「いや いい内容ですよ 続けてください」
神山は佐藤部長を呼ぶと
「段々と出来てきましたね もう僕も安心です ここまで来れば
それで建築設計のエキスパートを一人呼んで貰えませんかね 28日からで
結構です 理由はこれからどんどんとデザインを出していく上で
並行作業をして建築設計からの視点なども取り入れていけばいい物が
出来ると思うんです 来て貰うのは毎日じゃなくて結構ですよ」
「そうですね その方が現実的な案も出てきますし早く進みますね
分りました 早速手配します それから昨夜はご馳走様でした」
「いえいえお願いします それと勤務表ですがこの部屋に置いて頂けませんか
アルタ本社同様日曜日公休ですよね それはそれで行きましょう
あと週に1回公休があるので ここで僕が確認をしたいんです
出来れば一斉公休の方が都合がいいんですが」
「そですね その方が私も管理しやすいですよ
どうでしょうか 土日にしては
今週は26、27を当てて30日から土日では」
「そうですね イレギュラーが発生し出勤となった場合は翌週で
調整しますか」
「ええ そうすると助かります」
「では お願いしますね 私は6時を過ぎたら戻りますから」
「はい 分りました」
神山はみんなのディスカッションを聞いて方向がずれる時に修正をした
18時になるとGプロの部屋を出て次長室に戻ると洋子がニコニコして
「はい 出来ました これで良いですか」
車のカタログを神山に手渡し見せた
「うん 上出来 ありがとう エピソードが面白いね
こんなにあるとは思ってもいなかったよ
あと この車を日本に持って来た時に使える写真を撮影したいんだ
あっ そうか上にいるな ちょっと借りるよ」
神山は再びGプロに部屋に戻ってグラフィックデザイン担当の田辺を呼んで
「この車を生かす方法を考えてください 時間は有るけど早い方がいいね」
「もしかして 撮影ですか」
「そう 現在日本に来ていない 御殿場アウトレットに持っていく前に
使える写真を撮って置きたいわけさ そのデザインをお願いします」
「はい 分りましたPC画像で良いですか」
「うん OKだよ ではお願いしますね」
神山は次長室に戻ると洋子に
「さあ 今日は終わりだ 洋子お疲れ様でした」
「お疲れ様でした あの~今夜は」
「うん 他に行くところが有るから良いよ
気にしないで もう少ししたら帰るけれど先に帰っていいよ」
洋子は一瞬戸惑ったが気を取り直して
「は~い 分りました ではお先に失礼します」
「うん 明日も頼むね」
「は~い」
洋子が部屋を出て行った後 神山はタバコを吹かして洋子の事を考えた
よく働き頭脳明晰 下からも慕われて人間的にもOK なのに
神山の周りの女性には執拗なほど拘りを持っている
しかし反省をしたが何処まで変えられるか疑問符が付いた
一方洋子は一人寂しく電車の中で自分を変えようと反省していた
(もう昨夜のようなことは絶対に慎もう 嫌われたら いく場所がないわ
女についてあれこれ詮索するのは辞めよう でないと嫌われるわ
もう他の女の事を考えるのはよそう
今まで気にしていない振りをして実は束縛していたんだわ 辞めよう)
洋子は気が付くと何か吹っ切れて明るい表情になった
神山は赤いポルシェに乗ると由貴のマンションに行った
部屋に入ると
「ふぁ~ お帰りなさい 由貴寂しかったよ うれしい~」
神山はキスをして
「さあ 食事に行こうか」
「えっ 由貴が作ったよ だめ?」
「おお ありがとう 助かるね」
「ねえ そうしたら 先にシャワーを浴びてきて お願いしますよ」
神山は脱衣所で脱ぐと由貴が脱いだ物を丁寧にたたみ寝室に持っていった
簡単にシャワーで洗い浴室を出ると着替えの部屋着が用意されていた
ダイニングテーブルに着くと由貴が
「ふふふ洋子さんと仲直りしたでしょ」
「えっ なんで分るの」
「だって いい香りがしたもん ふふふ」
「そうか分るか」
「さあ 今夜ね しゃぶしゃぶにしたの ニンニクを一杯使って元気よ」
「由貴 そうしたら 今度外でバーべキューをしよう
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