シャンパンが全員に注がれると石原がろうそくに火を点け
円卓の上にある照明が暗くされ皆でお祝いを歌うと祐子が27本の
炎を消し 神山達は拍手をして改めて祐子を祝った
照明が明るくなると石原が透明のカバーをケーキに掛けて
「お食事の最後にお召し上がりで宜しいでしょうか」
「ええ そうしてください でも素晴らしい ありがとうございます」
「ええ では準備をしますので 少しお待ちくださいね」
神山達はシャンパンで乾杯するとおつまみが運ばれてきて早速食べ始めた
一息つくと神山は祐子に
「祐子 これからもお願いしますね お誕生日おめでとうございます」
そう言って鈴やの包装紙に包まれリボンがついた小箱を渡した
「わぁ~嬉しいわ 開けていいですか」
「うん」
祐子はリボンを丁寧に解き包装紙を開けると可愛らしい小箱が表れた
蓋を開けるとハート型のペンダントでチェーンも一緒だった
「わぁ~嬉しいわ ありがとうございます 神山さん」
「うん 実は洋子が選んでくれた 僕は分らないからね」
「洋子さん ありがとうございます 素敵です」
洋子が神山に
「ねえ 着けてあげれば」
神山が照れていると洋子が祐子の首に着けてあげた
「どうですか 似合っていますか」
洋子は手鏡を祐子に渡し
「可愛くて 素敵よ 似合っているわよ」
祐子は嬉しくて顔を紅潮させていた
カトリアーナも祐子のペンダントを誉めていると神山が
「さあ 次はカトリアーナだ アレックスジャパンの入社決定おめでとう」
神山が言うと洋子と祐子 神山も拍手をするとカトリアーナが
「ありがとうございます 神山さんのお陰で来年から頑張ります」
神山はポワモール ブティックの包装紙に包まれリボンのついた小箱を
カトリアーナに渡すと
「わぁ~ 凄いわ ポワモールって 大好きなブランドよ」
カトリアーナは喜びを抑えながら開けるとネックレスで
「わぁ~嬉しいわ これ欲しかったのよ 神山さんありがとうございます」
「うん 実は これも洋子が選んでくれたんだ ごめんなさい」
「ううん いいの 洋子さんありがとうございます」
洋子はカトリアーナの首にネックレスを着けると手鏡を渡した
カトリアーナは手鏡を覗き再びニコニコして神山に御礼を言った
若い二人はよく話よく食べた
神山は微笑ましく見ていると洋子が
「ふふふ いいでしょ 若い子が歓んでいるのを見るのも悪くないわよね」
「うん そうだね 元気でいいよ」
「でも 3ヶ月前のあなただったらできない事よ
考えて 私のも入れると理事の年収と一緒よ」
「そうだよな ありがたい事さ でも洋子はお金がなくても付いて来るよね」
「ふふふ 当たり前でしょ 分っているくせに もう
でも あの子達もそうよ あなたの魅力に取り付かれているのよ
だから高額なプレゼントだと余計に嬉しいのよ」
「そうか 選んでくれてありがとう」
神山が洋子にキスをすると祐子とカトリアーナが
「洋子さん ずるい もう 私たち我慢しているのに ねえ祐子」
「ごめんごめん ほら その 選んで貰ったお礼さ」
「うそばっかり そんなの会社で済んでいるでしょ もう」
「いや 今日は忙しくて 御礼もしていなかったんだよ だからさ」
「いいわよ 許してあげるわ でも今夜は許さないわよ
カトリアーナと作戦を一杯話したのよ ふふふ
今度は私たちのお礼を一杯受け取ってね ねえカトリアーナ」
「そうよ 今夜は寝かせないわ お楽しみに」
2人は神山が会社に行っている間に色々と話をした様子で
姉妹のように仲良く話していた
神山は注意をして二人の会話を聞いていると時々英語やフランス語で
話しているので不思議に思った
食事が進みワインも2本目を呑むと3本目のボトルを注文した時
石原が神山に
「本日のステーキは 東条さんが焼きます 美味しいですよ
期待をしてください 間違いありません」
「ありがとうございます そうしたらそのお肉を生で下さい4人分
たれはしょうゆにニンニクとしょうがをおろしたものでお願いします」
石原はニコニコして神山にお辞儀をすると下の厨房に戻った
暫くするとワインと牛肉の生を運んできて
「今日のお肉は少し上級ですよ 来られる事が分っていれば
もっといいのを仕入れましたが これもいけますよ どうぞ」
神山は早速食べると柔らかく味もしっかりしていてカトリアーナが
「美味しいわ 初めてよ 柔らかくて」
石原は神山を見ると頷いているので下に戻った
神山達が生の牛肉を食べてから暫くするとステーキが焼きあがり
「神山様 どうぞお召し上がりください」
石原が自信をもち勧めるので一口食べると美味しかった
以前の東条では出来ない芸当で神山は感心して改めて石原に御礼を言った
ステーキを食べ終わると石原がカクテルのカルーアミルクを準備して
バースディーケーキを食べごろにカットしてくれた
残ったケーキは持ち帰れるように箱に入れ祐子のところにおかれた
ケーキを食べ終わると神山が席をたち厨房に行き東条にお礼を言った
「神山理事 今日はありがとうございます 感謝しています」
「東条さん 美味しかったですよ こちらこそありがとう」
神山は石原に会計を頼むと
「今夜は全部で12万円です」
神山は12万円を渡し会計を済ませた
4人は石原にお辞儀をして店を出ると洋子が神山に
「あなた 私はここで」
「うん お疲れのところありがとう 気を付けてね」
タクシーを拾うと洋子が先に乗り手を振ると発車していった
神山もタクシーを拾い祐子とカトリアーナが乗ると赤坂のスタジオに向った
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