2013年12月1日日曜日

Vol.1240 百日紅 -8-69



「やあ お待たせ」
「また 心配させて もう 嫌よ」
「ほんと フロントから連絡があったよ もう 心配させないで」
「ごめんごめん カトリアーナたちが絡まれていたんだ それでね」
「ラウンジでは全然気が付かなかったわ」
「さあ それではシャワーを浴びて寝ようか」
「えっ 折角待っていたのに もう ねぇー亜矢子さん」
「そうよ 心配していたのに 顔みたら寝ようかって もう」
神山は二人にせがまれベッドで交わり降参して寝かせて貰った

8月19日 水曜日 快晴 微風
「やあ みなさんおはようございます 昨日は楽しんで頂けたと思いますが
本日も楽しんでください では7時25分にグランドフロアの
ティーラウンジに集合です その時にルールなどを説明します
尚 6時半まであと少々ですから お待ちくださいね」
レストランでは6時半前からコンペ参加者が集まり 神山が説明した
席を順番に案内され 自分の席を確認するとバイキング形式の料理を
手際よく盛り付けみなよく食べていた
神山が女性たちを眺めてみると みな明るい顔で気軽に男性と会話を
楽しみながら食事をしていた
昨夜の踊りが一つの殻を破り 会話が出来る環境を作れたと思った
時田にしても積極的に吉永美由紀や景山英美子らと話したり 杉田も
椿純子や内藤真奈美らと話をしていた
食事が終わると亜矢子が神山に
「フロントで最終確認をしないといけないけれど お釣りがありますよ」
「そうなんだ ありがとう みんな楽しくして貰ったから安いよね」
「ふふふ そうね 雰囲気は最高に良かったわ」
神山が精算をしにフロントにいくと時田や内藤 加藤 Jrなど
男性陣が地ビールや地酒の配達を注文していた
「山ちゃん 美味しいね 会社に送るんだ」
「はい ありがとうございます 加藤さんのところだと 5ケース位
必要になるでしょ」
「ははは そうだね そうそう昨日のクラブを使うよ 今日は」
「ええ 楽しみです」
お届けの手続きが済むと神山がフロントに聞いた
「神山ですが」
「神山さま いつもありがとうございます それで庄司由紀枝から
お預かりしています 268万円ですが 今回は48万円の返金です
内訳書はこちらです」
神山は頷きレシートと48万円をバッグに仕舞いティーラウンジにいった

誰も来ていないティーラウンジでタバコをふかしていると椿総支配人が来て
「神山様 本日はありがとうございました」
「いえいえ でも割引サービスを適用されたんですか 安かったですよ」
「ははは 流石ですね 多少気持ちさせて頂きました」
「ほんと ありがとうございます」
「それと昨夜の件ですが ありがとうございます ここら一帯で
色々と面倒を起こしている連中なんですよ 助かりました それでこれは
私というより地域のホテルの気持ちも入っています どうぞ収めて下さい」
神山は頷くと厚い事務封筒を受け取りバッグに仕舞った
「それから内藤さんから伺いましたが このジャケットをこのホテルでも
是非販売させてください お願いします それでブティックですが
来年春に契約が切れるところがあるんですよ そこにお願いしたいと
思っています」
「はぁー そうすると販売員を考えなければいけないですね」
「ええ そうなってきます」
「そうすると住居なども頭に入れないと 大変ですね うーん」
「それでもし宜しかったら 女子寮が空いていますので そこを利用して
頂いても構いません 食事も社員と同じようにさせて頂きます」
「NNメンズで経費が発生するのは 場所代と従業員の福利厚生ですね」
「そうですね 場所代については2年間契約の場合 売り上げの
何パーセントかと月ぎめと選べます まあ 今日決めていただかなくても
結構です 頭に入れて置いてください お願いします」

集合時間が近づいてきたのか 一組二組と集まりだした
椿総支配人はニコニコして丁寧にお辞儀をして迎えていた
亜矢子と由紀枝に椿純子が来ると 椿総支配人は
「亜矢子さん 由紀枝さん 家内をよろしくね」
「まぁー いつもこうなんだから 子供じゃないの ふふふ」
亜矢子と由紀枝はクスクス笑いながらソファーに座った
全員が集まったのを確認すると
「えー それではルールを説明します まず女性は全員レディースティーを
使用します それからドラコンはショートを除いて全ホールです