2012年8月11日土曜日

Vol.763 紫陽花 -3-48



6月13日 土曜日 晴れ
神山と洋子は10時ごろ代々木の部屋を出ると洋子を家まで送り
赤坂のスタジオに戻った      
当初 お昼過ぎまで代々木の部屋でゆっくりするつもりだったが
食品協会の眞鍋香織から電話があり今日来る会社の資料を制作したので
事前に目を通して欲しいといわれ帰宅予定を早めた
家に入ると祐子は笑顔で迎え
「神山さん もうすっかり良くなりました ありがとうございます」
「痛みは取れたの」
「ええ 普段に戻りました」
「良かった」
神山は祐子にキスをすると2階の主賓室にはいり着替えをした
ベッドの上を見ると目新しい部屋着が置いてあったが神山は袖を通さず
スタジオに下りると祐子に
「ありがとう 部屋着」
「ふふふ 昨日 そこのホテルまで本を買いに行ったの
よそのフロアも覗いたら神山さんに似合いそうだったから買いました」
「そうか ありがとう でも今日はお出かけさ」
「まあ 大変ですね お食事は」
「うん 遅くなるから 先に寝ていてください」
「は~い 分りました 気を付けてね」

神山は蒼いBMWに乗ると銀座の食品関係協会が入っているビルに向った
ビルの最上階にある日本缶詰産業総合協会の部屋に入ると誰もいなかった
理事室に入ると眞鍋香織がニコニコして迎え
「おはようございます 済みませんでした お休みのところ」
「いや 香織さんの努力に申し訳ないしさ
それから入り口の鍵は閉めておいたほうがいいよ 物騒だし」
「ええ 分りました」
香織は机の脇にあるボタンを押して神山に
「これで 閉まりました 開放する時は再び押してください
赤色が青色に代わるとドアは開きます」
「うん わかった ありがとう」
神山がソファーでタバコを吹かし寛いでいると香織が書類を持ってきた
「この中で 赤丸印が付いているのは理事を顧問などの待遇で迎えたいと
話をされた会社です」
神山はリストを見ると赤丸印が付いている会社は5社あった
「しかし こんなにあっても物理的に無理だよね」
「ええ しかし会社の顔になるので名前だけという会社が多いですよ
以前にもありましたが 会社には全然出社しなくてもいいという会社は
たくさん有りましたよ」
「そうか 本当に名前を貸すだけだね でもいいのかな そんな事で」
「ええ 結局 理事の肩書きが欲しいのでしょ
私だったら 高く売りますけどね 割り切れば損な話しではないですよ」
眞鍋香織は神山に寄り添い会社の説明をしていった
「ありがとう そうすると今日会う会社は18社になった訳ですね」
「ええ それで終了時間を早めました」
眞鍋香織は神山にニコニコと説明をした
神山は18社の会社内容や業績などきめ細かく香織が制作した資料に
一通り目を通すと11時半になっていた
「香織 早いけど食事にいこうか」
「わぁ~ 誘って頂けるんですか」

二人は傍にあるしゃぶしゃぶ屋に入ると
家族連れや若いカップルで賑わっていた
土曜日なので平日のランチメニューはないが土曜ランチを出していた
神山と香織はカウンターに座り土曜ランチと生ビールを注文した
生ビールが来ると神山と香織は乾杯をすると香織が
「今夜はお忙しいですか」
「なんで」
「ええ PCで調べた料亭に予約を入れたいんですよ
安くて美味しくて寛げると出ていました 
今朝電話をしたらまだ余裕があるといっていました」
「場所はどこ?」
香織は神山の家のすぐ近くを言うと神山は
「うん いこう で予算はどのくらい?」
「ええ 一人3万くらいと言っていました」
神山は安いので香織に理由を聞くと
「ええ 普段より安くして色々なお客様に利用して貰いたいと
書いてありました」
「じゃあ 早速キープをしてください」
香織は携帯電話で予約を入れるとOKの返事がきて香織は歓んだ
神山はグラスワインを注文すると香織と楽しくしゃぶしゃぶを食べた
「ところで香織はゴルフはするの?」
香織はニコニコして





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