「あっ ありがとうございます よかったです」
アレックスの販売員は苦情かと思っていた様子で一安心した顔に戻った
「それでしたら 社長が言われるには 神山様はこちらのボールの方が
ベストマッチングじゃないかと 言われてました」
販売員が教えてくれたボールは先ほどの人気のあるボールと違う種類で
メーカーは同じだったが少し高かった
「先ほどのボールは特に女性の方に人気がございます それで男性 特に
ヘッドスピードがある方はこちらがお勧めです」
神山は彼女の勧めで 1ダース買い 更に人気のボールを10ダース買った
「全部で 92400円になります」
神山はギフトカードで支払うと600円のお釣りを貰い 1ダースずつ
丁寧に包まれたたボールの紙袋を貰った
神山はドラコンのフラッグを買い求め紙袋に入れ次長室に戻った
「あら 何処のお出かけだったんですか」
「うん ボールを買ってきたよ はい洋子の分だよ」
「ありがとうございます ふふふ 丁度買おうと思っていました」
「で どうでした?」
「そうそう それで杉田君は施錠が出来ると思っていて 軍資金を持って
部屋に来たのね 奈々子ちゃんも一緒よ それでまだですって聞いたら
奈々子ちゃんが杉田君に怒っているの」
「へぇー なんでまた」
「ええ 大金をそんなに持ち歩くって」
「へぇー まあ 言われてみればそうだけど 翔も確認しないとね」
「ええ そこも怒られていたわ ふふふ 楽しかった」
「おいおい もう」
「それで高橋さんが 今夜杉田君と奈々子ちゃんを誘ってお祝い会ですって」
「うん さっき渡しておいた」
「そうなの じゃ私余計な事を言ってしまったわ 会計はこちらでしなさい
って そう話してしまいました」
「ははは 大丈夫だよ 考ちゃんが山ちゃんから預かってますですよ」
「そうね ふふふ でもあの二人って 面白いわね 完全に奈々子ちゃんが
主導権を握っているし ふふふ」
「じゃ ここと一緒だ ははは」
「まぁー そんあぁー」
神山は新しいボールを洋子に見せながら販売員との話を伝えると
「へぇー Jr直々電話があったら驚くわよね」
「うん だから僕が行ったら 不安な顔付きだったよ 逆にこちらが驚いた」
「そうね へぇー そうなの あんなにいいクラブを販売していても
人気のボールは他社の方なのね へぇー」
「うん プロショップの話でもそうらしい ただしプロはコントロール
出来ると話していたよ」
「へぇー そうすると練習すればもっと飛ぶようになるのね」
「うん そういう事ですね そうすればARXのボールを打っても大丈夫さ」
「でも このボールは違うじゃない」
「うん 販売員お勧めのボールさ ARXの下かな ははは」
「へぇー でも池ポチャしたら勿体無いわね」
「うーん ボールも勿体無いが 罰金も勿体無いよ」
「ねえ 罰金は1打1000円でしょ」
「うーん 2000円くらいにしようか」
「えっ だって1000円でも高いと思っているのに」
「はい では1000円です でもね考えてごらん 賞金が最低でも200
万円だよ だったら2000円でも全然大丈夫でしょ」
「うーん そうね」
「それに 今回はスコアが接近すると思うんだ よほど大負けしなければ
10万円も支払いないと思うよ 仮に10万円支払っても 充分お釣りが
くるでしょ」
「うーん そうね でも払いたくないわ」
「うん だから1打が大切なんだよ 分かるかなぁー」
「もう あーあ 早く寝ようっと」
「そろそろ帰ろうよ スタジオでゆっくりした方が落ち着くよ」
「そうね ふふふ」
神山と洋子は忘れ物が無いか確認をして次長室をでた
赤坂のスタジオに戻ると 玄関にカトリアーナや祐子などみんなで
迎えてくれた
神山はスタジオでゴルフボールをみんなに分け 主賓室にはいると
ボストンから現金とギフトカードを出し引き出しにしまった
着替えをボストンにいれるとTシャツを着替えたりジャケットを
取り替えるとスタジオに戻った
ソファーではカトリアーナと泰子が話をしていた
祐子は支度をしているのか スタジオにはいなかった
「カトリアーナ 祐子はどうしたの?」
「ええ 何を着ていこうか悩んでますよ ふふふ」