2012年3月20日火曜日

Vol.619 ゆり -7-40



神山はそう言うとタバコを吹かして坂を上がっていった
もう女性の事で金輪際打ち明けるのを辞めようと思ったし
関係のある女性と一緒に逢わせるのも気を付けようと思った
洋子が後ろから付いて来て
「ごめんなさい 済みませんでした 謝ります」
「謝って貰っても もう戻れないんだ あそこには 帰る
君が彼女達の面倒を見ていればいいよ おやすみ」
洋子はもう何も言えなかった
自分が犯した事に反省をしても前に戻れなかった
神山の言う通りはしゃぎすぎたと反省をした
これ以上言って神山を引き戻す事が出来るか考えたが無理と判断した

5月23日 土曜日 小雨
神山は久しぶりに自分のベッドで起きた
昨夜は帰宅した後 由紀枝と随分と長話しをして 寝たのが23時だった
神山にしては早かったがすぐに寝付いた
小雨が降っていたがテラスに出て屋根のある所でビールを呑んで
タバコを吹かした
昨夜の事も気になったが 仕事が早く進まないと自分の
首を絞める事になるので 進め方を考えた
朝の7時ならば由紀枝は起きていると思って電話をすると
「わぁ~ 凄いわ 又 電話貰った嬉しいわ~ おはようございます」
「やあ おはよう 元気だね」
「ねえ 神山さん 気を悪くしないでね 昨夜洋子さんと喧嘩したでしょ」
「えっ ううん、、、そんな」
「ね やっぱな~ 神山さん可笑しかったもん 由紀枝分ったよ
でも言うと電話切られるから言わなかったの 
ねえ 仲良くして でないと私会えなくなるでしょ そうなると悲しいわ」
「そうか 分ったか ごめんなさい 謝るよ
うん そうだね由紀枝のお姉さんだもんな わかったよ」
「わぁ~よかった 嬉しいわ 昨日は亜矢子さんがお休みだったの
でも人事の坂井さんがこれまた出来ている人で優しかったわ
今日は少し早く行って亜矢子さんの傍にいて10時から研修です」
「そうなんだ 忙しい所ごめんね」
「ふふふ 今ねおちんちんを思い出してクリトリスを触っているの」
「えっ な なんで また、、、」
「ふふふ う・そ・よ・逢うまで大事に仕舞っておくんだ」
「もう 朝からどきどきさせるなよ それでは頑張ってね」
「は~い 分りました では」

神山は電話を切ると由貴に電話をした
「神山さん 昨夜はごめんなさい ほんと反省しています」
「やあ おはよう うん済んだ事は仕方が無いよ
それより21日の件はどうだったの 昨夜聞きたかったけど
安田桃子ちゃんが居ただろう」
「ええ 私も話したかったんですよ それが久保チーフが20日の夜
残業終って実家に帰ったんですって で21日ですけど連絡が取れなくて
筒井さんから私の所に電話がきたと言う事です
最初20日に本社で残業が終った時は普通に帰ったんですって
それから5分位してまだ残っていた事務の杉浦さんに電話があって
突然実家に帰ると言われてそれから連絡が取れなくなったんです」
「そうすると彼女は何時出勤なの」
「ええ 昨夜戻っている筈だったら今朝からです 私が休みなので上原です」
「わかった 筒井さんは何処まで知っているの」
「ええ 杉浦さんに聞いていましたから全体を把握していると思いますよ」
「わかった 今までも助言をしたが 黙っていなさいね
ただし 筒井さんから聞かれたら正直に話すんだいいね」
「はい 分りました
それから神山さん 洋子先輩 泣いていましたよ
許してあげてください お願いします」
「うん わかった」
「ふぁ~本当ですか 良かった だってね神山さん
私は秘書に向いていないとか 神山さんに迷惑ばかり掛けているって
もう桃子と二人で宥めるのに大変でしたよ
あのあと日本酒をがんがん呑んでいましたよ びっくりです
私も抱いて欲しいけど 洋子先輩にも優しくしてくださいね」
「うん 大丈夫だよ 由貴は今日休みか ねえ由貴 ポルシェは
運転した事あるかな」
「えっ ある訳無いでしょ あんな高い車 買ったんですか?」
「うん 今日納車さ」
「えっ 凄い こんど乗せてください」
「うん いいよ あっ それとそこの住所は教えたの洋子に」
「いいえ だってそんな雰囲気じゃないですよ だから大丈夫ですよ」
「ありがとう でも桃子ちゃんには分っちゃうね ははは」





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