「えーっと 一押しのデザインは 3枚目です このエンブレムが
綺麗に映えるのと あとシンプルに仕上がっていると思います」
神山も翔の言うとおりだと思い
「うん これにしよう それで名前などはこの下の部分に入るんだね」
「ええ このデザインどおりだと 少し大きいので もう少し小さくします
それで 漢字ではなくてローマ字で彫ります」
「うん その方が格好が良いし そうしよう コースで飾ってくれるだろ
その時に漢字だと 色々と詮索されるしね ローマ字で逃げた方がいいね」
「そうか 不特定多数の人に見られるわけですね でもどうなのかな
ほら先輩 記念植樹のところにプレートが立ってるでしょ
そこには漢字で入っていますよ」
「うん まあ それはそれとしようよ 今回はローマ字で決定 ははは
それで 幾らだって これだと高いだろ」
「ええ 20万円ですって」
「えっ20万円 そうか一人1000万円 わぁー凄いな ははは」
「それでも 割引価格ですって」
「大丈夫か そんな 実際は幾らなんだ」
「ええ 桐箱をつけて卸で25万円です」
「だったら 25万円払うようにするよ こんな所で利益をなくしたら
大変な事になるよ 大丈夫だよ 大森さんに伝えなさい そうだ
今日午前中にも振り込むよ 口座を聞いておいて」
「はい 了解しました では一客だけ試作を作ります」
「うん お願いします」
「そうそう 先輩 達成した日付だけでいいですか 時間は不要で」
「うん 日付までで良いよ 後はイレコで間違わないように
ほら 6名も達成しているから お願いしますね」
杉田は神山に昨日のホールインワン達成者と達成ホールを確認した
「うん 大丈夫だよ しかし仕事が増えるな」
「ははは これはボランティアですよ もう 先輩」
「ははは そうだな 頑張ってな」
杉田が部屋を出て行くと 入れ替わりに洋子が出勤してきた
「やあ 早いね おはよう」
「おはようございます だってねぇー ゴルフの翌日遅かったら大変よ
今回は人事や秘書室 皆知っているでしょ」
「そうだね 電話があったときに まだ来ていませんじゃ不味いよね」
「でしょ こう言う所で気を使うのよ ふふふ」
「今ね 翔がホールインワン達成記念カップを持って来たんだ
それで翔ったら 家に帰ってもデザインしていたんだって」
「へぇー 素敵なデザインが出来たの?」
「ああ ボランティアでお仕事していますってさ」
「まぁー 随分ね もう」
「ははは 大丈夫だよ 真剣なデザインだったよ 楽しみにしてね」
神山に電話が掛かってきた
「はい 神山です」
「翔ですが 大丈夫ですか」
「うん どうした」
「ええ クリスタル大和の振込先が分かりました メモお願いします」
「おぉー 早いね」
神山は杉田から振込先口座を聞くと直ぐに銀行へ行き7500万円を
振込み 杉田に連絡をした
「へぇー 一客25万円ですか、、、」
「ははは 仕方がないよ 僕が言い出したんだ 良い記念になるよ」
「へぇー でも凄い金額ですね 夢みたいだわ ふふふ」
「夢じゃないよ さあ お仕事」
次長席で仕事に集中しているとアルタスカイ(アルタの子会社で設計と
建築を行っている会社)から電話が入った
「はい 神山ですが」
「アルタスカイの渡辺です」
渡辺高次は課長職でGプロの部屋にも時々顔をだし 仕事を進めている
「実は本体設計が捗り 11月着工が10月着工になりました」
「えっ 1ヶ月も早まったの 凄いね」
「ええ 昨夜も遅くまで詰めていまして 漸く目途が付きお知らせです」
「やぁー ありがとう みんな喜ぶよ ありがとう」
「ええ 社長にもまだ話していないんです ははは」
「やぁー そうすると 工期が前倒しで 内装関係もじっくりと出来るね」
「ええ あとは予算を効率的に使うだけですね」
「ははは そうだね お願いします」
「それで 嬉しいのは地下部分の経費ですが 多少余ります」
「へぇー どうしたの」
「ええ 新工法なんですよ ほら穴を掘ってしまうんです
それで天井部分は上から蓋をする感じですね」
「なるほど その工法で行うわけか」