2011年6月24日金曜日

Vol.349 鈴蘭 -4-25


今度は神山が選び削ると 1千円が当った
「うん 凄い確立だよ もう一枚買ってみよう」
亜矢子が時間を掛けて選び 削って見ると 1万円が当った
「ふぁ~ 凄い 絶対に凄い」
亜矢子は当選金額の大きさではなく 当ったことを喜んだ
神山は 
「よし では本番だ 亜矢子のバスとはいくつ?」
「なんで関係有るの?」
「まあいいから いくつ」
「2つ」
「よし 組は 2組 下一桁2 その次 本当のバストサイズは」
「え~と 93cmよ」
「うん」
神山はメモをとって間違わないようにした
「6桁の最初2桁が93だ その次ウエストは」
「普段 57かしら」
「9357 次はヒップだ」
「90よ」
「よし できたぞ 935790で探そう 組は下一桁2で」
売場のおばさんに聞いたら
「02組 135790 はあるわよ どうする」
といわれ 確か前後賞がついているから 0の前後があるか聞いたら
「連番で この前の数字があるわよ」
亜矢子は135781から135790の10枚を買った
「ねぇ 今度は貴方 そうね 組は年齢でどう」
「うん 42歳だから やっぱり2か」
「そうね 胸は?」 
「107cmかな」
「ウエストは?」
「うん 79cm」
「ヒップは?」
「うん99だった」
「うん そうしたら 42組の177999番ね 叔母さんある」
おばさんは親切に探し出し 
「わぁ 有ったわよ そしたらこれも連番で買う」
「ええ」
神山と亜矢子は 42組177990から178000の
10枚を買った 神山は買った宝くじを亜矢子に手渡し
「当るといいね スクラッチを最後の1枚買ってみよう」
神山はおばさんが用意してくれたスクラッチの中から選んでいたが
知らない間に自分の意志ではなく手が伸びた 
削ってみると 大当たりの10万円だった
「凄いわ どうしたのかしら」
「うん分らない 知らない間に勝手に選んでいたんだ」
神山と亜矢子は喜んでおばさんに御礼を言って売場を離れた
「はい これ」
「いいわよ 貴方が当てたんだから」
「いや 僕はまだ昨日の外人の分で充分だよ」
「分ったわ ありがとうございます 大切に使うわ」
二人は少し早いが 真鶴へ向かった

駅に降りると潮の香りがして 気持ちよかった
閑散としている駅前にタクシーが空いていたので乗り
神山が以前上野店にいる時連れていってもらった店名を告げた
運転手は頷き車を発進させた
そんなに広くない駅前商店街を下っていくと
直ぐに真鶴港が目の前に現れ 目的のお店も5分ほどでついた
店の前に大きく『うに政』と看板が出ていた
お店に着くと店員がご予約ですかと聞いてきたので
「いえ予約はしていません」
そうすると 13時からになりますがいいですかと聞かれたので
予約を入れた
神山は時計を見るとまだ11時だったので真鶴岬に行く事にした
さっき乗ってきたタクシーが空き車だったので再び乗車して
「岬に行って下さい」
と告げた
車は先ほどと違い崖縁の道を岬向かった 道幅が狭く両側から
樹木がせり出し空気が美味しかった ゆっくりと走ったが 
7,8分で岬についた
観光地だが平日とあって 余り観光客は居なかった
会社の団体や 老人会の団体などで
神山と亜矢子のようなカップルは数えるほどだった
岬の上からみる海は昨日の城ヶ崎海岸と同じでどこまでも紺碧で
吸い込まれそうな不思議な世界だった





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