2013年2月27日水曜日

Vol.963 紫陽花 -13-58



「じゃ もうお友達なの?」
「うん 一番左に座っている引田さんはまだだよ」
「へぇー あの人 どこかで見たような気がするなぁー
結構 綺麗で可愛くて上品じゃん」
「うん 由紀枝もそう思うか」
「うん でもどこかで見たなぁー まあいいや 他人の空似ってね
ねえ 引田なんて言うの?」
「ああ 泰子さんだよ」
「そうしたら 引田さんと同部屋でしょ」
「ごめんね」
「いいよ 気にしていないもん そんな事気にしていたら
頭が幾つあってもパンクします」

神山と話しながらティーラウンジに着くと 亜矢子と由紀枝が先導して
6階の部屋に案内された
由紀枝は香織と真由美を案内し 亜矢子が神山と泰子を案内した
「それでは神山様 何かありましたら内線電話でご連絡ください
ステーキハウスは7時半に予約を入れています
どうぞごゆっくりとお過ごしくださいませ 失礼します」
亜矢子はいつものように礼儀正しくお辞儀をすると にこっと笑った
「ありがとう ではゆっくりとさせてもらいます」
亜矢子が部屋を閉めると泰子はソファーに座ったまま動かなかった
「どうしたの 泰子さん」
「ごめんなさい 緊張していて 動けないんですよ 腰が抜けたみたい」
神山は泰子の正面にいくと額に軽くキスをした
「あぁ あー」
泰子はそう言って力をなくしソファーに横になった
「おいおい どうしたんだ 大丈夫?」
横になっている泰子の唇にキスをすると泰子は目を開けて神山をみて
「ごめんなさい ほんと緊張しているの でも大丈夫よ」
「よかった じゃ先にシャワーを浴びるよ」
泰子は頬をピンク色に染めて
「はい ごゆっくりどうぞ」
神山は直ぐに支度をして バスルームに入りシャワーで体を流した
簡単に洗って出てみると 泰子は明日の支度の準備をしていた
「あら 早いですね」
「泰子さんもシャワーを浴びてきなさい スッキリするよ」
「でも 後でいいです」
神山は何事にも控えめな泰子を もう少し元気にしようと思い
「駄目です これは理事命令です さあ入ってきなさい」
泰子はくすっと笑い 神山の言うとおりにシャワーに入った
神山は冷蔵庫から地ビールを取り出し グラスに注ぎ呑んだ

なかなか浴室から出てこない泰子の事を心配し
「おーい 大丈夫か」
浴室に向かって叫ぶが 応答が無いので浴室のドアを開けようとしたが
中から施錠されていて 開かなかった
神山はドアをトントンと叩くと ドアが少し開き泰子が少し顔をだし
「どうされたんですか?」
「ごめんごめん なかなか出てこないから 心配したんだ」
「ごめんなさい 髪の毛を洗っていたので 聞こえなかったわ」
神山は安心して 考えてみると 髪の毛をこのタイミングで洗うのか否か
ビールをもう1本呑んでいると 泰子はバスローブを羽織って出てきて
「ごめんなさい でもね 綺麗にしたかったの」
泰子は顔を真っ赤にして神山に話した
「うん いいよ ごめんね 気が付かなくて さあ まだ時間があるし
ゆっくりとビールでも呑もうよ ねっ」
泰子は俯いたまま何も言わなかったが神山が
「ほら 泰子さん 背中が丸いよ 駄目だよ」
泰子は背筋を真っ直ぐにすると 神山に
「神山さん 私 バージンなの それでも良いですか?」
神山は突然言われ 少し考えたが
「僕は全然気にしていませんよ それより泰子さんの問題だと思う
でも もし僕とのSEXが嫌なら 僕はそれでも構いませんよ」
「ねぇー そんな事言わないで 私 決めたんだから ねっ」
そう言うと泰子は神山の胸に抱きついてきて キスをした
「わかった そうしたら夕食を食べた後にしようよ」
泰子は今抱いてもらえると思っていた当てが外れ 神山の胸をたたいた
「だって 歩きづらくなるよ ほんとだってば」
泰子は顔を真っ赤にして 神山に
「ええ 聞いた事あります でもいいの お願いします 抱いてください」
神山は時計を見るとまだ30分以上時間があるので泰子に





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