2011年1月17日月曜日

Vol.191 青葉 -2-16

『次は東京 終点東京です』
神山は車内のアナウンスで起こされた
三島駅を出た後 うとうとと寝込んでしまった
今日一日 どこからも連絡が無かったので落ち着いたが
逆に何も連絡がないと心配をしてしまった
東京駅に降りた時に杉田に電話をしてみると
「神山だが」
「杉田です お疲れ様です」
「どうだい 飾りつけは?」
「ええ 先ほど終了して 今 食事です」
「良かった 問題なしだな?」
「ええ 倉元さんも一緒ですが、、、代わりましょうか?」
「うん 代わってくれ」
「おう 山ちゃん 大変だな 聞いたぞ」
「早いですね それはそうと造花はどうですか?」
「うん やはり取替えが必要だな」
「そんなに目立ちますか」
「おう なるべく目立たないようにはしたが やはり無理があるな」
「そうですか、、、 残念ですね」
「おう しかし山ちゃんの責任じゃないからな 気にするな」
「それで 交換はいつですか?」
「おう 明日の閉店後に行う」
「そうすると残業は、、、」
「おう 杉田君が立ち会う事になっている」
「分りました いつもすみません 杉田君に代わってもらえますか」
「おう 山ちゃんも頑張れよ おう翔 部長さまだ」
「はい 杉田です」
「大変だけど 明日の晩は頼むな」
「はい 任せてください ところで明日はどうされますか?」
「そちらには午後になるな 何かあったら携帯に連絡を頼む」
「了解です では気をつけて下さい」
神山は電話を切ると祥子に連絡をとった
「はい 久保です お疲れ様です」
「やあ 今帰りました 今夜はまだ残業?」
「はい まだ仕事をしています」
「どのくらい掛かりそうですか?」
「まだ時間が読めないわ」
そして 小声で
「このあと 皆で食事を計画しているの、、、だからごめんなさい」
「そうか 大変だな 呑みすぎるなよ」
「はい それでは失礼します」
神山は一人になると 今夜はどこで食事をするか考えた
由香里を呼ぶにしても7時を過ぎているしどうしたものか考えた
現場で仕事をしているアルタの高橋に電話をした
「神山ですが」
「やあ 山ちゃん お疲れ様 今お帰りですか?」
「うん 孝ちゃんはまだ仕事?」
「もう直ぐ終わるけど、、、現場に来る?」
「うん 直ぐに行きます」
「了解 待っています」 

神山は東京駅を出るとタクシーで上原の現場に向かった
渋谷に近づくとネオンがまぶしく 
つい先ほど三島で見た光景と同じ様に若い男女の姿が多くなってきた
今日も暑いのか半そで姿の格好が目立った
渋谷を抜けると今度は静かな街中に入った
現場で降りると 仕事帰りの人たちで駅周辺は活気づいていた
「やあ 山ちゃん お帰りなさい お疲れ様でした」
「ほんとしんどかったよ」
神山は昨日最終点検した現場に入り
「どう 何か問題点は出てきた?」
「全然無いですよ 完璧!」
「それは良かったよ ニーナ・ニーナも喜ぶでしょ」
「ところで夕飯は?」
「まだ食べていないです」
「そうしたら 何処か食べに行きましょう 何にしますか?」
「孝ちゃんは?」
「そんな 山ちゃんに合わせますよ」
「駅前の寿司屋にでも行きますか?」
「はい 了解です」
二人は直ぐ傍にある寿司屋に入った
この頃良く通っているので 奥の座敷を案内された
「凄いね 孝ちゃん こちらが何も言わないのに案内されたよ」
「そうですね 良く来ていますからね」





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