2011年4月29日金曜日

Vol.293 青葉 -7-21


「そうですね いくら飾り物でもどうでしょうか
神山部長は光の事を言われてましたよね」
「うん」
「そうすると やはり安くても1000円位なりますね
余りと言うか ガラス自体が厚みがあると 綺麗では有りません」
「うん そうだね」
「あっ ちょっと待ってください 倉庫にいいのがあります」
課長は売場倉庫に行って 探し出してきた
「どうです 綺麗でしょ 透明感も有るし」
神山は売場で見ていた物とは違うと感じ
「ちょっとかしてください」
そう言ってそのグラスを照明のほうに照らした
綺麗な光線が反対側のガラスから出ていた
「これにします お幾らですか?」
「これは 1500円です 今まで5000円で出していたんですが
数が無くなりまして 出せないんです あと10個です」
「わかりました 10個全部頂きます そうすると15000円ですね
現金で買います 5000円のニーナ・ニーナ宛て領収書と
1万円のレシートでお願いします」
ここでも一つだけ手持ちにして 残りは催事課に5時45分まで届くよう
依頼した 課長は直ぐに届けますと言ってくれた

部屋に戻ると頼んだものが届いていた
さて自分一人で持てるか試したが あと手が一本あれば何とか持てた
困っていると 杉田が
「先輩 じゃない部長 どうされたんですか?」
「いいよ 先輩で」
翔に訳を話すと それは大変ですねと言って一緒に考えてくれた 
「翔 今夜 一緒に運んでくれるか」
「ええ 今夜は大丈夫です」
「課長 今夜 翔を借ります 飾り物が多く 一人で運べないんです」
「うん 翔 仕事は大丈夫か」
「はい 先輩のお仕事でしたら 例え火の中水の中 大丈夫です」
「おう 翔 ご馳走になってこい 今日はきちんとしていけよ」
「はい 何時ものように清潔爽やかに行きます」
「おう あたふたするなよ」
「はい」
「倉さん 知っているんですか 時田さん」
「さっき電話があってなオレがでたんだ オレもびっくりさ
あんな偉い人から それで話を聞くと 今夜の件早く行こうって
催促だったんだ オレは今 店内ですって言っても なかなか聞いて
くれないで 困ったが 向こうが分った 5時45分に待っているから
席に戻ったら伝えてくれと頼まれたんだ しかし副社長 
何回も山ちゃん 山ちゃんって言っていたぞ 凄いな
良く味方につけたな ほんとびっくりだよ
電話取ったら 山ちゃんかだろう 違いますがと言ったら 山ちゃんの
電話だろ だれだ だ なんだこいつはと思って 掛けてきた方が
自分の名前名乗るのが当たり前だろってやっちゃた そうしたら
時田だがときた そこでこちらは まあ自分が悪くないけどな 
済みません と言ったら笑っていたよ 催事課はいいなって
訳が 分らないままに 言付かったわけさ なにがあった」
「ええ 今日は上原の現場でまあお昼はビールが入りますよね
洋子さんも一緒で次長室の図面を確認しながら仕事を進めたんです
そのあと時田さんの所にいってお礼を申し上げようと そうしたら
いい匂いだ と言われカチンと来たんです そこでやっちゃたんです
ただ お昼のお店で美味しいしめ鯖が有ったので それを手土産で
持っていったんですが クーラーBOXをみて また怒られた
まあ こんな経緯です」
神山は時田と田所が親戚は伏せた
「なんだ やちゃったんだ あの人は普段怖いけどな いい人だよ
催事課のことも良くご存知だ まあ 山ちゃんの熱意に負けたんだな」

そんな話をしていると
「おう 少し早めがいいぞ」
「ありがとうございます 翔 行くぞ 翔はその一番重たいの持ってくれ」
「はい ほんと重たいです」
「では倉さん ありがとうございます 行ってきます」
「おう 翔を頼むな」
「洋子さんが 一緒です」
「だったら なお安心だな」
「課長 行ってきます 翔は今夜直帰でお願いします」
「わかった 邪魔すんなよ 翔」





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