神山はこのままでは危険だと思い 4人に歩み寄った
立っている外人は神山を見て
「おまえの出る幕じゃない 邪魔だ」
と 言い返してきたので 6万円を葉山と高柳に渡し
ここから出て行くように言った
外人は収まらずに神山に詰め寄ったが
「勝負に負けておいて 女から借りた金も返せないとは酷い
これに懲りたら 二度と女に詐欺は働くな 分ったら出て行け」
「格好つけるな」
というのが早いか パンチを出してきた
神山は上手によけてその腕を掴み一本背負いで投げた
倒された外人はなにが起きたか分らず倒れていたが
相棒がぺこぺこお辞儀をして 倒れた外人を起こし立ち去った
店員や亜矢子 数組のカップルから拍手が起こった
何事も無かったように席に戻ると 亜矢子がキスをしてきた
「ふぁ~素晴らしいわ あなた あんなに大きい外人を投げちゃった」
「ごめんね」
「謝る事無いわよ あの外人が悪いんだもん 私もすっきりしたわ」
「うん 僕もすっきりしたよ」
神山と亜矢子は運ばれてきた カレーライスを食べた
先ほどのシュウマイも美味しかったが カレーも美味しかった
「ご馳走様でした おなかが一杯よ 太っちゃうわ」
「大丈夫だよ また一杯運動するんだから ねぇ」
小さい声で言うと亜矢子の顔は真っ赤になって
「ば~か こんなところで言わないで 恥ずかしくなっちゃうでしょ」
「だってホントでしょ」
亜矢子はもう知らないって言いながら笑い涙を流した
そんな時に神山の携帯電話が鳴った 洋子からだった
「ちょっと失礼するよ」
そう言い立ち上がり 表に出た
「洋子です お休みのところすみません」
「うん どうした」
「ええ インターネットで色々と調べていたんですが
例の外人 やはりアレックスグループのアレックス氏でした」
「へぇ~ そうか やっぱり 何で分ったの?」
「ええ 過去の記事を見ていたんです そうしたら出てきました
奥さんとご一緒の写真も載っていました」
「いつ頃来たの」
「ええ 13日にきています」
「そうすると30日以降に会うがこれは楽しみになってきたね
ありがとう できればフロッピーで保存して会社で見られると良いけど」
「ええ URLを保存します」
「わかった さすが洋子ちゃんだ ありがとう だけど今日は
ゆっくり休養する日だろう もうPCから離れなさい 仕事は明日からだ」
「は~い わかったわ どうですか休養していますか」
「うん 芝生の上で寝転んでいるよ 海の風が気持ちいい
一区切りついたら連れてくるよ 約束する」
「はい 分りました では」
神山は電話を切ると 席に戻った 亜矢子が大変ね休みに電話って
「うん仕方ないさ 売れっ子は そうだ こんど26,27日と
ゴテンバ グランド インの椿さんの仕事で来るよ」
「ええ 伺っています 翌日ゴルフでしょ いいわ」
「たまには息抜きをしなければ ねぇ」
「今日も息抜きしているでしょ」
「うんまあね」
「ところでご一緒の女性はどんな関係?」
「気になる」
「ええ 大いに気になるわ」
「わかった しかし誤解の無いよう聞いて欲しい」
「そんなに怪しいの?」
「違うよ 隠し通せないから 話すけど4月30日で僕は2つの会社で
昇進するんだ」
「えっ」
「鈴やでは東京本社次長 アルタでは担当常務になる」
「へぇ~ そんなに偉くなっちゃうの 凄い それで女性は?」
「うん 専属の秘書だ 役職は部長だよ」
「へぇ~ 凄い わたしそんな偉い人とお付き合いしているんだ」
神山は経緯をかいまつまんで話した
「そうすると 貴方の努力が実った訳ね 普段 心がげている事が」
「うん まあそうかな」
「そうしたら お部屋は一緒でも構わないわね」
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