」
「いきます」
神山と杉田はパーキングの事務所に駆け足で向った
洋子は後から歩いてきた
(まあ 駆け足して 嬉しいのね 
いいわね男っていくつになっても無邪気になれるのね)
フェアレディーZが置いてある場所に行くと西野理事が
「早く来たよ ビックリした」
「ありがとうございます 綺麗だなこの曲線」
「山ちゃん こちら今回お世話になった日産の方だ」 
神山と日産の部長が挨拶を終ると 簡単な説明がされた
全てを聞き終わると 部長が
「これが車の鍵です 以上で終わりです」
西野理事がちょと一回りしてくればと進められたので
助手席に洋子を乗せて走った しかし込んでいる道なので
3速で充分だった ハンドルは敏感に反応してくれて楽だった
1周してくると西野理事が
「どうだ山ちゃん なにか問題点は無いか?」
「ええ いまのところ無しです ただトップを入れていないから
分りませんが 今日 静岡へ行きますから試します」
「わかった では部長さん ありがとうございます
また なにか発生しましたらご連絡いたします」 
西野理事は神山に
「では 大切に頼んだよ」
「はい 分りました ありがとうございます」
西野理事が戻っていくと洋子が
「ねぇ 首都高を1周しましょう 時間はあるわ」
「うん そうしよう じゃあ 翔 悪いけど 次ぎ乗せるから」
「はい 分りました 行ってらっしゃい」
「最初は私が運転していい?」
「うん 構わないよ 途中で降りて交代しよう」
「そうね」
洋子はフェアレディーZの運転席に乗り込むと体を包んでくれる
シートに満足をしていた 
エンジンを掛けると
「良い音ね 素敵だわ」
洋子は直ぐに発進させ巧みなハンドル捌きで直ぐに高速に入った
トップに入れて走り回っているとあっという間に渋谷にきた
下に降りて運転を交代するとやはりトップで走ってもまだまだ
余力を残していた 暫く走っていると銀座の出口が迫ってきて
下に降りると鈴やの前にあるホテル禅の地下駐車場へ止めた
「いいわね この音好きよ」
「うん スムーズにシフトが出来るね」
話していると警備員がこちらに来たので名刺を渡し
「これからお世話になります よろしくお願いします」
警備員も帽子を取って挨拶をした

「さあ お昼はどうする」
「ええ ニーナ・ニーナさんは2時でしょ」
「うん 時間はまだ2時間以上あるな そうしたろしゃぶしゃぶはどう」
「ええ いきたいわ~」
神山と洋子は近くのしゃぶしゃぶに行った
夜は高いが平日の昼間はランチタイムで美味しいお肉を
格安で提供している店で女性客にも人気が高い





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2011年8月18日木曜日

Vol.404 薔薇 -3-28


「さあ あなた綺麗になったでしょ」
「ありがとう 感謝しているよ」
神山は抱き寄せてキスをした 
「だめです 後輩が来ます」
「そうだね そうしたらコーヒーでも買って来ようかそこの自販機だけど」
「ええ コーヒーくらい出しても良いかな」
「じゃあ買ってくるよ」 
神山が出たとき人事の若い女性が2人で台車を押してきた
「ここの受話器で扉が開くよ」
そう言われ 後輩が受話器を取上げると田所が出たので
慌てて 人事のものですと言うと ドアが開いた
二人が台車を押しているので神山が手伝い部屋の中に入れた
「驚きました 突然先輩の声が聞こえたから 済みませんでした」
「いいのよ 悪いのは神山さんでしょ」
「ええ 受話器でドアが開くと言われたので まさかと思ったんですよ」
神山は
「じゃあ 買ってくる」
神山はほんの2,3分の所にある自販機で缶コーヒーを買い部屋に戻った
「はい これ飲んでいって」
神山はそう言って次長席に座り
鍵のついた引出しから5千円札2枚をだして
「少ないけど お駄賃 内緒だよ いいね」
「えっ~そんな 先輩頂いていいんですか」
「頂いていいわよ 内緒よ」
「ふぁ~ うれしいわ」
二人は笑顔で5千円札を握って幸せそうだった
神山と洋子は自分にもこんな時期があったな~と思い出していた
「先輩 このお部屋 誰が考えたんですか」
「神山さんよ どうして」
「ええ すごく格好いいんですよ だけど落ち着きますね
わたしもこんな感じのお部屋に住みたいなって思ったんです」
「私もです なんか圧倒されそうなんだけど バランスが取れていて
落ち着くって言うか 変な雰囲気ですね」
「洋子さん 3人目」
「そうですね」
神山と洋子は笑っていた 若い女の子達はコーヒーを飲み終わったので
「失礼しました 先輩 また用事があったら私を指名してくださいね」 
「はい」
「では 神山部長 ありがとうございました 失礼します」
女の子達が出て行くと静かになった
「やはりこの部屋は なにか特別な見る人の心が見えるようだね」
「ええ 面白いわね それはそうと4日は何処にしますか」
「近場だと 四季だけど 築地にしようか
銀座築地 寿司屋いせ丸で決定」
神山が電話しようとすると洋子が
「私がします 電話番号を教えてください」
神山が教えると9人で予約を入れ大丈夫だった
「洋子なぜ9人なの 8人だろ」
「いいのよ お楽しみって言うか アルタの小谷さんを呼ぶの」
「そうか それはいいや 話題が逸れて ありがとう
4日ってことは我々の部下になるんだ そうか まあ下を
繋いでおけば何かあったときは助かるでしょ」
「そうね 上より下ですね」
神山がソファーで寛いでいると洋子は自分のスーツを片付けたり
目の前を行ったり来たりしていた 
神山も何かやろうと思って立ち上がったが何も無いので洋子の
お尻を撫でると
「なにやっているの 私は忙しいのに もう」
そう言って神山の手をピシッと叩いた 結構本気だったので
「催事課で使っていたもの持ってくる」
そう言い退散した
神山は催事課の部屋に行き自分で使っていたデザイン用具を
ダンボールに詰め込んでいた 杉田が店内から戻ってきて
「先輩 いらっしゃいませ 先日はありがとうございます」
「うん ところで 上原ご苦労様でした」
「ああ もう先輩が帰った後大変でしたよ ここの1階はお客さんで
一杯になるし 僕なんて5時過ぎまで上原に居たんですよ
ほんと 疲れました だけどその夜 池上店長がご苦労様でしたで
この部屋で宴会でした 池上店長も歌なんか歌ってましたよ」
「そんなに喜んだか」
「ええ なにが嬉しかったのか 怖いくらい上機嫌でした」
「それで 日本酒を呑みすぎか 翔は」
「ええ 何で分るんですか 誰から聞いたんですか 僕がべろべろに
なって 足腰が立たなくなったって」




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2011年8月17日水曜日

Vol.403 薔薇 -3-28


「はい このブラウスもビジネスなので
袖の付け根が少し大きい事です 見た目はあまり分りません」
洋子はブラウスも試着し腕を廻したりし
「やはり違うわね 凄くいいわ」
「これは何枚買う?」
「そうですね 3枚もれば大丈夫です」
「そうしたら 合計してください 現金で払います」 
「はい スーツが18万円x2で36万円 ハイヒールが5万円x3で
15万円 ブラウスが4万円x3で12万円で 合計63万円になります」
神山が63万円だし祥子に手渡した
「これどうしようかな まだ買うし」
「お届けしますよ」
「うん でも居ないからね」
「催事課は」
「うん もう当てにしたら怒られるでしょ」
「大丈夫ですよ 後で人事の後輩が取りに来ます」
「そうか そうしたら 30分位だけど 置いといてね」
「はい 畏まりました」
祥子は笑顔で見送ってくれた
二人は家庭用品売場へ行って部屋に合ったゴミ箱と灰皿を買って
「洋子 もう忘れ物はないよね」
「ええ 出来れば雑巾位かしら バケツも必要ね」

神山はバケツ 洋子はゴミ箱を持って部屋に戻った
洋子は早速人事に置いてあるものを後輩に頼んで持って来る様指示をし
ニーナ・ニーナにもあるので忘れないよう伝えた
神山は催事課にある分を持ってくると言って部屋を出た
催事課に行くと奥村課長しか居なかったので挨拶をすると
「山ちゃん すごいね またやったね」
「えっ」
「ニーナ・ニーナのオープンだよ お陰でこちらも大変だったよ」
「ああ 上原組のツアーですね 今聞きました」
「何しろ 普段の倍以上の売上だよ 池上店長も喜んで
夜はここで宴会さ みんな疲れたよ おれも借り出されたんだ」
「お疲れ様でした」
「筒井さんも大喜びでもう笑いが止らないんじゃない」
「そんなに 良かったですね」
「きょうは?」
「ええ 荷物の移動です」
「そうか 見せてくれるか 部屋 だれも見ていないんだ」
「内緒ですよ」
「うん わかった」
神山は荷物を持って部屋を出て受話器を使ってドアをあけた
奥村課長は入った瞬間
「ふぁ~ なんだ凄いね なんかさ鈴やじゃないよ」
カウンターで洋子が
「いらっしゃいませ 奥村課長」
「やあ 田所さん 凄いところですね なんか別世界だな」
「ええ ここから新しい世界を創造していくんです」
「はあ~ 奇抜は奇抜だけど 落ち着いているし変な雰囲気ですね」
神山が
「はい 洋子さん これで一人目 ねぇ」
洋子は頷いて OKサインを出した
「なんだ 一人目って」
「ええ 内緒です ふふふ」
「気持ち悪いな」
「ところで奥村課長 催事課が全員集まる日はいつですか?」
「えっ どうして」
「ええ 皆さんにご迷惑をお掛けしたんで慰労会をしようと思って」
「わかった ちょっと待ってくれ」 
部屋に戻って出勤簿を持ってきた
「4日の月曜日はみんな来ているな 夜 空けるよう伝えるわ」
「洋子さん 4日月曜日 何時ですか」
「うん由香里姫のタイムカードがあるしな 6時か」
「洋子さん 4日月 18時催事課と入れてください」
「は~い 分りました」
催事課の電話が鳴ったので奥村課長は
「じゃあ お願い」
「ええ 場所は後ほど」
「では ハンガーにかけて整理するか」
神山は自分の荷物を整理してジャケットを掛けるのにわざわざ
クローゼットを開けなければいけない事に不満があった
ジャケットに入っている内藤社長から貰った封筒を開けてみると
50万円入っていてそのままの状態でボストンに入れた





