2012年7月2日月曜日

Vol.723 ゆり -12-45



「うん 青学に通っているパリの学生さんだよ
それで寮が僕の住んでいる直ぐ傍でそのスタジオで以前モデルとして
撮影をしたことがあるという事で 仲良くなった」
「へぇ~ 神山さんて外人の人にももてるんだ がんばろう」
その話を聞いていたカトリアーナが突然フランス語で由紀枝に
「化粧室が分らないの 教えて」
由紀枝は直ぐに英語でカトリアーナにニコニコして
「そこの赤い電話の先を左に曲がれば化粧室のマークがございます」
カトリアーナが神山に
「大丈夫よ これだけ出来れば充分よ 私より親切に案内しているわ」
由紀枝はフランス語で
「誉めて頂いてありがとうございます」
カトリアーナも英語で
「あなたのフランス語は綺麗な発音で分りやすいわよ」
由紀枝はフランス語と言う言葉にはっとし祐子に
「祐子さん もしかして大学2年の時のフランス語コンテストで
優勝した あの靑山祐子さんでしょ ほら私3番になった
庄司由紀枝よ 覚えていない」
祐子もなんとか思い出して
「あっ 静岡大学の庄司由紀枝さんね 思い出したわ わぁ~お久しぶり」
「わぁ~ほんと お久しぶり~ どこかで見たな~と思っていたのよ」
由紀枝と祐子は友達が増えて楽しかった

「おいおい カトリアーナもお友達だよ お二人さん」
「は~い 分りました ごめんなさいカトリアーナ
でもね 私たちフランス語のコンテストで最後の最後まで
審査員を悩ませたの その時の一番が祐子さんよ 私は3番になったの
その20歳の思い出が蘇ったのよ だからごめんなさいね」
「そうなの 確かそこで優勝するとパリに行かれたでしょ」
「ええ でも実際は結構自分でお金を出さないと観光旅行で終るの 
だから 私は行かなかったわ」
「そうだったの 私はてっきりパリで勉強をして羨ましいと思ったわ」
由紀枝と祐子はカトリアーナを仲間に入れてパリの話で盛り上がった
神山は先程赤いボタンを押したのになかなか来ない女将を直接呼びに行った
「ごめんなさいね こちらのスイッチを切ってあったよ ごめんなさい
今 直ぐに生のピッチャーを持っていきます おつまみもね」
神山が部屋に戻ると3人は楽しそうに話をしていて由紀枝が
「ねえ 今度神山さんの家に遊びに行きたいよ~ ねえ」
「そうだね バーベキューセットを買ったよ 由紀枝と同じ
だから仕事が終る時間に迎に行けばいい訳だね」
「わぁ~ よかった そうすればカトリアーナとも会えるしね」
「でも 夏休みはアルバイトで赤坂には居ないんだよ」
「あっ そうか でも9月になれば会えるもんね 楽しいわ」
襖が開くと女将が生ビールが入っているピッチャーとおつまみを持って来た
「はい それと日本酒よ これはサービスよ」
女将が出て行くとカトリアーナが神山に
「いいお友達がたくさんいるのね 羨ましいわ
だんだんとあなたの良さが分ってきたわ ふふふ 大きいしタフだし」
「おいおい 大きくてタフなのは一番大事だけど
相手と気が合わないと駄目だし 相手の女性もSEXだけ求めるとか
私のお金を目当てにしている人とは駄目だね」
「そうね 優しさとか相手を思う気持ちがないと駄目ね
ふふふ 神山さんをもっと好きになったわ」

カトリアーナは神山に抱きついてキスをしてきた それを見た由紀枝が
「わぁ~ ずるいよ~ 私 神山さんの隣りにすわるわ もう」
結局 神山の横にはカトリアーナと由紀枝が座り祐子は正面に座った
食事が進み神山はそろそろネギトロ巻きが欲しくなり赤いボタンを押すと
女将が直ぐに来て
「ネギトロ巻きですか」
「そう ネギトロ巻きと とろの握りをください」
「何人前にしますか」
「う~ん ネギトロ巻きは6本とトロの握りは4人前でお願いします」
「はい 畏まりました 少し待ってね
しかし ここにいるお嬢さん達 羨ましいね
あの大きいのにお世話になっているんでしょ いいわ~」
「おいおい 女将 お世話になっているのは僕だよ」
みんなが大笑いして女将は襖を閉めていった
カトリアーナの携帯電話が鳴り話し終わると神山に
「神山さん 今日は4時までしか一緒にいられないわ」
「どうしたの 何かあったの」
「ええ 4時から団体のインストラクターをするの 急に決まったのよ」
「良かったじゃないか まあ休みだけど





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