2012年2月28日火曜日

Vol.598 ゆり -6-39



焼いた物だが素材のぷりぷりと甘さが合って美味しかった
神山と洋子は出てくる料理が味といいい鮮度といい文句のつけようが無く
ナイフとフォークを忙しなく動かし食べた
ステーキが出され神山が一口食べ洋子に
「うん 美味しい これはお肉だけではなくて調理方法だね」
「ええ しかしなんともいえないわ やはりたたきより全然美味しいわね」
二人はステーキを味わって食べ終わると最後のフルーツが出てきたが
これが見事だった
氷を彫刻した器にフルーツが色とりどり並べられ見た目も美しかった
「ふぁ~ 素敵 初めてよ氷の彫刻なんて 見た事無いわ」
「うん 僕も初めてだ でもいいのかな こんなに優遇されて」
「いいじゃない でもTJは営利目的ではなくてこういう事を多くの
人に知ってもらう為でしょ だから貴方がみんなに風潮しなければ」
「まあ そうだね」

二人はフルーツを食べ終わりカウンターに確認すると責任者が
「勿論 全て無料とさせて頂きます ありがとうございます」
神山は洋子に
「洋子 本当に泊まれるの?」
「ええ 大丈夫ですよ 今朝 母に嘘を言ってきたわ 
残業が一杯あるからどこかに泊まるって ふふふ」
「まあね 嘘も方便と言うからね では久しぶりに代々木にいこう」
神山達はタクシーで代々木のマンションに行った
部屋に入ると洋子はガラス戸を開けて空気を入れ替えた
「ほんと 久しぶりよ 確か4日と5日に連泊したのが最後でしょ
2週間も利用していなかったんだわ」
「まあ ここは代々木ホテルだよ 二人きりのホテル」
「ねえ あなた 玄関にメモが」
神山は管理人室に行ってワインを受け取って
「すっかり忘れていたよ 管理人も助かったって言っていたよ ははは」
神山は着ている物を脱いで部屋着に着替えると洋子も着替えた
「ねえ ワインが一杯あるからワインでいい?」
「うん いいよお願いします」
洋子はワイングラスを用意して届いたばかりの伊豆ワインを
二人のグラスに注ぐと
「では 2週間ぶりのホテルに乾杯」
二人は色々と話していたが神山が御殿場の話になるとうやむやにするので
「ねえ あなた御殿場に出来たでしょ はっきり言って
私は咎める事は出来ないわ ただ嘘をつき通すと必ずどこかで
歪が出るのよ だから怒らないし 逆に素敵だと思うわ
だってそうでしょ 素敵な男性と選ばれた女性 その女性が
一人だったらそれでお終いでしょ でも貴方のようにどんどんと
増えてくれば 私は はみ出さないように努力をするわ
だから正直に教えて お願いします」

神山は考えてから伊豆赤沢ホテルの出来事や由紀枝の部屋探しから
就職の事まで話すと
「凄いわね やっぱり貴方は人気が有るのね 分ったわ でもその人は
その人よ 私といる時は私だけ愛してね」
「うん わかった」
「しかし 亜矢子さんも観る目が有るのね 椿支配人が面接で何も
言わなかったという事は亜矢子さんの実力が分るしね 凄い子ね
それで 幾つなの その子は」
「うん 27歳だったな 高校生の時に父親を無くして母親一人で
大学を卒業して最初の職場でいやな事が有り退職 その後
伊豆高原 赤沢ホテル料理長をしているおじさん 大竹さんの
紹介で 就職をしたという訳」
「へぇ~ 頑張り屋さんなんだ 会ってみたいな ねえ あなたの事だから
美しい子でしょ それでおっぱいが大きくて」
洋子はにやにやして神山を攻めた
「うん でも結果論だよ それは」
「うん 亜矢子さんやるわね 大したものね 私も若い子を探そう ふふふ」
「それと洋子 明日だけど 午後から泊まりで御殿場に行く 
明日の午後に納車があるんだ それで行って来る
あと管理人が不信な行動が有るので不動産屋と相談してくる」
「まあ 車を買ったの?」
「うん 雨の日に便利だしね」
「ふぁ~ 欲しいな 良いな~」
「いいよ 買っても」
「まあ冗談として 管理人の不信な行動ってなに」
神山は昨日起きた事を説明すると洋子は
「怪しいわね それで今はどうしているの」
「うん ドアフォンのモニターで確認をしてから開けるように言ってある」
「でも 私だったら 管理人を変えて貰うわね 絶対に可笑しいって





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