2013年2月17日日曜日

Vol.953 紫陽花 -13-58



神山と祐子は楽しく会話をしながら朝食を食べ終わると
「祐子 いつものように30分寝かせてください」
「はーい」

神山は普段より少しだけ早く次長室に入った
時計を見ると9時を少し回ったところだったが 名古屋鈴や本社の
権田社長へ架電した
「おお 神山さんか おはよう 随分と早いね」
「おはようございます 今日は名古屋だと聞いて早めにお電話をしました
早速で申し訳ございませんが、、、、、、、、、、、、、
それで 催事課の杉田君を部長に昇進させて頂きたいとお願いです」
「うん 分かった 時田さんも承知ならワシは構わないよ
でも どんどんと事業を大きくしているね 鈴やも大きくしないとな、、、」
「そんな 私は小さな事を大きくしているだけです そんなに褒められた
事業ではないですよ 販売元はアレックスグループだし デザインも
アルタだし 全て手の内の仕事です」
「うん でもそこが素晴らしいな その事に気が付いて 全てが上手に
歯車が回転するようにするのは大変な事なんだよ それを神山さんは
いとも簡単に成し得てしまう 大したものだ ごめんごめん
杉田君の部長昇進の件は承知した 7月10日だな」
「ええ よろしかったら10日の特例人事の時 銀座に来られませんか?」
「うん? 何がある?」
「ええ クリスタルグラスの工場見学は如何でしょうか?」
「おお そうか ちょっと待ってくれ 秘書に聞いてみる」
暫くすると権田が
「おお 神山さん 何も無いので9日からそちらに行けるぞ
あの美味しい寿司屋に連れて行ってくれるか」
「ハハハ 社長 はまりましたね でもその日に美味しいのが上がって
無くても お小言は無しですよ 自然界の事ですから」
「ハハハ やられたな わかった では頼みます」
「あのぉー 時田副社長がお電話をされたいと お話がありましたが
如何しましょうか?」
「うん この件はOKだが 他の話があるかもしれないな
神山さんから連絡をしておいてください OKだと」
「はい お忙しいところありがとうございます
杉田にも部長職を恥じないよう話しておきます ありがとうございます」
「うん お願いします」

神山は電話を切ると直ぐに時田に電話をした
「神山です おはようございます」
「やあ おはよう 昨夜はご馳走様でした」
「それで 今 権田さんに電話をしました そうしたら簡単にOKを
頂きちょっと拍子抜けしています」
「ハハハ そうか OKを貰ったか さすがだな」
「それで 10日の特例人事の席にご出席をお願いしたところ 
こちらもOKです」
「えっ おいおい 杉田君一人の為に 出席されるのか?」
「ええ そうですよ なぜですか?」
「おいおい 山ちゃん 銀座店の人事だぞ 大丈夫かな?」
「だって 社長がご出席されると言われましたよ もう
信じてくださいよ もう ただし クリスタルグラスの工場見学と
上原駅前寿司の両方がありますよ 副社長も同席をお願いしますよ」
「おいおい こちらにも予定があるんだ ちょっと待ってくれ」
時田は秘書部長を呼び予定を聞いていた
「山ちゃん 10日の朝はいいとしても 前日やその日はちょっとなぁー」
「でしたら 権田社長と詰めて置いてください
私が権田社長とお約束したのは 寿司屋と工場見学の2点です
なので 副社長がご同行できなければ これからの電話でお話してください」
「おいおい しかし参ったなぁー 突然上京されるなんて、、、
分かった 兎にも角にも杉田君の件はありがとう 後は何とかします」
「お願いします では失礼します」

電話を切ると丁度洋子が出勤してきた ニコニコしている神山に
「おはようございます 早いですね」
「うん 洋子 OKだぞ ハハハ」
「わぁー 良かったわ これで正式に部長さんね」
「それでね 権田さん 特例人事の時 出席してくれるってさ」
「えっ だって銀座店の人事でしょ 社長直々ですか、、、」
「そうだよ なにが可笑しいの?」
「えっ 可笑しいじゃなくて 前例がないでしょ でもよく社長がOKって
言ってくれたわね へぇー あなた又 何かしたんでしょ」
「ハハハ 分かる? クリスタル工場見学と寿司屋さ」





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