「そうしたら 美味しい地ビールをお願いします」
「ハイ 少々お待ちくださいませ 今 ご用意させて頂きます」
「では 神山様 私はFAXを済ませてきますのでお待ちください」
「橘さん アルタのどなたに送られますか?」
「ええ 内野 誠二 係長 宛てですが、、、」
「ああ 内野君か、、、分りました」
「なにか、、、」
「いや 内野君は良く知っていますから、、、」
「では 送ってきます お待ちください」
橘が席を立つと入れ替わりに亜矢子が地ビールを運んできた
「ご苦労様でした 本当にありがとうございます 感謝しています」
「いや 普段と同じ事をしているだけさ 特別ではないよ」
亜矢子がコップにビールを注ぎどうぞと言った
神山は亜矢子にウインクをしてビールを呑んだ
亜矢子は嬉しいのか くすっと微笑みながら神山の姿を見ていた
神山も呑みながら亜矢子の目を見て微笑んでいると橘が戻ってきた
「神山様 今FAXを送らせて頂きました ありがとうございます」
「いえいえ しかし橘さんも大変ですね」
「そんな事は無いですよ 桜川君をはじめ
優秀なスタッフに囲まれていますから」
神山はホテルのスタッフを誉め 自分の部屋でゆっくりとしたかった
カウンターを覗いてみると11時を少し廻っていたので
「では橘さん 失礼します 部屋で少しゆっくりしてきます」
「はい分りました お帰りは何時ごろになりますか?」
「そうですね 12時少し前に出ます」
「そうしましたら お時間に車をご用意させて頂きます」
「そんな いいですよ 駅までですから」
神山は申し出を断ったが 利用させてもらう事にした
席を立ちお辞儀をすると 橘が
「神山様 こちらは椿総支配人からのメッセージです」
少し厚さのあるホテルの封筒を渡された
封筒を受け取り部屋に戻るとき亜矢子も付いて来た
エレベーターの前で亜矢子は
「今日は本当にありがとうございます 助かりました」
深々とお辞儀をすると これから後少しで触れる綺麗な乳房が覗いた
扉が開くと先に乗ったが亜矢子はこちらを向いてお辞儀をしていた
扉が閉まるときに
「亜矢子さん」
と声を掛けると 笑顔で答えてくれた
部屋に戻ると 先ほどのメッセージを読んでみた
【神山様 本日はありがとうございます 本当に助かります
今回の仕事では橘君と桜川君が精一杯仕事をしています
ご迷惑をお掛けしたと思いますが それも情熱だとご理解ください
さて 昨日の件ですが 内藤さんからもお話があったと思いますが
私どもも容認していますが ご内密にお願いします
お仕事の気持ちとしては少ないですが同封させて頂きました
これからも よろしくお願いします 総支配人 椿 秀介】
あと封筒からは50万円が出てきた
神山は 今朝内藤から受け取った封筒も見ると50万円が入っていた
昨日の内藤から頂いた分と合わせると120万円になった
神山はこんなに貰ってどうしたらいいものか考えたが
事情が事情だけに倉元にも話せないし困った
ご婦人達の淫行に対する口止め料としては貰いすぎだと思ったが
昨夜同様 気にしない事にした
神山は冷蔵庫から地ビールを取り出し呑みながら
これからの亜矢子との事を考えていた
昼食はどこに行こうとか考えていると携帯電話がなった
「はい 神山ですが」
「杉田です 今 大丈夫ですか?」
「うん どうした?」
「造花の件ですが 全て上手く行きました
ありがとうございます ほんと良かったです」
「それは良かったな」
「実は先ほど池上店長がお見えになり
不揃いを指摘されたのですが 丁度 倉元さんがそばにいて
説明をして頂いたんです 助かりましたよ」
「よかったな 明日説明より、、、しかしなぜ店長が?」
「ええ 何でも銀座会の特別な打ち合わせだとかで来られていました」
「分った 倉さんはいる?」
「ええ 替わりますね 倉元さん 先輩です」
「おう 山ちゃん元気か こちらの造花は店長には説明しておいたぞ」
「ありがとうございます 良かったですね 今日会えて」
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