「うん それとなく本人の気持ちを聞いてみるわね 誤解されないように」
「うん お願いします あのようなお店ってなかなかないし」
「そうね それに活きの良い魚は叔母さんのお店が一番よ 沼津では」
「そうなんだ だったらもっとお客を増やす方法を考えられるね」
「しかし さっき言っていたように現状維持かしら」
「亜矢子も一緒に生活している訳じゃないからわからない所が有るよね」
「そうね 聞いておきます」
神山と亜矢子はビールを控えているせいかよく食べられたがやはり
物足りないのか日本酒を注文した
お酒も用意されているのかすぐにきた
亜矢子お猪口に注ぎ自分にも注ぐと乾杯をした
やっぱりお魚は日本酒が口にあった
伊勢えびを食べ終わると仲居がお客さんのテーブルを回って伊勢えびを
回収していた 神山のところに来た時に
「このえびがお味噌汁で出てくるんですか」
「はいそうです 皆さんご自分のえびが来ますよ ご安心下さい
お客様は お代わりできるようにしておきますね」
「うん ありがとうございます」
伊勢えびが持っていかれるとご飯と先ほど回収された
伊勢えびの味噌汁が運ばれてきた
亜矢子が伊勢えびの味噌汁を飲むと
「うん 美味しいわ 叔母さんとこといい勝負ね」
「うん 美味しいね 何杯でも御代わり出来そうだね」
神山と亜矢子はご飯を頂きお味噌汁もお代わりした
「あ~ おなか一杯だ 亜矢子は」
「ええ 私も」
時計を見てみると15時を差していた
上原から何も連絡が無いという事は順調に進んでいると思った
「さあ 早いけど出ようか」
「ええ そうしましょう」
神山は清算をして表に出ると亜矢子に
「ほら 建物の下に生け簀があるでしょ」
「ええ あそこに居るのね そうしたら新鮮さが分るわね」
「うん うにも北海道のうにが美味しいっていっても鮮度が落ちたらね」
「そうよね 味はまあまあでも鮮度が良ければ美味しいわ」
二人がそう話しているとタクシーが来たので 真鶴駅まで送って貰った
改札に入ると下りの電車が来ていて飛び乗った
さすがこの時間になると観光客が乗車していた
熱海には直ぐにつき 亜矢子も降りて一回改札口を出た
神山は新幹線こだま号の発車時刻を調べると 20分ほど
時間が有ったので 帰りの切符を買いお土産の
温泉饅頭を20個買ってカフェに入った
「亜矢子の時間は大丈夫?」
「ええ 一回部屋に戻っても充分に間に合うから大丈夫よ」
「うん 分りました 宝くじは当らなくて当たり前だからね
当らないからってがっかりしないでね」
「そうね 明日抽選だから だめでしたって報告するわね」
「うん 分りました」
話しこんでいると別れる時間が来て
「よし もう一度運試しをしよう 亜矢子はとっておかなければ
いけないから 僕が選ぶよ」
二人はカフェを出て今朝 宝くじを買ったおばさんの所に来た
神山はスクラッチをおばさんに出してもらうと
今朝のように集中していると手が勝手に宝くじを選んだ
「まただよ 手が勝手に選んだ」
神山は銀色の部分を削ると 大当たりの30万円が出た
「へぇ~ なに 怖くなってきたよ」
「凄いわ ほんと」
おばさんも驚いていた 30万円になると指定銀行で
換金をしなければいけなく そのスクラッチを亜矢子に上げた
「えっ だって東京でもあるでしょ」
「うん いいの亜矢子が換金して使いなさい」
「はい 分りました ありがとうございます」
そう言い改札に向かった二人は軽くキスをした
新幹線ホームに向かう神山を亜矢子はずっと手を振り見送った
新幹線のホームに立つと上りのこだま号が入線してきた
乗客は少なかったが温泉饅頭が有ったのでグリーン車に移った
携帯で洋子に電話した
「神山です お疲れ様」
「洋子です お疲れ様です」
「今 こだまに乗った 東京駅16時23分に到着です」
「はい 分りました 何号車ですか」
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