2011年1月18日火曜日

Vol.192 青葉 -2-16

二人はビールを注文し鮮魚の盛り合わせを頼んだ
ビールが直ぐに来てお疲れ様の乾杯をした
今回の仕事内容は高橋にも伝わっていて 神山の仕事を誉めた
橘副支配人から送られてきたFAXを内野と一緒に検討した高橋は
【さすが 神山さん 仕事が違う】と誉めた事を伝えた
「しかし孝ちゃん
今までの事を考えればそんなに苦労はしていないよ」
「だけど ホテル側では喜んでいるわけでしょ」
「それはそうだけど、、、」
「それだったら 結果いい仕事をしている訳でしょ」
「まあ そうかな」
「そうですよ 山ちゃん 山ちゃんのレベルが違う うん違うよ」
「なにそれ?」
「結局の処 頭の構造が違うのですよ
例えば 先日の床材選定にしても 普通の感覚ならば
床材の色と壁面の調和 或いは什器との調和を考えるけど
山ちゃんは 外光が差し込むことまで読んで決めているでしょ」
「うん そんなの当たり前だと思っているけど」
「ところが 分っていても出来ない所があって
後になって 修正をしなければいけなくなる事が多いわけ」
「だけど 孝ちゃんのように百戦錬磨でもそうな訳?」
「ある部分では 後で修正と言う事が有りますよ
時間があれば考えられる所を それを瞬時に決められる
山ちゃんの考え方の素晴らしさは 一級品ですよ」
「そんなに 誉めていただいても何もでないよ」
「いやいや ほんと 鈴やではもったいない
と 皆言っていますよ 特に社長は」
「しかしね そんなに言われても、、、
逆に僕が失敗をしたときは どのようになるのか怖いですよ」
「まあ その時は一過性の過ちと考えるでしょう」
「うーん 失敗が続けば 或いは失敗でなくとも会社の政策と違った
方向性で話が進んだ場合は僕の見方が違って来るでしょう」 
「それは有り得ない話では無いです」
「だから 今のように使い勝手がいい状態が良いのではないの?」
「まあ そう言われてみればそうですね」
神山と高橋はお互いの意見を尊重しながら話し 箸をすすめた
「ところで山ちゃん 明日の朝は現場にこられる?」
「うん 時間は取ってあるよ」
「よかった 明日朝に床が入ってきます」
「早いね 予定だとあさってでしょ」
「そう それが在庫があって早くできる事になったのです」
「へぇ ニーナ・ニーナも喜びますよ」
「そうしたら 明朝お願いしますね」
アルタの高橋と神山は明日の約束をして寿司屋を出た

神山はマンションへ向かう間まだ一ヶ月も経っていない間に
自分の周りが変化している事に戸惑っていた
3人との女性関係がこのまま続くとは思っていないが
果たして流されるのか 流すのか、、、
どこまで踏み込むのか否か、、、
考えれば酷い話だと思った
急に自分の周りに魅力的な女性がいっぺんに現れることは、、、
できれば順番に現れてくれれば良いのに、、、
神山はお酒の酔いも手伝って
都合のいい考えをしながらマンションへ戻った
部屋に戻ると22時を廻っていたので先に風呂に入り疲れを取った
ジャグジーを使い心地よくなったので
冷蔵庫から御殿場の地ビールを取り出し浴槽で味わった
浴室からは夜空に星が輝き神山の疲れを飛ばしてくれた
ジャグジーで心地よくなったので浴室から出て
FAXや仕事用の留守番電話などに対応した
殆どの内容は今までの携帯電話連絡で済んでいた事だった
神山はまだ帰っていない祥子に連絡した
「はい 私です」
「こんばんわ 祥子悪いけど 今夜は早く寝ます ごめん」
「ほんと 寂しいわ 相談したい事があったんだけど」
「えっ どうしよう そうしたら 待っていようか?」
「だけど まだスタッフと一緒だから、、、」
「急ぎじゃなければ 明日でもいいかい?」
「ええ では 明日お願いします」
「では 明日また起こしてくださいね お願い」
「は~い それではおやすみなさい」
神山は久しぶりに24時前に床に付いた
考えてみれば ここ2週間で始めてのことだった





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