「いや どうしようかな 翔 が隠したんだから秘密じゃ
しかし近いうちに分るよ 明るくなるぞ 翔は」
「なんで分るんですか?副社長 ねぇ池上店長」
「うん そうですよ 教えてくださいよ副社長」
「うん 教えたいがな サムライを裏切る事出来ないからな
大丈夫だよ 山ちゃんの秘書 田所洋子君がちゃんと見ている」
奥村と池上店長はますます訳が分らなくなった
時田の性格を知っている奥村はこれ以上聞く事を諦めた
池上も時田の性格を充分に知っているので杉田の話は止めた
「池上君1週間ほど前に来日したアレックスグループの社長アレックス氏
の件は知っているかね」
「はい 存じ上げていますが なにか?」
「いやね 明日帰国するってアルタの内藤さんから連絡があったんだ
わしもなんでこのタイミングでアレックス氏が来ているのか見当が
付かなかったんだが 御殿場アウトレットの件だと分った それで
アレックス氏は素晴らしいデザイナーが決まったら来日すると言って
別れ 明日帰国になったんだ そこでアルタの内藤さんに
山ちゃんは立ち向かえるかと聞いたら 大丈夫ですが
先方もかなり頑固で譲らないところがあります
いい勝負だと言ってたよ 楽しみだな ははは」
「そうすると 30日の辞令のあとに来日ですかね」
「うん多分な しかし力を入れているな これではアレックスジャパンも
うかうか出来ないだろう」
「御殿場アウトレットは進めていたのに
やはり情報がものを言うんですね」
「内藤社長曰く 絶対に優位に立たないと仕事が取れないって言ってたな
それだけじゃない 山ちゃんは御殿場アウトレットで販売する
ゴテンバ グランド インの地ビール販売権をアルタが権利を取れるよう
アドバイスしたんだ これはアイディアだな 内藤さんは喜んでしたよ」
「そうか 普通に考えると酒屋さんから来るから余り考えないけど
元を抑えると利益が出るわけですね」
「うん しかしそれで何十億だってさ おいうちも地ビールやるか?」
「副社長 何十億と言うのは総売上で 純利益は少ないと思いますがね」
「そうかな 御殿場アウトレットに5万人来て10分の一で5000人じゃ
それに単価そして365を掛ければ約9億じゃ 一人3本4本だったら
それに徹底的に売り込むために CMキャンペーンもやるって言っていた
そうすると数字は跳ね上がるな当然 喜んでいたよ」
「へぇ~ 山ちゃんそんなどでかい手土産をプレゼントしたのか」
「おお だから余計嬉しいだろう 内藤社長は」
池上も奥村も少しうなだれ 元気がなくなったが
「二人とも山ちゃんを元気よく送り出さんか いい大人が揃って
しょぼくれて 新しい屋敷君をそだてろ」
「はい 分りました」
「よし では食べよう元気をだせ」
時田は池上と奥村にはっぱをかけ 自分にもはっぱをかけた
この3人の中で一番寂しがっていたのは時田かもしれない
時田が
「なあ 奥村課長 山ちゃんの昇進祝いだが アルタさんと合同で
どうじゃ 実は内藤社長も気にしていてな 相談があった
あと催事でお世話になった取引先も居るだろう 気持ちよく
新天地で働いてもらう為に 区切りを付けてはどうかな
勿論 大きい催事を手伝ってもらう事は構わないが 屋敷君がいるし
どうかな?」
「そうですね 合同なら山ちゃんも一回で済むしいいと思います」
「池上はどう思う?」
「ええ私も奥村課長と同じ意見です そうすると会場探しですね」
「おお 例のホテルオートモはどうだね」
「へぇ~ ホテルオートモですか ちょっと手が出ないですよ ねぇ店長」
「ええ ハードルが高すぎますよ」
「うん 内藤社長の友人が宴会の統括をされていて
その統括をしている人も山ちゃんを知っていて 内藤社長が理由を
話したら 特別価格で部屋を提供してくれると言うんだ
それで鈴やさんでもするのだったら一緒にどうですかと
そう言う話しじゃ どうだね奥村君」
「しかし そんなに甘えて良いんですかね」
「部屋を抑えるのに早く答えを出さないといけない」
「はい 分りました 乗らせて頂きます それで日時は」
「内藤社長も考えている 5月2日土曜日12時から3時間 先方は
全社員とはいかず課長以上出席を義務付け 全国で約40人くらい
集まるだろうと言っていた 我社は6,70位で100名じゃ
内藤社長は100人が150人になっても余り変りませんと言われ
ただ人数は早めに教えて欲しいと言っているので奥村課長
は早急にリストを作るように ではいいな」
「はい 分りました」
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