4月19日 日曜日 夜
神山は祥子の部屋から戻ると 次長室の備品関係リストを作った
食器入れ 湯沸し 着替え室 簡易下駄箱 簡易洋服掛け 来客用ハンガー
神山は思い出す物何でも書き込んで行った
ビールを呑み終わると いつもの睡魔が襲ってきて寝てしまった
4月20日 月曜日 朝 快晴
神山は携帯電話のアラームで起きた 6時30分だった
昨夜のメモを持ってテラスの椅子に座った 冷蔵庫から
持って来たビールを一口飲んで メモの中味を吟味した
神山は次長室に造り付け出来る物と 移動可能な備品を印をつけて分けた
このテラスは朝日が当らないので
少し肌寒いが爽やかな風が気持ちよかった
一息ついたので ホテルオートモとグランドホテルの資料をだし考えた
グランドホテルは外商顧客中心のホテル催事で年2回行われる
現行品で普段店内に置いていない物を出品する催事だ
部屋は一番大きい部屋を使い 銀座店のお得意様を中心に開催される
神山はグランドホテルの開催日を確認した 9月19日20日の土日で
行われる ここのホテルでは催事会場入り口が分りづらく 顧客誘導看板に
力を入れ 毎回新しい試みをしている会場だった
神山は今回も対前年で予算が来ると思い
思いつくまま 顧客誘導看板のデザインを起こした
出来上がったものを整理し会社に 一応自分宛てにFAXした
まだ時間があったので グランドホテルの正面ファザードの壁面を考えた
こちらも対前年予算だろうと思いホテルオートモ同様思いつくままに
デザインを起こした このホテルは開催日が10月17日18日の土日で
行われる為 まだ時間はあったが 今後の事もあるので早めに進めた
こちらも出来上がったものを会社に自分宛てにFAXした
神山は時計を見てみると8時になっていたので仕度をして
祥子の部屋に行った
「おはようございます ごめんなさい 起こさなかったわ」
そう言うとキスをしてきた
祥子は準備は出来ているので 温めるだけだから待っていてといい
キッチンに向かった テーブルの上には上原の図面があり
商品配置や数量など細かく記入していた 神山が見ていると
「ねぇ 恥ずかしいから見ないで でも考えているんだけど
もう少し そうね タタミ1枚か2枚広いと良いわね」
「そうだね 限られた空間に飾っていく事は大変だよ
特に上原はアンテナショップだからね しかし逆に言うと
昨日話した例の返品するスーツなんか 飾っても面白いかもよ」
祥子は仕度している手を休め神山のところへきてキスをした
「いい考えだわ そうだ逆に店内で売れ行きの悪い商品を出しても
良いかもしれないわ 2割か3割くらいね」
そう言うと冷蔵庫からビールを持ってきて一緒に呑んだ
神山が祥子を抱き寄せると祥子も答えた
「ねぇ今夜まで待って お願い」
祥子は今夜と言いながら テーブルの仕度をした
配膳が済むと神山を呼び 冷蔵庫からビールを出した
「今日は和食か 美味しそうだ 良く作るね時間無いのに」
「うん でも少し早く起きれば 出来るし昨夜も時間あったし」
「そうか 祥子に少し時間を上げると 手の込んだ料理が出てくるんだ」
「そうよ だから少し時間頂戴」
「うん なるべくそうしたいが 頭と躰は別物で困っている」
祥子と神山は顔を見合わせ笑い いただきますをした
神山は久しぶりに祥子の和食を食べた 美味しかった
上原の件や御殿場アウトレットの話をしているうちに食べ終わった
祥子は簡単に片付け食器類は自動洗浄器にいれ
「終ったわ 後はちょっことお化粧よ そしたら出られるわ」
「化粧って もう終っているんでしょ」
「またぁ~ ふふふ何もしていないわよ すっぴんよ」
神山は支度のために部屋に戻ると洋子から電話が入った
「おはようございます 洋子です 今大丈夫ですか」
「うん どうされましたか」
「ええ 昨夜お話ししたAEXのカードの件です
先ほど人事の友人に聞いたところ 会社宛て送付はOKです」
「おお よかったね 分った 昨夜ちゃんと準備したよ 持って行きます」
「はい では10時30分に上原の現場に伺います」
「うん それと僕のほうでも洋子のスーツを探したよ
そしたらイメージにピッタリだ 後は試着をしてOKなら購入さ」
「何から何まで ありがとうございます では失礼します」
神山は電話を切ると 今日は部屋に戻って来れないので
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