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2011年8月16日火曜日

Vol.402 薔薇 -3-28


「ええ 殆ど7割方の力で フルスイングすると曲がるので
練習をして なじみます」
「あのスコア 7割がた はあ よしあれを買おう」
「ええ 良いですよ」
「あっ ごめんごめん ではどうしますかお昼は」
「ええ 次長室 あっ 次長室ありがとうございます 気に入りました」
「それは良かった 先ほど田中から報告ありました」
「ええ 次長室などまだ揃えなければいけなくて 済みません」
「そうですね では今度は30日にお待ちしています」
「はい その時は貴婦人で来ます」
「はい お待ちしています 
それではみなさん これで山ちゃんが帰ります 玄関まで行きましょう」
アルタの内藤社長と神山が話しながら玄関に来た時 洋子が小谷美佳に
「どう 翔君」
「ありがとうございます 全然いい人ですね 
まだお会いしていませんが そのうちにお会いしたいと思っています」
「そうしたら 催事課のみんなで合うからその時 いらっしゃい」
「はい ありがとうございます お待ちしています」
洋子の話しが終ると神山が皆に
「ご多忙の所ありがとうございます 失礼致します」
と挨拶をして アルタ本社を後にした 

「土地の件は?」
「うん 大丈夫だよさっき話した それで小谷さん なんだって」
「ええ 翔君を気に入ったみたいね」
「ほう 良かったね それはそれは」
「近いうちに催事課の人たちと合わせるわって約束したの」
「いいね そうすうと部下が出来て 彼女が出来て 
そろそろ僕の話題から 逸れてほしいね」 
「大丈夫ですよ 若いから直ぐに話題の中心になりますよ」
杉田の話をしていると鈴やについた 洋子を下ろし
そのままパーキングに行って バンを返した
部屋に入る時 早速インターホンを使うと 扉が静かに開いた
最初に目に飛び込むのが洋子だった 神山は洋子に
「交代しよう 外から入ってきて 僕はここに座っているからね」
洋子が外に出て インターホンを使うと扉が開き 神山が最初に
飛び込んできた
「どう思う」
「えっ」
「うん 照明がもう少し明るくても良いかなと思ったんだけど」
「そうね 逆光だからこちらから照明を当てないと暗く感じるわね」
「うん そうしたら#3で話すよ」
洋子が操作し 神山が子機を持ってソファーに座り幸三と話した
「やっぱり幸三ちゃんも気になっていたそうだよ」
「さすがね 貴方は凄いわね 驚くわ」
神山は時計を見ると10時になったばかりだった 祥子に電話した
「神山ですが おはようございます」
「私です おはようございます」
「実は 先日話したビジネススーツの件なんだけど」
「ええ あるわよ 準備はして有ります」
「今日は銀座にいるの?」
「ええ 午後から貴方のご挨拶があるので本社に戻りますよ」
「ありがとう そうしたらこれから伺います お願いしますね」
「はい お待ちしております」

神山と洋子は部屋を出て店内のニーナ・ニーナに向った
店内では神山とすれ違う社員がみなお辞儀をしていた
自身なんだか訳が分らなかったし洋子に聞いても分らないと言った
ニーナ・ニーナに着くと祥子が笑顔で迎えてくれた
「先日は色々とご手配して頂きましてありがとうございます
あの時は ここの商品も半分無くなり 買いそびれた方は
他のブティックをご覧になっていましたよ」
「そんなに凄かったの?」
「ええ 上原が無くなってからもお客様が列を作って最後まで大変でした」
「まあ 良かったね 早速 スーツを見せてください」
祥子が出してきたスーツを洋子は試着をした
「こちらの方が動きやすいわ 生地は一緒ですか」 
「ええ 一緒です 違いは袖の付け根が少し大きい事くらいです」
「そうしたら これを2着でいいかな」
「ええ 2着あれば充分です」
「あと ハイヒールもご用意しました」
洋子は穿いてみて少し歩いてみて
「いいわ これいい 疲れないわ」
「同じのを3足下さい それとブラウスだったよね」





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2011年8月15日月曜日

Vol.401 薔薇 -3-28


神山と洋子はTVを見ながらサンドイッチを食べた
食べ終わった神山がタバコを吸いはじめたが灰皿が無かった
「あとで灰皿と空気清浄機を買おう 忘れていたよ」
「あと ごみばこも一緒に買いましょう」
「ゴミ箱が無いんだ 忘れていた 代々木は買ったよね」
「ええ 買いました」
「あ~あ 肝心な物を忘れていたよ」 
神山と洋子は笑った

時間が8時30分になったので二人は車でアルタへ向った
少し早く着いたので 受付の小谷美佳が
「神山様 こちらで少々お待ちくださいませ」
と仕切りのある待合室に案内され暫く待った
9時少し前に小谷美佳が先導して 奥にある応接室に案内された
内藤社長以下役員が数名いて神山を向いいれた
「やあ よく来てくださいました」
内藤社長が声を掛けてくれ神山も
「何時もお世話にありがとうございます 本日はまだ人事命課前ですが
色々と動き出している事もあり ご挨拶に伺わせて頂きました」
「山ちゃん 堅苦しい挨拶はそこまでで こちらから紹介しよう」
内藤社長が佐藤部長以下紹介して 自己紹介が終ると
「普段はみんな山ちゃんと呼んでいるが 神山 龍巳さんです
それと こちらが田所洋子さんです 田所洋子さんは
我社の社員になられます お願いします 役職は部長で
山ちゃんの専属秘書です 尚 この本社に席は無く
鈴やさんに次長室を設けそこで勤務します」
佐藤が
「山ちゃん 色々と聞いています 凄いとしかいいようがない
私も応援させてもらうから 頑張ってください お願いします」
「こちらこそ 今月初めのお話が無ければこのような 喜ばしい
事態になっていません 感謝をしております」 
内藤社長が皆を座らせ 受付にコーヒーを頼んだ
雑談が始まりコーヒーを飲んでいると 内藤社長が神山に
「山ちゃんちょっと」
と言って席を立ち部屋の隅で
「高橋から聞いたけど 新築するんだって?」
「ああ その件は 保留になり今 違う方向に話がいっています」 
「うん なに?」
「ええ 最初は自分の家の新築だったんですが 老人ホームを
考え始めたんです」
「山ちゃんが?」
「あっ 知人です それでアルタさんでそこまで出来るか否か と金額
で 今は老人ホームの話を詰め様としているんです」
「山ちゃんの知人が家を新築し様と考えていたが 老人ホームに
考えが変わってきたと そう言う事ですか」
「ええ」
「出来ない事無いけど 割高になるな それと幾らぐらい 予算は」
「ええ 約 2億です」
「う~ん 一般家屋なら 5千万も出せば充分りっぱな箱は出来るけど
老人ホームだと 最低4億は見ておいたほうがいいと思いますよ」
「そうですか 私も調べたら 2億できついと思っていました」
「そこでアルタと繋がりは」
「ええ 知人本人は経営に参加しないという事で こちらで
運営していくと そう考えたんです」
「そうか その手があるね うん分りました ちょっと時間を下さい」
「はい で今日ニーナ・ニーナさんの挨拶が終ったら 静岡に行きます」
「えっ そんな 相変わらずですね 貴婦人で」
「ええ 貴婦人で しかし私のは2シーターですよ 社長より
ランクが下です」
「まあ 2人分の価格でしょ 気を付けて行って来て下さいね」
「ええ 最初から飛ばすとエンジン壊れますから 程々で行きます」
「ええ お願いしますね それと代々木はどうですか?」
「ええ ほぼ揃いました ありがとうございます 代々木ホテルですね」
「良かったですね そしたらこれ今日の軍資金です泊まりでしょ」
「ありがとうございます なぜ分りますか?」
「男だったら 分るでしょ さあ」
神山は内藤社長から封筒を貰いお辞儀して挨拶をした
「それと 昨日は済みません 内野が」
「いえ 楽しかったですよ ありがとうございます」
「すごいスコアですね 驚きました」
「いえ あれも社長から頂いたクラブのお陰です」
「そうか ぼくもあのクラブはいいと思っていたんだ そうか」
「ええ バランスが僕に合っていまして 最高です」
「そんなに良いの」





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2011年8月14日日曜日

Vol.400 薔薇 -3-28


メッセージの音声調節の細かい事はマニュアルに書いてあった
神山は
「じゃあ 今は 営業時間外でしょ そこへ僕が来たとしよう
洋子さん 設定をしてね 1分後に受話器を取りますから」
「はい 分りました」
神山は一回部屋の外に出て待ったが
壁には もう神山次長のプレートが貼ってあった
1分が過ぎたので受話器を取ってみると
「おはようございます 神山次長席です どちらさまでしょうか?」
「神山です おはようございます 開けてください」
神山は開けてくれると思ったが開かないので
「おいおい開けてくれ」
「カードはどうされましたか」
神山はカードをスキャンさせ暗証番号を入力すると開いた
「まいったな こら」
3人はまた大笑いした
「神山さん この扉自動扉のばねが可笑しくなったら
こちらの機械係で治せませんので私にお電話ください」
「わかった ありがとう しかし仕事が楽しくなるね ねぇ洋子さん」
「ええ ほんと今まで体験した事無い事ばかりです」
幸三は今度は空調機や電気関係を説明した
神山と洋子は全ての説明を聞き終わると 
「なにか異常が有ったときは幸三ちゃんに電話をすればいい訳だ」
「ええ この電話機の3番に僕の携帯が記憶されていますから
#押して3を押して頂ければ私の携帯に繋がります」
「そうか 幸三ちゃんの3か 分りやすくていいね」
「順番を変える事や電話番号や住所 名前などの登録も
このマニュアルに書いてあります」
「わかった ありがとう 助かったよ」
幸三は完全に引渡しを終えたので
「では失礼します」
「うん ありがとう」
神山は幸三が部屋を出たあとモニターを見ると幸三がエレベーターで
帰るところが映し出されていた

