2011年7月7日木曜日

Vol.362 薔薇 -1-26

昨夜着たジャケットから90万円出てきて一瞬思い出せなかったが
アレックスJr達から貰ったお金と思い出した
これだけお金が入ってくるとどこにしまうか考えてしまったが
一応カメラバッグにしまった 
金庫はいかにもお金がありますと見られるので簡単な登山バッグでも
買って 非常食と現金を入れておけば いざという時にもOKと思った
神山は50万円ほど持ってカメラバッグの中を調べると
アルタの100万円を除いても250万円はあったので
そのうちの100万円を持って銀行に入れておこうと考えた
通帳を見てみるとこの2週間で250万円も入金していた
神山は洋子が言ったデジタルカメラをインターネットで
性能や機能や使いやすさや 価格を調べ
2つ位に候補をしぼってメモった
神山は賃貸物件を実際に見て回る時に使えると思い
レストランを出てから大きい家電量販店があるのでそこで買おうと決めた
ぼんやりとWebを見ているとドアホンがなったのでモニターを
見ると祥子だったので戸を開けた
「さっきはありがとうございます 寝坊していたわ これから行って
応援隊を待つわ 貴方が夕方に来るまで陳列を終えて飾付けが
出来たらしておきます」
「うん 分りました それで遅くなるのかな?」
「多分 筒井が来てくれるし わからないわ」
「そうだね しかし今夜はアルコール控えないと
明日臭くて仕事にならないよ 分った まあ筒井さんの事だから
そんな遅くまで呑まないと思うがね」
「はい 分りました」
「それと あと一つ 26日のオープンが済んだら僕とアルタの高橋君は
ゴテンバ グランド インの仕事で居なくなります 27日は現地で
骨休みです 分った」
「はい 分りました けどアルタの人も27日は骨休みするの?」
「そう 作業メンバー慰労会さ 26日は小田原工場に立ち寄って
それからゴテンバ グランド インの現場さ 運がよければ 
今夜会えるかもだね」
「そうね 昨夜はほんとごめんなさい 今夜は早めに帰れるようします
だって 寂しいもん」
「わかった では行ってらっしゃい」
「は~い 行ってきます」

神山は1階のロビーまで見送って部屋に戻ると
まだ9時前で時間が中途半端に余ったのでベッドに横になり
洋子との逢瀬を考えた しかし夕方筒井さんと内藤社長が来ると
二人だけ抜け出す事が出来ないと思い どうしたものかと考えた
神山は冷蔵庫からビールを出してタバコを吹かしたが いいアイデアは
見つからなかった 今日はがんじがらめだった
普通何処かに抜け穴があるがそれが見つからなかった
洗濯機の洗濯終了ブザーが鳴り 洗濯ものを浴室に干し自動乾燥の
スイッチをONにして部屋に戻った
再びベッドで横になっていると時間がすぐに過ぎ9時30分になった 
神山は熱いシャワーを浴びて出かける仕度をしてからタクシーを
マンションまで呼んでロビーで待つ事にした
少しの間タバコを吸っているとタクシーの運転手がマンションの
自動ドア入り口へ小雨の中 小走りで駆け寄ってきた
神山は傘を差し運転手と一緒に車に乗った
行き先を告げると
「この雨は 今夜あがるって言ってましたよ」
「そうですか 上がりますか 今夜」
「ええ 今 天気予報で言っていましたよ 明日は快晴ですって」
「ありがとうございます 助かるね」 

運転手と天気予報の会話をしていると渋谷のホテルについた
車を降りるとすぐの所にATMがあったので入金をした
ホテルの12階レストランに行くと洋子が先に来ていて
手を振ってくれた
「お待たせ さっきはごめんね」
「いいの ほら年寄りだから朝は早いでしょ あの時間帯は
丁度 元気はつらつの時間だわ」
「うん 気を付けます」
「何 頼む? 私はコーヒーを頼んだの」
「う~ん ビールとサンドイッチ」 
「食べてこなかったの」
「うん 時間はあったけど 材料がアルコールばかりでは何も出来ないよ」
「もう だめじゃない 私がついていればちゃんと食べれるのに」
「うん そうだね」
神山はウエイトレスを呼んでビールとサンドイッチを注文した





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