4月25日 土曜日
神山はけたたましく鳴る目覚まし時計で目が覚めた
昨夜は23時過ぎに帰宅したが祥子は不在でそのまま寝てしまったようだ
携帯電話の着信記録を見たが祥子からの電話はなかった
神山は冷蔵庫からビールを出してテラスに出たが
あいにくの霧雨ですぐに部屋に入った
タバコを吹かし昨日渋谷で買った賃貸物件の週刊誌を開き覗いた
上原のINDXで見てみるとここの3階が空いていて12万円で出ていた
神山の部屋は最上階なのでもう少し高くなるのかと考えた
ここから代々木公園方面でここと同じ様にワンルームで広い部屋が有った
最上階で12万円した 築2年だから綺麗だと思い○印を付けた
あと何箇所かあり全て○印を付け第一候補から順番に番号を振って
わかり易くしておいた
幸いな事に候補5番までは全て同じ不動産屋で現地を回るのも
1社で済むので手間が省けたと思った
神山はマンション探しを終えるとPCで過去の記事を調べてみた
先日洋子がアレックス氏の来日だったと言う記事を探した
検索エンジンを利用してみると果たしてアレックス氏と婦人の
写真付き記事で出ていた
暫く関連記事を見ていると【アレックスジャパン撤退か】と書かれたた
記事が出ていたので早速コピーした
日付は4月21日18時になっていた
神山は時計を見ると7時30分になっていたので洋子に電話をした
「はい 田所です おはようございます」
「おはようございます 神山です 実は今 アレックス氏の関連記事を
色々と見ていたんだが 【アレックスジャパン撤退か】と日経が
4月21日18時で配信しているんだ そこで洋子の家で取っている
新聞でこの記事が出ているか調べてほしいんだ」
「はい 分りました PCの記事が新聞媒体になっているかですね」
「うん もし時間が有るようだったら アレックス氏の所から
xxxに行ってxxxの所から下に行ってxxxにいく
そうすると出てきたよ」
「はい 分りました しかし 神山さんはなんでも出来るんですね」
「あっ お母さんがそばに居るんだ」
「はい 分りました それではまたご連絡します」
神山は今度会話のサインを決めておくと良いかなと思ったが
実際に使うときに忘れていたらどうにもならないので辞めた
更にアレックスグループの関連記事を調べれとアレックスジャパンの
社内報を扱っている記事に当った
【社長アレックスJrの放漫経営】これはやはり日経の記事で
昨年9月1日付けだった
神山はこの記事もコピーした
アレックスJrは人間としてはいいものを持っているが父親が
偉大すぎて嫌気がさしているのかも知れない
少し短気だが果たしてあの性格で経営はどうか考えると?マークが付く
更に株式チャートを見てみるとやはり右下下がりだった
この情報もコピーした
改めて時計を確認すると8時になっていた
神山は祥子がどうしたのか心配になり携帯電話に電話したが出なかった
話が盛り上がり誰かの所にでも泊まっているのだろうと思った時
神山の携帯電話が鳴ったので出てみると祥子だった
「おはよう ごめんなさい 私今起きた」
「どこに居るの?」
「お部屋よ 来る?」
「ああ 顔をだすよ」
神山は起きたままの格好で祥子の部屋に行った
一目で呑みすぎと分る顔をしていた
「おはよう ごめんなさい 電話しなくて」
「うん 待っていたけど寝てしまったよ」
「昨日手伝った子は本社の女の子達で それで余り外で呑んだ事が
無いって言う事だったの それでカラオケ行ったりして
呑みすぎちゃったの わかる?」
「うん 昨夜一杯呑みましたって書いてある」
「ほんとうに ごめんなさい ふぁ~だめだわ」
「そうしたら 僕は今夜現場に行く 午前中は別件で出かけるから
ゆっくりしなさい 但し15分位前には行って応援隊を待っていないと」
「はい 分りました 怒っている?」
「うん 怒っているよ では しゃっきっとしないとだめだ」
「はい 分りました」
神山は祥子にきつく当ったが果たしてわかってもらえたか心配だった
すくわれるのは準備当日という事でこれがオープン当日だと
どうにも打つ手が無いだろうと感じた
神山は貯めておいた肌着類を洗濯機で洗った
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