当然 このエリアのように平屋に入るブティックもありますが
人が流れれば 大丈夫でしょう
それに このフリーゾーン全部が高い建物を建てる訳ではないと
思いますし 電車からも見える訳ですから如何でしょうか」
「そうですね ありがとうございます 私一人で決定できませんので
決まり次第ご連絡いたします
神山さんのご出店は鈴や食品さんですよね 伺っていますが」
「ええ あと私はアレックスジャパンとニーナ・ニーナのブースを
最高責任者として監督しています」
「えっ あのアレックスジャパンさんをですか」
「ええ 先日契約しました 洋子さん契約書を」
洋子が契約書のコピーを竹内に見せると
「神山さま 大変失礼を申し上げました 済みませんでした
今までアレックスジャパンさんと 連絡が取れていたんですが
先日 責任者が変ったのでデザインは保留になっていると
言われたんですが 神山さまの事だったんですね
しかし神山様に変られて安心しました 以前のデザインをお見せします」
竹内がやはり大きなパネルに書かれたパースを数枚出してきた
「どれも 帯に短し襷に長しで考えていたんです」
「私どももアルタを中心にプルジェクトを作って動き始めました
この様なデザインは出てこないと信じています
そこでお聞きしたいのですが 各ブースの建築上の規制は
どうなっていますか 例えば耐震性とか 消防法を何処まで適用するとか
色々とあると思いますが」
「ええ それも6月に入ったら今まで応募をされている所には配布します
神山様の所にも配布いたします」
「出来たら 事前にチェックをしたいのでFAXで構いませんので
お願いします」
「そうですね ここの次長室で宜しいですか」
「ええ そうです お願いします」
神山と竹内が握手をして別れる時にちょうど12時の時報が庁内に鳴った
竹内が
「神山様 どうですか 美味しいまぐろは」
「ええ 良いですね 頂きたいですね」
「それでしたら これから一緒に行きましょう」
竹内は山城も一緒にいこうと誘って4人で県庁の
裏にあるまぐろ定食に行った
店内は30人入ると一杯になる小さなつくりで満員で2階に案内され
座るとメニューが無いので神山が竹内に
「メニューは無いのですか」
「ええ ここはその日の朝仕入れたマグロを切り身にしてだす
それだけのお店ですが美味しいもんですから いつもこの様に満員です」
「ビールとかつまみは」
「あっ ありますよ 頼みましょうか」
「ええ お願いします」
竹内は定食を少し待って貰うのとビールと切り身のつまみを頼んだ
「神山さん 今度はゆっくり来て下さいよ ここも美味しいですが
こっちも美味しいところがあるんですよ」
竹内は神山を気に入ったのか酒の席を案内したがった
山城も
「竹内さんがお勧めは私もお勧めですよ 私も良く行きますよ」
「分りました 今度 近くに宿を取って伺います
それとデザインが出来ましたら伺わないと行けないですからね」
「どうです 予定は」
「ええ 一応8月に設計開始で10月に着工予定です」
「そうですよね やはりタイトな計画ですよね」
「ええ 突然の前倒し発表でしたから慌てましたね」
「ええ あれも国の予算が確実におりた事で発生しているんですよ
正直私もどうした物かと思いましたがね」
4人で話しているとまぐろのぶつ切りが出てきて一口食べると
美味しかった 竹内がビールを注ぎ4人で乾杯をした
ぶつ切りには中とろや大とろも入っていて直ぐになくなった
竹内がもう一皿頼むと直ぐにきて定食も運ばれてきた
神山が好きなあさりの味噌汁が大きな椀で出てきて お新香がついて
これで1000円とは安すぎた
神山は全員の会計をしたが1万円でおつりが来た
店を出ると 竹内と再び握手をして別れた
「あなた 良かったですね ここにきて」
「うん 竹内さんも山城さんも親切だね良かった」
二人は駐車場に止めたフェアレディーZに乗り込むと
「私がICまで行きますから寝ていてくださいね あとはお願いします」
「うん わかった ありがとう」
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