「わかった 大至急手配してください」
「はい 分りました」
ウエイトレスは厨房に入って料理長と話しているが頷いてOKと言っていた
「なんで あげるの さっき言っていたのに」
「うん どこかで会った時に今度はこちらが断然優位になるだろ
それにこの位だったら 外人のお金で充分お釣りが来るよ
そういったお金は貯めるとろくな事が無い 使うに限るさ」
「そうね どこかお仕事で会った時完全に優位に立てて進められるわね」
サイコロステーキが運ばれてきた 一口食べると先ほどより硬かった
もしやと思ったが ここで料理長と話す事も無いだろう思いやめた
亜矢子も
「さっきより少し硬いわ 同じお肉かしら これ」
神山は先日学んだお肉の特性を分りやすく説明した
「そう 同じお肉でもそんなに変るの へ~ 知らなかったわ」
「うん 今後の仕事の資料さ」
「あなたってどこまで凄いの 計り知れないわ」
「そんな事はないんだよ 不思議に思った事を追求しているだけさ
なんで しめ鯖が美味しいのだろうとかさ」
「ふぁ~ そんな事出来ないわ 私 途中でギブアップね」
神山と亜矢子は少し硬い牛肉サイコロステーキを食べて
よく冷えたワインも呑んだ
えぼだいや干しいかも美味しかった えぼだいは適当にあぶらが乗ってて
口の中でとろけた いかも柔らかく潮の味があって ワインではなく
日本酒が欲しくなった
神山と亜矢子に揚げ物が出される時に葉山と高柳のテーブルに
昨日食べた朴葉焼きとワインが運ばれた 彼女達は最初頼んでいないと
断っていたが 神山からの差し入れと聞くと素直に受け入れた
神山が丁度彼女達を見た時 葉山と高柳は会釈をして
何か言いたそうだったが神山は頷きすぐに亜矢子に
「彼女達 喜んでいるよ しょぼくれた顔で食事は美味しくないからね」
「よかったわ あの細くて綺麗な方確か高柳さんでしょ
来週 結婚式で独身最後がつまらない食事では 最悪ですもんね」
「うん 結構綺麗だけど ぼくのタイプじゃない 性格も嫌だ」
「随分と嫌われた物ね 可哀相」
「ぼくが悪いんじゃない 彼女がそうしたんだよ」
「そうね 彼女達が悪いわ ああゆう性格の人達って多いから気をつけてね」
「わかった さあ食べよう」
料理は揚げ物 酢物 ご飯 留椀 香物 と次々と出てきて
どれも美味しく食べられた 留椀の時に先ほどの伊勢えびのお味噌汁も
一緒に出てきた 大きな盃に魚介類がぎっしり入っていて美味しく
熱いご飯に掛けて食べたくなるほどだった
伊勢エビの味噌汁を飲み終わると ウエイトレスが来て
「神山様 御代わりがございますが 如何されますか?」
亜矢子に聞くと遠慮すると言うので
「先ほどのご婦人達に分けてください お願いします」
ウエイトレスは分りましたと言って厨房に伝えた
すべて綺麗に食べ終ると デザートが最後に用意された
今夜はフルーツの上にアイスクリームが乗っていたので
ワインを少したらし食べてみた 結構ワインの渋みとアイスクリームの
甘さがマッチし美味しかった それを見ていて亜矢子もまねをした
「こうやって頂くのも美味しいわね 今度自宅でやってみよう」
「上手く行ったら はやしでメニューに出せばいいよ」
「そうね もう試しているかもね あの人努力家だから」
神山と亜矢子は全部綺麗にすると ワインが昨日同様余ってしまったので
部屋に持って帰る事にした
レストランを出る時 伝票を確認したら
牛肉サイコロ3 6000円 ワイン2 30000円と書かれていて
間違いが無いのでサインをした
レストランを出てフロントに行き 貸切露天風呂の空き時間を尋ねると
1時間後の21時に空くと言うので予約を入れた
二人は6階の自動販売機でビールを多めに買って部屋に戻った
神山と亜矢子は
「食べたし飲んだね 美味しかった 今日は芝生で運動したから
よく入ったのかな」
「ええ 私もおなか一杯よ 少し横になっていい」
「うん 1時間後だから 横になろう」
神山と亜矢子はくっついて横になると神山が触りだしたので
「ねぇ ほんと可笑しいの だから勘弁して お願いだから触らないでね」
「分りました 触りませんよ」
神山と亜矢子は背中合わせで横になっていると亜矢子は寝てしまった
神山は一人起きて冷蔵庫からビールを出して
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