2012年3月11日日曜日

Vol.610 ゆり -6-39



旅行の纏めと 自分が何に感銘を受けたか
それを今後どのように生かしたいかを書いてください
このレポートはアルタ人事考課の一環です 時間は12時まです
今日は14時から仕事を始めます 宜しいですね レポートには
ご自分の氏名を忘れずに書いてください」
神山は佐藤に
「どうされたんですか 部長直々に」
「いや~ ほら彼らと会っていなかったから見にきたのさ
しかし山ちゃんの言う通り 済みませんでした」
「いえいえ そんな 部長申し訳ないんですが
僕達はアレックスジャパンに行きます 14時には戻ります」
「もう 進んでいるんですね」
「ええ 大分 たたき台も一杯書きましたよ」
「そうですか 分りました 行ってらっしゃい」
「では」

神山と洋子は次長室へ戻り
「洋子 これからアレックスジャパンへ特別軍資金を受け取りに行く
一緒に来てくださいね」
「はい 分りました この格好でいいかしら 特別軍資金って?」
「うん 色々とさ 向こうがくれるんだ」
「あっ 例の事件?」
「うん そんな所かな」
「でも いいかしら 大丈夫?」
「うん 美しい OKだよ」
二人は仕度をしてホテルの地下駐車場に行って車に乗った
青山のアレックスジャパンまですぐに着いて8Fに行くと
「やあ 神山さん元気」
「やあ Jr 元気そうだね」
二人は抱き合い 挨拶をした
早速ガラス張りの社長室へ入るとJrが引出しから2000万円をだして
「これからもお願いしますね」
「分りました ありがとう」
神山は大きなバッグに入れると打ち合わせに入った
静岡県のスタンスや御殿場プロジェクトの考え方など情報提供と
今後の進めかたや資金に付いて納得をして貰った
「大丈夫だよ 神山さん 父は信じているから
我社の事だけでなく御殿場アウトレットの繁栄はそのうち
後になって我社に利益をもたらすと考えているよ
あそこが成功すれば我社は安泰だよ アルタも一生懸命に動いているよ」
「わかった ありがとう では10億単位で動くけれど頼みます」
「うん 全然心配しないで」
この打ち合わせでは二人の秘書 洋子と涼子が同席をして
メモを取っていた 話し合いが終るとお互いにメモを交換して
発言に間違いがないかチェックをしてサインをした
Jrはサイン交換が終ったのを見て神山に
「ボーンが本国に返されたよ 今日連絡が有った」
「わかった ありがとう」
「神山さん それから 辞令です どうぞお願いします」
神山と洋子は英文で書かれている辞令を受け取りJrにお辞儀をした
再び二人は握手をして別れた

車に乗って暫く走ると赤坂のポルシェジャパンが見え神山は立ち寄った
ショールームに入ると6台飾ってありどれも輝いていた
神山が目にしたのは20%OFFのびらが付いた赤いポルシェ911だった
傍に近寄って見ていると店員が来て
「いらっしゃいませ 実はこの車はまだ新車なんです
昨日納車したんですがお客様が不要という事で引き上げたんです
メーターを見ていただくと分りますがまだ50Kmしか走っていません
この車は先程展示したばかりですお買い得ですよ」
神山は20%OFFなら税金や手数料を入れても新車を購入するより
安いと判断して購入する事を決めた
店員によると手続きで2日掛かると言われOKを出した
カウンターで色々な書類にサインをして押印をした
「では23日の納車は会社にお願いします 何時になりますか」
「ええ 11時にはいけますよ」
神山は先程アレックスジャパンから貰ったお金で1450万円を払った
ショールームを出ると洋子が
「凄いわね ポルシェ911ターボを買って」
「うん 自家用だからね 何時もZばかりよりね それにレンタカーは
甘いし気を使うからね」
「ふふふ そうね でも乗せて欲しいわ」
「うん いいよ」
「さて お昼だけど何処で食べようか」





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