2012年2月5日日曜日

Vol.575 ゆり -4-37



「うん あいつ淡白なんだよ もっと抱いて欲しいのにさ
自分が終ると私の事全然気にしないの しらけるよ もう」
「なんだ そっちの話しね 別れれば そんなの
貴女を大切にしない男なんて屑よ」
「へぇ~由紀枝どうしたの 普段と違うよ へぇ~」
「いいの わかった 別れなさい その方が貴方のためよ」
「なんか 急にお姉さんになって もしかして、、、」
「そうよ わたしバージンを神山さんに差し上げたの
だって私を大切に愛してくれているからよ」
「へぇ~ 凄い そんあ~ あんなに男嫌いだったのにね~」
「ええ だからこの人って思ったのよ だって正直で
優しくて SEXは強くて けんかも強くて いいでしょ」
「へぇ~ そうなんだ 凄いわ」
「だって昨日だって指名手配の犯人を投げ飛ばして警察から誉められたの」
「へぇ~ そうなんだ」
「多分朝刊に載っているわよ だから貴女を大事にしない男は捨てなさい」
「由紀枝 なんかすごい説得力があるよ わかったわ
あっ 神山さん ごめんなさい 由紀枝をお願いしますね」
「ありがとう また遊びに来るよ その時はお願いしますね」 
「は~い 畏まりました まってま~す じゃあ由紀枝 ばいばい」
「うん ばいばい」

神山は由紀枝を抱きしめてキスをした
「もう 駄目です まだ来ますよ もう」
「どこで食べようか」
「神山さんさえ良かったら寮食食べられますよ ビールも有るし
ただ1000円掛かりますよ その代わり味は確かよ」
「うん いこう」
神山と由紀枝は食堂に入ってビールを2本買って神山は
カウンターのおばさんに1000円払うと食券を渡され
何を選んでもいいと言われカツどんと鰻の蒲焼を貰った
二人で向かい合わせで座っていると由紀枝の友人が来て
なかなか食べられなかった
「ごめんなさい 折角のビールが、、、」
そう言い神山のビールを一気に呑んで新しい冷えたビールを注いでくれた 
「さあ 食べましょう」
二人はようやく落ち着いて食べる事にした
結構美味しくて蒲焼を食べると由紀枝が
「神山さん 御代わりは自由よ もっと食べて 持って来るわね」
そう言って鰻の蒲焼を持ってきてくれた
二人が食べ終わると由紀枝の後輩が来て 
「先輩 寂しいですよ 頑張ってくださいね」
「ええ 大丈夫よ ありがとう 貴方達は先輩の言う事をきちんと
実行していれば 誰かが認めてくれるわ だから頑張ってね」
「はい 分りました」
「私も同じ海が見えるから 寂しくなったら海に向って
思いっきり泣きなさい わかった いいわね」
「はい 分りました ありがとうございます」
後輩達が由紀枝と別れの挨拶をした後に神山を見て
「あれ 神山さんじゃないですか ふぁ~神山さんよ ねえ」
しょんぼりしていた後輩達はまだ知らない後輩を集めて 
「ふぁ~ ほんと神山さんだわ どうして」
由紀枝が
「もう 静かにしなさいよ 怒られるでしょ私が もう
神山さんに私の引越しを手伝ってもらっているのよ
ね だから静かにしてね」
「はい 分りました ごめんなさい」
由紀枝は良いお姉さんだった 後輩は静かになって席に戻った
そんな騒々しい昼食を済ませると神山は後輩に向って
「近いうちにお邪魔します その時はお願いしますね それでは」
そう言うと手を振って食堂を後にした
部屋に戻ると神山は由紀枝に
「由紀枝 30分寝かせてくださいね」
「はい 分りました ゆっくり寝てください」
神山は由紀枝のベッドに横になって寝た
由紀枝は窓際に座って普段と同じ様に読書をした
海からの優しい風が気持ちよくて由紀枝も寝てしまった
神山が目を覚ますと由紀枝は窓際で寝ていて神山はくっすと笑った
「由紀枝 起きて」
「ふぁ~ 寝てしまった ごめんなさい」
「うん いいよ それより風に当って大丈夫?」
「あっ 大丈夫ですよ ありがとうございます」
「そうしたら 近くのNTTに行って手続きをしようよ
家庭用品の こまごました物も買おう」





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