2013年2月24日日曜日

Vol.960 紫陽花 -13-58



16時になると 待機している会社に引田が説明をして次回の訪問を促し
説明を聞いた会社の担当者は 18日の早めの時間を申し込み引き上げた
数社いた会社が引き上げると神山に
「漸く収まりました」
「ありがとう ではこれを片付けて お買い物だ」
引田泰子はニコニコしながら書留やご祝儀を台車に乗せたが
「理事 乗らないわ」
「うん 仕方がないね さあ 早く仕事を済ませましょう」
神山はご祝儀の入った紙袋と台車を押し 泰子も手伝い3往復ですんだ
全て蒼いBMWに乗せると 理事室に戻り忘れ物を確認した
ビルを出る時に洋子に電話をして1Fの案内所で待つよう指示をした

「でも理事って 凄いですね」
「ハハハ 今度は何が凄いのかな?」
「ええ だって給与の金額一律でしょ それから振込み日の一律でしょ
私 初めての経験です」
「そうか 僕も初めてなんだよ そうすれば管理がしやすくなるしね」
「それもスイス銀行でしょ 驚きました」
「ハハハ 洋子が手配をしてくれたんだよ ほら日本の銀行って
危ないだろ なのでスイス銀行にしたのさ」
「へぇー 洋子さんが手配ですかぁー 良く気が付きますね 羨ましいわ」
「ハハハ 助かっていますよ さあ もう直ぐお店です
遠慮しないで 買い物をしてね」
「はーい 分かりました ありがとうございます」
神山は路上駐車して 鈴や1Fの案内所に泰子と行くと洋子が待っていた
「じゃ 洋子 お願いしますね で どの位用意したの?」
洋子は隠語で
「ホ百です」
「分かった 僕は紙袋を整理したら スタジオに一旦戻ってきます
そうそう 泰子さんはカジュアルファッションって決めているから
そのつもりでね 早めに終わったら部屋に来てもらっていいですよ」
「はい 後は、、、連絡する事ってないですよね」
「うん 何かあったら 携帯に電話をします お願いしますね」
「はーい では引田さん 行きましょうか」
神山は二人と別れると 車をホテルの駐車場に入れて 紙袋を次長室まで
運び 整理した
今日は時間が無いので先に スタジオに戻る事にした
スタジオに戻ると祐子が
「あら 早い時間にお戻りですね」
「あれっ 洋子から電話を貰わなかったの?」
「ええ そうかぁー 携帯電話を充電していたんです だからです」
「うん 今夜はホテルに行きます 明日ゴルフです
それで 今夜は洋子と一緒に外食をしてください」
「わぁー 明日ゴルフですか いいなぁー 祐子も行きたいなぁー」
「分かった 桃子や由貴と行こうね」
神山はそう言うと2階の主賓室に入り シャワーを浴びると体を
シャッキとさせゴルフの準備をした
全て準備が整うと スタジオに戻り祐子に
「洋子は多分6時15分までに来られます だから準備をしておいてね」
「はーい 分かりました」
神山はお小遣いとして20万円を祐子に渡し
「今夜の分と 明日のお小遣いだよ」
「わぁー 頂まーす 今夜もあそこで踊ろうかな ふふふ」
「ああ 洋子も話していたよ もてもてだってね」
「ええ 洋子さんも踊りが上手でしょ だからみんな寄ってくるの
でもね しつこい奴には英語とフランス語で退治しているのよ」
「ハハハ フランス語で退治かぁー 凄い事しているな
あんまり男をなめない方がいいよ 怖い目にあうからね 程ほどにね」
「はーい 大丈夫よ 洋子さんもそこら辺は弁えているわ」
「そうだね では行って来ます 何かあったら 携帯に電話をしてね」
「はーい 行ってらっしゃい」

神山はゴルフバッグや着替えの入ったボストンを蒼いBMWに積むと
直ぐ傍にあるガソリンスタンドに立ち寄りガソリンを満タンにした
次長室に着くと5時を少し回っていたが 女性たちは戻っていなかった
先ほど運び込んだご祝儀や書留をロッカーにしまい鍵を掛けた
神山は冷蔵庫から缶ビールを取り出し 飲み始めると二人が話しながら
戻ってきた
「やあ 早かったね」
「あら 貴方も早いのね 大丈夫 運転するのに呑んで」
「うん もう少ししたら寝るから大丈夫だよ それより泰子さん
見違えるね 私服って人間を変えるね」





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