「ありがとう 分ったわ では明日は用意出来ないから
次に逢う時か 銀行に振り込むわ」
「うん 1000万だと持ち歩くのに物騒だから振込みがいいな
じゃあ 言うよ xxxx銀行 普通口座 xxxxxxx
名義はカミヤマタツミ です」
「復唱するわね 、、、、、、、、、、、、で間違っていない?」
「うん 大丈夫だよ お願いします しかしどうしたんだろうね
亜矢子さ この事 分っていると思うけど人に言ったら
絶対だめだよ いい」
「ええ」
「お金の使い方も普段通りにしていないと いいね」
「はい 分りました」
「うん 言ったらお終い 亜矢子が不幸になるだけだよ いいね」
「はい 分りました ありがとう 実はね このお金で 富士の方に
引越しを考えているの 母は抗がん剤を使わなくて良かったの
しかし先生がいい病院を紹介して下さるって仰られるの
この話は前から出ていたんだけど ほら お金が無いから
今の先生の所に行ってたの だから空気のいいそして
いい病院の近くを探そうと考えていたの だけど相談できる人が
居ないでしょ だからあなたにお願いしようと思ったの」
「うん いい事だよ それで新築するわけだ」
「ええ そうすれば自宅で診る事が出来るし なにしろ
今は病院で可哀相だから せめて一緒に生活して
昔の恩返しが出来れば良いと思ったの 駄目ですか」
「いや そんな事は無い う~ん しかし来週は分らないが
出来るだけ三島に行くよう時間を作る」
「ええ 信じているわ」
「うん さっきは言いすぎた 本当にごめんなさい」
「うん あなたの事分っているから 気持ちは凄く嬉しいの
ただね 別れるって言わないで おねがい 亜矢子どうしたら
いいか分らなくなっちゃうから もう言わないで」
「うん 言わない ごめんね 折角の嬉しい報告で 楽しかった
時間を壊してしまって」
「うん いいわ 元気が出てきたから」
「うん 勤務のスケジュールを教えてくれる」
「ええ 29日水 5月2土 5火 8金です その前の日は
12時で上がれる日よ」
「分ったわ 最悪休日前になるかもしれないけどなるだけ早く行く」
「ええ 待っているわ ごめんなさい 我侭言って」
「恩返しのいい我侭じゃないか わかった 今日はまだ仕事?」
「ええ これから仮眠よ それではお待ちしています 明日は
早いの 来るのは」
「うん 出来るだけ早く行く でも5時を過ぎますね 6時から
直ぐ仕事が出来るよう準備しないといけないからね」
「わかったわ 気をつけてきてね」
「うん では亜矢子も気を付けてね お休み」
「ええ お休みなさい」
神山は電話を切ると果たして誰に相談するか悩んだ
しかし浮かんで来なかった
ロレックスを見ると24時を廻っているのでもう一度祥子に電話をしたら
繋がり
「ごめんなさい 今帰るととこなの ごめんなさい」
「うん では先に寝るよ」
「怒っている」
「勿論さ ではお休み」
電話を切って 祥子は一体何を考えているのか判らなくなった
スタッフの話し合いなど日にちを変えれば済む事で
今そんな時期か考えて欲しかった
上手く行っていないのなら それは今日までの指導が間違っていた
神山はそれしか考えられなかった
冷蔵庫からビールを出しタバコをふかして暫くして眠った
4月26日 日曜日 快晴 朝
神山は目覚まし時計より早く起きた
カーテンを開けると目に入る家の屋根が眩しく光っていた
神山は冷蔵庫からビールを出してテラスの椅子で呑んだ
昨夜の亜矢子の話しが頭から離れなかった
時間は早かったが アルタの高橋に電話をした
「神山です 朝早くからごめんなさい」
「いえ いいですよ 何かありました?」
「うん アルタさんって 一般家屋って扱っている 新築だけど」
「う~ん あまりないですね しかし社長に話せば判りませんよ」
「うん ありがとう 今日 社長は何時頃来るかな」
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