2012年3月22日木曜日

Vol.621 ゆり -7-40



神山は電話を切ると時計を見て
「このまま皆で12時まで行って昼に行って下さい
僕は夕方戻ります 今の方向性でいいし ニーナ・ニーナだけ
もう少し揉んでください 孝ちゃんお願いしますね」
「山ちゃん スケジュール出来たよ」
「おお ありがとうございます では見ておくよ」
高橋からスケジュールを受け取ると
「部長は知っている?」
「ええ さっきFAXしました」
「了解です 詳細は部長とつめるね」
神山はそう言うと次長室に入り洋子を呼んで
「ほら 行くよ」
洋子は嬉しさをどう表現したらいいか分らなかった
「ほら なに座っているの さあ」

神山は傘を持って洋子を一緒に部屋をでた
洋子は神山と並んで歩いたが傘が邪魔をして話せなかった
パーキングに着くと人だかりになっていて神山が
「すみません 今 納車です 色々と話がありますので
皆様どうぞご理解を下さい お願いします」
神山がお辞儀をしながら人だかりを解くと営業マンが
「やはりポルシェですね どこに行ってもこの人気ですよ」
「ありがとう 凄いね 正直驚きました」
「ええ 僕もようやくなれましたよ では説明しますね」
営業マンの説明が始まった
神山は分りやすい説明に頷きながら聞いていた
最後に書類にサインをして完了すると神山が鈴やの周りを
廻って戻ってきた
「凄いですね トルクが何とも言えないですよ」
「でも フェアレディーZも良い感じでしょ」
「ええ 比べ物にならないですよ ありがとうございます」
「何かありましたらお電話を下さい 精一杯努力をいたします」
「うん わかった」
営業マンは神山に挨拶をして帰っていった
「さあ 洋子乗って」
左ハンドルの運転席に座って洋子を右に乗せた
神山はゆっくり出ると銀座ICで首都高に入るとスピードを上げた
フェアレディーZもアクセルコントロールをしやすかったが
このポルシェ911ターボはそれ以上に扱いやすかった
コーナーでもスピンをしそうだが安定していた
一周して銀座で下りるとハイオクを満タンにしてホテルの地下駐車場へ止めた
ホテル禅の地下駐車場を借りる時の条件で警備員室の傍を伝えたので
神山の赤いポルシェは警備員からよく見えた
車から降りて警備員に挨拶をすると
「貴方が そうでしたか 悪戯されないようよく見張りますよ」
「お願いします」

警備員は帽子に右手を持って行き敬礼をした
ポルシェに乗った洋子はようやく元気になって
「素敵ね 私も欲しくなったわ いいわ~」
「ははは ようやく元気になったね」
「そうよ 車は私の思い通りになるから大好きよ」
洋子はしまったと思ったが遅く神山が
「そうだよな 車は嘘や隠し事をしないで素直だもんな」
「ごめんなさい 許してごめんなさい」
「しかし 車とはSEX出来ないし 愛撫もしてくれないけどね」
「ごめんなさい 本当にごめんなさい」
神山は洋子に
「でも 洋子が言った事が本音だったら僕には咎める事は出来ないしね」
「ごめんなさい 謝ります 済みませんでした」
「うん でも仕方が無いんだろね わかったから元気をだせよ」
神山は洋子が考えている事も分った 自身も嘘を付かない車が好きだった
ここのすり併せをしておかないといけないがどうしたら良いか分らなかった
部屋まで二人とも無口で神山は次長席に座り洋子は受付に座った
暫くすると内線がなって洋子が受け取ると
「Gプロの高橋さんです 3番です」
「うん ありがとう はい神山です」
「山ちゃん どう 久しぶりに」
「ごめん ちょっと駄目なんだ」
「了解です」
神山は電話を切ると洋子に
「洋子 お昼に行くよ」
「誘ってくれるんですか 本当に」
「おいおい いこうよ ほら カーキチさん」





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