2012年8月26日日曜日

Vol.778 紫陽花 -3-48



「よかった ありがとう」
「そうしたら美佳ちゃんをこちらに呼べばいいわね」
「うん じゃあ連絡をしてね 4時半までに来るように」
「ええ 分ったわ」
皆はゴルフの話題で盛り上がり食事も楽しく終えた
神山が女将にお会計を頼むと7万円と言われ現金で清算した

タクシーで各自が部屋に戻ると神山が洋子に
「1時に出るから寝かしてくれ」
「ふふふ 私も寝るわ」
「そうだね」
神山と洋子はソファーに横になりすぐに眠った
1時にセットした目覚ましと電話で二人は目を覚ました
洋子が電話に出るとアルタの佐藤部長からで準備が出来たと言われ
「そうしましたら このビルの出口でお待ちください
神山とすぐに下りますから」
電話を切ると洋子はバッグを持って神山を待った
神山は缶コーヒーを半分飲み洋子に渡すとニコニコして飲んだ
二人は部屋を出るとポルシェ911ターボの鍵を洋子に渡した
出口に着くと高橋と佐藤が大きなバッグを持って待っていた
「済みません 今 車を出してきます」
神山は洋子と駐車場に入り洋子が真紅のポルシェに乗ると
気持ちよさそうに駐車場を後にした
神山も蒼いBMWに乗ると駐車場を出て高橋と佐藤部長を乗せた
前に止まっている洋子に神山が
「東名の静岡ICだよ 首都高は銀座からはいるよ」
「りょうか~い」

洋子はゆっくりと走り出して大通りに出ると神山を待った
信号で並ぶと洋子がにやっとしたので神山が頷き青に変わると猛発進した
神山も少し遅れて発進し余裕で洋子の後ろを走った
首都高に入ると洋子のポルシェ911ターボはますますスピードを上げた
神山は首都高で洋子を追越するのは止めて後ろに着いた
同乗している高橋と佐藤はスピードが速いので怖がった
「山ちゃん いつもこんなに早いの?」
「うん まあ」
神山は運転に集中しているので曖昧な返事をした
暫くすると東名に入り車の台数も少し少なくなると洋子はさらに
スピードを上げていった
「おいおい そんなに出して壊さないでよ」
神山は洋子の運転は信じているが車を壊されるのが心配だった
「山ちゃん 田所さんって レーサーをしていたの」
「さあ 聞いたこと無いけど」
「山ちゃんも早いけど 彼女も早いね」
「うん エンジンが少し心配 でも大丈夫ですよ」
東名用賀から静岡ICまで約160kmなので1時間位だった
でもこのスピードだともっと早く着く事になる
洋子の車にピッタリ着いていたが 神山はストレートの良く見えるところで
追い越しをすると洋子はにっこと笑い神山の後ろに入った
これだけ早いと高橋と佐藤は少し怖くなり体を緊張させた
神山は話し掛けられないので運転に集中できた
バックミラーを見ると洋子が左ウインカーを出していたので
神山もウインカーをだしてサービスエリアに入り車を止めた
「ごめんなさい おトイレに行きたくなったの」
「そう言われれば いきたくなった
孝ちゃん 部長 おトイレ休憩10分取りますよ」
高橋と佐藤はようやく車の外に出ると4人乗りの車なのに何故2台で
走るのか訳が分らなかった
「洋子 飛ばしたね」
「ええ 気持ちよかったわ 久しぶりよ」
「エンジンは 大丈夫ですか?」
「ええ 赤までいかないわよ 壊したら大変ですもの」
二人はトイレから出ると缶コーヒーを半分ずつ飲んだ
神山がタバコを吸い始めると洋子が
「ねえ 今度はBMWアルピナB12に乗りたいな」
「交代しようか いいよ」
「そうしたら 私 あなたの後ろに入るわね」
「うん ハンドルも扱いやすいよ」
二人は車に戻ると神山はポルシェ911ターボに乗り洋子は
BMWアルピナB12に乗った
佐藤と高橋は運転が洋子に変わったので理由を尋ねた
「ええ これで思い切り走ってみたいの」
二人は言葉をなくしまた緊張した





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