奥村が由香里がノックダウンになり 翔も怪しくなったので
「では 由香里姫がノックダウンになりました 本日はコレにて終了」
「なん~で まだ呑むぞ~ 日本酒だ~」
「えぇ こんな状態もいます 神山さん田所さん頑張ってください」
しっかりしている4人だけで拍手した
会計を済ませ外に出るとまだ外は肌寒かった
日曜日の夜なので行き交う人の姿は殆ど居なかった
奥村が由香里を介抱しタクシーに乗せ倉元が近いので一緒に載った
「おう じゃあな」
倉元は窓から手を出し振っていた車はすぐに見えなくなった
奥村は杉田と同乗し
「山ちゃん 翔を送りながらかえるよ じゃあ」
奥村の乗ったタクシーも直ぐに見えなくなった
二人が取り残された格好になり 気まずかったが洋子が
「神山さんはどちらですか 確か横浜ですよね」
「ええ しかし事務所兼住居が上原にあるんです」
「へぇ~ そこまでは調査できませんでした」
ようやく笑みを浮かべながら話してきたので ほっとした
今まで何かギクシャクした笑みだったが
僅かな時間だが神山と話したり仲間の話で安心したのだろう
「洋子さんはどちらですか?」
洋子は
「近くの代々木です」
「へぇ~ 直ぐ近くだ まあ代々木と言っても広いですけどね」
「ええ」
「洋子さん 呑んでばかりなので少し美味しい所へ行きましょう
帰りは一緒ですから送ります」
又こちらをみて
「はい お供します それと二人っきりの時は洋子 でお願いします」
「では タクシーを拾いましょう」
「はい 私が拾います」
そう言ってタクシーに乗るとき神山はレディーワーストのつもりで
先に乗るよう勧めたが
「いえ 神山さんから乗ってください」
「うん わかったよ」
神山は運転手に行き先を告げた
「青山2丁目」
運転手ははいと返事をして車を発信させた
二人きりになり密着していると神山も何を話すか考えたが
「さっき言っていた 車の件ですけど 車種って選べるのかな?」
「たまにありますよ」
洋子は神山に向いて話をしている
「そのたまにとは どう言う場合?」
「たとえば 理事のお得意さんが日産系の会社なら日産と言うように」
「そうすると好きな車種は難しいな 何とか成らないかいい案は無いかな」
神山が黙っていると
「神山さん ファッション関係もお仕事有りますか?」
「うん あるよ 例のアレックスグループ」
「えっ あそこも神山さん、、、凄いわ」
「いやいや アルタが射止めたんだよ 僕はその下準備で写真とっただけ」
「そうですか しかし凄い」
洋子ががっかりしているので
「その写真の出来栄えが認められたんだよ だからその写真が無かったら
アルタもアレックスグループの仕事は無いよ」
「ふぁ 凄いですね 神山さんて 何でも出来るスーパーマンだ」
「ははそんな事は無いよ だって洋子の事見えないもん まだ」
洋子はすこしがっかりした様子だったが 気を取り直し
「そうですよね 私も書類だけで色々と判断していましたし
しかし実際にお会いすると 書類なんか参考にならない事が分りました」
「でしょ だから二人は分らない事だらけで良いんじゃない」
洋子はようやく笑って
「そうですよね 判らない事ばっかりです」
今夜の道路は空いていて 青山2丁目に直ぐに付いた
チケットを渡し降りると タクシーは広い闇の中へ消えていった
先日来たばかりの『ざ いたりあん』まで歩いた
店内に入るとまばらに人が居た
受付が顔を覚えていて
「先日はありがとうございます 本日は2名様でしょうか?」
「うん」
受付は2階の窓際に案内してくれた
神山はビールと簡単なおつまみを頼み 洋子にここの事を知っている
経緯を話した 洋子は丁寧に手帳に書いているので
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