「ええ 大丈夫よ 今夜予備を買ってきました」
「さすがぁー さあ もうこれで良いのかな?」
そう言いながら 冷蔵庫から缶ビールを取り出し一息飲むと
「美味しいなぁー さあ 由紀枝も早くおいでよ」
由紀枝も冷蔵庫からビールを出しガーデンチェアに座ると
「では 久しぶりのお帰りでかんぱーい」
「ははは 改めて ホールインワンと優勝 おめでとう かんぱーい」
由紀枝はニコニコと神山を見ながら グラスを合わせた
「それでね由紀枝 記念のグラスだけど 記念カップになったよ」
「へぇー そんなに大きいの」
「ははは 大丈夫だよ 高さが18cmで優勝カップより小さいよ」
「わぁー ありがとうございます 嬉しいわ」
神山は話をしながら 由紀枝が準備してくれた野菜を焼き始めた
「それでね 本当は今夜持って来れば良かったんだけれど
亜矢子の分と一緒に 配送してしまったんだ ごめんなさい」
「まぁー ほんと気が利かないわね もうー」
由紀枝は神山が焼いてくれたとうもろこしや他の野菜を
神山の口に運びながら自分も味わっていた
「おっー このもろこし 美味しいね 甘くて最高だよ」
「ふふふ でしょ 実はステーキハウスの林店長が従業員に配ったのよ」
「へぇー 凄いね」
「親戚の畑で作っているんですって で今年は甘くて美味しいのが
豊作でホテルの女子寮にプレゼントされたの それで私も頂いたのよ」
「へぇー ほんと美味しいや これってお店でも出しているの?」
「ええ 夏限定ですって」
「でも もう9月なのに 夏限定かぁー」
「仕方がないわよ ふふふ」
神山が野菜を焼き終わるとき由紀枝がワインを用意した
「さあ 改めて乾杯」
由紀枝も神山も室内から放たれるスポットの中で 笑顔で乾杯をした
「ところで由紀枝 明日だけど」
「ええ どうしたの? 包む金額だけど洋子さんに相談したのよ
そうしたら一応300万円で良いんじゃないのかなぁーって」
「えっ 洋子と話をしたの」
「だって あなたに電話をしたら 居ないから仕方がないでしょ もう」
「いやぁー ごめんごめん」
「私ね ほらいつもお世話になっているから どうしようかなって
そしたら洋子さん 普通の会社員が包む事だから でもほら
隠し財産があるから そうすると300万円が上限かなって」
「そうだよね 普通の女子だとせいぜい5万円だろうな
でも 僕の仲間だし隠し財産があるし そうだね うん いい判断だよ」
「それで 熨斗を用意して名前だけにしたわ ふふふ」
「うん それでいいよ うん」
「それで なぁーに 明日の件って その事?」
「いやいや 実は明日だけれど 儀式のときに皆来るんだよ」
「えっ 洋子さんや祐子さんも」
「うん カトリアーナや泰子 香織でしょ真由美 由貴に桃子ちゃん
ははは 全員来るよ」
「わぁー 驚くわよ亜矢子さん そうかそれで寿司屋の地酒が変更か
なるほど 分かったわ ふふふ なぁーんだ」
「じゃ 亜矢子じゃなくて由紀枝が受けていたんだ」
「ええ そんな細かい事まで亜矢子さん 出来ないわよ ふふふ
それで 明日だけれど 椿がそのお酒を持ってくるのよ」
「分かった そうしたらその分は洋子が支払いするよ 大丈夫だよ」
「へぇー 分かりました でもね 支払いはお寿司屋さんにしてね
ほら 向こうから注文があったでしょ」
「そうだね 直接注文していれば 問題ないけれどね ははは」
「まあ 仕方がないわね 亜矢子さんだってそこまで気が付かないし」
「だよね お料理だけど 若い大工が居るでしょ そこでから揚げとか
色々と揚げ物を追加したよ 勿論その分もこちらで支払うよ」
「そうね 普通のお料理も良いけれど 若い人には喜ばれるわね
さすがね ふふふ」
「うん まあ2,3回 儀式に出ていると雰囲気で分かったよ」
「ねえ ところで地酒の中瓶って幾らだか知っている?」
「どうだろう 小さいのが2000円だよね だから5000円かな?」
「あっ そうか あなたがホテルで注文している時は すべて2割引で
承っているのよ だから中瓶の販売価格は7000円よ」
「へぇー そうなのか ありがとう そうすると 待てよ」
神山は駅前寿司屋に一人3万円と注文したが 日本酒の代金
7千円割り込んでくると 実質2万3千円になることに気が付き
「由紀枝 ちょっとごめんね 寿司屋に電話をします ごめんね」
神山は食材を焼く事を止めると 急いで携帯電話で寿司屋に電話した
「あっ 神山さん こんばんわ」