2012年7月20日金曜日

Vol.741 紫陽花 -1-46



「はい で車は使っていい」
神山は頷くとフェアレディーZの鍵を渡した
洋子は重たそうにバッグを持って換金をする為に部屋を出て行った

神山は洋子の机にGプロに行くとメモを残して次長室を出た
Gプロの部屋に入ると佐藤部長が神山に
「山ちゃん じゃない 神山理事おめでとうございます
今朝知りましたよ それで アルタスカイとアルタの社長内藤が
これを理事にと言われました お祝い金です どうぞ受け取ってください」
「参りましたね はいありがとうございます
それで どうですか B案は」
「ええ 設計の渡辺と話を詰めていますよ」
「アレックスジャパンのブースはどうですか」
「ええ 今 3案出しています ただ鈴や食品ブースとの地下部分で
折り合いがつかなくて 悩んでいますよ」
神山は佐藤に躓いたら基本に戻って考える事を伝えた
佐藤部長に断り部屋を出ると次長室に戻った
「あ~ 重たかったわ」
「うん ありがとう それで率はどうだったの」
「ええ 95%でしたよ」
「重たいところありがとう そうすると4750万円か
ねえ 洋子 それ全部洋子にあげるよ ボーナスだよ」
「えっ 何で そんな」
「いいから 取っていきなさい」
「わぁ~嬉しいわ 頂きますね」

神山は頷くと内藤から貰った包みを開けた
現金が3000万円入っていた
神山はロッカーにあるバッグに入れると洋子に
「洋子 誕生日はいつ?」
「えっ 8月の18日よなんで?」
「うん 何にしようか 考えているところさ」
「それだったら 亜矢子さんが先よ 8月の8日よ
10日違いで覚えているわ」
「そうすると洋子が40歳で 亜矢子が37歳か
ねえ 洋子 これから指輪のサイズを測ろうよ」
「ねえ 40歳を強調しなくても良いでしょ もう
でも 指輪のサイズは良いわね 行きましょうよ」
二人は店内に行くと貴金属売場で洋子の指輪サイズを測り洋子はメモをした
洋子はガラスケースに並んでいるダイヤの指輪を見ていたが神山が
「ここに並んでいる指輪は会社には向かないでしょ
どちらかと言うとパーティーなどで使う事が多いと思うな」
「そうね 会社には付けて来れないわね」
二人は2階のブティックに行き 世界的にアクセサリーや皮小物で有名な
ポワモールのブティックに入ると結構普段着でも付けられる
高級品が並んでいた

神山が価格を見ていると洋子が
「さすがわパリね いい値段しているもの
ねえ なぜうちにモテリコが入らないの」
「うん ほらこことモテリコはパリでも競争しているでしょ
だから そこのデパートはモテリコは入っているけどポワモールは
入っていないとか デパートは結構そうなっているよ
もともとモテリコはイタリアだったけど本社をパリに移してから
お互い競争意識が強くなったね」
「そうなの よく知っているわね」
「うん ニーナ・ニーナの筒井さんから色々と聞いたからさ
ねえ この指輪だけど 洋子に似合うよ会社にもして来れるし どう」
洋子は神山が勧めた指輪を見ると確かに良かったが年齢的に
少し派手な感じがしたので
「本当に そう思う」
「うん 間違いないよ」
神山は店員にサイズを言って出して貰うろ洋子も気に入った様子で
「いいわね これ」
ガラスケースに置かれた鏡を見ながら手を動かし指輪を眺めた
3連の指輪で両脇がホワイトゴールドで真中がゴールドのコンビで
真中のゴールドにダイヤが埋め込まれているデザイン的におしゃれな
指輪だった
神山は洋子が気に入って指から外さないので店員に値段を聞くと
「はい こちらは280万円でございます」
神山は商品券を280万円分出して会計を済ませると
店員に
「箱だけ下さい 本人そのままつけていくから」
店員は返事をすると指輪の箱を丁寧に包み洋子に渡した
「ふふふ 今は右手だけどいつ左手につくかしら ね~え」





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