「ようやく 出来たね」
「ええ お仕事の環境も良いですし 最高ですね」
洋子は神山に近づきキスをした
神山は思い切り抱きしめたが自重した
「さあ 洋子さん PCなど色々と点検して直ぐに動くようにしよう」
「は~い 分りました」
「洋子 この電話でも留守番設定できるんでしょ」 
「ええ 大丈夫です 最後に設定したのが生きます」 
「そうするとさっきはそっちの電話で設定していても僕がこちらで
設定すれば この設定が生きるんだ」
「ええ そうです」 
神山は留守電にして音声を小さくし時計を見るとまだ8時だった
「洋子 今朝は食べてきた?」
「いいえ まだです」
「うん そうしたらコンビニでサンドイッチでいいかな」
「ええ 私 行って来ます」
「うん お願いするね あとコーヒーも」
神山は洋子に
お使いを頼み部屋で足りない物を次長席で書いていた
アルタの計らいでモニターにTVチューナーが付いていたので
TVを見ることにした 上原にはTVチューナーが無いので
TVは見なかったがここと代々木で見られることになった
声を少し大きくして部屋の外に出て聞いてみたが全然音漏れは無かった
そこに洋子が帰ってきて
「なにやっているんですか?」
「うん 音漏れの検査さ 今 TVの音を大きくしているんだ
聞こえないだろう」
「ええ ぜんぜん聞こえないわ」
神山がドアを開けて見ると大きな音が耳を襲った
「ふぁ~大きい音 これだけ大きくても大丈夫なんですね」
神山は音を小さくしながら
「うん 幸三ちゃん完璧に作ったね」
そう言って神山は持ってきた500万円をだし
「昨日話をした分です ここから今日100万持って行き 残りは
引き出しに入れておく いいね」
「私も持ってきました 390万あります これはそうすると」
「うん 洋子の引き出しに入れておいてください
で 上原に約150万おいてあります さあ食べよう」
「頂きま~す」




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2011年8月13日土曜日

Vol.399 薔薇 -3-28


と 留守電メッセージを入れておいた
車を拾って代々木のマンションに着くと洋子は先に来ていて
「おはようございます」
「うん おはよう 疲れはとれた?」
「ええ ぐっすりよ どうしたの ボストン持って」
「うん 泊まりで御殿場周辺に行く」
「えっ お仕事?」
「うん まあ そんなとこです」
「なんか大変ね」
「うん 有料老人ホームの下話しさ」
「老人ホーム 貴方が?」
「うん まあ まだ白紙だよ 何も決まっていない」
「それで お出掛けするんだ 大変」
洋子は神山から鍵を受け取るとバンで銀座に向った

催事課の入っているビルに着くとアルタの田中幸三がすでに来ていた
「幸三ちゃん おはようです 早いじゃない」
「神山さん おはようございます 高橋から聞きましたが
早く来ちゃいました」
「うん ありがとう では早速部屋に入りましょう
だけど このビルの鍵を警備室に取りに行かないといけないな」
「大丈夫ですよ ご安心下さい このドアのここにこのカードを
こうやってスキャンさせ暗証番号をここのボタンで入力すると開きます」
「これでいいの 暗証番号は」
「神山さんの会社の個人番号を逆さから入れてください」 
「後ろからだと え~とっ これでいい訳だ」
「はい ほら開きました ここを開けると警備室のパネルに
青ランプが点灯します スキャンをすると点滅です それから
スキャンをして30秒以内に暗証番号が合致しないと最初から
やり直しになります このシステムは次長室のドアも一緒です」
「凄いセキュりティーシステムだね」
「ありがとうございます では行きましょう」
部屋の前に着くと素晴らしく格好のいい壁が出来上がっていた
「幸三ちゃん すごいね どこか別世界に来たみたいだ」
「ええ 昨夜も催事課の皆さんに誉められました」
「誰か入った?」
「いいえ 入りたがった方はいらっしゃいましたが お断りしました」
「うん ありがとう」 
神山はカードをスキャンさせ暗証番号を入力しノブを下げると
まさに圧倒される別世界だった
「素晴らしい 普通じゃ考えられないし造らないよ」
「ええ 私も喜んでいます 奇抜だけど飽きの来ないデザイン 
勉強させて頂きました」
神山は床の出来上がりが想像以上の出来だったので嬉しかった
早速次長席に座り感触を楽しんだ 洋子が
「素晴らしいわ 配色も素晴らしいし もう120点ね」
3人は大笑いした
「幸三ちゃん ここの引出しの鍵は?」
「ええ 先ほどのカードで金色の部分を引き出しの金色部分に
あわせてください」
神山は言われた通りにするとカチャと音がして少し出てきた
「凄いね これも幸三ちゃんが考えたの 素晴らしいね」
「ええ 何とか出来ました」
「そうすると このカードは2枚あって 洋子さんの引出しも開くんだ」
「ええ そうです 何かあったときは 暗証番号を変更できます」
「ありがとう そうすると 作り付けの扉についている金色も
このカードで開くんだ」
「ええ デザイン的に全部に付けてあります」
幸三は扉を開け タバコの箱より小さいBOXのスイッチを差し
「ここのスイッチをオンにすると電気が流れカードを当てないと
開かない状態に出来ます」
「そうすると 自分で都合が悪い所はONにしておけば
僕と洋子さん以外は開けられないんだ」
「ええ そうです」
「格好いいわね お客さんが来た時 カードを当てて扉を開けるなんて
素敵よ ありがとうございます ねぇ 神山さん」
「うん 戦略OKだね」
この後 電話の設定やインターホンの設定を聞いた
この部屋は 神山と洋子が在席している時 来客するとまず
電話器インターホンで話し 中でドアを自動で開けることが出来る
リモコンがあり 不在時は本社の営業時間ないなら秘書課に繋がり
営業時間外は留守電にセットされる あと営業時間内であっても
留守電にセットできるようにもなっている 
逆に営業時間外でもこの受付に直接繋がるようにセットできた





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2011年8月12日金曜日

Vol.398 薔薇 -3-28


神山は駅前寿司屋を出ると別れ 上原のマンションに帰った
部屋に入るとボストンの中から洗濯物を取り出し洗濯機の中へ入れた
FAXを見るとアルタの田中から明日7時に次長室に伺いますと
書かれた物だった 受信時間が18時になっていたので
時間変更依頼をする前の物だと判断した
神山は23時を少し廻っているが祥子に電話をしたが出なかった
留守電に
【明日は早く出勤する為 朝食は不要です 今日はこれから寝ます】
とメッセージを残した
神山はシャワーを浴びて浴槽のジャグジーで疲れを取った
髪の毛を洗い流し浴室から出て冷蔵庫からビールを出し呑んだ
テーブルに置いた携帯が鳴ったので出てみると祥子からだった
「ごめんなさい 遅くなりまして 今 帰るところです
メッセージは聞きました」
「うん」
「それと昨日のショップの件 大変ありがとうございます
助かりました」
「それはそうと なんで直ぐに出られない?」
「ええ ごめんなさい なるべく気をつけているんですけど」
「明日 早いから今夜は寝ます」
「ごめんなさい ほんと では お休みなさい」

神山は電話を切るとタバコを吹かしビールを呑んでいると携帯が鳴った
「はい 神山ですが」
「亜矢子です 夜分にごめんなさい 実は相談があって電話したの いい」
「うん 大丈夫だよ」
「この間のお金だけど 何か良い使い道無いか考えたんです
それで病院の近くに私と同じ境遇の方たちの為に
老人ホームを作ってあげようかなって考えたんです」
「うん 良いけど 運営するに当って資格とかいるんでしょ」
「ええ 私は母と一緒に母屋で生活できれば良いわ
運営自体は信頼できる人に任せるわ」
「うん そうか そうすると 大きな建物を建てて
お母さんと一緒に暮らす部分と 老人ホームの部分と合体した
建物が良い訳なんだ」
「ええ そうすれば母も一人じゃないし 楽しく生活できると思うの
どうでしょう それともあのお金じゃ足りないかしら」
「わかった 調べるよ 今日は何時まで起きているの」
「ええ もう直ぐ仮眠です」
「う~ん そうしたら明日の夕方逢って泊まりは出来る?」
「うれし~ 出来ます」
「わかった 17時に熱海でどうですか」
「分りました うれしいわ~ 楽しみにしています」
「うん わかった その病院の名前を教えて」
「ええ ちょっとまってね 御殿場xxxxx病院よ」
「出来るだけ近い所に建てたいんだね」
「ええ」
「今のゴテンバ グランド インとは近いの」
「ええ そんなに遠くは無いわ そうそう今日いかれた
ゴルフ場の辺りよ」
「そうしたら 環境がいいね 空気が美味しかったよ」
「そうでしょ だから母をいい環境に移したいの 
ごめんなさい 長話をして では明日17時にお待ちしています」
「はい では」
神山は祥子に電話をした
「はい 私です」
「神山ですが 遅くてごめん 実は今 急に決まった事だけど
明日仕事で出かけますで29日の夜帰ってきます」
「そう お仕事 何処?」
「御殿場方面さ 又電話します」
「はい 気を付けて お休みなさい」
神山は明日の仕度をしてベッドに入った

