2011年7月24日日曜日

Vol.379 薔薇 -1-26

安泰だろう そこでどちらの傘下にするかだね
お互い利益が絡むし」 
「そうね でもアルタが握って 鈴やが独占販売だったら
問題ないでしょ」
「うん やはり販売については鈴やルートだね なにか段々と
考えが纏まってきた」
「たのもしわ」

内野の運転で1時間しないうちに小田原工場についた
工場長の赤坂が出迎え
「いらっしゃい 神山さん」
「先日はありがとうございます それと第二貨物の常務からも
お礼の言葉を頂きました お昼が大変良かったと」
「ありがとうございます 早速ですが 荷物は」
高橋と内野が
「先にお昼にしましょう まだなんです」
「はい それでは」 
高橋と内野が先に歩き社員食堂のフロアに着いた
赤坂が
「済みません 今日の営業はいつもの半分くらいです 何処にされますか」
高橋が神山に
「お寿司にする?」
「うん 洋子さんは」
「ええ お寿司でお願いします」
赤坂がカードをスキャンさせ暗証番号を打って入店した
今日は忙しい部署だけ出勤という事だが結構繁盛していた
5人は景色が見える席につき洋子が
「ふぁ~景色がいい所ですね 羨ましいですね」
「ありがとうございます 唯一の自慢です
高橋さん ビールは」
「うん 内野君を除いてください」 
洋子が
「私が運転するわ だから皆さんで呑んで」
神山が
「では お言葉に甘え 仕事に支障が無い程度に 頂きましょう」
赤坂がテーブルのボタンでビールと鮮魚の盛り合わせを注文した
ビールが運ばれ鮮魚も運ばれ乾杯した
神山はここ数日美味しい鮮魚ばかり口にしているが
ここの鮮魚も甲乙つけがたく美味しかった
神山は赤坂に
「上原の什器 ありがとうございます 大変よく出来ていて驚いています」
「神山さんに誉めて頂くと嬉しいです こちらこそありがとうございます」
神山は簡単に挨拶を済ませ又食べた
話題はもっぱら上原の爆発的なオープンで賑わった事で盛り上がった

全員が食べ終わると洋子の希望で工場を案内してもらった
鈴やに入る次長室の建具を制作している部屋に入った
洋子はパースを見ているのでイメージは出来ていたが
「ふぁ~素敵 この家具が来るんですね」
「ええ これから運び出します どうぞ触ってください」
神山と洋子 高橋と内野たちは口々に
よく出来ていると褒め称えた
神山は今度 田中幸三にあったら誉めてあげようと思った
受け付けカウンターや椅子があったのでそこに座り
「この高さはすごく使い易く疲れませんね 気に入ったわ」
神山も次長テーブルに座ったが高さがぴたりと決まり気に入った
洋子が納得するまで見学し ゴテンバ グランド インの
サインを運び出し赤坂に御礼を言って工場を後にした
運転は洋子がして横に神山 高橋と内野は後ろに座った
一行の車は有料道路から高速に入りゴテンバ グランド インへ向かった
洋子の運転は決して危なくは無いがスピードが出ていた
内野が
「田所さん 早いですね 僕なんか少し怖いですよ」
「大丈夫よ もっと出しましょうか」
そう言って スピードを上げた
限界と思われる160キロまで出すと
「この車 これが限界ね 踏み込んでいるけど 出ないわ」
ウインカーを頻繁に出して追い抜く様は男かおまけだった
神山が
「パトカー大丈夫かな」
「ええ ここらはカーブが多くて追い駆けられないから居ないわ」
神山が驚いていると 高橋と内野は洋子の運転に圧倒されていた
洋子が出したスピードだけではないが早く着きそうだった
                                                   




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