「うん どうしたの」
「ええ 棟梁が棟木に幣束(ヘイグシ)を立て破魔矢を飾ってその後
建物の四方に酒・塩・米をまいて清め上棟の儀を行うのよ」
「うん 大体一般的にはそうだろうね」
「それで上棟の儀の後 私の挨拶でしょ それから宴会が始まるんですって」
「そうだね その時に施主さまと工事関係者が色々と話をして
円滑に工事が行われるようにするんだよ」
「それでね その時に包むでしょ ご祝儀って幾らくらいかしら」
「そうかぁー 棟梁には10万円 手伝いの大工や若いのには
3万も渡しておけば 大丈夫だよ」
「その位で大丈夫かしら?」
「うん その他に儀式用に5万から10万も包めば大丈夫だよ」
「はーい 分かりました これから準備するわ」
「うん 普通はその半額以下だけど 一杯渡しておけば 円滑にそして
頑丈な家を建ててくれるよ」
「へぇー そうなの じゃもう少し包むわ」
「うん その方が良いよ 例えば釘を打つにしても ちゃんと打つし
本数もこれでもかって一杯打ってくれるよ」
「はーい 分かりました 常識のなかで包むわ」
「うん そうしてください そうだ お昼はどう準備するの」
「ええ お家で色々と作れないから 駅前寿司に頼んであるわ」
「出席者は何人くらいなの?」
「ええ 工務店関係が10名でしょ 設備関係者が8名で
後はあなた 由紀枝さん 椿支配人 私と母の23名よ なんで?」
「分かった そうしたら明日は10時前にそちらに伺うようにします」
「ええ そうして ふふふ 嬉しいなァー」
「じゃ 明日は施主様だから しっかりと進行をしてね」
「もう 嫌だァー プレッシャーかけて嫌ねぇー もぅー ふふふ」
「では 明日」
「はーい お待ちしています」
「何かあったら 携帯までね」
「はーい」
電話を切ると洋子に
「ねえ 洋子 今の所23名出席だって」
「へぇー 結構参加されるのね」
「それでね 宴会だけど駅前寿司に全部頼むそうだよ
そうすると こちらから何人参加できるか人数を掴まないといけないね」
「大丈夫ですよ あなたのお友達は全員参加できるわよ」
「わぁぉー 凄いね」
「それで 包みも一律300万円にしたわ ほら普通の女子でしょ」
「うん 分かった 僕と洋子は500包もうよ いいよね」
「ふふふ 大丈夫です ここに熨斗紙と包みを用意してあります」
洋子が自分の引き出しから取り出し神山に渡した
「うん 肩書きは無しだ ありがとう 久しぶりに120点だよ」
「まぁー お株を奪われたわ ふふふ」
「そうしたら 人数が増える事を駅前寿司に連絡して そうだ
不動産屋の勝間田さんに連絡をして 宴会場を
広くして貰わなければいけないな テーブルや椅子などの準備もあるし」
「そうですね では私が連絡しましょうか」
「うーん 今回は僕の方で連絡するよ」
神山は次長席に座ると 駅前寿司と不動産屋に連絡をした
御殿場駅前寿司では 開店準備をしている最中だったが大将が喜び
「神山様 そうしましたら 飲物は酒屋から直接お届けしますよ
ほら儀式で使う一斗樽も頼まれているんですよ なので 私のところから
運ぶより 直接運ばせます」
「そうだね それでお代金は」
「ええ 申し訳ないんですが 私のほうで一括でお願いです」
「はい 了解です 全部で幾ら位になるの?」
「ええ おつまみも入れて一人1万5千で頼まれたんですが、、、」
「わかった そうしたら8名増えて 全部で31名かぁー
大将 悪いけれど1名3万円でどうだろうか」
「はぁー 大丈夫ですよ 美味しい魚を見つけて来ますよ」
「うん それと若い大工たちも居るので から揚げなど
揚げ物も一杯作ってくれるかな 大丈夫ですか?」
「ははは 大丈夫ですよ そうしますね」
「それで 日本酒もゴテンバ グランド インの美味しい冷酒をたっぷり」
「はい そてらも手配させて頂いています 増えた方の分をプラスします」
「ええ お願いします そうだ 確か中瓶があったでしょ」
「ええ 700ccの中瓶と300ccの小瓶がありますが」
「そうか そうしたら700ccの中瓶をお土産にしよう
えーと 40本も作ってくれるかな」
「了解です 熨斗はどういたしますか?」