2011年7月5日火曜日

Vol.360 鈴蘭 -4-25


「あなた 凄いわ Jrが言っていたけどきれるわね ほんと」            
「洋子 この話はここだけにしよう いいね」
「ええ 当然です 私 貴方に抱かれたいわ 今すぐ」
神山は洋子を智から強く抱きしめキスをした
暫く話をしたり踊ったりしていると
「ねぇ そろそろ帰りましょうか」
神山は時計を見るとまだ10時を過ぎたところだった
「まだ10時だよ」
「ええ こうしているとずーっと一緒に居たくなるから」 
「うん そうだね 出ようか」
神山と洋子は『アメリカン ポップス』を後にして表参道を歩いた

この時間になると さすがに人通りは減っても
若い子や カップルは手を繋いだりして散歩を楽しんでいた
「ねえ」
洋子が神山の手を握ると神山は握り返してきた
暫く歩いていると 右手にオープンカフェがあったので
「洋子 アイスクリームでも食べないか?」
「えっ あなたがアイスクリーム? いいわよ食べましょ」
神山と洋子は道路を渡ってカフェに入りアイスクリームを頼んだ
ウエイトレスに
「グラスワインは置いている?」
「ええ ございますが」
「うん ひとつください」
「どうするの?ワインを頼んで」
「うん クリームの上にかけるんだ 美味しいよ」
「なんだ それをしたかった訳ですね 確かに美味しいわね
あなたにとっては大発見でしょ これで私と一緒に食べられるから」
「そう努力をしています」 
「私も昔食べたこと有るけれど どうかな しかし貴方は初心者だからねっ」
「まあ初心者だから そうやって色々と試してみるよ」
笑っているとアイスクリームとワインが運ばれてきて
神山はクリームの上にワインをかけ一口食べた
「うん 美味しいや 洋子もかけたら」
「ええ そうするわ」
神山に言われ洋子もクリームの上にワインをかけた
「久しぶりね こうやって食べるのは 20代かな
会社に入って時に 先輩から教わって食べたことがあるわ」 
「そうすうと ぼくの発見はそれ以来の大発見になるわけだ」
二人は互いの顔をみて笑った
「そうですね 大発見よ 甘い物食べられない人が努力して食べるのは」
洋子が甘い物でもさっぱりとした物は後味も美味しいけれど
粘っこい甘さは口の中に残って好きじゃないといった
「女の子も拘りがあるんだ 知らなかったよ」
「そうよ 男だったらだれでも良い訳じゃないから ちょっと外れたかな」
神山と洋子は最初は真面目な顔で見つめあったが噴出してしまった
「そうすると 明日はどこで待ち合わせをしようか」
神山は絶対に現場だけは避けたい思いで 待ち合わせ場所を考えた
「ええ そうね 現場だと出にくくなるし う~ん 何処かの
ホテルで待ち合わせをして、、、私 賃貸の物件を扱っている
週刊誌を見たこと有るからそれで探しましょうか」
「うん 不動産屋を回るよりその方が選択肢が増えるしね いいね
そうしたら 渋谷駅の新しく出来たホテルは知っている?」
「ええ そこの12階にレストランがあるわ そこで10時はどう?」
「うん 10時にしよう わからなくなったら携帯でね」
「わぁ~良かった これから気兼ねなく会えるとこが出来て」
「まだ決まっていないから そんなに喜ぶのは早いよ」
「だけど 明日決めるでしょ」
「うん 明日は下見さ 決めるのは後日でいいと思う そうしたら
渋谷の駅売店で買い求めよう」
「そうね 選択肢があるし慌てなくてもいいわね 行きましょう渋谷駅」

神山と洋子はタクシーで渋谷駅の売店で週刊誌があったので
2冊買い求めた
「今夜は少し調べてみるよ」
「ええ 私も探すわ」
ふたりは渋谷駅で別れた
洋子はタクシーで帰るというので見送った
神山も上原のマンションまでタクシーを利用した




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