2012年2月20日月曜日

Vol.590 ゆり -5-38



「えっ まだ一緒に居るの」
「ええ 今 山中湖でお昼ご飯でーす」
「へぇ~ 会社は大丈夫なのかしら」
「ええ 午前中に連絡無い時は今夜も泊まってくれると言っています」
「えっ 今夜も泊まるの、、、あなた羨ましいわね あ~あ いいな~」
「とても幸せです 優しいし、、、」
「わかったわ それで電話をしたのは貴方の入社のことに付いてなの
メモは出来る?」
「ええ 大丈夫ですよ 仰ってください」
「まず 5月21日は10時に入社式を行うわ だから挨拶があるから
30分位前に来てね それからそのあとに色々と入社に関する
手続きがあるの これが書類を一杯書く訳 大体3時間くらいかかるわ
勿論 簡単な作文があるわ このホテルでしたい事とか テーマは
自由よ 勿論 ホテルについての考え方とかね ほんと自由
その間にお昼があって その作文が終るとその日は終了よ
それで帰れるけど従業員の送迎バスが6時なの早く帰りたい時は
タクシーで帰るしかないわね」
「あの 私マイカーで行っても良いですか」
「えっ マイカー」
「ええ 神山さんに買ってもらったんです 可愛いのを」
「へぇ~ 良かったわね ええ大丈夫よ 社員の駐車場はお客様の
駐車場の反対側なの 最初は分らないから教えてあげるわね」
「ふぁ~ ありがとうございます」
「それで 最初の一ヶ月は色々な部署で働くわけ なので朝9時から
夜6時までの勤務 それで土日のお休みは
6月一杯までは半分 だから土日は6日位取れるわね 
貴方の場合は中途入社だから 結構自由にお休みが取れるわよ
それと貴方の面倒を見る人は人事の坂井 登志子さんが見ます
最初の一ヶ月を過ぎると愛さんの下で勤務する事になるわ」
「はい 分りました ありがとうございます そうするとお休みの
スケジュールはその人事の方と決めれば良い訳ですね」
「そうね 彼女も普段は内務だけど接客業務だから
彼女に合わせる事があるわね」
「はい 分りました メモをしました ありがとうございます」
「そんなところかしら 何かある?」
「ええ 今の所何も無いです 英会話のテストは無いですよね」
「ええ それは2週目か3週目にフロントの実習があるのでその時ね」
「はい 分りました それから神山さんと変りましょうか」
「ええ では替わって」
「神山です こんにちわ」
「もう いいですね若いと元気でしょう」
「いやいや 女性に年齢は関係有りませんよ しかし色々と
片付けましたよ ようやく落ち着きました」
「ご苦労様でした 車も買ったって言っていたわよ」
「うん 雨が降ったときなど考えるとマイカーの方が安心でしょ
バスを待つより それと普段の買い物にも便利だしね」
「それでどんな車なの」
「うん 日産のマーチって可愛い車さ 以前乗っていたそうだ」
「へぇ~ そうなの 喜んでいたわよ 優しいのね」
「まあまあ ところで休みは」
「明日だけどこれから母のとこに行って明日は昼頃戻るわ」
「そうか では今夜は無理だね」
「ええ また時間作ってね」
「うん また電話をします」
「彼女をお願いしますよ」
「了解です それと例の老人ホームの件 わかったら電話をするよ」
「ええ お願いします」
「では」
「は~い」

神山は由紀枝に携帯電話を返すと
「亜矢子さんが 由紀枝をお願いしますって そう言っていたよ優しいね」
「ええ 本当にお姉さんみたいに優しいわ」
神山と由紀枝が亜矢子と話している間に料理が運ばれて食事を始めた
最初のビールが無くなったので神山はワインを注文した
「どちらのワインが宜しいですか」
「うん このステーキに合うワインならどれでもいいよ
それと この高いステーキを単品で下さい お願いします」
ウエイトレスはニコニコして厨房へ戻った
神山と由紀枝は生の牛肉を食べると味が濃厚で美味しかった
最初に出てきたスープも味がしっかりしていて玉葱の甘さが充分出ていた
由紀枝は先ほどから笑顔のまま食べてワインも良く呑んだ
「そうだよ 由紀枝 帰りに酒屋に寄ってブランデーを買わなくてはね」
「ええ 私も忘れていたわ お願いします」






.