2012年12月13日木曜日

Vol.887 紫陽花 -10-55



神山達はゆっくりと食事をしたので次長室に戻ったのが
14時30分だった 神山は15時5分前に起こしてもらうよう寝た
洋子が55分に起こすと お中元の処分に行くといい部屋をでた
事務館の配送課で待っていると 神山をみて
「すみませんが神山さんは いらっしゃいますか」
「私ですが」
「こんにちは メイドクラブから来ました 山中と言います」
神山は倉庫の鍵を開けると 山中は商品の多さにびっくりした
山中が考えていたのは 化粧箱に入っているものだと思い
ダンボールの中に 商品がじかに入っていたので 驚いた
それでも山中は 部下と一緒に丁寧に一つ一つの定価を
スキャナーで読み込み 確認してから別なダンボールに入れていった
全てが終わると山中は
「神山さん 凄い量ですね 全部で178万円分ありまして 今回は
75%で如何でしょうか」
「ええ お願いします」
「そうしますと 133万5千円です 少々お待ちください」
山中はバッグからお金を出し神山に手渡した
「神山さま 次回もこれだけ纏まれば78%で引き取ります」
「はい では貯まりましたら また電話をします」
山中は丁寧にお辞儀をして 車をだした

神山は次長室に戻ると洋子が不在で メモが無いので化粧室だと思った
次長席に座ると各ブースのデザインを詳細を見ていた
特に気をつけなければいけない所は無く それよりも地下の共有部分に
何処の会社がどの割合で 出資してもらえるか考えた
メインは鈴や食品と東都食品で 次にアレックス 最後にニーナ・ニーナ
出資比率を考えたがニーナ・ニーナはどう見ても20%が上限だと思い
そうなると アレックスと食品で80%をどう振り分けるか 考えた
神山はアレックスのビーフジャーキーやユニフォームの事を考え
50:50の出資でいいだろうと思った
地下共有部分に10億掛けるとすれば ニーナ・ニーナが2億になり
ブースにお金を掛けられなくなってしまう
「ごめんなさい 戻りました ふふふ」
「おいおい おトイレ 長かったね」
「まあ 本社人事に行っていたの メモあるでしょ そこに」
神山は洋子が示した 机のところに貼ってあるのを見つけ
「ごめん 見えなかった ははは」
「それで スイス銀行からメールが来ていたの 私 本社人事のアドレスを
送ったものだから そこに来ていたのよ はいプリントアウトしたものよ」
神山は読んでみると 日本時間の15時から口座を開設したので
利用できる事が書かれていた

「うん ありがとう そうすると 明日入金をするよ」
「ええ 良かったわね ふふふ」
神山は祐子に電話をして 今夜は遅くなる事を伝えた
「そうそう おじ様がこのメモを渡してくれって」
神山は見てみると 口座番号が書かれたものだった
こちらの入金も 明日朝一番で入金する事にした
神山がソファーで寛いでいると ニーナ・ニーナの面々が次長室に訪れた
筒井が神山と握手をすると モーガンも握手をした
神山がソファーを勧めると洋子にビールを出すよう支持した
「神山さん 大変素晴らしい事です 繊維協会の理事になられて
本当におめでとうございます」
「しかしながら 決裁権のない理事ですから お飾りですよ ははは」
「それでも 成りたくても成れない人が沢山居るんです 良かったですよ」
「はい ありがとうございます」
「山ちゃん おめでとうございます それと聞いたよ 鈴や食品の
副社長の件も おめでとうございます」
「まあ あちらも担当副社長ですからね」
「でも時田さんの次に偉いんだからな 大したものです 良かったよ
山ちゃんを味方に付けておいて ははは
そうそう これはモーガン副社長の気持ちです こちらは日本の気持ち
少ないが どうぞ収めてください」
神山は包みを受け取ると モーガンと筒井にお辞儀をして次長席に置いた
祥子が神山に笑顔で
「神山次長 上原も順調に育っています ありがとうございます
それで 私たちの気持ちです 受け取ってください」
神山は包みを開くと デザインシャツが現れた
「わぁー 素敵ですね」
「ええ あのスーツとお揃いのシャツなんですよ パリに型が残っていて
大至急作って貰ったんです たまたまタイミングよくお渡し出来ました」
「山ちゃん シルク100%で縫製はしっかりしているよ」
デザインシャツは2着あり 1着はネクタイを結べるような襟の作りで





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