4月28日 火曜日 
目覚まし時計のベルの音で神山は飛び起きた
シャワーで躰を引き締め ビールを持ってテラスに出た
今朝は快晴ではないが うっすらと日が差していた
タバコを吹かし雲の形を見ているとぼんやりと出来たが 
今日 やっておかなければいけない事を頭に叩き込んだ
神山はまさかと思ったが昨夜干した赤いパンツを穿いて仕度をした
アルタから貰った支度金500万をカメラバッグからだし
ビトロのボストンに入れ部屋を見渡し後にした
一応祥子に携帯に
【神山です おはようございます これから行ってきます】





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2011年8月11日木曜日

Vol.397 薔薇 -2-27

洋子は食器を洗い終わると 食器棚を拭き始めたので手伝った
全ての食器がデパートで陳列されているように綺麗に並べられた
洋子は再びソファーに座り見渡すと
「ほんと素敵よ 綺麗なお部屋に出来たわね 素晴らしいわ」
神山は冷蔵庫から地ビールを出して洋子に渡した
「さあ 新しい部屋に乾杯だ」
「ええ おめでとうございます わたしもがんばるわ」
「うん 頼んだよ」
洋子は嬉しそうに地ビールを呑んだ
「洋子 今日買い物全部で 幾らぐらいだった」
「ええ 46万円使ったわ カードの保証金も一緒だけど」
「ありがとう そやって直ぐ出てくると」
「だって もう癖ね これは職業病でしょ」
二人は見詰め合ってわらった
「気が付かなかった もうこんな時間だ 何か食べにいこう」
神山は時計を見ると21時になろうとしていた
「そうね いいわよ 駅前寿司で」
「そうするか 車はここに置いといて 明日僕が会社に乗っていこう
そうすると 今夜はゴルフバッグはここに置き近いうちに移動 
洋子もそれで良いよね」
「ええ 大丈夫よ 当分使わないわ」
「近くにゴルフ練習場が在ればここでも良いけどね」
「探して置きます」
「ありがとう」
「洋子 気を悪くしないでほしいんだが この部屋の出入りは自由さ
しかし無断使用は控えてくれ お願いします 色々と大変だから」
「ええ 大丈夫よ 私がここを勝手に使って何か起きたら大変です」
「うん ありがとう そう言ってもらえると助かるよ 
それと 幾ら大事な商談相手もいれない ここは二人だけしか知らない
内藤社長は知っているが ほかは誰も知らない いいね」 
「はい 分りました 大丈夫ですよ ご安心下さい」
「そうしたら バッグ類を持って来よう」
神山と洋子は下に行ってバンからゴルフバッグを取り出し部屋へ
持って帰った
「そうか この中に肌着があるね」
「ええ だけど明日会社から持って帰ります」
「なんか便利そうだけど 不便だね」
「ここは 代々木ホテルと位置付けすれば 迷わないわよ」
「代々木ホテルか そうだね そうすると専用の浴衣が必要だね」
「ええ 時間を作って買いましょ」
「うん ではこのボストンは車だ ごめんなさいね 行ったり来たり」
「ええ 平気よ」
「今夜はこれで大丈夫かな」
神山は癖で部屋中を見渡し
「では 行きましょう」

神山と洋子はタクシーで上原の駅前寿司に行った
日曜日なので家族連れが多いが 奥の座敷は空いていた
女将がビールを持ってきてくれた
神山が洋子にビールをグラスに注ぎ
二人はようやく落ち着き洋子が
「内野さん 大丈夫なのかな心配ですね」
「でも 何も連絡が無いから大丈夫だよ」
「内野さんって 杉田君に似てませんか 純情で素朴な感じがしたわ」
「そう言われると なるほど似ているね 二人とも飾り気が無いからいいね」 
「あなた」
「うん」
「もう内野さん 私たちとゴルフしないわよきっと あなたが苛めたから」
「おいおい 遊んでくれないなきっと 洋子しかいないか相手は」
「そうね 二人で日本中のゴルフ場を廻るのも良いでしょうね」
「うん プラス1日でいいからね 3日の仕事だったら4日目にはゴルフ」
「ええ バッグも送れるし便利になってますから」
「これから 仕事の時はそうしよう」
神山と洋子はゴルフの話で盛り上がっていた 神山の携帯が鳴った
「はい神山ですが」
「高橋です こんばんわ」
「やあ 孝ちゃん 誠二君は大丈夫?」
「ええ あれから少し酷かったんですが 3時間くらい仮眠させて
帰ってきました 本当にご迷惑をお掛けしました すみませんでした」
「良かったですね 大事にならなくて」
「ええ ありがとうございます それで 山ちゃんの明日の予定は?」
「うん 9時にご挨拶に伺いますが」
「うん 夜は」
「う~ん 分らないな どうして?」
「ええ 誠二君がお詫びをしたいって言っているんです」
「ああ 気にないでって 言うとよけい気にするな 今は忙しいって
そう伝えて 時間が出来たら連絡するし これから毎日会うと思うよ」
「そうですね 分りました」
神山は電話を切ると洋子に
「誠二君が気にしていて お詫びをしたいんだって やさしい子だね」
「ええ 貴方に申し訳なくてどうにもならないのよ きっと」
「そうだね 杉田と一緒だ 彼も後3日で先輩になるんだね」
「ええ 美術の屋敷君も結構 純粋で好感が持てるわ 催事課には
ピッタリの性格だと思うわ 返事はしっかりしているし」
「それはいつ調べたの」
「だって そんな探偵じゃないからしつこく付回してた訳じゃないわよ
すれ違った時とかの感じよ」
「そうか 気をつけよう いつ誰に狙われているか分らない訳だ」
「そうよ 貴方位になると みんなが注目するでしょうね」
神山も誰かに狙われている話をされると怖くなった
「明日は 8時30分にでてアルタだったね 部屋はどうなんだろう
使えるのかな 何か聞いた今日」
「そう言えば 何も話が出なかったですね」
「わかった 孝ちゃんに聞いてみるね」
神山は携帯で高橋に電話をした
「孝ちゃん 神山です 何度も済みません」
「いえ」
「明日の次長室の件だけどどうなっていますか」
「ええ 多分早めに出勤と考え7時に田中君が行きます
済みませんでした 先ほど言わなくて」
「そうしたら 7時30分に変更してください お願いします」
「はい了解です」
洋子に
「明日 7時に待っているからと言われても早すぎるから
7時30分にしてもらった だからその時間にお願いします」
「そうね 電話の設定とかいろいろと聞かなければいけないし
大丈夫ですよ ご安心下さい」
洋子は笑顔で言った
「次長室も楽しみだね どんな風になっているか」
「ええ しかし工場で見た時と違うでしょうね」
「うん 工場は広いけど 普通は狭い所で使うものだからね
なんと言うか味が凝縮されたといったら言いか まあそんなとこです」
ふたりはゴルフをしたせいか よく食べよく呑んだ
「そうだ忘れていた 東都食品 関東で有名な一流企業だけど
何でもいい 調べてくれる?」
「なんでもいい?」
「うん 出来れば内情だ いいね」
「スキャンダルを含めてですか?」
「うん そのスキャンダルでその後どう動いているかとか」
「はい 分りました」
「それと アルタから出る時に 土地と言ってくれるかな」
「えっ 土地?ですか」
「うん 内藤社長に聞くタイミングが無くて だから忘れていると困るから」
「はい 出ときに 土地ですね」
洋子は分らないけど神山が何かで動き出していると感じていた
ただはっきりとしていないので私にいえないのだろうと思っていた
「さあ こんなところかな」
「私 食べ過ぎたわ おなか一杯」
「僕もだ これはゴルフだね 健康でいいね 来週からはというより
30日から動くね 楽しみだ」
神山は最後の『楽しみだ』を言った時はどこか違う世界を見て
言っていると洋子は感じ取った もう動いているこの人は
「では 本日は色々とありお疲れ様でした ありがとうね」
「わたしも楽しかったわ」
「あす早いから帰ろう 代々木ホテル駐車場7時でどう 一緒にいこう」
「分りました 待っているわね お願い」
「よし決まった では帰るか」
「はい」




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2011年8月10日水曜日

Vol.396 薔薇 -2-27

「ええ あとは無いと思います」
神山は湯沸し2万円 電子レンジ7万円 ガステーブル3万円を
買って車に運んだ 売場に戻って
「扇風機はどうだろう 必要ないかな」
「う~ん どうでしょう その時で良いでしょ」
「は~い 分りましたぞ そうだね」
「あと コンセントが足りないしこまごました物を買おう」
神山は延長コードやコンセントを買い求めた
コード類だけで1万円したので
「こんなに高いんだ」
と驚いた
神山と洋子は直ぐに代々木のマンションに戻って荷物を運んだ
「ねぇ まだ時間あるでしょ」
神山は時計を見ると16時30分だったので
「うん あるよ」
「そうしたら食器類を買いましょうよ 渋谷だったら一杯お店が在るし」
「うん」
神山は渋谷で有名な食器店に行き店内を見渡した
「洋子 僕はこうやってセット物でなくてお皿一枚ずつ
違った物が良いな 例えば このこ皿のように同じ大きさでも
色々と楽しいでしょ」
「ええ 普通の白いお皿とか 青磁風のお皿より楽しいわね」
神山の提案で色々と買い揃え全部で4万円したたが 
「グラスは高いのにしよう」
そう言って ビールのグラス2万円 ワインのグラス5万円
日常使用するのグラス 1万円 を買った
「そうしたら 洗剤なども買いましょうよ」
「うん そうしよう」
このお店では取扱が無いので 台所小物雑貨を扱ってるお店が
そぐ傍だったので グラス類を車に積んで台所用品や
洗面所用品 浴室用品をかった
全部で2万円も掛かってしまった
「こやって揃えると結構かかるんだね 上原はちょこちょこと
買っていたから分らなかったけれど」
「掛かるわね 私もビックリしたわ」
「大袈裟に言うとこれで生活できるね」
「大袈裟でなくて大丈夫ですよ 出来ます」
神山と洋子は代々木のマンションに帰ると神山が
「このカード 1枚だからもう1枚必要でしょ」
「ええ 出来たらその方が助かるわ」
「そうしたら 管理人さんに聞いてみるね」
神山は管理人室に行って話すと
「はい すぐに出来ますが5万円の保証金とカード制作費で2000円
掛かりますがどうされますか」
「はい ではすぐに作ってください」
神山は財布から52000円出し渡すと暗証番号を聞かれたので
伝えると 5分も掛からないで出来上がってきた
部屋に戻って包装紙を片付け始めると電気屋がきた
ドアホンで確認を取り1階の自動扉を開けて 玄関も開けておいた
直ぐに家具屋が来て同じ様に1階の自動扉を開けた
どちらの配送も大変だと感じた管理人が少しの間ドアを開放して
その間に配送車から1階のロビーに移していた
部屋の中はごった返し神山と洋子の居場所が無かった
しかし1時間もすると落ち着いてきてダンボールなど不要品を
片付け始めた 
神山は電気屋を捕まえ 冷蔵庫や洗濯機に設定設置をお願いした
快く引き受けてくれ助かった 電気屋は不要になった
ダンボールを一緒に持って行ってくれた
暫くすると全部終わり 電気屋も家具屋も帰った

