2012年7月11日水曜日

Vol.732 紫陽花 -1-46



「わかった 外に赤いポルシェが止っているから来て欲しい」           
「赤いポルシェ わぁ~ 凄いわ 分りましたいきます」
暫くするとカトリアーナはホテルの裏口から出てきて赤いポルシェを 
見つけると駆け足できて
「わぁ~嬉しいわ 神山さん」
「うん カトリアーナ どうぞ」
神山はカトリアーナを脇に乗せるとスピードを出して発進した
「カトリアーナごめんね 用事が出来たから先に僕の事務所に行くよ」
「ええ 大丈夫よ」
カトリアーナは今までの神山と違う雰囲気を感じたので
これが仕事をしている神山の姿だと思った
神山は出来る限りのテクニックを使ってスピードを上げると
銀座ICまで45分も掛からずに着いた
カトリアーナを降ろし車をホテルの地下駐車場に止めると
一緒に次長室に入った

神山は大竹組の副社長に
「こちらに迷惑を掛けないで欲しい どういうつもりですか」
副社長は自己紹介をした
「神山様 私は本社副社長総務担当をしております中曽根康夫と
申します 昨夜の事件は本当に申し訳ございませんでした
今日 静岡県警から連絡を受けて伺いました」
「まあ 座ってください 私が分るように説明をお願いしますよ」
「実はあの麻生太郎は本社でもどうにも動かせない人物なんです
バックには暴力団が控えていて左遷を伝えると会社を潰すと
大変な厄介者なんです」
「でも それは私には関係ないですよね 警察に話せば済む事でしょ」
「ええ 警察にも何回も話をしているんですよ ですが
会社内の事で実害が無い為に相手にして貰えないんです
そこで 今回の事件を公にしてあの麻生太郎を葬りたいんです」
「う~ん いいんですかね 会社のイメージが相当下がり
最悪は会社が瞑れる事にもなりかねませんよ」
「ええ そこで我々取締役会を本日緊急会議を開き全てをさらけ出し
新しく第一歩からやり直す事で決定したんです
麻生はまだ静岡県警に保留され本日6時に釈放なんですよ
そこで 神山様に刑事事件として静岡県警に話して頂きたいんです
時間が無かったもんですからこうやって 粘りました
神山様の周りの方には大変ご迷惑をお掛けしています」
神山は少し考えてから中曽根副社長に
「分りました 今すぐに電話をします いいんですね」

中曽根副社長は頷くと神山は静岡県警の担当者に電話をした
静岡県警担当者は今朝釈放と言って今ごろ何故刑事事件扱いに
するか聞いてきたので 中曽根副社長から言われた事を
掻い摘んで分りやすく説明すると担当者も暴力団の事は把握していて
神山の発言で一歩進んだと歓んでくれた
「いや~神山さん 我々も暴力団との癒着を把握しているんですが
なかなかしっぽが掴めなくてどうしても一般人の証言が必要だったんです
でもこれで少しは暴力団の撲滅に進みますよ
本当にありがとうございます」
「では お願いしますね 詳細はCCAから聞いていると思いますが」
「ええ あちらからの情報で充分です」
「あの~ 逮捕は何時ですか と言うのは先に新聞屋が走ると
会社が潰れます 情報を本社の中曽根副社長まで教えて頂ければ
新聞社には先行して情報を流す事が出来ます」
「はい 分りました そうですよね 大きい会社だから
こういったスキャンダルは致命傷ですよね
神山さんの顔を潰さないように動きますよ
それから 他の4人に付いても逮捕します いいですね」
「ええ 逮捕の時に会社では懲戒免職を発令します
タイミングがあるのでなるべく早く情報をお知らせ下さいね」
「はい 分りました ご協力ありがとうございました」

神山は電話を切ると中曽根副社長に県警担当と話した内容を伝えると
「神山様 本当にありがとうございます
そこで神山様 実は私共日本建築総合センター東日本建築協会で
会社側の団体で理事をしておりまして神山様が協会理事にご就任された事を
いち早く情報をキャッチしました ご就任おめでとうございます
これはご就任お祝いでございます」
神山はこの部屋で協会の仕事をしないと宣言したばかりだが洋子を見ると
ニコニコして頷くので
「ありがたく頂きます ありがとうございます」
「それと 静岡県警に聞いたところ大変な功績を残されていると言われ
是非 私共会社の顧問でお迎えしたいと思うのですよ
これは私の意見ではなく取締役会議の決定事項でございます
社長と並ぶ顧問でございます





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