2011年4月5日火曜日

Vol.269 青葉 -6-20


「さっきから 一生懸命書いているけど見せてくれる?」
どうぞごらん下さい と言って神山に手渡した
神山は手帳を開くと2つビックリした
まず 全て英語で書かれていた事 今日以前の記載が無い事だった
「すごい 大したもんです 僕は洋子が少し見えてきました」
「私は英語が大好きで もしかしたら日本語で纏めるより英語で
纏めたほうが早いですね まああと紛失した時 英語を理解しないと
分らないように書いていますから 落としても機密は漏れません」
「それと 今日から秘書と言う覚悟ですね いや素晴らしい」
「ありがとうございます しかし神山さんも素晴らしいです
お仲間の話を聞いていると余計分りますね 奥山さん可哀相ですね
こんなに素晴らしい部下を手放すなんて 店長も」
「それはそうとして 戻る事って出来るのかな 勿論 仕事が終ったあと」
「多分 仕事はエンドレスでしょう 今はニーナ・ニーナさんですが
アルタさん関連に傾いていくと思いますよ 
だから私と一緒です どこまでも もう後戻り出来ないんです」
神山が黙っているとビールとおつまみが届き乾杯した
洋子が
「神山さんのお気持ちは良く分るます しかしこれからは自分で仕事が
出来るわけです 新しいお仕事が目の前に一杯転がっているんですよ
それを見逃さないでいきましょうよ そうすれば今までと違って
何倍 いえ何十倍も楽しくなれますよ
普通 社長が失敗すると会社は傾きますが 私たちは失敗をしても
傾かない保証がある訳でしょ 鈴やと言う
だから 失敗を恐れないで ご自分の思ったとおり出来るわ
女の私には出来ませんが 神山さんなら絶対にできます」
洋子は自分を励ます意味を含め神山にアドバイスをした

おつまみを食べた洋子は嬉しそうに
「私 初めてです こんなにおいしいの食べたの」
「良かった うん」
「さっき言っていたけど 神山さんて手柄を全然見せびらかせないのね
貴方のような方は本当に鈴やでは珍しいわ」
「洋子 幾ら誉められても何も出ませんよ」
「そんなつもりじゃないの 人事にばかりいるせいか 一杯見てるでしょ
杉田君も見たし 市川さんも見たし そんな中 貴方は誰とも重ならない
う~ん どのタイプでもないのよ」
「洋子 僕はただのすけべだよ ほんと」
「う~ん それは分らないわ もう少し表面的な処よ今言っている事は」
神山はビールはもういいのでワインを頼んだ
洋子はカルボナーラを食べたいと言うので一緒に頼んだ
幾ら呑んでも全然素面でいる洋子に 神山は今日は負けたと思った
自身 今日 彼女と大人の関係になろうなどと思っていないが
何処かにスキが出来るかと期待をしたけれど 出てこなかった 
運ばれてきたカルボナーラやおつまみを食べているとワインが無くなり
「私 このワイン気に入りました もう一杯いいですか?」
「うん そうしたらボトルごと頼もうか」
「ええ 残ったら私もって帰ります」
ニコニコしながらいい神山を見つめた

神山はワインのメニューを貰い 洋子に見せた
洋子は一番高いのを頼もうとしたが 神山は財源が危ない旨伝えると
「大丈夫ですよ ここは任せてください」
そう言い 一番高いのを注文した あっけに取られている神山に
「これからは 一番高い物を召し上がって頂いて 味を分って
頂かないと困ります そのための勉強も必要ですわ」
「そうか ただブルゴーニュ地方のワインだけではだめか?」
「はい きちんと味を覚えて頂ければ それも武器になるでしょ」
「ああ なるほど 分った 今後は気をつけるよ」
「ええ あなたのために私も勉強するわね」
「しかし 実際は来月のお給料日あとだね 今回のお給料は
前職の課長だし まあ焦らないでいこう」
「神山さん喜んで 明日私の辞令があるでしょ そうしたら
活動金 貰えるの 分る 結局秘書にくるんですよ」
「ああ なるほど そうしたら部屋で皆から集めなくても良かったのに」
「ただね 活動金が有る事知っている人間は 理事以上なの
私ちょっとしゃべっちゃたけど 金額とか何時貰えるとか
言い辛かったのよ それで貴方が集めてくれたから甘えたの」
「そうなんだ では明日自分のお金で返しておくよ」
「そうね 活動金は辞令のあと頂けることは確認しています」
「そうか でもいいや 25万なら用意できるし 僕が返しておく」
「では ここに有るお金はどうしますか」
「う~ん 25万だけ返して 後は何に使うか分らないから
洋子に預けておく それで活動金が回転してきたら 返してもらう」





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