「ふぁ~ 素敵ね あなたの感覚ってこうなんだ」
洋子は部屋の中に配置された家具を見て
何処かのホテルにいる気持ちになった
神山はソファーに座ると 沈み込み気持ちよかった
「洋子 座ってごらん 気持ちが良いよ」
洋子はガラステーブルを挟んで反対側に座った
「ふぁ~ 気持ち良いわ 眠たくなるわ」
神山は寝室にいきベッドに横になった 上原と違って気持ちよかった
なにからなにまで新しいと気持ちがいいと思った
洋子は食器類を洗い始めるとガス屋がきた
1階ドアを開けると暫くしてまたドアホンが鳴ったので開け
ガステーブルの接続をしてガスがつくようになった
「ねぇ 洋子 忘れていたね カーテン」
「あっ そうですね 寸法を測って近いうちに買いましょう」




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2011年8月9日火曜日

Vol.395 薔薇 -2-27

内野は池に2回入れて打ち直し3回目で5オンさせた カップまで25m
内野が寄せたが入らず2パットで7つ叩いてしまった
洋子は寄せたが入らずパーで上がった 高橋はちょろして
3オン1パットのボギーだった
神山が打つ番になったがなかなか打たなかった
構えてから暫くするとパターが自然と出てスライスラインに乗って
チップインバーディーをとった
「すごいぞー やったね」
みんなが喜んだ
17Hは比較的やさしく神山 洋子 高橋はパーで上がり
内野はボギーになってしまった
最終ホール18番は比較的やさしい打ち下ろし 540y Par5
神山はドライバーで思い切り振ると左に出たので少し右を向いて
思い切り振りぬいた ボールは左には少し行ったがOBラインのそばで
ラフに捕まった 
神山はこのホールバーディーで上がると今までに出した事がない
初めての70台それもぎりぎりの79と凄いスコアを残す思いで
ドライバーを思い切り振り抜いた
洋子と高橋はフェアウェイに打ち安全策ととった
内野は左のラフに打ち込んだ 
内野が最初に第2打を打つがこれも左のラフ 又 打つが
バンカーに捕まったりして結局8つ叩いて上がった
洋子と高橋は確実にボールを運んだがグリーンでてこずり
共にボギーとした
神山は深いラフからだったが上手に出して
3オン2パットのパーで上がった
全てのホールを終った4人は挨拶したが内野が気分を悪くして
化粧室に飛び込んでいった 暫く出てこないので高橋が様子を
見に行ったが高橋が
「ねえ 内野を少し休ませるよ だめなんだ」
「うん良いよ」
「それでさ 僕らはあとで車で帰る事にするから
先に出てくれるかな 賭けの清算は後日でお願いします」
「うん いいよ ここのプレー費や食事は」
「うん うちでもつ事になっているから心配しないで」
「しかし 大丈夫かな 待っていてもいいよ」
「だけど車汚したら 大変だしね」
「うん 分った そうしたら 受付に二人分清算終了としてもらえる?」
「うん 了解」
「軽く汗を流して着替えるから」
「ほんと ごめんなさい よく言っておくよ」
「昨夜寝ていないんだと思うよ」
「うん 多分ね 楽しかったのにごめんなさい 埋め合わせはします」
「うん ではお願いします」
神山と洋子はそれぞれ更衣室で着替えフロントに帰ってきた
「お疲れ様でした 大変な事にならなければいいけど」
「うん 3時間も睡眠をとれば元気になるよ 大丈夫だよ」
神山と洋子はキャディーバッグを車にしまいながら内野の事を案じた

「よし 帰りは僕が運転するよ」
「はい 分りました」
神山は東名高速御殿場インターに入ると飛ばした
来る時 洋子が癖があると行ったが高速では分らなかった
「ねぇ このまま渋谷で 冷蔵庫を買うか?」
「ええ 洗濯機もあまり大きくなくて良いと思うわ」
「渋谷の家電量販店で台車を借りれば何とかなるし」
「そうね 地ビールも冷やせるしね」
「うん あとは湯沸しとレンジがあれば大丈夫なのかな?」
「そうね ガステーブルはお料理を作る時でしょ
でも小さい一口コンロはあっても良いかなと思うわ
これから麺類を食べたくなった時とか 必要でしょ」
「うん そうだね ねぇ悪いけどメモしてくれる今の分
選べる時間があったら買おう」
「はい 分りました」
神山が飛ばしたので15時に渋谷で降りることが出来た
そのまま家電量販店の駐車場に入り売場に行った
最初に冷蔵庫をみて中型を買い洗濯機を見ることにした
色々とあったが あまり小さいと洗濯物が入らなくなるので
これも中型を買った冷蔵庫が8万円で洗濯機が5万円だった
店員に訳を言って台車をかり 代々木のマンションへ向った
市街地は日曜日とあってそんなに込んでいなかった
マンションに着くと 台車を利用して冷蔵庫 洗濯機を自室に運び
直ぐに家電量販店に戻り先ほどの店員に台車を返した
「さあ 湯沸しとレンジとガステーブルか」




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2011年8月8日月曜日

Vol.394 薔薇 -2-27

「誠二 それがゴルフだ 甘く見てはいけない な~あんて だめだ
気を引き締めよう」
「神山さん 凄いわね 41って」
「いやいや まぐれさ 午後もこのまぐれが続けば良いけどね」
「神山さん あの時 9番ですけど 神山さんや高橋さん田所さんの
言葉は何にも聞こえなかったんです 悪魔と戦っていたんです
池という悪魔と だけど負けました あ~あ だめだ」
神山は洋子に
「そうとう昨夜の事が効いているね」
「ええ 効きすぎね」
「ここまで来ると 自分で建て直しをしないとね 人が言っても駄目だね」
「ええ 彼 午後から崩れるわよ きっと」
「うん まあ仕方ないさ」
神山は内野を見ると高橋と話しているが
内野はしょぼくれたまま頷くだけだった
神山は
「誠二君 ビールを呑んで元気だそう」
神山はそう言ってビールを追加した
おつまみやビールを呑み少し元気になった内野だが
「僕 日本酒貰います」
そう宣言して日本酒を注文した 高橋が
「山ちゃんは今日予定ある?」
「うん 午後が終ったらここで呑むと運転があるから
東京で軽くって思っているんだ」
「うん ありがとう 上原に5時に帰れれば大丈夫です」
「うん まだ11時だし 2時には上がるでしょ そうすると1時間で
帰って まあ2時間位できますね」
「うん そうしたら風呂もなしにするか」
「しかし 女性もいるし」
「平気よ このままで 今日汗かかないから大丈夫ですよ ご安心下さい
着替えだけはさせて」
「そうしたらその計画で行きましょう」
「うん みんな呑むからね 大変だ 誠二君はもう駄目だし」
打ち合わせをしていると高橋がウエイトレスにご飯を注文した
内野は日本酒を追加した
「孝ちゃん そうしたら 上原の駅前寿司にしよう
日曜日だと すいているし」
「そうですね 僕らも電車近いですから そうしましょう」
神山はビールを呑みながらおつまみを食べた
「この時間だともうハーフ廻れるね」
「そうね この時期だから廻れるわね」
「又 来よう」
「ええ 風が無い日に」
「今日はこのスコアだけど風が有ったら 5つくらいは落とすね
ここ難しいもん」
「ええ 結構フェアウェイが狭いですよね 風があったらラフで駄目ね」
「うん」
神山がそろそろご飯を食べたいと思っていると4人前の定食が
運ばれてきて早速食べた 
内野はまだ日本酒が残っているので呑みながら食べていた
食べ終わると11時15分になっていた

みんなは10Hのベンチに座って 神山はタバコを吹かし気分を
落ち着かせていた
キャディーさんがカートを持って来たので神山は人がいないとこで
素振りをしスイングチェックをした
前の組が打ち終わったので 神山がティーグランドにティーを差し
打つ準備をしていた
10H530y Par5 いきなりロングだが殆どストレートな
コースだがフェアウェイは結構せまかった
神山は3オン2パット パー 洋子と高橋は4オン2パットのボギー 
内野は乱れ 4オン3パットのダボ
11H440yPar4 打ち下ろしの左ドッグレッグ 
神山 洋子 高橋3人はボギー 内野はダボ
12H390yPar4 打ち上げのストレート
神山 洋子は共にボギー 高橋と内野はダボ
13H160yPar3 打ち下ろしだがグリーンが
小さくバンカーがグリーンを取り巻いている 
神山パー 洋子と内野はバンカーで苦労し共にダボ 高橋はボギー
このホールを終った時点で 神山は洋子にハンデを引いて1打勝った
14Hは全員がボギー 15Hは内野がダボ 他はボギーで上がった
16Hは池越えの170yPar3 
神山はグリーンを外しカップまで20m 洋子はグリーンと池の間
40y残 高橋は飛ばしすぎてグリーンオーバー45y残





