2013年2月15日金曜日

Vol.951 紫陽花 -13-58



「ねぇ Jr 私もあのように放り投げて お願い」
「おお 分かりました でも上手に投げる事が出来るか心配です」
「もう 頼りないわね しっかりしてよ 男でしょ もう」
「分かりました 頑張ります トライします」
「涼子さん 辞めておいたほうがいいよ 社長はその気だけど」
「なんでジャック」
「だって 神山さんのように上手に投げられないと 怪我をするよ」
「えっ そうなの もう 大変 嫌よ そうしたら神山さん 秋山さんの
次に 私を放り投げてね お願いします」
神山は頷き 秋山を誘ってセンターに行った
秋山のステップも結構上手だが 初めてのカップルなので少し戸惑った
しかし秋山も必死にステップについて来て 曲が終わりに近づくと
ピタリと同じリズムでステップが運べるようになった
いよいよ秋山を放り投げると ワンピースのフレアが綺麗に広がり
見ているものを魅了した
「わぁー 神山さんありがとうございます 嬉しいわ」
席に戻ると 直ぐに涼子が神山の手をとりセンターで踊り始めた
涼子も先ほどの秋山由実子と同じように踊りなれているが 神山との
カップリングが初めてなので 二人とも少し戸惑ったが 曲が終わりに
近づくと 息が合うようになり 足運びも綺麗になった
神山が放り投げると やはりワンピースのフレアが綺麗に広がり
照明が切り替わったりして 映画のワンシーンを見ているよう綺麗だった
「わぁー 神山さんありがとうございます 嬉しいわぁー」
涼子はそういうと神山の頬に軽くキスをした
神山は席に戻ると時田と池上にNNのメンズファッションプロモーション
ビデオの話を掻い摘んで説明した
「素晴らしいアイデアだね 綺麗な映像が撮れそうだ なぁ池上君」
「ええ この雰囲気ならヒット間違い無しでしょ」
「ええ 踊っている二人に光線が当り 周りの客が少しだけ見える うーん」
「良いですね 山ちゃん素晴らしい映像だよ 期待しています」
「はい自身も期待しているんですよ どうですか社長 お客で出ますか?」
「ハハハ やめておくよ 折角の絵が台無しだ なぁ池上君」
「そんな アクセントがついていい絵になると思いますよ」
みんなが大笑いをし30分の約束が1時間になり 
みんなが帰宅すると言うので時計を見ると
「さあ 洋子 どうしようか まだ11時になっていないけれど」
「そうね 出ましょうか ホテルのラウンジでゆっくりしたいな」
「うん そうしようか」

神山は近くの赤坂スカイハイホテルのラウンジにはいると
「ここは初めてでしょ」
「ええ 初めてね」
神山は受付で窓際を希望すると 26階の窓からは銀座が一望できた
「素敵なところね 銀座の街並みがミニュチアの模型のようね」
「うん たまには良いかな ハハハ あーあ 今日は疲れたよ」
「そうね お疲れ様でした ほんとハードな一日でした」
「あっ そうだ明日は繊維協会に行くので 夕方になるよ
何かあったら携帯までお願いしますね」
「まあ大変 またご祝儀が一杯来るわね そうだわ 警備室も聞いておくわ
多分 一杯だから取りに来てくださいって言われそう ふふふ」
「そうだね お中元が本格的に始まっているものね お願いします
受け取りに行くのは僕がするよ でも夕方だね」
「はーい 分かりました でもあのクリスタルグラスの件で 杉田君が
部長昇進だなんて 凄いわね 奥山さん又 驚くわよ」
「だよな、、、でも言い出したのは時田さんだからね 僕じゃないよ」
「ええ そんな事分かっているわ 貴方がレールを敷いた事も ふふふ」
「おいおい 参ったな 分かっていたのか」
「勿論よ だっておじ様の性格を考えれば当然でしょ 杉田君が
嫌われていれば問題なく課長よ でも好かれているでしょ 
それに貴方の部下じゃない だったらおじ様としては 
なんとしてもアルタと同じか上の役職を考えるわ」
「ハハハ すっかりお見通しだね でもね内藤さんを動かさなければね
なので3千万円の出資を考え付いたのさ」
「なるほど 先の先を読んで3千万円出資ね それも回収できるように
売り上げの一部をお給料でしょ その販売先がアレックスでしょ
もう全然心配ない販売じゃない 凄い事を考えるのね」
「ハハハ 要は小さなものでも味付け一つで変身するのさ
オリンピックの話が無ければ 大森さんは今まで通りの生活さ
でもマシーンを3台入れることによって 少しは違った世界が見えるさ」
「そうね でも私 本当に驚いたわ 私財を出資するんですもの」
「ハハハ 時田さんや権田さんだって私財を出資しているでしょ 同じさ」
「まあ そうね 貴方のアイデアが続く限りARXと大和さんは安泰ね」





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