2011年4月20日水曜日

Vol.284 青葉 -7-21


「はい ありがとうございます そのお気持ちで一杯ですと
言いたいんですが 先ほど食べてきました 全て副社長の分です」
「そうか そちらは何かな」
「しめ鯖寿司です」
「おお分った しかしこれも全部ワシのか多いな」
「はい 秘書の方にもお分け下さい おやつで丁度いいかと思いました」
「そうだな 洋子 秘書誰か呼んでくれ」
「はい」
洋子は一番上の人間を呼んできた
「君 このしめ鯖寿司は 今度次長になられる神山部長からの
差し入れじゃ おやつで皆さんにと言われている 頂きなさい」
「はい ありがとうございます この度は重ね重ねのお慶び
私ども一生懸命応援させて頂きます
本日はありがとうございます 頂きます」
お辞儀をして戻った
洋子が今朝活動金を貰い忘れたので頂いてきますと言って出て行った
二人だけになったとき 時田が
「なあ だれかいないかな 彼女は頭が切れすぎて それで
男がみんな逃げていくんじゃ 困ったよ
山ちゃんはどうだ 洋子は」
「だめですよ 私の器では無理でしょう」
「先ほどから見ているが いい感じだがな」
「はい ありがとうございます その時はご相談させて頂きます」
「うん 山ちゃんでも手におえないか」
「いえ まだ そんな話していないですし これからでしょう」
「うん そうだな それから遅くなったが アルタの担当常務
おめでとう 先方からさっき電話があって 内藤さんが
今回の件で大変ありがとうございますと 言ってきた そこで
常務で迎えたい しかし出向社員の部分もあるしどうかと言ったら
担当常務なら 株主総会関係なく設ける事が出来ると言う事だった
アルタでは 山ちゃんの腕を高く評価している
それと 内藤さんはワシに逐一連絡をくれている 
ワシも山ちゃんの仕事振りは分っているつもりだ 頑張ってくれ」
そう話していると洋子が嬉しそうに戻ってきた
「副社長 活動金ありがとうございます 一杯頂きました」
「その位ないとな アルタさんもあるし アレックスグループもあるし
急にはアップできないからな 今のうちじゃ 前代未聞だな」
3人で笑った 神山が 
「それで いくらなの?」
「理事3級より上 120万円よ」
「よかった これでスーツ買えるね」
時田が
「なんだ そのスーツって」
洋子は昨日話して決めた 神山の戦略の事をきちんと伝えた
「おお 山ちゃん そこまで考えるか 凄い いやほんとだ
それに 自腹を切ってまで なんて 素晴らしい男だ」
「そんなに誉めないで下さい 当たり前ですから
建て替えて あとで戻ってくる訳ですから いい方向に
転ぶと判断しているので そうすれば会社が繁栄し最終的に
自分に帰ってきますから」
「うん 山ちゃんの言う通りじゃ でいくらだスーツは」
「はい ニーナ・ニーナで直で 44万です うちの正札は88万です」
時田は 机の引き出しを開け 100万円の束をだし
「山ちゃん 正規で買ってください 頼んだよ これを使いなさい」
神山は時田から100万円受け取り
「ありがとうございます 使わせて頂きます」
時田は涙を流していた
「我社に 山ちゃんが10人 いや7人居れば業界1位なのにな
早く買いに行きなさい」

洋子と神山は 部屋を出ると秘書課に挨拶したのとすれ違いに
西野理事が副社長室へ消えた
暫くすると 西野理事が
「OKだ 何でもいいから 買ってやる」
「えっ 買うんですか」
「そうだ 今 副社長が仰られた 後は私が何とかする
早く決めなさい」
「ありがとうございます 直ぐにでも決めさせて頂きます
保険等詳細は後日 田所さんが伺います ありがとうございます」
神山と洋子はきょとんとして人事部に行った
誰かが 神山さんよ と言ったので また大拍手が沸いた 
洋子が カードの手続きをするので印鑑と引き落とし口座を渡してと
言ったので 揃えていたものを一式渡した
洋子が書類を見てみると全て整ったので 神山に見せた





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