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2011年8月7日日曜日

Vol.393 薔薇 -2-27

「うん ありがとう」
この誉め言葉が良くなかった
7Hは470y Par4でこのコースで一番難易度が高いコースで
少し打ち上げの右ドッグレッグ 右はOBになっている
フェアウェイも狭く落としどころ勝負になってくる
風が吹いている時はボギーで上出来なホールだった
神山は右の曲がり角を狙ってドライバーを思い切り振った
ボールは右に出たが途中から左に向っていき山斜面の左ラフに入った
珍しいことが起こったので皆が
「よかったよ スーパーマンとは戦えないもん なあみんな」
「そう 私もスーパーマンとはやりたくないわ」
「神山さんも人間だったんだ よかたです」
神山は
「たまにはね 嫌われるから」
洋子は手堅くスプーンで打ってきた フェアウェイ真中で270y残
内野はドライバーで打ったがやはり力み左に行って神山の手前だった
高橋は洋子同様にスプーンで打ちフェアウェイ左 260y残
神山と内野は左に曲げたが距離は出ていたので 洋子が打った80y残
高橋もスプーンで打ち左にいきラフ70y残
内野は3アイアンで打ったが100y残してしまったがフェアウェイに
転がした 神山は5アイアンで出すだけでやはり120y残
神山はピッチングで打ったがグリーンオーバーしてしまい3オン
出来なかった 内野もピッチングで打ったがガードバンカーに捕まる
洋子は手堅く打ち3オンした 高橋も3オン 最初に内野が
バンカーショットでグリーンに乗せるだけだった4オン
神山がパターで寄せたがラインに乗らず2mを残した
洋子と高橋は2パットでボギーとした
内野は2パットでダブルボギーにしてしまった
神山は入らず3パットでダボになった
8Hは神山ボギー 洋子ダボ 高橋と内野は共にダボと
全員が崩れた
ここまで神山は+5 洋子+7 高橋と内野はともに+10のスコアだった
現状 神山が有利だが洋子が4のハンデが有るので2つ負けている事になる
「山ちゃん ハンデで田所さんに2つだよ 挽回しないと」
「うん 孝ちゃんもいいスコアじゃない」
「そんな ダボを2つも出していたら駄目だよ」
「そうです ボギーで来ていたのにダボ ダボではきついです」 
9Hは160y Par3 池超えの軽い打ちおろし
ここはティーグランドの前が崖になっていてグリーンまで池があり
フェアウェイは左にあるがカートが通る狭い場所で
池を完全に越えなければ攻略できないコースだった
神山は6番アイアンで軽く打ってワンオン
洋子は4番アイアンでワンオンした 神山と洋子は共に昇り20y残
高橋は6番アイアンで打ち左のガードバンカーに入ってしまった
最後は内野だが 池ポチャの事は誰も口にしなかった 神山が
「誠二君 力まずに打てば大丈夫だよ」
この一言で高橋や洋子も
「うん 力まず ね 力まずだよ」
この時 内野はボールが池に飛び込む事しか考えていなかった
6番アイアンで打ったボールは30y位のところで池に入った
内野はその場でしゃがみ込み うなっていたが気を取り直して
打ち直し第3打となった
内野は今度5番アイアンに変え軽く振ったがグリーンに僅かに届かず
またしゃがみ込んだ こんどはまた6番アイアンに替えて構えた
打ち直し第5打だったがこれは池の真中に直撃してしまった
しゃがみ込んだ内野にキャディーが
「ヘッドアップが早くなっているわよ 頭を残せば大丈夫よ」
アドバイスがあり 打ち直し第7打はようやくグリーン右の縁に転がった
ほっとした皆が
「よくやった 偉い ギブアップしないところはアルタの星だ」
「よかったわね キャディーさんにお礼いった」
「そう 力むとだめ よかった」
神山と洋子はパー 高橋はボギー 内野は8オン2パットの10と
午前最後のホール結果だ
午前ハーフの結果は 神山+5 洋子+7 高橋+11 内野+17
結局 神山は洋子のハンデで負けている
午後のハーフスタートは11時30分で40分有った

レストランはまだ疎らで数組しか利用していなかった
神山達はビールをまず頼みおつまみを数点注文し ご飯類は
少しあとで注文すといった
ビールが運ばれて来ると高橋が
「では ギブアップしなかったアルタの星に乾杯」
「わあ 悪すぎですよ あんな なんとも無い池なのに」




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2011年8月6日土曜日

Vol.392 薔薇 -2-27

2Hは420y Par4の左ドッグレッグ少し打上げになっていた
神山はキャディーに曲がり角までの距離を聞くと200yだと
教えてくれたのでドライバーで左の林ギリギリを狙って打った
ボールは先ほどと同じ様にまっすぐに飛んでいった
フェアウェイの右側になったが残160yにつけた
洋子は曲がり角の少し先まで飛んでいった 残190yまで行った
高橋と内野は共に狙いすぎて左のラフに捕まった残は200y以上有った
高橋から先に打ったがガードバンカーに入ってしまった
内野はグリーン手前まで打ってきた
このホールは神山が2オン2パットのパー 洋子は3オン2パットで
ボギー 高橋は3オン2パットのボギー 内野は3オン2パットで
ボギーとなった 高橋と内野が
「山ちゃん すごいね ドライバーが冴えているね」
「うん バランスが凄くいいよ だって力加減は7割くらいだよ」
「へぇ~ それで飛ぶんだ 見せて」
高橋と内野は神山のゴルフクラブを覗き驚いた
「山ちゃん こんな高いもん使っているんだ 凄いや」
「うん 貰いもんだよ」
「これ高いのって知っている?」
「ううん ぜんぜん」
「ドライバーだけで10万するよ へぇ~これは負けるわ」
高橋と内野は神山のドライバーを素振りすると
「うん山ちゃんが言うようにバランスが凄くいいね 宝だね」
「ありがとう」
話しながら3Hにきた
3Hは490y Par5右ドッグレッグ打ち下ろしでグリーン手前が
見えているが右はOBになっていてOBに入れると前進4打のグリーンが
設けられているホールだった さらにコースが全体に緩やかに曲線を
描いているので曲がり角が無く難しかった
神山はスプーンで左の山側を狙ってスライスをかけたボールは
フェアウェイ真中に落ち転がった 残260y
洋子はドライバーで右をギリギリ狙って打って230y飛ばし
フェアウェイ真中に転がしてきた残260y
高橋は神山と同じスプーンで打ってきてようやくフェアウェイに運んだ
残280y
内野はドライバーで右のOBギリギリを狙いフェアウェイ左に打った
残250yと飛ばした
洋子が内野に
「凄いわ ここでドライバーを使うなんて」
「ええ 1番2番と左に行っているんで ここは少し冒険でしたね」
「頑張ってね」
洋子はスプーンで手堅く打ってグリーン手前50yに付けた
神山もスプーンを使ってグリーン手前40yに飛ばしてきた
高橋は力んで左のラフに入れてしまい残100yとした
一番飛んでいる内野は素晴らしく綺麗な弾道でグリーン手前30yと
飛ばした
このホールは神山が3オン3パットのボギー洋子が4オン2パットの
ボギー高橋が4オン3パットのダブルボギー 内野が3オン3パットの
ボギーとなった
4H,5Hは全員がボギーで6Hに向った
6Hの手前に売店があり飲料水やタバコ チョコレートなどがあり
神山は2人のキャディーにチョコレートを上げた
4人がビールを呑み6Hのティーグランドへ向った
6Hは165y Par3 打ち下ろしの谷越え
神山は5番アイアンでまっすぐに飛びワンオンした
「ナイスオン」
と言われ ピンまで15y
洋子はクリークを使った やはりワンオンしピンまで18y
内野は5番で打ったが左にこぼしピンまで25y
高橋も5番で打ち右のガードバンカーに転んだ
内野は体勢が良くなく左足を随分と上げる格好で打ち2オンしたが
ピンまで25y残 高橋はバンカーショットで上手に2オンしたが
下りでピンまで4yと微妙な距離を残した
洋子はフックラインを読みカップ30cmでパーで上がった
神山もフックラインを読みカップ50cmでパーで上がった
内野は2パットでボギーで上がった
高橋はスライスラインを読み見事に4yを入れボギーにした
7Hに行く時に洋子や高橋 内野から
「山ちゃん 今日凄いスコアじゃない まだ2オーバーだよ
どうなっているの」
「うん 風が無ければこのコースは簡単だと思うよ
力まず 打てばそんな変な所にいかないしね」
「このまんまだと30台も出るよきっと」
「そうよ 力まずに頑張ってね」




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2011年8月5日金曜日

Vol.391 薔薇 -2-27

「1打千円 男性はスクラッチ 田所さんは1Rハンデ4でどう?」
と聞いてきたので
「うん いいでしょう ねぇ 洋子さん」
「ええ 大丈夫です お願いします」
相談がまとまり4人はカートに乗せられたバッグからパターを取り出し
グリーン練習場でパッティングの練習を始めた
神山が夢で起きた事が現実になるかじっと構えたままでいた
しかしなにも起きずに仕方なく打つとカップそばまで転がった
カップまでのラインが見えるか夢のように見えるかグリーン上を
見つめていたが ラインは浮かんで来なかった
神山はなぜ寝てしまったんだろうと言う事とあの夢はなんなんだろう
と不安がっていた
練習に夢中になっていると洋子が
「あなた 大丈夫?」
「うん 平気だよ なんで?」
「だって さっきなにか そう魂が抜けたような力なくふっと
寝てしまったの だから病気かと思ったんだけど息をしているから
そのまんま寝かせておいた訳なの」
「うん 気持ちよく寝られ いい夢をみたよ」
洋子の表情は明るくなって
「そう 大丈夫ね 頑張りましょ」
二人はまた練習グリーンでパッティングの感覚を試した

