2011年7月8日金曜日

Vol.363 薔薇 -1-26

「この赤く丸をつけた所が良いかなって 候補さ」 
洋子は神山が印をつけた物件を見てみると驚いた
「ふぁ~ 私と同じよ そうなの広くてワンルームで最上階で
探して 駐車場とか色々と条件を当てはめたの
まったく一緒よ 凄いわね」
神山と洋子はさらに書かれている情報を確認しながら
他に見落としが無いか調べたら一つ一戸建てが出てきた
神山は運ばれてきたサンドイッチを食べながら
「しかし 一戸建てだと ちょっとメンテナンスが大変だね」
「そうね 当然タタミ敷きだから ちょっと大変ね
これから飛び回るとゆっくりとお掃除だけで大変よ」
「そうしたらここはパスしよう そうすると二人の候補で行くと
最初に出てきた この5つの物件だね」
「そうね どこも12万だったら同じじゃないかしら
貴方のマンションも出ていたわ」
「うん 3階ででしょ 12万円 しかし 自分の部屋と
行ったり着たりでなんか落ち着かないしな」
「ええ 私もそう思ったわ それに3階だったらせめて南向きでないと
出ていたのは北向きで貴方のしたでしょ やっぱり
日が差し込んだほうが気分がほぐれると思うわ」
「うん 僕もそう思うよ あそこの部屋で丸一日過ごした事が無いから
判らない所が有るけど 南向きがいいでしょう」 
「そうね」
「そうしたら電話をしてみようか」
「ええ」
神山は記載されている不動産屋に電話をしてみると受付が出て
今の時間は営業が全員出ていて対応できないので 13時に営業を
待機させますからご来店くださいといわれ
「では必ず伺いますので 資料など準備をお願いします」
神山は物件ナンバーを伝え 受付は復唱してくれた
「それでは お願いします」
「はい お待ちしております」
神山は用件を伝えた事がOKだった事を洋子に言った
「そうすると時間が余ったわね」
「うん 家電量販店でデジカメを買って早めのお昼にしよう」
「ええ そうしましょう デジカメを買う気になったの?」
「うん 今回の物件めぐりで使えるしね」
「いい考えだわ 私も買おうかしら」
「うん 僕が忘れた時に役に立つね しかし洋子が忘れたら大笑いだ」
ふたりは顔を見詰め合って笑った

神山と洋子はレストランを出てすぐ傍にある家電量販店に向かい
デジカメコーナーに行った
いろいろ種類がある中で洋子が
「これだけあると迷うわね ねぇ」
「大丈夫だよ ちゃんとリストアップしてきた」
神山は朝調べたメモを洋子に見せた
「へぇ~ 準備が出来ているのね 凄い」
神山と洋子はリストアップした機種を見ていると店員が近寄ってきた
「もうお決まりですか」
神山は性能や機能や使いやすさや 価格などで
2機種にしぼった事を告げると 
店員は良く調べてきた事とこの2機種は人気が有るとも付け加えた
神山は大きさが違うので小さい方を洋子に大きい方を自分が使うが
洋子に聞いたら 同じ方が言いといわれ 小さい方を色違いを2台買い
記憶カードなども予備を含め購入した
バッテリーは単3乾電池なので少し余分に買った 合計で15万円だった
神山財布から15万円出し会計をしようとすると
洋子がこれは会社で買いましょうと言い清算した
二人は箱など余分な物はお店で処分してもらい
カメラにストラップをつけて首から下げた
洋子はなれないのかバッグの中にしまって歩いた
再びホテルに戻った二人は中華料理店に入った
時間は充分にあったが定食に単品を少し追加して頼んだ
不動産屋にはここから車で10分ほどだったが 
デジカメの取扱説明書など見たり操作など覚えていると
直ぐに時間が過ぎてしまうのを心配したからだった
ビールとシュウマイや餃子が先に運ばれてきた
洋子が楽しそうに
「では デジカメさんに乾杯」
普段は冗談や洋子と逢うまでの出来事など喋る神山だったが
今日だけ余り言葉が無く食べる事に集中した 
洋子もそんな神山の気持ちを判ってか口数は少なかったが
「ねぇ あなた今夜はどうなっているの?」





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