2011年7月21日木曜日

Vol.376 薔薇 -1-26

「はい キーカード 暗証番号は山ちゃんの社員番号6桁です
それと これ支度金 使って」
そう言って 茶封筒を渡された神山は
「ありがとうございます 大事に使わせて頂きます」
「はい それでマンションは会社名義で借りますが 
郵送物関係で xxx号 神山でOKと言われました」
「何から何までありがとうございます
アレックスグループの時に頑張ります」
「ええ お願いします」
「アレックス氏と会うのはいつですか」
「えっ なんで極秘事項を知っているの?」
「ええ 今はちょっと」
「内緒です 30日の辞令交付後です」
「分りました ありがとうございます」
「この話は最高機密です お願いします」
「大丈夫です 僕にとっても、、、、まあ 明日頑張ります」
「どう クラブ 大丈夫?」
「ええ バランスが僕にピッタリです ただ調子良すぎると
スコアが悪くなるみたいなので気を付けます」
「うん あそこはピンポイントで責めれば大丈夫だよ」
「はい ありがとうございます」
神山はお辞儀をすると 内藤真奈美に挨拶をした
「本当は一緒に行きたかったの 残念ね 今度ご一緒させて」
「はいありがとうございます 教えてください お願いします」
「はい 色々とね」
内藤真奈美と挨拶を終ると次々偉い人がきた
神山は祥子のところに行き
「ねえ 鍵が閉まる引出しはある」
「ええ あるけど なにか?」
「うん 少しの間預かってもらいたい」
わかったと言って事務所の机に鍵が掛かる引出しがありそこに預けた
「鍵は祥子だけ 持っているのは?」
「ええ そうよ 滅多に空けないからお貸ししましょうか」
「うん ありがたい」

そろそろ11時か皆集まってきた
神山は写真を撮ってあげれば喜ぶと思って 駅に駆け足で買いに行った
コンパクトカメラだが ないよりましだった
そろそろ11時になった 何処から用意したのかマイクとスピーカーが
入り口前にセットされた
周りを見ると池上店長や倉元も来ていた
11時になると マイクの前に筒井が立って 女性社員は筒井の後ろに
整列していた
筒井の挨拶が始まった 神山はみんなで並んでいるカットを3枚
筒井の写真など撮影した 
挨拶が終ると道路に溢れている関係者や招待客から拍手が沸いた
客が店舗内に入ると入りきれなかった 神山が筒井に
「入場制限しないと危険です 私も手伝います 大至急しましょう」
「うん わかった やろう」
筒井が 後から入ろうとしている招待客を駅と反対方向へ3列で
並べた それでも他のお店まで行ってしまい 神山は迷惑の
掛かっている店主に謝って廻った 知らない間に倉元や池上店長も
人員整理をはじめていた 神山は催事課の奥村課長に電話をして
事情を説明し杉田を大至急応援に来て欲しい事を伝えると
直ぐに行かせると返事を貰った その事を筒井に話をした
神山はここまで招待客が来るとは思わなかった
最後尾を確認すると少しづつだが伸びていた
神山は筒井に一回のお買い物時間は30分で客を総入れ替えに
しないと後ろが伸びているので苦情になると進言した
筒井は直ぐにここのお客様は11時30分で一回出て頂きます
お店の外にまだ並ばれています 再度お買い物される方は
列にお並びくださいと アナウンスした
神山は客がどんどん伸び迷惑のかかる他のお店の店主に 謝って廻った
あとは商品が持つか この調子だとすぐになくなりそうだった
神山はバックヤードに行くと祥子がダンボールの開梱作業をしていたので
手伝い 商品を店に出すよう指示した
筒井がマイクを持って11時30分になったから入れ替えですと言って
招待客の総入れ替えをした 店舗から出た客は半分位が列の後ろに並んだ 
そこへ翔が応援で駆けつけてくれた
「先輩 なんですか バーゲンじゃないですよね」
「うん そうだよ それと翔 これお駄賃だ」
神山は翔に5千円あげた
「今後ろで池上店長が整理されているから 挨拶をして替わってくれ」
「はい 分りました」





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