時間が来てティーグランドに向かう時に高橋が
「山ちゃん さっき受付に聞いたら こんなにベストな天候は
まれで お客様たちは大当たりですだって 
こうなったら ほんと良いスコアが出そうだね」
「うん なんかわくわくするね」
受付が言っているように 風がぜんぜん無い日は珍しく
月に数えるほどしかないコースコンディションだった
フェアウェイが広いわけではなく 風が吹くと難しいコースだった
特に南西からの風 北東からの風は強い時には4番手5番手
違う事もあるほど難しく攻略が出来ない
1Hで順番を決めた
順番は 洋子 神山 高橋 内野の順になった
1Hは400y Par4のストレートなレイアウトだった
洋子はドライバーを持ち軽く素振りをして構えた
女性特有の柔らかくてしなやかなスイングをして打ったボールは
フェアウェイ真中に運ばれ 残180yのところまで転がった
男性群が
「ナイスショット」
と誉めるとニコニコしてさがってきた
次は神山の順番でやはりドライバーを持ってティーグランドに立った
洋子と同じ様に2,3回素振りをして構えた
神山は7割程度の力で打つとまっすぐに飛んで行って残150yまで
転がっていった 後ろから
「ナイスショット」
と言われるとちょっことお辞儀して下がった 高橋が
「素晴らしいですね 山ちゃん」
「いや 頑張って」
高橋は激励されティーグランドに立った
ドライバーを数回振って構えた 力が入って左のラフに捕まった
残180yだった 戻ってきた高橋に神山が
「力んだでしょ」
「うん 力はいったよ 山ちゃんのあんなの見せられたから」
そう話していると最後の内野が左のラフに打ち込んでしまった残200y
コースを歩いていると風が無く気持ちよかった
内野のボールは余り深くは無かったが 木が邪魔して直接グリーンを
狙えなかった 5番アイアンで刻んだつもりが飛びすぎて
ガードバンカーに入ってしまった 2打終了 残30y
高橋の位置は比較的グリーンを狙いやすかったがそれでもグリーン真中は
無理で5番アイアンでフックをかけた 上手に掛かってフェアウェイ
真中に落ちて残30yにきた2打終了 フェアウェイ真中にある洋子が
スプーンで軽く打ってグリーンにオンしたがピンまで20yと
今ひとつだった 神山が7番アイアンで打つとピン手前8yにつけた
神山と洋子が2オン成功でパター勝負になった
高橋がピッチングで打つとボールはピンをこえスピンが効かずにグリーン
オーバーをしてしまった 内野もバンカーから出しただけでエッジに止った
結局このホールは神山がバディー洋子がパー高橋と内野がボギーとなった
2Hに向う時に洋子が
「凄く上手ね 力んでいないし」
「うん まだ分らないけど このクラブが本当にバランスがいいんだ
だってさっきのが初めてだよ 打ったの」
「えっ 初めてであんなに飛ぶの 凄いわ」




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2011年8月4日木曜日

Vol.390 薔薇 -2-27

「ふ~ん そうなんだ ここがグロテスクよ お風呂に入れないでしょ」
「パンツと一緒に脱ぐさ 大丈夫だよ」
「ふぁ~しかし 凄いわ それで何か良い事有った」
「うん ダブルスコアを出した」
ふたりはまた大笑いした
神山は黒のスラックスに白のポロシャツ 洋子はオフホワイトの
スラックスに鮮やかなバイオレットのポロシャツだった
エレベーターで下に行くと誰も来ていなかったので 玄関を見ると
亜矢子がニコニコと寄ってきたので
「おはようございます あれ穿いたよ」
小声で言ったら 頷いて 普通より少し大きい声で
「神山様 頑張ってくださいね」
と言った 洋子が近寄ってきたので
「ハッパを掛けられた」
「素敵な女性に囲まれて如何ですか」
「うん 最高に決まっているでしょ」
3人で話していると椿が来て 
「神山様 昨夜はありがとうございます 驚きました」
「いえ 好奇心旺盛ですから お邪魔して済みませんでした」
「とんでもございません またお越しくださいませ」
「ええ 近いうちに伺います その時は宜しくお願いします」
高橋と内野がようやくきた
「済みません 遅くなりました 今車を持ってきます」
「ええ ここで待っています」
椿と神山が雑談している時 洋子は亜矢子と話していた
直ぐにバンが来て昨夜注文した地酒と地ビールを積み
神山と洋子が乗り込み 挨拶をして発車した


御殿場カンツリーの御殿場コースには15分ほどで着いた
受付で高橋がアルタで予約していますと伝えると 前3組がキャンセルに
なり1番目のスタートで8時00分のスタートに繰り上がった
あと30分しかないので神山は少しでも食べておいて良かったと思った
売店でゴルフボールを買いロッカーへ行ってバッグを預け
財布はカウンターで貴重品として預かってもらった
バッグからパターを出しグリーンの練習をしていると
高橋と内野 洋子が集まってきた 思い思いに練習していたが
神山は赤パンの実力を探るため パターをじっと握っているだけだった
構えて何もしない神山を見て3人はどうかしたのかと思い
近づいた 神山の腕が自然に動き出しボールをヒットすると
10mある距離を入れてしまった
自身も驚いたが廻りはもっと驚いた
こんどは15mに挑戦した この時も素振りをしないで暫くして打つと
また入れてしまった
同じ距離を自分の感覚で打っても入ってしまう
「山ちゃん どうしたの 練習していたでしょ」
「うん まあね」
「神山さん 凄いわ 素振りをしないで 入れるなんて」
「うん まあね」
神山はそう言うと 今度は2mの距離を試したがこれも入った
「山ちゃんさ 今から運を使うと本番で運がなくなるよ」
「そうだね 辞めておこう 孝ちゃんの言う通り」
そう言い辞めたが パットラインが見える どこに行っても
パットラインが見えた 試しに見えるパットラインに乗るよう
手で転がすと入った 神山は今度は打ちっぱなしに行って
ドライバーを振ってみた まっすぐに飛んでくれた
今度はスライスをかけて打ったら綺麗にスライスが掛かった
神山はさっき高橋が言っていた言葉を思い出し辞めた


「山ちゃん 山ちゃん 起きて 着きました」
「うん ああ ごめん」
「山ちゃん 大丈夫?」
「うん」
「さっき すぅ~て寝ちゃったんですよ」
「ごめんごめん ああいい夢だった」
神山はゴテンバ グランド インを出て ふっと寝てしまった
皆は受付でスタート手続きを終るとロッカーへ向った
神山は売店でゴルフボールを買い ロッカーへにバッグを預け
財布はカウンターで貴重品として預かってもらった
神山は夢のように赤パンの魔力が通じるかわくわくしていた
8時30分のスタートなので充分に時間は有った
4人はレストランでコーヒーを飲んだりしたが神山はビールを貰った
高橋が




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2011年8月3日水曜日

Vol.389 薔薇 -2-27

「はい ご用意できますがインスタントでございます 宜しいでしょうか」
「分りました お味噌汁もお願いします それと高橋さんの部屋にも
持って行って頂けますか」
「はい では早速ご用意いたします ありがとうございます」
「洋子 お味噌汁はインスタントだって 良いよね」
「ええ ありがとうございます 食べられるだけで嬉しいわ」
神山はデジカメのモニターを見せた
「どう 可愛らしいよね まだあどけなさが残ってるよ」
「まあ いやだ 寝顔なんて撮られたの高校生以来かな
だけど あなたが言うように可愛い女の子って感じね」 
「そうだろ 可愛いよ」
「今日ね ミニスカートにするか パンツにするか両方持ってきての
あなた選んでくれる?」
「うん いいよ」
洋子はバッグから最初 ミニスカートを出して穿いた
「浴衣でよく分らないよ 脱いだほうがいいな」
洋子は浴衣を脱いで見せた 均整の取れた躰だと思った 
「ねぇ バストばかり見ないで もう ちゃんと見てよ」
「うん 分りました うんイメージしたから今度はパンツだね」
洋子はミニスカートを脱ぐと生まれたままの姿でお尻をこちらに向けた
神山は気をそらすのに必死だった 
「どう こっちは」
なんとも甲乙つけがたく返事に迷ってしまった
しかし 第三者に綺麗な裸のももを見られたくなかったので
「決定 このパンツ姿で行きましょう」
洋子はニコニコしながら浴衣を着て神山にキスをした時
部屋がノックされたので神山があけると 女の子が食事を運んできた
神山は受け取りながら
「お会計は」
「はい お一人様450円です」
神山は4人分で1800円払い
「高橋さん達はもう行かれたの」
「いえ これからです お電話をしてから伺います」 
「ありがとう」
若い女の子は深々とお辞儀をして戻っていった
「さあ 食べましょう」
お椀の蓋を開けると味噌汁がいい香りだった 
洋子もテーブルについて
「頂きます」

