「うん 筒井さんと内藤社長が来るでしょ それで筒井さんは
ニーナ・ニーナの連中とご飯だけど 内藤社長が読めないんだ」
「そうなんだ アルタの高橋さんを誘って何処かに行くとかは」
「うん それだったら僕を誘うだろう 読めないなほんと」
話が終ってしまった洋子は仕方ないかと思った
普段なら 理由を聞いてくるのに今は余裕が無いのかなと思った
しかし神山がデジカメを覚えようとしているのを邪魔は出来なかった
突然神山が洋子の目を見て
「ごめんな 喋らないから気を使ってくれて ごめん」
洋子は胸が熱くなって目が潤んでしまった
暫くすると神山は全部食べ終わりビールを注文した
「やはり普段のペースで無いから 呑まないと元気が出ないよ」
洋子は神山が笑顔で話し出したので安心して
「私も食べ終わったら教えてね」
「うん 急がなくていいよ 消化不良を起こすよ 焦ると」
「は~い 分りました」
神山は取扱説明書の操作するページや設定を読んで早速撮影した
最初に日時設定をしてズーム機能やその他の機能をいじっていた
次にフラッシュをたいたりして納得していた
「洋子 貸してごらん 日時設定をするから」
洋子は箸を置いてバッグからデジカメを取り出し渡した
神山は受け取るとバッテリーを入れ 簡単に日時設定をして
その他の設定も取り説を見ないで行ってしまった
洋子のデジカメを設定し終わるとフラッシュをたいたが
光らなかったので色々と見たが判らなかった
「これ 初期不良かもしれないな 困ったな」
そう言って取り説をもう一度見直したら フラッシュのボタンを
押していない事に気がつきもう一度フラッシュをたいて見たら成功した
「ハハハ 僕の間違いでした お騒がせしました」
普段の神山に戻ったので洋子は笑ってしまった
洋子も食べ終わり ビールを呑みながら操作方法を聞いて自分で
シャッターボタンを押した
神山の顔写真が大きく写っていた洋子は神山に
「ねぇ みて こんなに大きく撮れたわ」
神山は自分の顔をみて
「こんなに大きいと幾ら自分でも気持ち悪いや 早く削除して」
「削除は 確かここのボタンを押して あれ、、、出来ないわ」
「貸してごらん」
洋子が手渡し 操作を教えてもらった
「わかったわ ここのボタンを間違えたんだ ありがとうございます」
食事を終った二人はデジカメをいじりまわし短時間だが操作を覚えた
「意外と簡単だったね このデジカメ」
「ええ そうね 操作を2、3回失敗すれば覚えるもん 嬉しいわ」
「早いね もうこんな時間だよ 出よう」
慌てて会計を済ませ時計を見ると12時45分になっていた
急いでタクシーに乗り込み行く先を告げた
神山が思っていたより早く不動産屋に着いた
店内に行くと受付嬢に神山ですと伝えると 座りカウンターを案内された
暫く待つと営業らしき女性が近寄ってきて自己紹介をして椅子に座った
カウンターには神山が指示した資料が並べられた
各物件の状況や特徴を一通り説明されると 今度は実際に部屋を
見て廻る事になり その営業が車で案内してくれた
最初の部屋は 神山が一番候補に上げた部屋だった
「ここはとても見晴らしがよく 南向きなので陽射しもあります」
神山と洋子は所々写真を撮った
「ねぇ 思っていた以上にいい所ね」
「うん ぼくもそう思うよ」
神山と洋子がいいと思った部屋はワンルームで飾付けがなく
シンプルでモダンな感じだった
神山と洋子は週刊誌に感想を書いた
風呂場と化粧室を見たが記事に記載されている寸法より小さく感じた
ここも写真を撮っておいた
部屋を見終わると 次の物件に移動した
この部屋は寝室とDLKと二部屋に分かれていて 寝室用の部屋も
10畳ほどあり大きかった この部屋も南向きで陽射しが入ってきた
玄関を入るとLDで右側に浴室が南側にありキッチンが浴室の後ろ側に
あってLDの左側に寝室がある ここは東南角になる
神山が気に入ったのはテラスが上原と同じ様に広い事が気に入った
洋子も資料の間取図より大きく感じられると言って写真を撮っていた
風呂場が素敵だった テラスに面していて上原より広く前面ガラスで
覆われ浴槽もジャグジーが付いていた
丁度南西角に位置していた
キッチンはカウンターで仕切られていて これはこれでいいかなと
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