2012年12月25日火曜日

Vol.899 紫陽花 -10-55



「由紀枝 素晴らしいよ 最初のころと球筋が全然違うよ うん凄い」
「ほんと 嬉しいわ」
「うん 今のタイミングを忘れないように練習するしかないね」
「はーい 頑張ります ふふふ」
「では お寿司に行きますか」
「ねえ 部屋に戻る?」
「由紀枝は」
「うーん 私はこのままでも大丈夫よ」
「うん では行きましょうか」

神山の運転で 御殿場駅前寿司の暖簾をくぐると 大将が威勢良く
「いらっしゃいませ お待ちしていました おーいビールサービスだよ」
「はいよー ビールサービス」
威勢がいいのは大将だけでなく 息子たちや女将も威勢が良かった
「いらっしゃい いいの向こうでなくて」
「うん 今夜は大丈夫です いつものおつまみをください」
「鮮魚盛り合わせ 照り焼き お願いねー」
「あいよー 鮮魚大盛り 照り焼き5つだよー 頼んだよー」
「鮮魚大盛りー 照り焼きー5つ 了解ー」
神山はここに来ると なにか元気を貰えそうで 好きなお店だった
「ねえ 神山さん内緒よ」
「うん」
「亜矢子さんもしかしたら 辞めるかも知れないわ」
「ああ お母さんの事だね」
「なんだ 知っているの もう つまらない」
「そこまでだよ 知っているのは 教えてよ」
「それで 家を建てるんだって 貴方と相談したいって言っていたわ」
「うん 時間がね 由紀枝と逢うのにも難しいし うーん」
「そうね でも早い時期に相談にのってあげて」
「わかった もう相談者の行列だよ」
「えっー そんなに女を作ったの もう」
「違うよ 恋愛の相談とかさ 結婚の相談とかなどなど」
「へぇー 凄いじゃん アドバイザーね」
「うん ニーナ・ニーナのメンズアドバイザーに成ったよ 昨日」
「えっ NNのメンズ またぁー あそこは婦人服だもん 駄目よ」
「それが本当の話なんだな 副社長と同じだよ それでね
出来たジャケットを着るんだって そのうちにシューズやバッグさ」
「わぁー ほんと 凄いですね そうするとこのファッションが変わるの」
「うん 基本はこのファッション路線だよ だから婦人と路線が
少し違うけれど シンプルで上品なデザインをするそうだ」
「へぇー 凄い なんでも出来ちゃうのね 見直したわ」
「ははは 子供は出来ないけれどね」
「もう ばーか 当たり前でしょ なに考えているの 幻滅ー」
「ははは まあまあ 食べようよ」

「神山さん 美味しいしめ鯖があるけど 食べる?」
「わぁー 食べますよ お願いします ねえ由紀枝」
「ええ お願いします ふふふ」
女将がしめ鯖のおつまみをだすと 神山と由紀枝は一口食べて
「うん いけますね 美味しい ねえ由紀枝」
「美味しいわ 久しぶりに美味しいものを頂きました 幸せー」
女将はニコニコして
「日本酒2合サービスだよー」
「はーい 2合2本サービス」
「おいおい 女将2合を2本なんて 大丈夫?」
「大丈夫さ さあ どんどん呑んでね」
「ありがと」
由紀枝は日本酒を美味しそうに呑んでいるが
神山は車があるのでセーブしながら呑んだ

「ねえ 祐子さんはどうしたの?」
「うん お留守番だよ なんで」
「一緒に鎌倉に行きたかったなー」
「そうか」
「うん ゴルフのパーティーの時に話していたんだ だから ふふふ」
神山は由紀枝の優しさに 心を打たれ
「分かった 呼ぶよ 明日合流だ いいね」
「ほんと 嬉しいなぁー」
神山は祐子に電話をした
「神山ですが」
「わぁー どうされましたか 大丈夫?」
「うん 明日朝に渋谷 9時に来てください 洋子も一緒だよ」
「えっー 嬉しいわ ありがとうございます」
「うん 洋子に電話をするから 合流するところを確認してね」





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