「もう 分っているけど 出てくるの 煩いわねもう これ新しい住所と
電話番号よ 何かあったら連絡ちょうだい」
「携帯は」
「うん そのまま」
「うん神山さんに甘えなさいよ 一杯 でもいいわね~ さあ行きなさいよ」
「うん 時間が出来たら宿泊に来るわ お客さんで その時 宜しくね」
「うん 凄く美味しい納豆を探しておくよ」
「うん じゃあ おじさんとこいってくる」
「うん ばいばい」
「うん ばいばい」
由紀枝は厨房の裏口から入っておじの大竹に挨拶に行った
大竹はまた何かあったら連絡をしなさいと優しく言って送り出してくれた
由紀枝は挨拶を終えたので従業員出入り口に向うとフロントから友人が
「由紀枝~ 今日だけはここから出たら ねえみんな」
お客が居ない事もあり由紀枝をホテルの玄関から出してくれた
由紀枝は玄関の外から皆にお辞儀をして別れた
後輩のグループが花束を持ってきて
「間に合いました 先輩 頑張ってください」
後輩達はホテルの生け花をいけ替えている花屋さんに電話をして
由紀枝に花束をプレゼントした
もう止らない涙が由紀枝の生活した思い入れを語ってた
神山が優しく
「さあ 新しい自分のスタートだよ」
由紀枝は頷いて皆に手を振って後にし 女子寮に置いてあるバンに乗った
「神山さん またこれますよね」
「うん 今度はお客さんとしてねこよう」
神山は車を走らせて熱海 小田原経由で由紀枝の部屋に向った
時計は9時を指していたので飛ばすがZのようにスピードが出なかった
それでも由紀枝のマンションには10時30分に着き配達指定時間には
間に合った
部屋に運ぶ時に管理人が自動ドアを開放にしてくれたので助かった
ダンボールの荷物を部屋に振り分けが 終ると家具屋と電気屋が来て
部屋の中は二人の居場所が無くなるほどてんやわんやした
神山が電気屋を見つけると
「済みませんが もうすぐガスの点検が来ますのでガステーブルの
設置を先にお願いします」
そう言うと電気屋は幾つもあるダンボール箱から探し出して
ガステーブルを設置してくれた
暫くしてガス屋が来てガス開栓をしガス供給量やバーナーテストなど
行って以上無しと言い帰っていった
電気屋もエアコンの配管や設置を終わり器具のテストをしいた
全てが終ったのは12時30分になっていた
由紀枝は部屋の中に置かれた家具を見ていると夢を見ているようで
「神山さん ありがとうございます すごいわ 私ここで生活をするのね」
由紀枝を抱きしめて
「いい部屋が出来たじゃないか これなら落ち着くし飽きも来ないよ」
「ええ 素敵です どこかホテルのようですね」
「うん 家具がしっかりしているから高級感がでるんだね」
神山は昨日でたゴミも一緒に持って行ってもらったので部屋は綺麗だった
由紀枝は冷蔵庫を開けて冷たくなっていると嬉しくて顔を入れて
「ふぁ~ 涼しいわよ神山さん ねえきてきて」
と喜んでいた 照明のスイッチを入れて見たり洗濯機のスイッチを弄ったり
新生活のスタートを楽しく迎えた
「由紀枝 そろそろご飯を食べようよ 終ったらお腹が空いてきたよ」
「ごめんなさい 気が付かなかったわ でも何も無いし」
「そうしたら スーパーでお弁当を買ってここで食べようよ」
二人は手を繋いで駐車場へいって車に乗った
スーパーでお弁当とビールや日本酒 お茶のペットボトルなどを買って
部屋に戻った
ビールコップを洗ってガラステーブルに置くと神山がビールを注ぎ
「では 引越しおめでとうございます 乾杯」
由紀枝は電子レンジでお弁当を温めてソファーに座ると
「神山さん ダイニングテーブルがあった方が便利です
ここだとソファーのクッションが良すぎて沈み込んで食べずらいわ」
「そうだね スープや味噌汁は飲めないね そうしたら
あのバンで運べるから今日中に準備をしようよ いいよね」
「は~い 分りました」
神山は冷蔵庫からビールを出して又呑んだ
由紀枝はバナナをむいて綺麗に切り お皿を選んで乗せて持って来た
二人は外の景色を見ながら食べると由紀枝が
「ねえ お風呂で疲れを癒しましょうよ
それと神山さんの洗濯物を出してくださいね お洗濯しますから」
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