会社に持ってゆくものも全部バッグに入れた 印鑑関係も確認した
忘れ物がないか点検しているところへドアホンが鳴ったので部屋を出ると
黒いスーツ姿の祥子がドアに立っていた
「凄く素敵だよ 惚れ直した」
「でしょ コレもパリよ ちょっとみて」
祥子は上着を脱ぐと 後ろ向きになった
充分なお尻が また性欲をそそった 祥子が
「なに いやらしい顔をしているの ば~か もう知らない」
と言いつつも 説明をしてくれた
腰のラインがどうしても日本人のラインに合わないと言った
「だけど 祥子の後姿は素敵だったよ」
「うん 直したのよ だけどここまでしか直せないわ」
「どうして?」
「うん これ以上詰めたりすると 生地が寄って形が崩れるの」
「そうか そんなにスカートって難しいのか、、、」
「考えていてもしょうがないでしょ 試着した後ね考えるのは
それから この商品は昨夜話した商品より下のクラスよ
だから お勧めしたスーツはもっと良いわ 生地も違うのよ」
「へぇ~そうなんだ わかった現場に行こう」
マンションを出ると風が気持ちよかった
普段と違った祥子と歩いていると 更に気分が良かった
「ねえ 今日は会社なの?」
「ええ その後銀座なの だから電話欲しいの 勿論行くけど読めないから
出来れば1時間位前だといいかな~ って事です」
「そうなんだ もう直ぐだものね」
「そうなの」
「ねぇ 今歩いているでしょ 二人がこの格好で 可笑しくないよな」
「ええ 全然 素敵よ 貴方が綺麗にまとめているから大丈夫よ
わかった 今後の事ね 秘書さんと」
「うん そうなんだ」
「だったら 靴を変えるともっと格好よくなるわ」
「そうか 靴か ありがとう 今日見てみるよ」
「そうね 貴方はシンプルなデザインが好きだから丁度良いわ
シンプルなほうが地味だけど格好はいいわね」
祥子からアドバイスを聞いていると 現場についた
高橋が祥子をみて 少しびっくりし
「久保さん おはようございます 素敵ですよ」
「おはようございます ありがとうございます」
「おはようさん 孝ちゃん」
「あっ 次長おはようございます 目に入らなかったです」
アルタの高橋はわざと言って 祥子を誉めた
挨拶が終ると3人は早速バックヤードに入った
高橋が脚立を動かし昇り 懐中電灯で排煙ルーバーを照らした
「山ちゃん 外から見てくれる?ルーバーを」
「うん わかった」
神山が動くと祥子も一緒に外へ出た
「ほら あそこのルーバーから綺麗な光が出ているでしょ わかる?」
「ええ 素敵ね 夜はもっと素敵になるわね」
神山は中に入ると
「孝ちゃん OKだよ 今日の光でも充分いけるよ」
「そう よかった 今日取り付けます 蛍光管の色を3種類用意します」
「だけど 今夜は読めないな」
「いいですよ 別に 置いとけますから」
「了解」
「それで ここも今よりずっと明るくなるんですね」
「ええ 店内と同系色の蛍光管を使いますから 作業はしやすいですよ」
「そうか ここでお洋服を選んで店内で見た時 お色が違わない事ですね」
「ええ まあ極端に違いは出ませんが ストレス無い方が良いですもんね」
「そこまで考えてくださって ありがとうございます」
「この発案は山ちゃんなんですよ
そとから見て頂いたように ルーバーが主張していますが
しつこくなく 店内を盛り上げようとする役割を果たしているんです」
「そうですね あまりに主張が強すぎると そればっかりに目が行って
本末転倒ですよね 良かったわ 筒井も喜びます
改めて 神山さんありがとうございます」
祥子は深々とお辞儀をした
「あとは商品を入れてどのように見えるかでしょ」
「うん 山ちゃんが言う通り 内装がどれだけ商品を盛上げてくれるか
そこんとこですよね」
「うん 御殿場アウトレットのニーナ・ニーナにも取り入れたいね」
「そうですね 早速情報を流しておきます」
祥子はバックヤードの中に入り 什器の配置を確認した
「高橋さん」
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