ふたりは代々木でも簡単な朝食を食べたいわねと話し合った
おにぎりは少し小ぶりで神山は直ぐに食べてしまい
お味噌汁を飲むと多少は食べたかなと言う感じだった
神山は冷蔵庫から地ビールを出し呑んでいると内線が鳴り 
受話器をとると高橋だった
「おはようございます 高橋です 済みません 用意しなくて
今 聞きました ありがとうございます」
「やあ おはようございます 孝ちゃん よく寝られた?」
「いえ だめです」
「なんで?」
「ええ 誠二君が落ち込んで 池ポチャの話し もう大変でした」
「そうすると誠二君は落ちたね」
「ええ 可哀相なので ずっと付き合ってました」
「わかった そうしたら 7時30分じゃ無くて 7時15分位で
下で落ち合いましょう」
「ハイ了解です 7時15分 OKです」
神山は洋子に今の話を伝えると 大笑いをしてしまった
「朝一で 池ポチャの夢はどうだった と言ったら逆にしらけるから
そのホールに向かう時さりげなくキャディーさんに
みんな落とすんですってね なんて言ったら ポチャだね」
「もう あなた 苛めるのやめなさい しかし楽しいわね」
洋子は又 思い出し笑っている
「ねぇ ところで パンツを選んだらなぜニコニコしたの?」
「だって 私だってそうするから 別に試した訳じゃ無いのよ
ほんと迷っていたの ただ男のひとは自分の彼女の素足を第三者に
見せたがるか考えたの 普通に考えれば見せないと思ったの」
「じゃあ ぼくが普通じゃなかったら どうする?」
「う~ん 分らないわ だって普通だから さあ支度しましょう」

洋子の号令で神山も仕度をした 先日 熱海で買った赤いショーツを
穿くと洋子が
「ふぁ~ 凄い これ婦人用でしょ このような趣味も合ったの?」
「うん 赤は縁起がいい まあ紳士用はゴワゴワして駄目だった
それで買った」




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2011年8月2日火曜日

Vol.388 薔薇 -2-27

「うん 食べてたら そう感じたんだよ 何も無いよ」
「分らないな なぜそんな所に気が付くのかも」
「僕なんて なに食べても一緒ですよ」
「うん それで商売も出来る しかし本物を扱う事は出来ないし
食べさせる事も出来ない まあコンビニやファーストフードだね」
「そんな また落ち込みですよ」
「そう言えば 明日 池越えがあったね なんか夢に出て来そうだよ
誠二君が 池ポチャって」
「なんですか 失礼な 絶対に落としませんから」
「失礼しました ねぇ池ポチャなんてすること無いもんね」
「今まで 7,8回ですが」
「何処で落としたの」
「ええ 千葉なんですけど 大した事無かったんですよ
だけど 変に力んで 池ポチャでした」
隣りで洋子が笑っていて 堪えきれずに
「誠二君 まんまと神山マジックに引っ掛かったわね 明日落とすわよ」
「また田所さんまで そんな」
「だって 誠二君が嫌な場面を今も思い出しているでしょ」
「ええ」
「ゴルフってメンタルでしょ 明日そのキーワードを引き出せば
貴方の体は動かなくなって 池ポチャよ」
神山と洋子は顔みて大笑いした
これも作戦の一つだった 別に打ち合わせをしていないが
洋子は神山が何をしたいか敏感に感じ取ってフォローした
話は尽きなかったが明日があるのでここでお開きにした
神山は別料金の伝票を持って精算して皆で部屋に帰った
普段なら21時30分という時刻は飲み歩いている時間だが
今日は早めに解散した
帰り際に明日の確認をした
「そうしたら 7時30分に出れば充分間に合うね」
「了解です」
部屋に入ると洋子が
「先ほどのお肉はお幾らですか」
「うん 1枚5千円だった だからまあまあのお肉だね」
「うんそうですね 美味しかったですよ サイコロより」
「ワインは安かったな 4千円かな」
「ええ 若かったわ でもあれはあれで美味しかったわ」
神山は冷蔵庫から地ビールを出して洋子と呑んだ
暫く話をして今日は早く寝ようかと申し出ると洋子も頷いた
一つのベッドだと又 寝られなるから別々に寝た
神山が6時30分に目覚ましをセットしてベッドにもぐった

4月27日 月曜日 快晴
神山は目覚ましの鳴る前に起きていた 洋子を起こさないように
冷蔵庫から地ビールを出した ベランダに出てタバコを吹かしながら
地ビールを呑んだ 朝日を浴びて気持ちよかった
神山はタバコを吸い終わると部屋に戻ってシャワーを浴びた
お湯を熱くして体をしゃきっとさせた
充分な睡眠のお陰でからだはよく反応した
まだ6時なので早いかと思ったが洋子の寝顔を見ると
はっとする位 亜矢子と似ていた 神山は今後 
注意しなければ いけないと思った
神山は洋子のデジカメで寝顔を撮影した
洋子はシャッターの音で目が覚めた
「おはようございます どうですかぐっすりと寝られた?」
「おはようございます ええ 早いのね」
「だって 8時間だよ まあ普段が普段だから今日は丁度いいかな」
「もうシャワー浴びたの?」
「うん 絶好調さ」
神山はストレッチを見せ充分に体が動いている事を伝えた 
「ふぁ~ やだな 自分ばかり 私置いていかれたわ さっ おきよっと」
洋子もすぐにシャワーに入り 体をぴりっとさせた
「昨夜聞くの忘れたけど朝食 孝ちゃんと内野君 どうするのかな」
「ええ 私たちはどうする?」
「今ごろ サンドイッチなんてないよな」
「聞いてみれば 何かあったら食べたいわ」
「うん聞いてみるよ」
神山は7200番を廻すと亜矢子でない子が出て
「神山様 どうかされましたか?」
「うん 朝食を忘れまして 何かあるかお聞きしたいんですが」
「はい おにぎりとおしんこうがございます」
神山は洋子におにぎり おしんこうだがいいかと聞くと頷くので 
「では おにぎりとおしんこうを2人前お願いします
お味噌汁は有りますか」




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2011年8月1日月曜日

Vol.387 薔薇 -2-27

「ええ 神山さんの言う通りだと思います 青山と同じ感じですね」
「うん あといい忘れたけど ここのお肉は美味しい そうだ」
神山はウエイトレスを呼んで今日頂くお肉より美味しいお勧めはあるのか
と聞くとウエイトレスがコック長に聞きに言った
コック長が自ら神山のところに来て
「ある事は有りますが はっきり申し上げますと このワインでは
味わえません」
「分りました そのお肉を2人前4皿 それに合うワインをボトルで
1本お願いします 勿論別料金でお願いします」 
「はい 畏まりました それではサイコロステーキをお出しする時に
一緒に運ばせて頂きます ありがとうございます」
神山と洋子は顔を見合わせ 
「また 何か解き明かされるかもね」
「ええ 私もうきうきしています」
高橋と内野はなにを話しているのか分らないと言ったので
神山はお肉にも高橋と内野の性格が違うように違うと言うと
「お肉はお肉です そうかな」
「うん まあ運ばれてきたら違いが分るかな」
4人で牛肉の話しで盛り上がったがやはり明日のゴルフが主役だった
「へぇ~ 田所さん2回もホールインワン出したんですか
これでは勝負になりませんよ ねえ 山ちゃん」
「うん しかし彼女は心優しい女性だ そこらへんは手加減してくれるよ」
「ええ 手加減出来ない時が多いです それでバーディーです」
「山ちゃん もういい加減にしてよ プレーする前から負けてるよ」
内野も
「田所さん ぼくはまだか弱いんです 苛めないで下さい」
「ええ でもか弱い時にしっかりと叩き込まないと神山さんのように
りっぱな人間にならないわよ だから明日はびしびし行きましょうね」
「ねぇ 神山さん ぼく 初めてです こんなに落ち込んだの」
みんな大笑いだった

魚介類も食べ野菜類も食べいよいよ牛肉の出番がきた時に
新しいワインが運ばれてきた 神山は早速グラスに注ぎワインをなめた
今まで呑んでいたのと違い若くてフルーティーだった
洋子に確認したら同じ事を言った
高橋と内野も神山がした事と同じ様にワインを呑み
「うん このワインの方がフルーティーだ」
と言い 呑んでいた 間もなくサイコロステーキとお勧めのステーキが
テーブルに運ばれてきた
神山は最初にサイコロステーキを食べワインを舐めもう一度
サイコロステーキを食べた チェイーサーで口の中をさっぱりさせ
若いワインをなめ お勧めステーキを食べてまた若いワインを舐めた
そしてお勧めステーキを食べた 
神山は何かが違うと感じていた 洋子を見るとやはり考えている
ためしに若いワインをなめサイコロステーキを食べてみると
若いワインの味が勝りおやっと思った
では逆にお勧めステーキを食べてワインを呑むと牛肉の味が勝っていた
そうするとワインの味と牛肉の相性かと思った
神山はコック長に
「こちらのお勧めステーキの方が仕入れ値段が高いですよね」
「ええ そうです」
「倍くらい違うんじゃないですか?」
「ええ よくお分りになられましたね 仰られるように全然違う肉です」
「そうすると このお勧めステーキは牛肉が持っている味が濃い訳ですね」
「ええ すごいですね その通りです」
「だから 味を飽きさせない為にフルーティーなワインで口を
さっぱりすると そんな感じですかね」
「ええ その通りですよ いい牛肉は味が濃厚です そこで言われたように
味を継続させるのにマイルドなワインよりフルーティーなワインが
合います 一般的には しかし牛肉の味をより好まれる方のワインは
マイルドなミディアムボディーなど あとはヘビーボディーなワインでも
濃厚なワインがあります そのワインで召し上がる方もいらっしゃいます」
「ありがとうございます 少し勉強になりました それと別料金は
ここでお支払いしますので伝票をお願いします」
「はい ありがとうございます しかしそうやって食べて頂くと
大変嬉しいです」
「いえこちらこそ」
神山と洋子はなるほどと思い もう一度食べてみた
やはりお勧めステーキのほうが美味しかった
高橋と内野は訳が分らなかったが神山がコック長と話をしている
内容と照らし合わせながら食べると神山の言っている通りだった

高橋と内野は
「ねぇ 山ちゃん どうして分ったの」




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